平成29年7月24日知事会見記録

ID番号 N57315

平成29年7月24日10時30分から11時03分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
 今日の発表事項は、「いわて若者カフェ」の開設についてです。岩手県では、若者同士の交流を一層促進し、若者の主体的な活動を発信する場として、明日の7月25日、県公会堂地下に「いわて若者カフェ」を開設します。午後2時から「いわて若者カフェ」開設を記念してオープニングセレモニーを開催します。
 「いわて若者カフェ」は、今年2月に開催しましたいわて若者会議での若者の得意分野を生かして成功体験や課題を共有できる場が必要という提案を実現するものであります。若者が集ってさまざまな情報の共有や意見交換を行うことで、若者が就業、起業あるいは事業を行う上での生産性を高めるようなイノベーティブな場として設置することとしたものであります。私も含めて県職員も出入りしますので、県への提言もいただきたいというふうに考えています。
 オープニングセレモニーには私も出席しまして、カフェらしく中国茶を入れてサービスしたいと思っております。
 若者カフェは、当面、限定的に開設しますけれども、9月に本格オープンという予定でありまして、本格オープン以降は若者同士の自由な交流やインターネットによる動画配信ができるようにするなど岩手の若者の交流・情報発信のキーステーションになるように活用促進を図っていきます。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、今の発表事項1件について各社から質問があればお願いします。

記者
 本格オープンが9月ということですと、明日、オープニングセレモニーをやりますけれども、その9月までは定期的に開くような感じなのでしょうか。

知事
 しばらくは県職員の若手ゼミの集まる場所とか、活動する場所とかでまず使い始めて、本格オープンの暁には月1回程度カフェミーティングというのをやったりですとか、あと、申し込んでもらえば会議スペース的に自由に使えるとか、そしてまたインターネット動画を配信というか、発信できるスタジオ機能、これも基本的には県としての発信を考えているのですけれども、若者団体で県と折り合いがつけばスタジオ的に使ってもらうとか、そういう調整を9月までにしたいというところです。

記者
 これは、そうすると今年度限定というよりは、カフェとして常設化されて、今いろいろお話いただいたようなものに活用される場として定着されていくものだと受け取ってよろしいのでしょうか。

知事
 正式には年度ごと、事業というのは年度ごとになるのですけれども、気持ちとしては場所がずっとそこかというと、今、空いているからちょっと空いたままにするのはもったいないから若者カフェにしてしまうという発想もあるので、公会堂地下を本格的にテナント利用したいという話があれば場所を交代したりするかもしれないのですけれども、ただそういう機能は将来もあるといいなという気持ちは持っています。

記者
 以前に議会だったかでやりとりをしたものがこれだと今お話を聞きながらちょっと思い出して、明日、当然知事いらっしゃるそうですし、知事も近くで立ち寄れるような場所がいいなと言っていたのを何となく今やりとりをして思い出したので、いずれさっきの私の質問に対してのお答えが先ほどのとおりだったと思うので、それにしてもいずれ足をちょっと伸ばせば立ち寄れるような場所にはカフェはあった方がいいなというのは知事のお考えということですよね。

知事
 私自身が空いている時間あればひょいとカフェの方にいられるようにしたいなという、そういう気持ちもあります。

記者
 若者カフェなのですけれども、設置の経緯の部分なのですけれども、若者会議でそういったカフェが、若者が集う情報発信できる、そういったカフェがあればいいというお話があったということなのでしょうか。

知事
 そうですね、今年の2月、年度的には昨年度になるのですけれども、若者会議で、その2月の会議は分科会でいろいろ議論をしてもらって、その内容を私も参加するパネルディスカッションで発表してもらうという、ややかちっとしたやり方で初めてやってみたところ、そういう具体的な提案があったので、これはもうそれを生かすしかないなと思って、私の方からその場で、「じゃ、それやりましょう」というふうに答えたという経緯があります。

記者
 わかりました。あと場所なのですけれども、旧レストラン多賀なのですけれども、今はもう空きの状態で、例えばカフェに向けて何か工事とか、そういうのは特に。

知事
 工事というのはしてない。

知事
 パーテーションみたいなものやホワイトボードみたいなものを持ち込むとか、最低限の(改装をします)。

記者
 要は、簡易的なというか。本格的なカフェというよりは。

知事
 でも、カフェにもいろいろありますからね、会議室スペースで軽く飲んだり食べたりできるようにすれば、もうカフェかなという感じもしますし。

環境生活部長
 もともとレストランでしたので、落ち着いた雰囲気で。

知事
 そうですね、会議室という雰囲気よりはカフェに近い、カフェというイメージに近い部屋になっていると。

幹事社
 そのほかこの件についてはありませんか。
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 今週いよいよ(全国)知事会議が開幕しますけれども、その中で「千年国家の創造」と題して、岩手宣言をまとめる見通しとなっておりますけれども、この名称で京都府知事の意見だったり、被災3県の知事の意見というのも名前とか内容に入っている、考える際に入っているということなのですが、この宣言に込める知事の思いというのをお聞かせください。

知事
 全国知事会議の岩手会議における岩手宣言のような形で東日本大震災津波と、そこからの復興について、全国知事会の総意を全国に対して岩手から発信することが、岩手の力を発信することができるというのは大変ありがたいことであり、また、復興の後半において非常に効果的なことではないかなと思っております。改めて全国的に関心を高めていただいて、そして今からでもさまざま支援をしたい、共に復興を進めたい、そういう思いを持っていただき、またそれを形にしていただくことにつながればなというふうに思います。

記者
 ありがとうございました。「千年国家の創造」ということで、この先の1,000年の教訓を生かしてこれからの防災に備えていこうという意味があると思うのですが、そこの部分についての思いというのはいかがでしょうか。

知事
 そうですね、1,000年というのは東日本大震災の地震が、それを引き起こした地震が1,000年に1度の地震というふうに言われたりもしていますし、また、山田京都府知事会長さんからすると、歴史というのは千年単位で考えるものだという、そういう京都的な感覚もあるのかなと思いますが、岩手としても世界遺産の平泉約1,000年、900年前ですけれども、その前の前九年合戦とか、その辺まで入れると1,000年くらい前に戦乱からの復興ということで平泉のまちがつくられることになったという、そういう岩手としても1,000年のスケールで復興ということに思いをいたし、平泉の人と人との共生や、人と自然との共生というような理念を今の復興に生かし、また、日本の在り方にも生かしてもらえばというような、そういうさまざまな思いが合わさった宣言になるのではないかというふうに思っています。

記者
 原発の高レベル放射性廃棄物の最終処分場についてお聞きしたいのですけれども、政府は今夏にも日本地図を塗り分けて科学的特性マップを示すというふうなことを言っていると思うのですけれども、5月に岩手県でも自治体向け説明会がありまして、知事もこれまで県議会などで受け入れに関する考えはないというふうにおっしゃっておりましたけれども、まだ示されてはいないですけれども、改めて知事の今のお考えをお聞きしたいと思います。

知事
 日本の地質、地層について研究したり、整理したりという作業が高レベル放射性廃棄物の最終処分ということと関連して、政府のある部局において行われているということだと思うのですけれども、日本学術会議はそもそも大深度地下での最終処分というのは科学的な見地から見て好ましくないのではないかという話もしていますし、そういう中で政府も、あるいはオールジャパンとしていろんな作業が行われているのだなというふうに見ているところですが、いずれにせよ岩手県としてはそのような高レベル放射性廃棄物最終処分施設を受け入れる考えはありません。

記者
 ありがとうございます。あと一部の研究者の中では、岩手県もその適地の中として適当なのではないかというふうにおっしゃっている方もいるかと思うのですけれども、どういう形で示されるかはまだわからないですけれども、仮にその中に岩手県の県土が含まれたとして、県として現時点で何かしら考えている対応というのはありますか。

知事
 ちょっと報道されているところだと、石炭が埋まっているところは除外するとか、マイニング、鉱業的に不適当なところ以外は大体適地とされるのではないかみたいな話もあるので、今岩手に石炭の鉱脈がないというのは、ああ、そうですかと受け止めるのかなという感じですよね。いずれにせよ、岩手県としては高レベル放射性廃棄物最終処分施設を受け入れる考えはないということです。

記者
 先日投開票があった仙台市長選(挙)の結果についてお伺いしたいのですけれども、事実上の与野党対決と言われて、野党共闘の枠組みで戦った郡和子さんが当選をしたということで、都議(議会議員)選(挙)に続いて、都議(会議員)選(挙)後の初めての政令市長選(挙)ということで、どういう結果になるのか注目はされていたと思うのですが、まず郡さん、野党共闘側が勝利をしたという結果について、どう受け止められますでしょうか。

知事
 郡さんは、(衆議院)宮城1区で仙台市の中心部を選挙区として4回も選挙を経験していて、4期連続衆議院議員をやっていますから、かなりの選挙地盤といいますか、実力を持っていると思っていますので、今回の結果については、特別なことが起きたというよりは、そういう実力勝負の中で順当な結果になったのかなというふうに受け止めておりまして、ただ、与野党対決的な図式の中では、いわゆる一強体制の中で、そちらが応援する方が勝つのではないかというような期待も一部あったわけなのだと思うのですけれども、そういう特別なことが起きなかった、一強体制の方が応援しているから、そっちがいわば実力差をはね返して当選するみたいな、そういう特別なことが起きなかったということかなと見ています。
 いずれにせよ、選挙によって選ばれた郡新市長には、仙台市は東北全体にとって大事な市でありますので、経済的にも東北全体を引っ張っていってほしいと思いますし、あと社会的にも男女共同参画とか、異文化共生とか、またさまざまな福祉関係の政策でありますとか、そういった社会的な面でも東北全体を引っ張っていただきたいなというふうに思います。

記者
 そうすると、政党対決の影響というのはそんなに大きくなかったのではないかというふうに捉えていらっしゃいますか。

知事
 政党対決の中で、いわゆる一強体制が応援する方が勝つのではないかという期待を持っていた方々もいるのだと思いますけれども、そういう風が吹かなかったということだと思います。

記者
 そうすると、安倍政権の支持率は次々続落、下落を続ける中での選挙だったわけですけれども、そういう部分の要素というのは影響は、そんなに影響したと思われますか。

知事
 もしそういういわゆる一強体制の側の内閣支持率が70%とか、そういう(高い)パーセントであれば、そういう風が吹いて実力差をはね返すような結果もあり得たかもしれないのですけれども、今はもうそうはならないということだと思います。

記者
 都議(会議員)選(挙)の時と違うのは、都民ファーストはないわけで、いわゆる自民一強体制の批判票みたいなものがどこに行くのかという、野党側が受け皿になり得るのかというところも注目はされたかと思うのですけれども、野党側が勝ったということで、今後の国政への影響とかにも絡んでくるとは思うのですが、批判票の受け皿たり得るというふうに認識はされますでしょうか。

知事
 自力があったので、選挙に勝ったのではないかと思っていますので、ある意味そういう力のある人たちが今の日本よりもいい日本、別の日本を創るのだという形で力を合わせて日本を良くしていくという方向性でやっていくというのは、それは日本全体のためにいいことだと思います。

記者
 東北唯一の政令市の市長が2代続けて女性ということになったということ、それについての所感を伺いたいのと、あともう一点ですね、衆(議)院議員時代に郡さんとは2年ほどでしょうか、多分知事は同じ民主党で議員活動されたかと思うのですけれども、その点でも身近な存在といいますか、そういうつながりはあると思うのですけれども、何かエールのようなものがあれば一言伺いたいのですが。

知事
 まず、政治も含め女性は日本でもっともっとさまざまな分野で活躍すべきだと思うので、政令市の市長に女性がなったということは、そういう男女共同参画の観点からいって非常にいいことだと思います。
 そして、郡さんとは衆議院議員時代、同じ東北出身の、東北の方に地盤を持つ衆議院議員同士親しくしてもらっていましたし、あと東日本大震災の後も復興大臣政務官もやっていただいて、民主党政権のもとでの復興についても尽力され、いろいろ助けてもらったなと思っていますので、そういった経験や実績に基づいて仙台市政の方も立派なかじ取りをできると思いますので、大いに期待したいと思います。

記者
 あと最後にもう一点伺いたいのですが、今回落選した菅原さんの方に村井(宮城県)知事がほぼ全面的な支援をされまして、当然一緒に街頭にも立てば、ビラ配りもするということで全面的な支援をしたわけですが、特に政令市の市長選(挙)、県庁所在地の市長選(挙)に対する知事の選挙に関してのスタンスというのは、今回ご覧になっていてどのようにお感じになられましたでしょうか。

知事
 そこは自由に行っていただいていいのではないかと思っていましたし、また、政策面も含めて総合的に菅原市長を誕生させたいという、そういう思いを持って行動に移すというのは、これは宮城県知事さんがそういうことをしても、それは全然構わないというふうに思っていました。

記者
 岩手県内、特に内陸を中心におとといから昨日にかけて記録的な大雨となりました。一部で床下浸水ですか、4軒ぐらい出ている状況だったり、道路が冠水したり、これからまた被害が出てくるかと思いますが、まず知事のこれについての所感をお聞かせください。

知事
 地域によっては、かつてないようなものすごい量の大雨に見舞われ、また岩手(県)全体としても多くの市町村に大雨警報、洪水警報、さらに土砂災害(警戒)の情報も出るような大雨だったわけでありまして、その中でそれぞれの市町村が迅速に避難勧告や、それに先立つ(避難)準備の情報を住民の皆さんに的確に提供されていたなというふうに思いますし、4年前もやはり秋田県で大きな被害があって、岩手(県)でもかなりの被害があった、大雨洪水で被害があったようなところにも今回大雨が降ったわけでありますけれども、そうした地域、市町村においても迅速な対応で的確な動きをすることができて災害対応、災害を防ぐ防災の体制としてはまず一生懸命やられたなというふうに思っています。

記者
 その中で、かなりの雨が山に降っていて、これからまた梅雨が続くと思うのですけれども、かなり地盤も緩んでいる状況かと思うのですけれども、知事の方から県民に対して警戒というか、今後どういったことに注意すればいいかというのをお聞かせください。

知事
 やはり普段は降らないような大雨などの異常な気象がいつ起きるかわかりませんので、気象情報にはよくよく注意して、そして市町村の発する情報や指示に従って対応するようにということを改めて県民の皆さんに呼びかけたいと思います。
 昨日、避難勧告等が、いわゆる空振りに終わったところもあるのですけれども、避難に関する指示や情報というのはそういうものでありますので、今後同じようなことがあった時にも積極的に避難の行動を取るようにということを県民の皆さんに申し上げたいと思います。

記者
 あと最後になのですけれども、隣の秋田県では大変な災害となっていて、まだ全容も把握できていない状況ですけれども、岩手県として今後秋田県に向けての支援だったり、援助だったり、そういったところのお考えを聞かせてください。

知事
 北海道・東北ブロックにおいては、秋田県で災害があった時に、まず応援する役割は岩手県にありますので、カバー県としてしっかり状況を把握しながら人的、物的応援を必要に応じてやっていきたいと思います。既に岩手県から防災(危機管理)監を秋田(県)に派遣しまして、状況の把握に努めるように指示を出したところです。

記者
 この後については、特に秋田(県)の方から依頼というか、こちらの方から自ら行くとか、そういった行動的な部分については何かありますか。

知事
 やはり情報の共有と、そしてよくよく秋田県側の判断とか、また、防災対応とかを踏まえて岩手県として対応することが必要なので、そこをしっかりやっていきたいと思います。

記者
 雨に関連してでして、県内では県管理河川で6月からホットラインが運用されたりとか、あと国管理の方では既にやられてはおりますけれども、台風10号を受けて、こういった大雨、大規模災害に対しての防災体制も大分変わってきたと思うのですが、近年のといいますか、県内の防災体制の整備状況についてどのように進んできたとか、そういった知事の所感があれば教えていただきたいと思います。

知事
 今回、ホットラインを活用したという報告は受けていまして、確かそうですよね、ホットラインを活用したと。ですから、市町村は、(ホットラインを活用して)それぞれ迅速に状況判断して避難の指示とか、情報提供とか対応してもらっているのですけれども、逐次県側ともそこを情報共有したり、すり合わせながらやってもらって良かったというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。ちょっと別件になるのですが、今度は明るい話題で。先日、芥川賞を盛岡(市)在住の沼田真佑さんが「影裏」という本で受賞されました。この所感についてお伺いできますでしょうか。

知事
 文学の国岩手なのでありますけれども、芥川賞だけは今まで岩手出身とか、岩手在住とか、岩手ゆかりの方が受賞していなかったのですけれども、そういう意味で今回、沼田真佑さんの芥川賞受賞というのは本当にすばらしいことだと思います。ご本人の精進ということが実を結んだと思っておりますけれども、内容的に東日本大震災津波やその後の復興段階の岩手の様子など、そういったことが小説の中に描かれていると聞いておりまして、そういう震災を、そして復興を踏まえた小説が芥川賞に輝いたという意味でも、これは大いに意義があることではないかなと思っております。

記者
 これからどんどんこういった人材が出てくればなということも思いますけれども、これからのそういった文学の道に進みたいと思っている方々とかいると思いますけれども、そういった方々へもし知事からメッセージとかがありましたらお願いします。

知事
 石川啄木さん、宮沢賢治さん、そういう偉大なる先人がいる。また、文学のさまざまな分野で活躍する人たちが多い岩手県で、また近年は高校文芸部や、高校生個人が全国的な賞を取るのも目立ってきているなというふうに思います。岩手は平泉関係の歴史物語から始まって、遠野物語のような民話の層も厚く、そして啄木、賢治のような、そういう先人もいて、文学に関する風土というのは非常に豊かなものがあると思います。ただ、その中でやはり個人の努力がないと作品として花開きませんので、今岩手の若い皆さん、ぜひ頑張ってそういう風土や先輩、先人たちの活躍をベースにしながら自分なりの文学の道を追求してもらえればなというふうに思います。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

 次の定例記者会見は7月31日(月曜日)の予定です。

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