平成29年12月11日知事会見記録
ID番号 N60705
平成29年12月11日10時30分から11時03分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
知事
まず、タイと中国・上海訪問についてです。12月13日から19日にかけて、タイと中国・上海市を訪問します。12月14日にはタイへの県産農林水産物のさらなる販路拡大とタイからのインバウンド客の増加につなげるため、タイ在住の流通・観光関係者等を招待し、PRレセプションを開催します。また、タイ訪問期間中、PRイベントの開催、タイ王室への県産リンゴ「プレミアム冬恋」の献上、百貨店、飲食店等でのフェアを通じて安全で安心な岩手の高品質な農林水産物のPRを行います。
さらに、現地テレビ番組への生出演、そしてラムウォン盆踊り大会、これは2年に1度行われる、タイ最大級の日本関係イベントで約1万人が来場するというものですけれども、そのラムウォン盆踊り大会会場で岩手の豊かな観光資源のPRを行い、盛岡さんさ踊りを披露します。
上海市では、日本岩手県観光物産店オープニングセレモニーに出席し、ハロウインターナショナルスクール上海校の視察を行います。タイ、上海訪問によって、岩手県産品の取引拡大や岩手を訪れる外国人観光客の増加につなげていきたいと思います。
2つ目の発表事項は、平成29年度の岩手県文化スポーツ表彰受賞者の決定についてです。岩手県文化スポーツ表彰は、今年度、文化及びスポーツに関する事務を知事部局に一元化したことに伴って、新たな知事表彰制度として設けたものです。文化とスポーツの振興に顕著な功績のあった個人または団体を表彰するものです。今年度の受賞者は、文化芸術やスポーツ分野の振興に多大な貢献をいただいた文化分野で個人3名、団体2組、スポーツ分野で個人9名です。表彰式は12月21日、エスポワールいわてにおいてです。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの知事からの発表事項2件について、各社から質問がありましたらお願いいたします。
記者
タイ・上海訪問の関係でお伺いしたいのですが、タイの方で県産リンゴの献上とあるのですが、具体的に、タイ、上海に売り出していきたい農林水産物、特にも力を入れていきたいというものがあれば教えてください。
知事
タイは、リンゴに特に期待があるということで、リンゴに力を入れて行うのですけれども、その他にお米、牛肉、水産物についてもPRしたいと思っております。リンゴについては、産地のJAいわて中央の皆さんも同行しますし、タイは黄色い色が珍重されたり、好まれたりしているということで、黄色いリンゴである「はるか」や「冬恋」が特にいいのではないかなというふうに思っています。
記者
上海の方も何か特に力を入れていきたいと、観光なのかもしれませんし、その点もお願いします。
知事
上海では今回、日本岩手県観光物産店という、アンテナショップというよりは御用聞きの窓口といいますか、デパートの外商部といいますか、南部鉄瓶はじめ岩手の物産については、上海でかなり知る人ぞ知るというところになってきていますので、そういう上筋のお客さん方から注文などいただいて、さっと手配するような、その場でもいろいろ岩手のものを買っていただいたりできるようにはするのですけれども、その場で買うというだけではなくて、注文いただいたり、また、商談ができるような、そういう拠点にしていきたいというふうに思っています。
記者
これまでトップセールスというと香港であるとか、台湾であるというような印象もあったわけですが、今回改めてタイと上海を選んで、どういった成果を上げたいかといった狙いについて改めてお願いします。
知事
今年1月に訪問したベトナムもそうなのですが、東南アジアの方でも日本への旅行、日本の物産の利用が高まっていて、岩手への観光客数も、タイからの観光客数は非常に高い上昇率を示していますので、そういう関心にきちんとお応えして、岩手の宣伝をしていきたいというふうに思っています。バンコクに知事が行くのは初めてなわけですけれども、上海の方は既に何度も行って上海万博という大きな実績もあるのですが、上海の方はそれらの蓄積の上にもう一段ステップアップというような感じで訪問します。
幹事社
発表事項に関して、ほかに質問なければ、次に移ります。本日は、(記者)クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問がありましたらお願いいたします。
記者
岩泉町長の関係で1点お伺いします。問題を受けて、先週金曜日に土曜日付での辞職というのを表明されて、そういうことがあったわけですが、一連の問題を受けての知事の所感をお伺いしたいのですけれども。
知事
県として、詳細は承知していないのですが、大変驚いています。昨年の台風第10号災害からの復旧・復興の最中のことでもありますので、大変残念に思います。県といたしましては、政策地域部の中に台風災害復旧復興推進室を設置して、岩泉町との連絡調整はじめ、県としても県の直轄の事業の他、岩泉町の事業の支援も行ってきましたし、そういった岩泉での事業と、岩泉への支援については、県としてこれからもしっかり行っていきたいと思います。
記者
今もお話がありましたけれども、復旧事業のさなかということで、町民の方から見ればスケジュールどおりに進むのかとか、一部不安なんかもあるかと思うのですけれども、その辺り県としても対処していくということでよろしいでしょうか。
知事
そうですね、事業に遅れが出るというのは被災者の皆さんや、また、復興に携わる皆さんにとって、それは不本意なことでありましょうから、そうならないように県としても対応していきたいと思います。
また、ちょうど町議会に復興の5年計画ですね、5年計画の案も出たということで、ようやく5年というスパンの中での復興のビジョンも示されてきているところですので、県としても今、目の前の課題、復旧事業等をしっかり進めながら、また、岩泉町の皆さんがそういう将来ビジョンを抱いているということも、そこにも寄り添いながら岩泉の復旧・復興から地域振興ということを取り組んでいきたいと思います。
記者
それから、当事者間で事実関係の認識のずれがあるようなので、ちょっとお話を伺うのは難しいのかもしれないのですが、少なくとも男女共同参画であるとか、女性の活躍支援というところで、地方自治体の役割というのを担っているかと思うのですが、その長の立場にあった方がこのようなことになるということについてはいかが受け止められますでしょうか。
知事
今回の個別事案については、まだ詳細を承知していませんので、直接のコメントは控えたいと思いますけれども、一般論として事実関係での争いみたいなことが起きるということ自体好ましくないと思いますので、そういうことが起きないように行政の側、また行政に携わる者はしっかりやっていかなければならないというふうに思います。
記者
8日にIGRの取締役会が開かれまして、その中で平成29年度の決算見通しが報告されて、承認されたというふうに伺っております。その中で、IGRの説明によると決算見通しが当期で約4,400万円の当期損失で、当初計画では3,800万円の黒字でしたけれども、約8,300万円の下方修正によって、赤字になるということで、(平成)28年度に続いて2期連続の赤字になる見通しになったということです。これに関して、知事も会長という立場ですけれども、ご所感をいただければと思います。
知事
決算は年度末に確定しますので、今月の時点ではまだ決算見通しが示されたという段階なわけでありますけれども、いわゆる純損失という見通しになっているわけですが、主な要因として旅客運輸収入等の減という説明がなされていますけれども、具体的には寝台特急の運行終了に伴う影響が大きいというふうに認識しております。この寝台特急の運行終了によって、いわば赤字構造のような長期的に赤字が続くような構造になってしまっていますので、IGRにおいては、まず今年度については、さらなる収入の確保と徹底した営業費の圧縮という形で収支改善に努めていかなければならないわけですけれども、その先のことも考えていかなければならないわけで、今、次期中期経営計画の策定を行っているところでありますので、この中期的な経営状況の把握ということをしっかり行って、その中で中期的な経営戦略を立てていかなければならないところですので、そして県としては県出資法人に対する指導監督という観点から適切な指導、支援を行っていきたいと思います。
記者
今知事もおっしゃったように、私もIGRからの説明で、1日当たりの利用者数は減っているということはないのですけれども、近距離の方の利用が多くて、遠距離の方がなかなか増えない分、どうしても客単価が落ちているという、慢性的になり得るかもしれない問題があるのと、もう一つ慢性的といえば、知事もおっしゃったように寝台特急の運行終了ということで、年3億円分ぐらい収入がなくなってしまったということが大きいのだろうと。あと今回に関しては、(平成)28年度にあった減価償却費の計上漏れというよりは、どちらかというと線路使用料の概算が精算の段階でもらい過ぎていた分を返さなければいけなかった分も大きかったのが響いているというのが今年度の見通しの段階での状況のようなのですが、そうすると中期経営計画を今策定するということですけれども、何か新しい新機軸を起こさない限りは、赤字体質がまた赤字経営になっていく基調になっているのかなと思うのです。そういう意味では、本業は鉄道なのですけれども、何か手を打たなければいけないと思うのですが、今、(計画を)作っている段階ですけれども、どのように展望されるかちょっとお聞かせいただければと思います。
知事
もともと並行在来線という制度の中で、かつては東北本線という国家的な路線だったわけですけれども、これを新幹線が並行して、しかも整備新幹線という枠組みの中の新幹線に対応し、並行在来線は国鉄、JRから外していくという国の政策の中で第三セクター化されているわけで、そういう特に東北本線、国の幹線、線路だった部分を地方として持続可能な形で経営していくというのはかなり大変なことではあるのですけれども、一つはJR貨物や、そしてまたJR東日本の寝台特急の運行は終了したのですが、四季島というそういう新しい(寝台列車)が利用する可能性もあるわけで、一つはそのようなオールジャパンの交通政策の中での持続可能な経営ということがあると思います。
もう一つは、通勤、通学、そして通院というのも大きい要素なのですが、そういう日常生活の路線として維持していく、プラス観光の大事な資源として活用していくと。そして、そういった鉄道事業を盛り上げ、また鉄道の利用を効率的に、また利用の需要を高める相乗効果があるような関連の事業とか、あとは人の動きや、また土地の保有といったノウハウの延長上でさまざま展開可能な事業とか、そういったものをどう組み合わせていくかということを次期中期経営計画策定の中で見定めていくのかなというふうに考えます。
記者
利用効果を高める関連事業ということで、関連事業に関しては不動産だったり、旅行業だったり、あるいは物販、飲食というのもなさっていますけれども、この前の取締役会後の説明によれば、あくまでもこれは補完するようなもので、大きく黒字に伸ばしていく事業にはなり得ないというふうに菊池社長がおっしゃっていたので、今は組み合わせでということでしたけれども、組み合わせプラス、やっぱり新しい何かドル箱みたいなものをつくっていくのが求められていて、それが中期経営計画に入るのかどうかなのかなと思うのですけれども、今、策定段階ではありますけれども、経営計画はまだこれから成案化されていく段階ということで受け取っていいでしょうか。
知事
岩手県にはもう一つ三陸鉄道という第三セクターがあって、そこはもう長らく赤字ということが構造化されていて、何か手品のように黒字化するという手はそう簡単にはないということは、岩手の第三セクター鉄道関係者としては骨身にしみてわかっていることではあるのですけれども、一方、三鉄の方も含めて赤字ということを仕方がないと諦めてはならないと思っていますので、そこは常に何かチャンスというものには貪欲に対応していきたいなというふうに思います。
記者
ありがとうございました。あともう一点、別件でお尋ねします。内陸に整備される災害公営住宅の件で、盛岡(市)の月が丘に整備されている備後第一アパートの災害公営住宅の50戸分ですね、14日にも入居の部屋決めの抽選があるというふうに聞いています。昨日、たまたま入居予定者の方の見学会というのが支援団体の方で催されて、私も取材をさせてもらったのですけれども、今3棟3種類ある中で、2月中にもできる予定だという24棟分の方は、形は見えているのですが、残り同じマンションタイプと、あと長屋タイプの方はまだ来年度に完成が予定されている中で、タイプも違うし、入居予定者の方も高齢だったり、ファミリーだったり、あるいは若くても高齢でも、単身だったりという中で、そういう条件を特に(考慮が)なく50戸分全部が同じ抽選方式になるというふうにちょっと聞いたのです。この決め方について、例えば、足腰の悪い方に長屋タイプの階段を使わせるのかとか、共同タイプはエレベーターがつくという話ですけれども、まとめて全部抽選するのがいいかどうか、もうちょっとやり方があるのではないかなと思ったのですが、知事、その点はどのようにお考えになりますか。
知事
いろんなノウハウがあるのだと思いますので、公営住宅経営の今までのさまざまなノウハウの蓄積とか、いろんな知見を活用しながら、またそこに入ろうとしている被災者の皆さんの実態に合わせながら現場において工夫してもらえばと思います。
記者
先月、熊本市で市議(会議員)が議場に赤ちゃんを連れてきていて、本会議の進行が遅れるという事態が発生して波紋を広げているのですが、このことについて知事の所感をお願いいたします。
知事
議会のルールというのは、それぞれの議会が自ら決めていくという議会の自治の中で行われるというのが基本なのだと思いますけれども、そうですね、外国の国会で赤ちゃんが抱っこされて、あるいはそこそこ大きくなった子供も同席されて、採決で一緒に手を挙げているなんていうのは、テレビに映っているのを見たりもしましたけれども、そういう世界にも視野を広げるといろんなルールの決め方があるのだなと思いますので、それぞれの議会、国であれ、地方であれ、工夫をすればいいのではないかなと思います。
記者
議会側としては、議場に傍聴人を連れ込んではいけないという規則の中で、ルール違反があったということで、市議(会議員)に対しても厳重注意をしたのですが、知事もおっしゃられている女性の仕事と子育ての両立という視点からいえば、議会としてももっと違う対応があったのかなということもあると思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
知事
熊本市議会においても熊本市民の皆さんの民意を反映させながら、どういうルールにすればいいのかということで、今悩んでいる最中でありましょうから、ちょっと遠く離れたところからああすべき、こうすべきとかというようなタイミングでは今はないと思うのですけれども、(私は)国会議員時代ですけれども、小型のパソコンを本会議場とか委員会室とかに持ち込んで使うなんていうのをルールが曖昧な段階から積極的にやっていた方ではありまして、だから自分が議員であったころには議場のルールというのは広め、広めに解釈し、またどんどんより自由にしていく方がいいなとは思っていました。
記者
大谷選手の関係でお伺いしたいのですが、ロサンゼルスのエンゼルスに入団が決まりまして、二刀流というところも活躍が期待されると思いますし、県民の間でも喜びの声というのが上がっているわけですが、知事の所感をまずお伺いします。
知事
いろいろ報道されているのを見たり、聞いたりしますと、かなり伸び伸びやれそうで、また二刀流も続けられそうなので、いいのではないかなというふうに思っています。ロサンゼルス、アナハイムも含めてですけれども、岩手県人会もありますし、私もちょっと前にトップセールスで訪問して、岩手の牛肉も売れるようになっていて、牛肉の宣伝とか、他の岩手の物産を宣伝し、そういうのを置いてくれる、日本食をばんばん置いてくれるスーパーとかもありますので、いざとなったらそういう岩手のものも食べることができるところで生活して、プレーできるというのはすごくいいのではないかなと思って期待しています。
記者
県内でも何か応援イベントをするみたいな動きもあるように聞いているのですが、県として何かというのはないかもしれませんけれども、今後応援するという意味で何かありましたら。
知事
応援イベントというのはロサンゼルスとか、アナハイムに行って何かというようなイベントですか。
記者
岩手で何かイベントやるという話。
知事
アナハイムも含めロサンゼルスも、あるいは広く南カリフォルニアと言ってもいいのかもしれないのですけれども、そこに対する親しみが岩手県民の皆さんに飛躍的に高まるのではないかと思います。また、岩手県人会の話をしましたけれども、あれは南カリフォルニアで岩手県人会ができているのですけれども、そういう縁もあるところですので、改めて岩手県民とエンゼルスの地元の関係が発展していくといいなというふうに思います。
記者
知事もトップセールスで行ったことがあるところだということですが、例えば機会があれば、今後現地で応援に行くみたいなことも可能性としてはあるのでしょうか。
知事
ロサンゼルスは、アメリカの中でも日本から飛行機でひょいと行きやすいところではありますので、便数も多いし、値段がそんなに高くない便もありますので、大谷選手がエンゼルスに入るということで、その地方に対する関心は、私の中でもさらに高まっています。
記者
大谷選手の件なのですけれども、どういった活躍を期待されますか。
知事
けがをせず、病気にもならず、健康ではつらつと活躍してほしいなと思います。大谷翔平君らしくあればいいなと思っていて、これは人それぞれ、ファンそれぞれかと思いますが、成績とか、チームが優勝するしないとか、そういうことよりも、日本で活躍していたときも突然ピッチャーで1番バッターに起用されるとか、そういう今まで日本のプロ野球界で誰もやったことがないようなことをやるというところがすごかったので、そういう大谷翔平君らしさというのをアメリカでも自由自在にやるということを期待したいと思います。
記者
続けてですけれども、二刀流が注目されると思うのですけれども、知事としては投手と打者どちらの姿をまず見てみたいですか。
知事
そこは、アメリカでも昔はいたみたいですけれども、最近はそういう選手はいないようなので、アメリカプロ野球イコール、それは世界のプロ野球の常識を覆すような形で、そういう意味で両方やることに意義があると思いますね。
記者
今の話に関連して、日本食のスーパーも多いというお話がありましたけれども、海外生活のご経験もある知事から、その辺の海外での生活のアドバイスみたいなものがあれば教えていただきたいです。
知事
実は、私は西海岸にはあまり行ったことがなくて、留学も東海岸の方に行っていましたから。この間、知事としてロサンゼルスやその周辺に行った時に、西海岸の日本への近さとか、あと日本人の人たちが働いたり、生活したりしているその多さとか、改めて驚いたところがありますので、まずはそういう日本人の人たちのネットワークとか、つながりとかを生かして安心・安全に生活するということが大事なのかなと思います。
ディズニーランドもあればハリウッドもある、非常に楽しめる場所ではあるのですけれども、野球をしに行くのでしょうから、まずは野球をきちっとやれるような安心・安全の確保とコンディションづくりということが大事で、南カリフォルニアのあの辺は、そういうことがやりやすいところだと思います。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は12月25日(月曜日)の予定です。
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