平成29年11月28日知事会見記録

ID番号 N60487

平成29年11月28日10時30分から10時56分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
 今日は、図柄入りナンバープレート提案デザイン決定についてです。岩手ナンバーと、それから盛岡ナンバーの図柄入りナンバープレート導入ということで、デザイン案を一般公募しておりましたが、応募のあった94作品の中から選定委員会で各5作品を選定し、今月の1日から15日まで県民投票を実施したところであります。その結果、最も支持を集めた作品を県及び盛岡ナンバー構成5市町から国土交通省へと提案することといたしました。
 岩手ナンバーの方は、盛岡市在住の高橋香理(たかはし・かおり)さんの「銀河鉄道の夜」、そして盛岡ナンバーの方は、大槌町在住の蛇口禎治(へびぐち・ていじ)さんの「不来方の風」に決定いたしました。では、それをお見せいたしましょう。「銀河鉄道の夜」と「不来方の風」ですね。
 提案期限が12月1日なので、それまでに国土交通省の方に提案するという形になります。そして、国土交通省が設置する有識者審査会の審査を経た上で、来年7月ごろにデザイン決定、そして10月ごろに交付開始という予定です。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いします。

記者
 今のナンバー(プレート)なのですが、盛岡ナンバー、岩手ナンバー、デザインが決定したということで、それぞれ知事のご所感ということをお聞かせください。

知事
 岩手ナンバーの方は、「銀河鉄道の夜」ということで、岩手県に関連するもので何を知っていますかというような問いに対し、宮沢賢治という答えが一番多いのではないかなというふうに感じております。岩手にまつわるものの中で一番知名度が高いのが宮沢賢治という名前であり、存在かなと思っておりまして、その代表作が「銀河鉄道の夜」でありますから、岩手を代表するにふさわしいデザインなのではないかなと思います。
 それから、「不来方の風」の方は、盛岡らしい代表的なものを集めて一枚の絵にしたということで、盛りだくさんな感じ、にぎやかでいいのではないかなというふうに思います。

記者
 あと、国交省への提案で今後決定されるかどうかという部分も含めて審査されると思いますが、今回、この2つのナンバー(プレート)で県外に岩手、盛岡を今後どのようなPRに役立てていきたいかというところをお聞かせください。

知事
 それぞれ岩手らしさ、盛岡らしさというのが強く出ているデザインだと思いますので、岩手に対する好印象、好感を高めていただいて、観光とか物産とか、そういったところにも好影響が出てくることを期待します。

幹事社
 ほかよろしいですか。
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 岩手競馬についてお伺いしたいと思いますが、17年度事業で1億円以上の利益が出る見通しとなっていたわけですけれども、構成団体の返済よりも施設修繕を優先させるということが先日の議会で説明されたと思います。構成団体の返済ルールで、1億円以上の利益が出た場合は返済に回すというルールがあったと思いますが、この点についてどのように判断されて、こういうふうになったのか、お聞かせください。

知事
 計画以上の売り上げがあったというのはそのとおりなのですけれども、一方でさまざまな修繕、改修などの必要性というのを詰めて検討した結果、必要なコストというものも高まって、差し引き返済可能な利益には至っていないということでありまして、これは収入面についてもっと頑張っていかなければならないということがありますけれども、やはり改修、修繕等一定のコストというものも持続的な岩手競馬の経営にはやはり不可欠でありますので、まず今はこういう状況かなというところだと思います。

記者
 今知事おっしゃったように、岩手競馬を持続させていくためには一定の施設修繕というのは必要なのだと思います。ただ、今回だけでそれが終わるわけでは当然なくて、これからそういった利益が出た場合であっても、必要なそういった修繕とかは今後も続けていくというようなお考えになるのでしょうか。

知事
 この修繕については、あまり早い段階から、ある一定の様式、設計とか見積もりとかをベースにした何百万円、何千万円という修繕が絶対必要というようなことをあまり早い段階に確定してしまいますと、そのコストに見合うだけの収入がなかった時に、岩手競馬は廃止ということになってしまいます。ですから、毎年の計画を立て、予算を編成する段階においては、収入の見通しの中で競馬存続が可能なようなコスト調整を行って、経営を持続させていくというような予算や計画の立て方をするわけでありまして、また、修繕とか改修というのは技術的なこともありますので、さまざま検討した結果、より安くできるということもありますし、またその逆の場合もあり得ることでありまして、これは復興事業でさまざま契約変更でありますとか、県議会の方にも報告したり、了承をお願いしているような計画変更とかというものが物を工事していくためにはつきものなのですけれども、そういった不安定要素が、ルール上、岩手競馬の廃止というものに、それが逃れられないものになってしまうようになりますとまずいので、年度の途中にさまざま調整をしながら黒字を確保するというやり方をさせていただいて、10年(連続黒字達成)ということであります。

記者
 この330億円の融資をする際に、構成団体以外の市町村からはさまざまな賛否があって今に至っているわけですけれども、その中の一つのルールが、利益が出たら一定程度返済していくという当時のルールがあるわけで、その辺を説明していく責任というのはあるのかなと思うのですが、その点今回の判断というのは、そういった他の構成団体以外の市町村であるとか、さまざま(な方に)理解を得られるとお考えでしょうか。

知事
 利益というのは、収益と費用の差であって、最終的には決算の段階で確定するものです。特に岩手競馬の場合は、四半期ごとに(※正しくは、5期に分けて)関係者の会議を開いて、赤字にならないように黒字を確保できるようなコスト調整というのを年度の最中にもさせていただくということでお認めいただいているわけでありまして、そういったルール全体についてはもう10年やってきていることですから、広くご理解はいただいていると思うのですけれども、恐らく急にどこそこを直さなければならない、どこそこを新しくしなければならないという話が出た時に、そういう話は聞いたことがなかったとか、今どのくらい危険な状態なのか、どのくらいぼろぼろになっているのかわからないということが広くあり得ましょうから、そういった実態というものを共有しながら、理解をいただくように努めていくということかなと思います。

記者
 もう一点別件でお伺いしたいと思うのですが、先日、松山荘で殺人事件ありまして、県の関与の強い施設での事件ということで、特別監査が先日入りました。その監査の結果とその後の対応についてお聞かせください。

知事
 まず、今回の事件で被害者となり、亡くなられた方に心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 事件の詳細は、現在調査中でありますけれども、いかなる理由があろうと人の命が奪われるということはあってはならないことでありまして、県が関与する社会福祉施設においてこのような事件が起きてしまったというのは遺憾に思います。
 県としては、岩手県社会福祉事業団と密に連携を図りながら、再発防止策の策定や実施、そして他の入所者の方々や職員のケアを支援してまいりますし、また、県内の社会福祉施設等に対し、施設利用者の適切な支援について、注意喚起する通知を出したところです。

記者
 特別監査の結果、何か、例えば施設側の問題点であるとか、そういう点は確認されたのでしょうか。

知事
 11月21日に実施した特別監査ですね。事件発生前までの施設対応については、特段改善等を要するような問題は認められなかったと聞いています。

記者
 岩手競馬の話に戻って恐縮なのですけれども、昨年度決算ベースで初めて構成団体に対しての返済というものが行われました。7,600万円余りだと思いますけれども。そちらの、競馬組合議会でも話題になりましたが、一旦、財政調整基金の方に積み立ててから、そこからの支出ということになって、別枠で返済金として、決算の中に7,600万円を盛るべきではなかったかというご指摘があったのですけれども、それについて知事はどのようにお考えでしょうか。

知事
 今回の決算は、全員賛成で決算を認定いただいたわけでありますけれども、会計処理の仕方というのはさまざま工夫の余地というか、改善の余地というのは常にあることでもありますし、特に構成団体住民、県は県民、市は市民の皆さんのご理解をいただきやすいような決算の形というのは追求していかなければならないと思います。

記者
 いわゆる財政調整基金という基金に積み立てることで、当初の返済ルールであった単年度の利益から支出するというところが、何か他の基金にまざってしまうことで、その理念が薄まってしまうのではないかという指摘もありました。財政調整基金から出すのであれば、もっと財政調整基金にこれだけたくさんあるのだから、そこで全部出したらどうなのというような指摘もあったのですけれども、今後、来年度以降ですけれども、1億円以上の利益を上げた場合の返済の方法としては、昨年度決算の財政調整基金への積み立てから返済するというのが返済のやり方のベースになるというふうな認識でしょうか。

知事
 お金を返す相手である岩手県当局と奥州市、盛岡市当局との間で、理解にそごがないことがまず第一でありまして、返す側、返される側との間で一定の金額が返済されるのだということを納得の上で、それが行われればいいのだと思いますけれども、おっしゃるように決算表の見方によってはいろんな疑問が生じるということがあるわけでありましょうから、どうすればそういう疑問が生じないようになるのかということについては工夫をしていかなければならないと思います。

記者
 私も岩手競馬についてなのですが、先ほどのやりとりの中で、そうすると今回、厩舎の施設の整備に充てるというのが、今回は特例というふうに捉えていいのか、それとも今後こういったケースがあり得るのかというところをお聞かせください。

知事
 岩手競馬の存続イコール持続的な経営という、そういう前提の中で、その前提を守っていくためには黒字を確保していかなければならないと。黒字を確保するためには、年度の途中で突然施設が使えなくなってしまうとか、また、何か危険なことが起きたりしてしまうというのは、その年度の黒字確保ということも危うくするわけでありますから、その辺の施設の状態というものの見極めと、そして収入の額の見極め、収入の額というのは今年も天候不順で丸1日吹っ飛んだりということがあったわけですので、やはり年度の終わりになってみないと収入は確定しない。そういう中で、収入と支出のバランスを取りながら、やるべきことをきちんとやるということは、10年間ずっとそうやってきたことで、今年度もそういうふうにやっているというふうに理解しています。

記者
 では、知事のそういったお考えだと、今後もこういったケースがある可能性はあるということでしょうか。

知事
 こういったケースというか

記者
 今回みたいなケースというのは、要は収入がある、返済の(ルールである)1億円以上(の黒字)というのになったにも関わらず、施設整備の方を優先して行うということは今後、構成団体への返済ではなくて、優先的に施設整備の方を行うということは今後もあるということなのでしょうか。

知事
 わかりやすく言うと、年度の途中のコスト調整を重ねながら、年度の終わりにおいて最終的に黒字を確保していくと。ただ、今年度は今の段階では最終的な黒字幅が返済可能な利益額には達しないという見通しを持ちつつ、コスト調整をしているということです。それは、今までずっとやってきたことです。

幹事社
 ほかになければ、幹事社からも質問させてください。私も岩手競馬の件で。構成団体融資の返済という点からお尋ねしたいことがあって、今回、(構成団体から融資を受けて)10年という節目で、平成28年度分の収支からの黒字幅が大きくて、初めて構成団体に元金の返済が行われるということがありますけれども、そう思っていて、恐らく今年度も利益が出れば、額はともかく返済が続くのかなと思っていたのですけれども、実際はどうも今後の実績から見るとそうならないと。今回と同じような返済額、平成28年度分の額で考えたら、残り329億なにがしですけれども、大体今回の返済額でいったら、あと400回以上払いぐらいになるわけです。そうなると、存廃で議会が紛糾して存続が決まった中で、競馬(議会)議員さんだったり、競馬関係者だったり、あるいは県民からも、返済するという姿勢を示し続けなければいけないという中で、今回10年の節目で返済。そうすると、今回は10年経ったという節目で利益もあったので、収支もよかった、発売額とか実績がよかったので払ったけれども、また10年先まで払わないのかなというふうに県民に思われるといけないと思うのです。そういう意味で、知事、その構成団体融資への返済ということに関して、改めて所感、県民に向けて話をいただければと思います。

知事
 新しいルールの下で競馬経営を進める中で、形式的には返済をすることになっているのに返済されない状態が続いて、競馬組合はもうおよそ返済するつもりがない、本音としては返済しなくていい制度として競馬経営をやっているのではないかという疑いもあったのだと思います。それに対して、返済という実績を示すことによって、制度としてあくまで返済というものが前提になっている制度だということを競馬組合もちゃんとわかった上でやっているということをお示しすることができたと思います。
 一方、施設の老朽化でありますとか、あるいは全国的に競馬のいろんな新しい施設が加わっていくような流れの中、施設に関するコストというものも一定ある中で、それを単年度赤字にならないような形で施設に対するコストを使っていくという必要性もあるわけでありまして、もし施設に関するコストの必要性という点で御理解を得られていないとすれば、そんなことしなくていいのではないかという思いが、疑問が広くあるとすれば、それを解消するようにやはり努力していかなければならないと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。
 

 次の定例記者会見は12月11日(月曜日)の予定です。

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