平成29年4月3日知事会見記録

ID番号 N54219

平成29年4月3日10時40分から11時19分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は、知事からの発表はございません。

幹事社
 質問の前に記者クラブへの転入者を紹介いたします。転入者からそれぞれ一言ご挨拶をお願いいたします。

 (記者紹介)

幹事社
 それでは、質問に移りますが、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
 新年度の抱負ということでお伺いしたいのですが、訓示でも復興とふるさと振興というお話だったかと思いますが、新年度特にも力を入れていきたいところについて教えてください。

知事
 復興については、市町村のまちづくりがどんどん進んで、新しく造成したところでの大型商業施設のオープンでありますとか、そして並行して持ち家再建の方もどんどん進んでいくと。そういう中で、さまざま市町村ごとに課題を抱えておりますので、そこに県も寄り添って一緒に問題を解決していくということが非常に大事だと思っています。
 あとは、復興に関してはそういう市町村ごとのまちづくりと、また、復興の長期化に伴う仮設住宅等生活の長期化に関連しての心と体のケアやコミュニティ支援というところがもう一つ大事な要素で、プラス、ラグビーワールドカップ™ですとか、東京オリンピック・パラリンピックですとか、そういったイベントと連動しながら、改めて復興後半をオールジャパンで盛り上げていくような仕掛けづくりというのを本年度中にもさまざま手を打っていかなければならないところがあるので、そういうことをしっかりやっていきたいと思います。
 あとは台風第10号関係の復旧・復興もさまざま予算でありますとか、制度などは手を打っているところですが、実際それを活用しての復旧が進んでいくというのは、まだまだこれからのところが多いので、そこをしっかりやっていくことが大事だと思っています。
 あとはこの復興関係と、それからふるさと振興関係をきちっとやっていくと同時に、次の総合計画の策定というのを今年度からかなり県民的にやっていかなければならないと思っていまして、これは復興への取組や希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の成功などで、いわば岩手の自治力というものが高まっている、この高まりを一時的なものにせずに永続的なものにしていくためにも、この県民総参加で県民計画を、次の総合計画を策定していくということが大事だと思っています。

記者
 訓示の中でもあったかと思うのですが、県の役割が高まってきていると。つまり地方の役割が高まってきているということだと思うのですが、そういった中で役割が高まるということは、成果もやっぱり求められてくるということになるかと思いますが、そういう意味では今年、新年度、どんな年にしたいかという点についてお願いします。

知事
 県の役割の高まりというのは、もうあらゆる分野に及んでいますので、それは一面国の法律に基づいてどんどん国によって増やされているというところもあるのですけれども、一方、国民的にイコール地方の住民としても、地方自治体の力でさまざまな問題を解決してほしいという、そういう願いが背景にあるわけでありますので、医療、福祉から、農林水産業や商工関係、さらに環境とか、教育とか、そういったところ、改めて県としては、県の力を高めながら市町村と連携し、さまざまな民間の主体とも連携しながら成果を出していけるように頑張っていきたいと思います。

記者
 すみません、最後に1点ですね、別件なのですが、宮古市長選の関係でお伺いします。宮古市議の内舘さんが市長選、無所属で立候補を表明したわけですが、その中で前回の知事選で知事を応援した勢力と連携して戦っていきたいと。知事にも応援してほしい趣旨の話もしていると聞いているのですが、知事としては宮古市長選、どのように対応すると現時点でお考えなのでしょうか。

知事
 2年前の知事選、県議選で、宮古における「希望郷いわてを実現する会」という旗のもとに結集した皆さんが、今回また、宮古市長選挙においても宮古市民の皆さんのために頑張ろうというふうに動き始めたということは伺っておりまして、ただ、今はどういうふうにそれを実現に持っていくのかということを、話を伺いながら宮古市民の皆さんが宮古の未来をどのように切り拓いていくのかということについて、私も勉強させていただきたいと思います。

記者
 そうしますと、現時点では選挙に関与するかどうかというのも含めて、流動的というか、未定だという認識でよろしいですか。

知事
 まずは、勉強させていただきたいと思っています。

記者
 改めて、前段の復興のお話に戻りますけれども、復興実施計画第3期が今年度、来年度、2カ年ということで、復興の総仕上げの1年目というふうな形に当たるかと思うのですけれども、計画の中では地域振興の面が、あるいは産業振興の面が今回強調されていると思うのですけれども、県全体として総仕上げに向けてどう取り組んでいくかというところ、改めて抱負も踏まえてお伺いしたいのですけれども。

知事
 まだまだこれからなところもあって、市町村ごとのまちづくりでありますとか、またその間の仮設住宅生活等の長期化に関する対策など、かなり胸突き八丁のきついところが今後進んでいくので、そこに県もしっかりと寄り添って一緒にやっていかなければと思っているのですけれども、この胸突き八丁を乗り越えていくためには、やはり復興がなった暁には非常に目を見張るようなそれぞれの市町村がより安全でより暮らしやすく、そしてより活力のあるまちに生まれ変わるのだと、それが復興道路や三陸鉄道によって一つにつながって、岩手沿岸、三陸全体としても全国有数、世界に誇れるような地域になっていくのだという、そういうビジョンをしっかり共有していくことが大事だと思っていますので、それで復興の総仕上げを視野に入れたり、復興の先を見据えたりした取組ということも非常に大事になってくる、そういう局面だと思っています。

記者
 今年度組織改編ありまして、文化スポーツ部ができますけれども、改めてその辺りの抱負というのはいかがでしょうか。

知事
 まず、文化スポーツに関しては、行政ニーズが非常に増えてきていると思います。これは日本全体そうなのですけれども、国民イコール住民が、自分自身が文化やスポーツをやりたい、また、クオリティーの高い文化やスポーツに触れたいという、そういうニーズが高まり、文化・スポーツが県で言えば県民生活、そして県民経済に占める重要性というものがどんどん大きくなってきているということ、プラス岩手県としてソフトパワー戦略として岩手の魅力とか信頼性のようなものを地域振興の力にしていこうという方向性からいっても、岩手の文化力、スポーツ力を高めていくことが地域振興全体に資するという、そういう今までやってきたことをさらに発展させていくということもあって、新しくできた文化スポーツ部というのを、そういう制度的な先頭に立てて、県民の皆さんのニーズに応えながら、そして岩手全体の地域振興の力に文化スポーツ振興を進めていきたいと思います。

記者
 東京都の小池知事の指示を受けまして、都政改革本部が先日入札制度の見直し案をまとめまして、その中には1者入札の場合の入札の中止だとか、予定価格の事後公表などが盛り込まれているということなのですけれども、例えばその2点に限ってみても、現在、岩手県が取っている政策とは違いますが、今回の見直し案というのをもし知事ご覧になられたら、どのように評価されるかについてお考えをお伺いします。

知事
 あまり詳しくは知りません。岩手県としても、入札については公正さの確保とか透明性、そしてオープンであることといったような観点、それを基本としつつも岩手・宮城内陸地震が発生し、風評被害とかもあって、岩手の経済が落ち込んで、さらにそこにリーマンショックによる経済不調が追い打ちをかける中、買うなら岩手のものということで、さまざまな公共の発注とか調達とかに関しても、地元の力を高めていく観点というのを取り入れながらやってきているところでありまして、それが東日本大震災の発生、そしてその後の復興という中では、復興を遅らせない、また、復興を加速するという観点からも、入札制度についてはさまざま工夫を凝らしているところです。ですから、そういう今、直面している状況に的確に応じたような入札のやり方を、もちろん公正さとか透明性、オープンさといったような基本的な原則から逸脱することがない、そういう範囲の中ではあるのですけれども、地元の力を高めるとか、また、スピードというような要素も、これはやはり反映させていかなければならないというふうに考えてやっております。
 そういう中で、先進的な入札制度とか入札の在り方というのは、これは常に参考にしていかなければならないとは思っています。

記者
 1者応札については、増田前知事から(達増)知事に代わられた直後に無効という政策判断された後に、震災を受けて、また1者入札でも入札は可とするよう改められたということですけれども、今後もこの制度自体は存続、維持させていくお考えでいらっしゃいますか。

知事
 1者応札の問題は、1者応札の是非というよりは、いかにして公正さと透明性プラスオープンさの確保、それはイコールできるだけ県の予算を節約できるという、そういう効率性でもありますので、それに資するのであればどんなやり方でもそれは可能であればやるという基本方針はあります。一方で、復興を遅らせるわけにはいかないということと、地元の力も高めなければならないということを組み合わせてやっていくわけですけれども、あくまで目的実現のためにどういう制度でやるかをその都度、その都度、工夫すればいいと思っているので、ある制度ありきとか、そういう発想はむしろしない方が良いと思っています。

記者
 先ほど訓示の中でも出てきたのですけれども、鳥インフル(エンザ)の関係なのですけれども、宮城の方では既に防疫措置を終了して引き続き警戒、岩手県の方でも対策本部を設置して引き続き警戒を行っているということですが、知事のお考えと、今後の対応というのをお願いいたします。

知事
 宮城県さんの方で非常に迅速に事態を収束させるような手を打っていただいていると思っています。岩手県側の方でもこの消毒、チェック体制、きちっとやって、岩手において養鶏場等での鳥インフル(エンザ)の発生ということを抑止することができています。岩手の方では、いち早い鳥の出荷でしたか、卵の移動でしたか、そういうのもできるように国と調整中というようなことも聞いていまして、制度の枠組みの中で早目、早目に事態が解決するような調子で進んでいると思っていますので、まずこの調子で油断せずに収束に向けて進めていければと思います。

記者
 あと、制限等の解除等は、やはり宮城と連携した上で、宮城に合わせて同じようなタイミングで解除していくという方針でよろしいのでしょうか。

知事
 まず、国のルールがありますので、国との調整もしながら、これも何か宮城と同時というような形式にこだわってするよりは、実質的に防疫の確保ができるような形で、そういうところから逸脱しない中で、できるだけ早く、また平常に戻るというような、そういう調整の中で決めていくことだなと思っています。

記者
 わかりました。ありがとうございます。

記者
 先月、総務省の方で、ふるさと納税の返礼品を寄附額の3割に抑えるよう求めるという発表がありましたが、このことについての所感をお願いいたします。

知事
 岩手県は、3割を超えるか超えないかとかいうよりも、もっと低い水準の返礼品でありましたので、国の指針というのですか、妥当なものだと思っております。それを先取りするような形で、国の指針の範囲内で岩手の方でいろいろふるさと納税の対象を整理し直して、その対象に応じた三陸鉄道関係であれば三陸鉄道にちなんだ記念品というような形にしてありますので、それを決めておいたとおりに進めていきたいというふうに思います。

記者
 岩手県も4月から返礼品の提供を拡充しておりますけれども、それについては特に影響はないというふうにお考えでしょうか。

知事
 そうですね、3割を超える超えないという問題意識は全然なかったもので、3割を超えているという報告も受けていませんので、予定どおりやるということで、私の理解ではこの総務省の通知の趣旨に沿った形の新しいやり方を岩手県の方で準備していたので、それをそのままやっていけば良いなと思っています。

記者
 それと、全国の自治体からは、そうやって一律に上限を設けるというのはいかがなものかという声と、また一方で高額な返礼品の競争が過熱している中で、上限は当然だという両方の意見ありますけれども、一律に上限を求めることへの是非についてはどのようにお考えでしょうか。

知事
 地方分権という観点から、どれだけ地方自治体側に自由度があり、どれだけ国の方に権限というか、ふるさと納税の運用に関して国としてどれだけ地方自治体に影響を与えていいのかということについては、さまざまな議論があり得ると思いますけれども、うちはあくまで高額返礼品でやるのだという自治体がもしあれば、どういう理由でそうなのかというのは聞いてみなければわからないと思いますし、また、高額返礼品路線でやろうとしていたけれども、国がそういう通知を出してくれたおかげで本当はやりたくなかったそういう路線はやめることができて、低額返礼品でいけてうれしいという自治体があるのであれば、そういう実態も知りたいなと思いますし、まだちょっとどのくらい地方に自由度を認めるべきか、どのくらい国の関与を認めていいかということについて判断するだけの材料はまだないなという感じです。

記者
 i―サポが今日で開所から1年半経ったと思いますが、成婚数目標20組に対して2月末で10組弱と聞いていたのですが、これまでの成果と今後の展望について教えてください。

知事
 成果がどんどん出ていて、やはりこれをやって良かったなというふうに思っています。また、i―サポと別なところで結婚するに至って、i―サポを退会するという人もいるというふうに聞いていますし、i―サポが存在することによって、それを利用はしないけれども、結婚に対する意識が高まって、結婚したいと思う人の数が増えればそれもi―サポ効果だと思いますし、まずいろいろな効果が出てきていますから、今年度県南の方にもオープンするとか、また、県北の方への出張を増やすとか、そういったことをしっかりやっていきたいというふうに思います。

記者
 先行している茨城県などでは年間70組ぐらい成婚があるということなのですけれども、近年の企業同士の独身者のパーティー、婚活パーティーを主催するなど、そういったイベントも主催しているところもあると思うのですけれども、そういったことには着手していくお考えはありますか。

知事
 いろんなやり方は視野を広く持って検討していく必要はあるなと思います。

記者
 先月31日で県公会堂の多賀さんが閉店になりました。知事も足を運んでおられたと思いますが、今回の閉店について所感をいただければと思います。

知事
 これは詳しいことがわかりませんので、経営判断としてそういうふうにやっているということ、どういう経営判断、やめるという経営判断ですね、どういう背景、どういう趣旨かというのはまだちょっとよくわからないところもありまして、県としては県公会堂という建物の使い方の問題でありますので、何か経営主体を変えて営業をまた再開したいとか、何か話があって、それが制度の枠組みの中にはまる話であれば、それは耳を傾けていかなければならないのかなと思いますし、そういうことがないのであればそういうことがないということを前提にして公会堂の地下スペースの使い方というのをまた考えていかなければならないのかなというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。県有施設なので、管理者としての発言だったと思うのですが、個人的に今まで利用されてきての思いみたいなもの、思い出みたいなものがあればそれもお聞きしたかったなということだったのですが。

知事
 そうですね、これは文化的な文脈からいくといろいろありますけれども、一方で飲食業界の競争著しい中で、今、特定事業者の経営の在り方とか、同業他社との関係とか、いろいろある中で、ちょっと今はコメントを差し控えたいというふうに思います。

記者
 わかりました。あともう一つ、別件で先ほどの新年度の抱負と、あと訓示の件で私も1点お聞きします。
 先ほども質問があった県の役割が拡大しているということに関してなのですけれども、まず法律で決まったものなので、当然必要であれば財源の方の手当もあると思うのですが、国への注文みたいなもの、あるいは要望みたいなものは仕事が、役割が増える中ではあるでしょうか。

知事
 県の役割がどんどん高まってきているのに気が付いたのは、地域医療構想ですよね。県ごとにベッド数を、岩手県は県立病院がたくさんありますから、そういうことは昔からの県の医療計画プラス医療局の経営計画の策定過程の中でやっていたようなことが今回改めて全国全ての都道府県にやりなさいということで降りてきていて、だから最初はあまり新しいことではないなと思っていたのですが、よく考えてみれば県立病院がほとんどない県なんかはそんなベッド数のことを今まで全然真剣に考えたことがなかったであろうに、突然すごい作業をやらされて大変だろうなと。ただ、岩手はそういうのはずっとやってきていますので、そういう意味で形式的には国の法律でばんばん都道府県の役割が高まっているのですけれども、中身をよく見ると既に岩手ではずっとやってきているというようなこともあって、住民のニーズに従って県としてやってきたことという、つまり住民のニーズというのがやはり県という自治体を通じてさまざま問題を解決したり、自己実現を図ったりというふうになってきているのかなと。そうなってきますと、例の幸福追求ということも、幸福追求権の保障は憲法に書いているのですけれども、国によってというよりも県を通じて幸福追求ということも、よりそっちの方がやれるような時代になってきているのかなという感じもしますし、ということでそういう県の役割が高まってきているというのは、これを拒絶して国に返すような方向で抵抗するよりは、むしろもうしっかり県の方で受け止めてというか、もともと県としてやっていたことがかなりあるから、より県の主体性を強くして地方分権を強化する方向の中で取り組んでいくことがいいのだなというふうに思っています。
 ただ、さっき言ったように先立つものがやっぱり必要で、改めて地方交付税を厚くしていくということは国に求めたいと思います。これは、地方創生についてもリーマンショック対策で麻生政権から鳩山政権にかけて地方交付税を手厚くするということをやったら地方経済が一息ついただけではなく、人口流出も全国的に歯止めがかかったという例もあるわけで、地方創生的にも地方交付税を厚くするというのは非常に効く施策ですから、改めてそれを求めていきたいと思います。

記者
 先立つものというお話が出ましたけれども、先月31日の国会で過疎法が改正されました。それで、今回新たに県内ですと陸前高田市が指定されまして、おとといから、4月1日から指定されたということになりますけれども、まず指定されますともとの利息の返還比が通常より高い過疎債というものを発行できるようになるということですけれども、国からこの地域は過疎だというふうに指定をされるというのと、それとふるさと振興というものとを、知事はそのバランスというのをどのようにお考えでしたでしょうか。

知事
 実態として過疎地を多く抱えているので、陸前高田市などその過疎法の対象になったことは良いことだと思います。地方交付税交付金のような制度は、これはひも付き補助金に対してそういうひも無しの交付金ということでもあってお金の流れと、一見お金の面で中央に依存するように見えるのですけれども、国の税務署を通じて、国で集めたお金、しかし使い道としては地方で使うものの方が多いので、集めるのは国でやるけれども、使う部分は地方交付税の形で地方に交付するというやり方は合理的なやり方だと思います。理論的には各地方で集めた税金を持ち寄って、それを地方に分配し直す、そういう地方調整税みたいな制度が理論的には言われているのですけれども、なかなかそれをすぐぱっとつくるのは難しいので、まず今のところはこの地方交付税交付金を厚くするということによって、地方の自由度を高めていくことが地方分権に資すると思います。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は4月10日(月曜日)の予定です。

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