平成29年10月30日知事会見記録

ID番号 N59965

平成29年10月30日10時30分から11時16分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。

幹事社
 本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 日産とスバルで無資格者が(完成)検査をしていた問題で、県内の下請メーカーについても影響が出始めているということで、その受け止めと対策など今後の方針について教えてください。

知事
 岩手県内でもこの関係企業と取引のある企業があるということですけれども、県としては特に自動車産業関係は地元企業とも常に連絡を取り合って、何かあれば相談を受けられるようにしておりますので、相談があればすぐに対応していきたいと思います。

記者
 そういう無資格者が(完成)検査していたという日本の産業の信用を揺るがしかねないことが起きていることについて、知事の受け止めを教えていただけますか。

知事
 そうですね、これはもう日本全体のことあるいは世界を市場にしている、マーケットにしているという意味では、世界全体の問題でもあるのですけれども、人々の生活を支え、また経済を支える、そういう財やサービスの提供に当たってはきちんとルールが守られることが大事でありますし、特に人の命に関わるような財やサービスについてはきちっと自らを戒めて、今後こういうことがないようにしてほしいと思います。

記者
 その上で、県内の企業に影響があると産業とか経済にダメージがあると思うのですが、対策(について)改めてどういう形のものを取っていきたいでしょうか。

知事
 それぞれ取引や生産、あとは経営などいろいろあると思いますので、必要に応じて県の担当の方で相談に応じて対応していきたいと思います。

記者
 2020年の東京五輪の関係でお伺いします。オリンピックまで1,000日を切ったというところで改めてお伺いしたいのですが、岩手県内でも事前合宿の誘致であるとか、また、県産材、(花の)りんどうの活用とか、さまざま動きがあるわけですけれども、改めて県として今後どういうふうに取り組んでいくかというところをお願いします。

知事
 ブエノスアイレスでのオリンピックの国際団体の会議において、東京(での)2020(年オリンピック・パラリンピック開催)というふうに決まった際には日本がいかに東日本大震災で大きな被害を受けたか、そしていかにそこから力強く復興を進めているかということが紹介されて、それを世界と共有するためにオリンピック・パラリンピックをやりたいという、そういう東京の主張が認められて、開催が決定されたという経緯だったので、岩手県としてはその決定を歓迎したいですし、また、いわゆる復興五輪ということで日本が一つになり、また、世界と一つになりながら東日本大震災の悲惨さを改めて共有し、そして2020年の段階でもまだ復興については復興事業として残っている部分はあると思いますので、そこを力強く進めていく力となるような、そういうオリンピック・パラリンピックを期待します。

記者
 復興五輪というふうにうたわれているわけですけれども、被災自治体からは復興支援というのを具体化してほしいと、つまりどういうふうに復興五輪というのがどうなっていくのかというのはよく見えないということなのだと思うのですが、県として国であるとか、組織委員会であるとか、そういうところに今後働きかけていくとか、求めていくようなところというのはあるのでしょうか。

知事
 復興の力になるようなオリンピック・パラリンピックということが大事だと思います。岩手県の場合には、去年の希望郷いわて国体・希望郷いわて大会において、スポーツの力ひいては文化の力や、また、障がいのある人もない人も共に生きる、そういう共生社会づくりというような、そういった事柄が県民の底力を引き出して、また、県外からのさまざまな力もいただいて、それが復興の力にもなるようにということで、さまざま工夫して国体と全国障害者スポーツ大会をやりましたので、やはり主催する(東京)オリンピック・パラリンピック(競技大会)組織委員会や、あと東京都さんには日本政府と連携をしながら、そういう工夫をしていくことが求められると思っていますので、そういう話は折に触れ、こちらからもしているところです。

記者
 知事として復興五輪といった時に、具体的にこういったものを取り入れてほしいとか、活用してほしいとか、何か具体的に思っていることというのはありますでしょうか。

知事
 去年の国体・障害者スポーツ大会の時のことを思い出しても、全ての市町村が会場になるということで、ただやはり県の財政的支援とか、人的支援とか必要な市町村にはそういうのをしっかりやりましたし、また、岩泉町のように台風10号のせいで開催できなくなったところに対してもさまざま配慮したりとか、そういうきめ細かなやりとり、そして力強い手を差し伸べるということがオリ・パラであれば主催者側から被災地に対して必要になってくると思います。そこは本当にケース・バイ・ケースですから、主要な競技ができないところはデモンストレーション競技とか、あるいはそういった工夫が必要ですし、また岩手の場合、国体・大会プラスということで開会式のパブリックビューイングを沿岸の方でもできる工夫をしたりとか、普段国体・大会の枠内ではやってないようないろんな行事も行うとか、そういう工夫を日々重ねて、またそれは被災の現場とのやりとりの中で無理は強いないようにして、やりたい思いに対しては力強い支援を行うということでさまざま成し遂げることができたのかなと。
 あと開会式の中身も沿岸の郷土芸能を取り入れたり、また、沿岸の高校生たちのさまざまなパフォーマンスが開会式の中で繰り広げられたり、宮城県、福島県と岩手(県)の合同合唱団が合唱を行ったりとか、そういうことをやはり主催者の責任において必ず成功できるように被災地の力となり、また被災地とそれ以外の地域をしっかり結ぶ力になっていくようなことを主催者側が責任を持ってやるということが大事だと思います。

記者
 ラグビーワールドカップ™についてなのですが、開幕まで2年を切って、今週の11月2日には全試合の日程が発表になるということですが、改めてそれに向けて知事の所感をお願いします。

知事
 いつ、どういうチームが釜石でプレーするのかがまだ確定してないといいますか、イメージが湧かない状態から大分具体的なイメージが湧く状態になりますので、まずは岩手県内の盛り上がりが高まっていくことが期待できますし、そしてそういう中で、ボランティアとして参加しようとか、(試合に)やってくる国の言葉を勉強しようとか、県民の皆さん一人一人がさまざまどういう形でラグビーワールドカップ™の釜石開催に関わっていくかというのを具体的に考えて、そして行動に移すことができるようになると思うので、その辺を期待しています。

記者
 それと大会に向けてなのですが、今の県と釜石の取り組み状況、もしくは課題等があれば教えていただけますか。

知事
 全く初めての経験になりますし、ラグビーワールドカップ™の大会を行うというのは一定のスパンの中では空前絶後のことなので、全てが大変といえば大変なのですが、去年の国体・大会の経験でありますとか、また、去年の国体・大会を通して培われたスポーツに関する全国規模の団体や関係者の皆さんとのネットワーク、そういったものを活用しながら取り組んでいるところでありまして、その全てが初めてというところが課題といえば課題であります。

記者
 今月25日から昨日まで移動日を含めて5日間にわたって中国の雲南省を中心に上海市など中国をご訪問されておりました。目的としましては、雲南省との友好交流の促進ですとか、それから雲南事務所の設置についての連携強化等々ございますけれども、実質3日間の日程かと思われますけれども、その3日間の日程の成果をまずはお聞かせ願えますでしょうか。

知事
 岩手県と雲南省は友好交流協力協定を結んでさまざまな分野での活動を進めていますが、今回はまず地方政府間交流というトップレベルでの交流と、農林業に関する協力と、それから経済・貿易に関する協力、これはショッピングセンターでの岩手フェアですね、農林業に関する協力は農業シンポジウムの開催、そして学術協力ということで私が雲南師範大学を訪問し、また青少年交流という柱もあるのですが、岩手からの高校生たちもちょうど同じ時期に訪問し、非常に盛りだくさんな内容となりました。それぞれ非常にうまくいったなというふうに思います。
 中国は5年に1度の共産党大会で、そこで決まった重要なことを省政府や市など自治体政府、そして各種団体とか職域ごとなどで報告会とか、学習会とかを開いてちゃんと浸透させていくようなことが展開されていて、非常にみんな忙しい時期だったのですけれども、そういう中で雲南省側には非常に丁寧に対応いただいて良かったと思います。
 雲南省というのは、面積や人口からすればもう国ぐらいのサイズがあるわけですけれども、岩手県を同じ地方政府同士対等なパートナーとしてお付き合いくださって、今回もそのとおりで、大変ありがたいなというふうに思います。
 また、そういう中で、来年度からスタートさせる岩手県雲南事務所の予定地もちょっと見てきまして、大変いい場所にいい部屋を今確保しているところですので、来年度以降はそこをまた新たな拠点としながら両地域の友好交流協力をさらに進めることができるなというふうに期待します。

記者
 良好な関係を維持しているということを確認できたということでございますけれども、今後取り組んでいかなければいけないというふうにお感じになったことはございましたでしょうか。

知事
 農業シンポジウムもいろんな具体的なテーマについて共同で取り組んだり、あるいは議論、やりとりをしたりとか、それぞれにとって役立つ中身になってきているとは思いますし、あとは経済・貿易の関係では雲南省と岩手県の関係の発端である南部鉄瓶を今回も紹介し、南部鉄瓶でプーアル茶を入れて試飲していただくというのをやったのですが、他に県産品のラーメンの試食もやっていただいて、乾めんですけれども、めん類の販売や、あとはしょうゆなどの調味料の販売も行いました。そして、南部鉄瓶以外の南部鉄器として鉄鍋の紹介などもやりまして、岩手の物産を雲南省を起点にしながら、さらに中国(全域)で買っていただくような、そういう布石も打つことができたと思います。

記者
 今日から3日間、沿岸で三陸ジオパークの日本ジオパーク再認定審査が行われます。初めて行われますけれども、知事にとってこの4年間の取組を総括しまして、いかがでしょうか。

知事
 ジオパークは日本にも幾つか日本ジオパークがあり、世界ジオパークになっているところもあるのですけれども、この再認定という、言ってみれば免許の書き換えというのでしょうか、そういうふうに主催団体にチェックしていただくという、こういう制度がありますもので、これはジオパークになりっ放しで放っておかれるのではなくて、そういうふうにきちんとジオパークにふさわしいふうにやっているかどうか見ていただけるというのはありがたいことだなというふうに思っています。幾つか指摘された事項について、地元の方でも改めてしっかり取り組んで対応してきたところでありまして、ジオパークにふさわしい形になっているということを改めて認めていただいて、岩手の三陸ジオパークが多くの人に訪れていただき、また、科学や人文社会の観点から学びの場としても大いに機能していくことができればなというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。ガイドの養成や、また外国人の受け入れだったりと世界ジオパーク認定に向けてという部分での課題というのもたくさんあると思うのですが、世界ジオパークの認定に向けて、知事としてはどのようにこれから取り組んでいきたいとお思いでしょうか。

知事
 日本ジオパークとしてきちっと認めていただくことがそのまま世界ジオパークに向けた大きな前進になると思っていまして、まずは日本ジオパークとして遺漏なきような体制をきちっと取ることが肝心かなというふうに思っています。

記者
 一度認定されてから4年ということなのですけれども、これからの取組の中で具体的に何かやっていきたいということがおありでしたら教えていただきたいと思います。

知事
 まずは、チェックをしていただくので、そのチェックされたところに対してきちっと対応するということかなというふうに思いますが、三陸ジオパークの一つの大きな柱といいますか皆さんにここを見ていただきたいというポイントとしては、この東日本大震災のような大きな津波が押し寄せる地域であって、しかしそういった大津波をその都度乗り越えて、人々がそこで働き、生活しているのだということがあると思っていまして、陸前高田市内に既にもう着工されている東日本大震災の祈念公園ですね、この追悼祈念公園、そういった東日本大震災関係の部分というところを私としては力を入れていきたいなというふうに思います。

記者
 国政の関係で伺いたいのですが、衆(議)院(議員総)選(挙)が終わって先週1週間も主に野党の関係でさまざまな動きがありました。民進党の前原代表の辞意表明ですとか、希望の党をめぐってもいろいろ動きがありましたが、その中で立憲民主党の枝野代表が急いで野党再編を進める必要はないという認識を示されております。早急なものは好ましくないということです。そのことについて、まず知事の受け止めをお伺いしたいのと、早急に進める必要はないというふうな認識でいらっしゃるのか、それともある程度どういうふうに進んでいくのかという方向性を示す必要があるのかどうか、その辺りお考えを伺いたいですけれども。

知事
 今回の解散総選挙の解散という話が安倍首相から出る前の時点では、9月17日でしたか、9月の中旬に民進党と自由党と社民党の党首会談というのが行われる予定になっていて、野党第一党の民進党と、そして自由党と社民党、そこが一体となってまずは国会対応、そしてさらには選挙に向けてもみたいな、そういう流れがあったのだと思います。やはり野党第一党の民進党の方から呼びかけて、そこが司令塔役を果たして自由党、社民党がそこに参加していくと、そしてそこが一体となって、共産党との関係についても整理していくというような流れだったと思うので、かつての野党第一党だった部分が今大体3つに分かれていると、立憲民主(党)と希望(の党)と、そして民進党というのはそのままあって、無所属の人たちは民進(党)の党籍があるから大体そこなのかなと、大きく分けると3つに分かれていますので、まずはその3者の関係を整理しないと先に進まないというような認識を枝野代表が持っているのかなと思っています。特に希望の党が安倍政権の補完勢力になっていくのか、それともそうではないふうに行くのかまだ見えないという思いもあるのではないのでしょうか。

記者
 希望の党のスタンスというのが形として見えてこないと進まないというのは、政策面でも、あと与党に対するスタンスでも、その辺りをできるだけ早く示してほしいというのは、知事ご自身もそう思われますでしょうか。

知事
 ただ、希望の党の中で人事を決めるルールすらはっきりしてないし、政策を決める、そして国会対策を決めるルールもはっきりしてないのだと思うのです。だから、いつまでも待ってはいられないということもあるのだと思います。ですから、そういう技術論に走ったり、あるいは、はまったりしていくと、そこで足をとられたりする危険性もあるのかなと思っていまして、やはり、改めて議員一人一人がいかなる理念、政策で、いかなる国政を進めていこうとするのかというのを自分の軸をきちっと定めて、それが民意のど真ん中に多くの人たちの思いがはまっていくのであれば、一気に民意のど真ん中を軸にした結集というのはできないことはないとも思いますし、むしろそういうことを私としては期待したいところです。
 日本国憲法にも書いてあるように、国会議員は一人一人が全国民の代表者であって、また国会議員とそれ以外の人の違いは、総理大臣の選挙権、被選挙権あるかないかでありますから、国会議員というのは本質的には誰もがもし自分が総理大臣になったらこういうことをするのだという理念、政策をきちっと持って、そして自分が総理大臣になるのだという意思あるいは自分よりもこの人を総理大臣にした方がいいという意思、首班指名選挙というのを国会議員はやらなければならないわけで、だから自分も含めた中から誰を総理にするのかというのは、国会議員として決めなければならない非常に大事なことなのですよね。そして、誰を総理にするかというのを決めなければならないということは、同時にいかなる理念、政策で国政を展開していくのかということもそれぞれがきちっと自分として持たなければならない。自分一人で自分の中に完璧に用意できれば、それはそれに越したことはなく、そういう人が総理候補になってバンバン競い合えば国会は活性化するのですが、自分はそこまで至らないと思ったら、自分の苦手な分野をあの人は得意としている、あの人と一緒にやろうとか、あるいはこの人たちが力を合わせれば、もう国のかじ取りはできるというような人たちで一緒にやろうとかというふうに一人一人が国会議員の本来のあるべき姿にきちっとなろうと思えば、おのずと政権を運営していくような枠組みというものはできていくものだと信じます。

記者
 私も政治の話を質問させてください。衆(議)院(議員総)選(挙)が終わったので改めてお聞きしたいというのがあって、まず1点目、知事は県内の政治、県内政界において、知事という立場というよりは達増拓也さんとして、県内の政界に影響というか、そういう一角を担っているという、そういう認識というのはありますか。

知事
 まず、さっきの国政のかじ取りの形のでき方と同じような話で、私は私自身が知事であることがいいと思って、それで知事をやらせていただいていますし、そして、多くの人たちに手伝ってもらって、あるいは協力してもらってオール岩手、岩手全体としてこういう方向に進んでいくべきという理念、政策を作ってやっているところでありまして、政治的にはこれにより多くの人たちの賛同をいただいて、より安定し、またより力強くこれを進めていくことができればいいというふうに思っています。

記者
 かねてから知事は、知事であっても政治の活動というのは自由であるというふうに一貫して主張してこられていて、私もそうだと思っているのですけれども、その点で言うと今回、一有権者たらんとしているということで、衆(議)院(議員総)選(挙)自体をウオッチしていらしたのかなと思うのですけれども、さっきの質問の答えと先週の分の話を聞いていると、今回は知事が追求しようとしている民意のど真ん中の結集みたいなものが今回はちょっといろいろあってなかったので、一有権者としてウオッチする形で、自分が誰かを応援するとかというような態度は示さず、見守っていたということだったのかなと改めて私は思ったのですけれども、それでいいですかね、答え合わせみたいな感じになってしまうのですけれども。

知事
 今「ふうん」と思いながらお聞きしていたところではありますけれども

記者
 違いますか。

知事
 例えば、去年はおよそ10年にわたって私の政務秘書をやってくれていた人が国政選挙に立候補(した)という、そこでまずこれは全面的に協力しなければなというふうな思いでやりましたし、また、そこに私の知事選(挙)の時に結集してくださった皆さんも一緒にやろうということで結集してくださっていたということで、自然な形で参議院議員選挙に関与したとは思いますけれども、今回はそういう形はなかったということですね。

記者
 民主党が分裂した直後の2012年、平成24年はまた違ったとは思うのですけれども、奥さんが出馬されたので。今回も、前回も総じて同じようなスタンスで衆(議)院(議員総)選(挙)はいたと、それはまた違いますか、2014年と今回の衆(議)院(議員総)選(挙)というのは違いみたいなのはご自身でありましたか。

知事
 違いはいろいろとたくさんあるのですけれども、去年の参(議)院(議員)選(挙)の場合がわかりやすいのですとそれと比較すると、その前の年の知事選(挙)もそうだったのですけれども、例えば、安全保障関連法というわかりやすい争点もあって、それを成立させるということは日本国憲法の平和主義の趣旨に反することになると、専守防衛でずっとやってきた日本の防衛の在り方としてもアメリカや旧帝国といいますか、植民地が海外にたくさんある、そういう列強みたいな、はるか海を越えて戦闘に行く外征型の軍を持つ、外に遠征する外征型の軍を持つ、そういうことをしてはいけないというのが日本国憲法の趣旨だというのはかなり日本国民のほとんどに共通する思いでないかと私は思っているのですけれども、それは岩手県民のほとんどの思いではないのかなとも思っていますし、そこで私が何かをすることで県民のためにもなり、国民のためにもなると思えば、それはやるわけですけれども、今回そういうような選挙ではないような解散総選挙になってしまったのかなというふうに思っています。

記者
 わかりました。また別の政治の話なのですけれども、(衆議院議員)岩手1区についてなのですけれども、今回も特になのですけれども、自民党は選挙区の勝利ということにこだわって戦ってきて、今回も敗れたのですけれども、小選挙区制ができてから、今は階さんが5選を果たしたわけですけれども、それ以前は知事が(岩手)1区を戦ってきたという歴史があると思うのですが、この県都である(岩手)1区で野党系が強いというのは、これはずっと野党系の政治的な政策だったり、政治的な理念みたいなものがずっと歴史的に受け継がれて議席が維持されていると、そういう捉え方を私はしているのですけれども、知事自身はどうお考えですか。

知事
 岩手1区という地域は、近代化以降だけでも鈴木舎定はじめとする自由民権運動の活躍、全国を引っ張るような、明治の自由党の全国大会の議長がたしか盛岡の人がやったりとか、そういうところから始まって、そして平民宰相、原敬さんの選挙区でもあったところですし、そういう日本の政治を引っ張っていく、日本の政治をあるべき姿にしていくための力を発揮すべき地域だと私は思っていて、衆議院議員時代には岩手1区の有権者の皆さんにそういう誇りを持ってもらえるような、やりがいを持ってもらえるような、そういう選挙と議員としての活動を展開しようと思って10年半ほどやってきました。ですから、岩手1区というところはそういう選挙区であり続ければいいのではないかなというふうに思っています。
 それにあえてなった気して言わせていただくと、日本全体がついてこれるかどうかということが問題なのだと思います。岩手1区には、日本全体を引っ張る力はあると思っていますので、あとはそれに日本全体がついてこれるかどうかだと思います。もちろん日本を引っ張る力がある選挙区は岩手1区だけではないですよ。岩手県内の他にもありますし、岩手県外にも幾つかあると思っています。

記者
 知事としては、その(岩手)1区のそういう基盤というか、土壌を作ってきたという自負はご自身としてはあると。

知事
 まず、衆議院議員としての10年半は、そのために走り続けたと思っていますし、また、知事になってからも政治家個人としての政治活動的には岩手1区内の政治的にいろいろ志を持っている人たちとのお付き合いもある中で、さっきから言ってきたような方向性を守っていくためにある程度のことはできているかなというふうに思っています。

記者
 私も今の関連で1点だけ、ちょっとよくわからなかった点もあったのでお伺いしたいのですが、特定候補を応援するかどうかというところの話なのですが、参(議)院(議員)選(挙)は近い方が出たから応援したと、いわゆるイレギュラーな形だったのだと思うのですが、今回の衆(議)院(議員総)選挙で特定候補を応援しなかった理由というのはどこにあるのでしょうか。

知事
 さっきの参(議)院(議員)選(挙)との比較の話で、ポイントは候補者との個人的関係の在り方というところと、あともう一つは知事として国政に向かって何か発言したり、行動したりすることが、やるからにはそれだけの効果が出なければと思っていますので、そういった効果が今回は期待できない、そういう解散総選挙だったなということです。わかりやすい例としては、例えば安全保障関連法をめぐって、それに対する賛成、反対の構図というものが有権者の皆さんにはっきりわかるような解散総選挙になっていなかったというところが一つ大きい要素ですね。他にも重要な政策について、同様によくわからなかったということであります。

記者
 なかなか参(議)院(議員)選(挙)の時の安保法のようなわかりすい争点ですね、いわゆる有権者が二分するというか、分かれるような、そういった争点が見当たらなかったからと、つまり野党が結集して、与野党対決が明確になったという、そういう構図というよりは、そういう争点のところと考えてよろしいですか。

知事
 潜在的な日本の争点としては、本当に外征型の軍を持つ国になっていいのかという争点は今でもあるのですけれども、やはり大きかったのは民進党が丸ごと希望の党と合流するという話の中で、希望の党は安全保障(関連)法には賛成で、ただそこに丸ごと合流すると言っていた民進党は反対で、そういう賛成と反対が丸ごと合流するという話だったのに、合流しないで無所属で出たり、立憲民主党で出たりする人もいる中で、まずそこのところでどの党が賛成なのか、反対なのか、誰が賛成なのか、反対なのか。今話してきた中には、自民党という存在が言及されていなかったのですけれども、では自民党はどうなのかと、さっきから野党が一つにまとまっていないことが問題というような話をしてきたのですけれども、本当に自民党の所属議員の皆さんや、地方の議員や党員の皆さんが日本がそういう外征型軍隊持っていいと思っているのかとか、そういう方向に憲法を改正していいと思っているのかというと、そう思っていない人も多いのではないかと思うのです。にもかかわらず、政党としてそっちの方向にずんずん走っているという、自民党の在り方も実は問題なのですよね。だから、自民党という党に投票するということが、それがイコール日本が外征型の軍隊も持って、憲法も変えるということとイコールなのですかということは、私としては疑問に思うわけでありまして、そこははっきり、そして野党の中でもさっき言ったような話ですから、全体としてもちゃんとここに投票すればいいのだという話にもなるし、その中で、知事が、私がこの人を応援すればいいとか、この政党を応援すればいいとかということを不特定多数に向かって訴えられるような環境ではなかったということですね。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を

知事
 (次の予定を確認)

記者
 すみません、1問だけ手短に。先週もおっしゃっていた民意のど真ん中というところが、何となく言わんとしていることはおぼろげにイメージはできるのですけれども、具体的に言うと知事のおっしゃる民意のど真ん中というのはどういうもの、具体的に言うとどうなりますでしょうか。

知事
 これも前提として、政治家一人一人が自分がここがど真ん中と思う場所というのは、違うのでありましょうけれども、私としては自衛隊については基本的に戦後今までやってきたような役割を持ち、果たすものとして誇りを持って活動をしていただき、だからそういう自衛隊の在り方をめぐるような憲法の改正は必要ないと(思っています)。そういったことに政治が時間を割くよりも格差問題とか、貧困問題とか、日本経済の一番大きな家計の消費という部分がもう10年、20年、30年弱いままでいるような、そういう日本の経済社会を変えていくような政策を力強く進めていくべきという、その辺が民意のど真ん中だと思っています。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終わります。

知事
 あとそういった中で、地方が主役になるようにという要素も大きいですね。東京一極集中ではなくて、地方が主役になる形でそういった日本が実現していくということです。
 

 次の定例記者会見は11月6日(月曜日)の予定です。

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