平成29年5月15日知事会見記録

ID番号 N55283

平成29年5月15日10時30分から10時56分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。

幹事社
 本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればよろしくお願いします。

記者
 釜石(市)の山林火災の発生から今日でちょうど1週間ということで、終息に向かってはいるようなのですが、まだ鎮圧宣言は市の方から出されておりません。まず、今回こういう大規模な山林火災が発生してしまったということについての所感を一言いただきたいのと、あと、県として今後の山林の復旧などさまざま市と調整が必要な部分が出てくると思うのですけれども、その辺りをどのようにお考えでいらっしゃるかというのが2点目。
 あと3点目で、この釜石(市)の山林火災発生以降、県内でも小規模な林野火災であるとか、住宅火災であるとか、火災が相次いでおりますけれども、注意喚起なども含めて何か通知とか出されていらっしゃるのか、その辺り確認させていただきたいのですけれども。

知事
 まず、今回の釜石(市)の林野火災は、その発端のところで異常な気圧配置による台風並みの強風が釜石(市)でも吹いて、それで急速に火が燃え広がるという、そういう事態でありました。そういう異常な事態の中で、まず自衛隊には迅速な派遣をしていただいて、そしてその翌日から大型ヘリも投入いただいて、大々的に消火していただいたことは本当に感謝を申し上げたいと思います。
 消防、そして警察と地元の底力もあったわけでありますけれども、自衛隊に加え、北東北三県の防災ヘリがそろって消火活動に当たるということもありましたし、埼玉県と東京消防庁からも防災ヘリの応援をいただきましたし、それから海上保安庁にも船からの消火ということもやっていただきました。そういったさまざまなつながりの力で(対応し)、大規模な林野火災だったのですけれども、伝え聞くところによると今日中にも鎮圧宣言の可能性があるということで、そこまで終息に向かって進んだことは良かったと思います。非常に広い面積、しかも林道ではなく、作業道しかないようなところで、最終的には文字通り草の根を分けて鎮火を確認していかなければならないので、最終的な消火の完了にはまだ時間がかかるのだと思いますけれども、そこは遺漏なきようしっかりやっていただきたいと思います。
 既に県の方でも被害対策について林務担当の方で状況の方を随時情報入手しながら対応しているところであります。ただ、まだ延焼面積とかも確定しておりませんし、そういった消火活動の終わりを待ちながら被害対策の方も県としてもしっかり対応していきたいと思います。
 岩手県ではゴールデンウイーク前後に毎年、空気の乾燥や強風などで山火事が起きやすいわけであります。三陸フェーン火災のような大規模な災害になったこともありますので、春先の山火事というのは本当に要注意であります。今年も含め毎年それぞれ林野関係とか分野ごとに、あるいは地域ごとに火の用心ということはPRされているわけでありますけれども、今回の例、特に異常な気圧配置によって普段吹かないような大風が吹いたということは、岩手全体として教訓にしていただいて防火、火の用心に努めていただきたいと県民の皆さんに改めて申し上げたいと思います。

記者
 現場近くには集落もあり、避難指示なんかも出ましたけれども、少なくとも人家に被害が出ていないというのは地元の消防の力であったりとか、各県(などの)協力いただいて消火の体制を迅速にとっていただいたところが功を奏したというところですか。

知事
 そうですね、地元の底力プラスさまざまなつながりの力で集落にまで火が及ばないようにしていただけたということで良かったと思います。

記者
 昨日、また北朝鮮が弾道ミサイルを発射しましたが、これについてどう思われているかお伺いしたいと思います。

知事
 アメリカがカール・ヴィンソン艦隊を派遣するなど北朝鮮のミサイル実験もかつてないような実験が行われ、また、アメリカもかつてないような対応をし、緊張が高まる中で、一方ではトランプ大統領が北朝鮮の指導者に会ってもいいというような発言をし、そして韓国大統領選挙で当選した文(ムン)大統領も平壌(ピョンヤン)に行ってもいいというような発言をし、そういう対話への誘い水がある中で、昨日のようなミサイル実験というのはせっかくのそういう対話への流れに逆行するもので、大変もったいないと思いますし、改めて国連決議を誠実に履行するというところ、北朝鮮にはそこをしっかりやってもらわなければならないと思います。

記者
 文(ムン)大統領の件が出ましたが、先週、反日色が強い大統領が韓国に誕生しました。日韓関係や北朝鮮を取り巻く環境にどう影響するか注目されるところですが、この文(ムン)大統領就任をどう受け止めているかもお聞かせください。

知事
 日本にとっても北朝鮮のミサイルや核開発というものが脅威の度合いを増している中で、8年ぶりになるのですか、北朝鮮に対して融和的な基本方針の韓国大統領が誕生したということは、日本にとってもその姿勢が北朝鮮のミサイルと核の放棄につながるように期待したいなというふうに思います。

記者
 日朝の間には拉致問題という課題もありますが、これについての進展とかどうなると見ていらっしゃいますでしょうか。

知事
 朝鮮戦争があって、そしてその後の米ソの冷戦ということがあって、そしてそういう中で朝鮮半島における南北の対立、そして北朝鮮の体制がどんどん異常になっていくということがあったわけですけれども、これを解決していくためには、既に冷戦は終わっているわけでありますし、朝鮮戦争当事者のアメリカ、中国が南北朝鮮と共に和解の方向に向かって歩み寄れば和解ということは実現できるものなのだと思うのです。ただ、そうなってくると日本の立場というのは、そもそもなぜ朝鮮戦争、南北分断あったかというと、それは日本が朝鮮半島を自国領土にしていた中で第二次大戦があって、そして朝鮮半島からもう軍が撤退してそういうことになったという日本の戦争の時の在り方ということが改めて問われていくのだと思います。日本も改めてそういう歴史を直視するというのは、日本にとっては厳しいことだとは思うのですけれども、それを通じて日本による朝鮮半島の領有から朝鮮戦争、冷戦という一つながりの朝鮮半島をめぐる悲劇というものが解消されていくよう、日本も責任ある対応をしていく中で拉致の問題も解決されていくことを期待します。

記者
 山林火災の方に戻るのですが、1週間ということで間もなく鎮圧宣言も出るかもしれないという中で、先ほど自衛隊の迅速な派遣であるとか、地元の底力というお話がありましたけれども、県として火災への初期対応というのはどうだったか、知事はどのように評価されているのでしょうか。

知事
 まず、燃え広がっていく異常な風が吹いて、その日のうちに自衛隊に出動をお願いしたことは良かったと思います。その日のうちに現場の方に向かっていただき、翌日から大々的に空中消火ができたということが非常に大きかったと思います。また、さまざま赤十字でありますとか、それから他県の協力でありますとか、海上保安庁にも応援いただいたわけでありますけれども、そういった調整も県としてもしっかりやれたのではないかなと思いますし、また、現場対応についても釜石市の災害対策本部に県の方からも広域振興局から常時人を派遣して情報共有しながら、市と協力しながら対応できたと思います。

記者
 今回そういった山火事の対応ですね、迅速にできたのではないかという声も聞いておりまして、釜石(市)では過去にも山火事があったわけで、これまで岩手県でもさまざま災害があったわけですが、そういったこれまでの災害の教訓は生きた場面という点は何かあったのでしょうか。

知事
 そうですね、思えば私が知事になって最初に災害対策本部長を務めたのは釜石(市)での林野火災でありましたし、それは野田市長さんが市長になってすぐのタイミングでもあり、野田市長さんも野田市長さんの下での釜石市の体制もそういった経験から始まって、そして東日本大震災という大規模、総合的な大災害を経験し、今回の林野火災に対しても迅速に対応できたのではないかと思います。

記者
 ありがとうございます。別件なのですが、以前もお伺いしたのですが、宮古市長選の関係で自由党県連と民進党県連が新人の内舘さんの推薦を決めたわけですが、以前知事に対応を伺った時は、まず勉強したいというお話でした。現時点でどのような対応をお考えでしょうか。

知事
 そうですね、これはやっぱりあらかじめ何か言うことは適当ではないと思いますので、今の段階ではコメントなしとさせていただきたいと思います。

記者
 県内の首長さんの中には、県民党を掲げる中で、首長選挙でどちらか(の候補者)に肩入れするのはあまりよくないのではないかという指摘もあるやに聞いていますが、その点についてはいかがですか。

知事
 一方、知事選では市町村長さんのほとんどが事前にマスコミ等への質問に対して誰を応援するというのは結構はっきりさせていたのではないかと思いますし、そしてマイクを握るとか、集会に出るとかということも県の首長の選挙に対して市町村長さんがそういう応援をする、支援をするということは私はとがめていませんし、これはやっぱり民主主義における政治活動の自由として認められるので、当然、都道府県知事が市町村の首長選挙に対して参画するということは日本国憲法の下では、これは認められることだと思います。今の日本国憲法の下では。

記者
 知事としても、ある程度自由に対応していくということかと思うのですが、そもそも候補者から支援の要請というのは改めて来ているのかどうか、それを踏まえて検討しているのかというところを確認させてください。

知事
 支援の要請という言葉の意味にもよるのですけれども、具体的に何月何日あるいはどこでやるこういう行事においてこういうことをしてほしいという、そういうリクエストはありません。

記者
 具体的な支援は、これといって来ていないという認識でよろしいですか。

知事
 あとは推薦人に名を連ねるとか、そういったこともありません。

記者
 そうすると、要請がなければ特にこちらから応援するという話にはならないというような気がするのですが、そういうこと

知事
 一方、新人候補を応援している人たちと私はしょっちゅう会うことがありまして、そういう人たちから選挙に対する思い、宮古市長選に対する思いというものをどんどんいただいていて、そういう皆さんが高い志と強い情熱を持って新人候補を応援しているということはどんどん私の中には入ってはきています。

記者
 先週、ドイツの素粒子研究の関係の方が本県にいらして視察をされていったのですけれども、取材をさせていただいてその中で博士からお話があったのが、直接実現性の話の前に、今までも話に出ている多言語化の関係で、案内表示とかのサインが英語で出ているといいなという話が出ていまして、恐らく世界遺産の場所とかだとサインはちゃんとできていると思うのですけれども、例えば、間もなく東京オリンピックがありますし、釜石(市)でのラグビーワールドカップがある中で、言語だけではなくて、サインも今新しいのを作る動きがあるとちょっとどこかで拝見したのですよね。そういう中で、何か前の東京オリンピックの時もそういう中でいろんなサインが盛んに作られたというのも聞いていたので、何か岩手県全県で、世界遺産も含めて、ILCも含めて英語表示みたいなもののサインを何か統一したものを作っていく必要もあるのかなというふうにちょっとやりとりを聞いていて思ったのですが、知事はその点、外国の方が来る場合のサインみたいなものに対しては、今どのようなご認識か教えていただけますか。

知事
 多言語化という意味では、ILCも視野に入れ、そして今、インバウンドを増やそう、外国人観光客を増やそうということに力を入れていますので、観光関係で今年度も予算を確保して案内の多言語化を進めるということに、県としても力を入れているところです。観光関係の民間の方でもそういうことは努力していただいているのではないかなと思いますし、観光でカバーできないような日常生活とか、あるいは医療、福祉、教育とか、いろんな分野については、今回のように外国人研究者に来ていただいて、実際に見ていただくとどういったところにそういうのを充実させていけばいいか意見をいただくことができますので、こういう助言をさらにこれからもいただきながら、順次進めていけばいいのではないかなと考えています。

記者
 ありがとうございます。県内で統一したものを作らなければいけないかどうかという必要性というのは、そうするとどうお考えになりますか。

知事
 ネット上でお相撲さんの格好をした人がいろんなポーズをしながら岩手のおもてなしの説明をするというのが広がっているのがあるのですけれども、そういうふうにいろんな人がいろんなアイデアで作れる人はもうどんどん作ってしまうみたいな動きもいいなとは思っていますね。
 最近そうですね、他の動きだといろんなテーマごとに復興関係とか、ジオパーク関係とか、あるいは世界遺産関係とか、またテーマごとに共通した仕様みたいなものというアイデア、考え方もあり得るのでしょうけれども、ただそれらについてもまた地元、地元によって絶対魚の形でいきたいというところもあれば、鳥の形でいきたいとか、地域、地域に応じたデザインというのもまたあるのでしょうし、そこはそういう草の根のイニシアチブと、それから全県的な視点から見た必要性との間で決めていくことかなと思います。

記者
 山火事の件でもう一点確認したいことがあったのですけれども、今回、釜石(市)の佐須地区と尾崎白浜で避難指示が出されました。実際に避難した方の人数、これは災害の時にいろいろ見方があると思うのですけれども、今回の住民の方の避難行動について、知事はどのように見られていますでしょうか。

知事
 釜石市の方で迅速に避難所を用意し、そして多くの方々が避難をして、避難所としてうまくやれていたのではないかなと思います。

記者
 その避難された方の避難指示に対しての人数の割合、一概的にどうかとは言えないのですけれども、今回知事はどのように見られていますでしょうか。

知事
 ちょっと数字を把握してないのですけれども、今の段階、何か数字的に問題があったという報告は受けていません。

記者
 わかりました。最後にですが、冒頭に(他社の記者も)言われていたのですけれども、この後、県として具体的に今回の山火事を受けて通知や通達を出す予定があるのかどうか教えていただけますでしょうか。

知事
 岩手の場合、春先の山火事というのは毎年、毎年ありますし、そして県の方で災害対策本部あるいは今回みたいに特別警戒本部を立ち上げるような非常に大規模な山火事もありますので、そういう流れの中からすれば想定外なことが起きたわけではないなと思っておりまして、今回なりの強風とか、それによる延焼面積の拡大とか異常性はあるのですけれども、延焼面積の最終確認などしながら、必要であれば何か県からメッセージを出していくことはあり得るかもしれませんけれども、今の段階では毎年、毎年のそういう警戒の呼びかけという調子で今年も引き続き警戒してほしいなというふうに思います。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。
 

 次の定例記者会見は5月22日(月曜日)の予定です。

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