平成29年3月3日知事会見記録

ID番号 N53369

平成29年3月3日10時30分から11時13分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。

知事
 まず、「いわて復興人」ポスターと動画による情報発信についてですが、東日本大震災津波から丸6年となる今回、復興に取り組む県内外の方々を「いわて復興人」として取り上げたポスターと動画を新たに制作しました。今日から公開を始めます。これまでに制作し、公開しているものと合わせて、震災の記憶を風化させず、改めて復興に対する理解を促して関心の呼び起こし、継続的な支援につなげていくようにということであります。
 新しいポスターはここに貼ってあるものですけれども、まず、今年の1月、兵庫県西宮神社で行われた福男選びで一番福となった岩手県出身の鈴木隆司(すずき・たかし)さんですね、「福」の額を持って写ってもらっています。そして、イーゼルにある3種類のポスターは12月に公開したもので、これらと合わせた4種類のポスターについて、3月10日から都営地下鉄やJR西日本で中吊り広告を行います。そして、ポスターと連動した動画は県ホームページ特設サイト「いわてとあなたが、つながるページ」、そしてYouTube(ユーチューブ)の「岩手県公式動画チャンネル」で見ることができますので、多くの人にご覧いただきたいと思います。
 第2は、平成28年度岩手県スポーツ賞受賞者の決定について。この賞は、スポーツ競技大会で優秀な成績を挙げ、県民に明るい希望と活力を与えることに顕著な業績があった選手やチームの栄誉をたたえることによって、青少年の健全育成と次代を担うスポーツ選手の育成に資することを目的とした表彰制度であります。今回が11回目となります。今年度は希望郷いわて国体で天皇杯第2位の成績を挙げ、希望郷いわて大会で139個のメダルを獲得するなど選手団として活躍が顕著であったということで、岩手県選手団そして国体優勝者など全部で過去最多となる個人27名、団体12組を受賞者として決定しました。表彰式は3月10日、金曜日午後2時半からエスポワールいわてにおいて(開催する予定)です。
 3番目、『コミックいわて.ログ』の発行についてです。3月24日金曜日、「コミックいわて」シリーズ第6弾、『コミックいわて.ログ』、コミックいわてドットログを県内外の書店等で発売します。これがそうですね。希望郷いわて国体・希望郷いわて大会のキャラクターも務め、知名度も全国的に高まったのではないかと思われます「わんこきょうだい」のそばっちを表紙にあしらっておりますけれども、これは基の絵を私が描いて、それをデジタルでタッチを修正したりして使っているものです。そばっちを下から見上げる構図というのはあまりないのではないかと思って、そういうものを描いてみたものであります。この『コミックいわて.ログ』ということで、このログは、1つは6(ろく)のなまりで「ろぐ」という意味でありますが、記録とか日誌とかブログの「ログ」でもあるということで、「ドットログ」という意味も込め、岩手の魅力がいっぱい詰まった本という意味であります。今回の本には、県公式WEBマンガサイト「コミックいわてWEB」で配信する、岩手ゆかりの漫画家の皆さんによるマンガ14作品を収録しています。これまでの「コミックいわて」シリーズで読者の皆さんの反響が大きい作品の続編をいくつか収録しておりますし、また、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会に関する記事や収録作品の舞台散策マップなどの特集掲載もあります。全国の皆さんに岩手を身近に感じていただき、また、実際に岩手を訪れていただきたいと思います。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項3件について、各社から質問があればお願いします。

記者
 『コミックいわて.ログ』の発表がありましたけれども、知事が特におもしろかったお勧めする作品があったらぜひ教えていただけますか。

知事
 14作品どれもおもしろいのですけれども、そうですね、あえて1つといえば、去年の台風10号で被災した岩泉町の龍泉洞を舞台にしたマンガ(記者席配付資料『コミックいわて.ログ』収録作品一覧の)ナンバー13、たつみやかなこさんの「珈琲ミルクと龍の水」ですね。改めて龍泉洞の中とか、その周辺の様子とかがよくわかりますし、台風10号被害を受けた地域や被害を受けた人たちへの思いというのをかき立てられるようなところもある作品ではないかなと思って、この辺はお勧めです。

記者
 今度の19日、(龍泉洞の)営業再開というところで、発売日も相まって良い感じでしょうかね。

知事
 そうです、ちょうど良いと思います。

記者
 県スポーツ賞についてなのですが、受賞者が過去最多となった受け止めと、今後このようなアスリートの記録が伸びていくように県としてどのような支援を考えていらっしゃるかということを教えてください。

知事
 受賞者が多くなった背景には、やはり希望郷いわて国体・希望郷いわて大会での活躍があったところでありまして、そしてさらにそれに加えて、今年の冬の国体の好成績というのも加わっています。この希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の成果というものをやはり後にもつなげていくようにして、岩手のスポーツ振興をさらに図っていきたいと思います。

幹事社
 ほかに質問がないようですので、それでは発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 先日ですが、先ほど台風のことも出ましたけれども、台風10号の被害からちょうど半年が経ったということで、改めて被災者の生活再建、仮設住宅が完成した部分もありますけれども、まだ自宅の補修が終わっていない方も結構いらっしゃったり、被災者の生活再建をどのように取り組んでいかれるかというところが1点と、あと、防災体制の見直しについて、国の方でもさまざま制度の変更があったりした災害、そういう契機になった災害になったわけですけれども、改めて県としてどのように取り組んでいかれるか、その2点お願いします。

知事
 東日本大震災を除けば県政史上最高額の被害額が生じていますし、実質的にもカスリン、アイオン台風以降最大規模の風水害だったわけでありまして、やはり県を挙げて災害からの復旧・復興に取り組まなければならないし、また、国からの、そして全国的な支援というものが必要だと思っております。去年のうちに避難所から仮設住宅等への移行の体制ができたわけでありますけれども、やはり仮設住宅等での生活というのは、これは緊急的な非常事態の生活ですから、そこをしっかり支えていかなければならないと思いますし、あとは非常に多くの工事箇所がありますので、この復旧をしっかりやっていく、そしてその中で龍泉洞の再開は良いニュースなのですけれども、そうしたなりわいや、また交流に関係するようなところは積極的にどんどん復旧・復興を進めていかなければならないと思っています。
 そして、かつてないような集中豪雨や、それに伴う水害、土砂災害といったことへの対応については、県の防災会議を使って、今、見直しを進めているところでありまして、今年度末の防災会議でそれを県として正式に決定できると思います。

記者
 今の防災体制のところで、さまざま再発防止あるいは減災に向けての取組というのはなされていくと思うのですけれども、今後できるだけ被害を少なくという意味では、実効性のある取組にしていく必要があると思うのですけれども、計画の見直しは見直しとして、それをどう現場に生かしていくのか、その辺り教えていただけますでしょうか。

知事
 気象台での気象情報の発出に代表される国の対応があって、そして県は県で広域性、専門性を生かした対応があり、そして現場での市町村の対応や、また福祉関係の関係者の対応、そういったことをきちっと連携をとって協力しながらやっていくということが大事だと思います。そういう国、県、市町村、またさまざまな関係者との間の連携を強めていくということが基本になっていくと思います。

記者
 2月の下旬にILCに関する本が民間の出版社から出版されたかと思うのですけれども、民間の出版社ということで県が直接ということではないかと思うのですけれども、(ILC)誘致を推進する県として、そういったものがどういう効果があるのか、あと、実際にもし読んでいらっしゃるのであればどのような感想をお持ちになったのか。あと、3話あったということだったので、どういう作品が気に入ったのかという点をお聞かせください。

知事
 日本にILCを建設するに当たっては、日本国民の支持、理解がなければできないわけでありまして、そういう国民的な関心を高めていくためにどうすればいいかというのをいつも考えているわけですけれども、その中でSF小説家の小松左京さんがもしご存命であればILCの先頭に、ILC誘致建設の先頭に立ってくださるのではないかということを思いまして、残念ながら小松左京さんはもうこの世にはいらっしゃらないわけですけれども、SFとILCというのは国民的に浸透していく際に非常になじみ、また効果があるのではないかということを副知事から早川書房さんの方にそういう考え方を伝えたところ、早川書房さんが非常にやる気になって、ではやりましょうという感じで今回の出版に至ったわけであります。
 私も一読しまして、ILCというのはまだできていない、存在していないものなのですが、それができたらどうなるかということで近未来のことを書いていただいていて、非常にILCのことを理解するのにわかりやすいですし、また、あくまで人間ドラマがそれぞれ描かれていて、ILCというのは結局人間の人間による人間のためのものなのだなということがよくわかるので、それがやはり人類にとって必要なのだという、そしてそれがあるとまた人類がさらに豊かになり、発展するのだという実感を読んだ方々に持っていただけるなと思うので、ぜひ全国的に読まれると良いなというふうに考えています。

記者
 ありがとうございます。あとそれから関連しまして、来年度にもILC関連の強化するという予算案を盛り込んでいるかと思うのですけれども、改めて県として来年度やるべきこと、あと取組に向けた意気込みをお聞かせください。

知事
 今回の「ILC/TOHOKU」という本の出版に協力したような形で、国民的な支持や理解の増進に関するようなことはいろいろ工夫してやっていきたいと思います。そして、県として、また東北という単位で、また行政と民間が連携して国に働きかけたり、また全国的な団体に働きかけたり、そういったことをますます力を入れていきたいと思います。

記者
 先月27日に奥州市江刺区でワカサギ釣りでの事故があり、男性4人が死亡しましたが、この事故について知事の受け止めと、あと県として対応したことがあれば伺えますでしょうか。

知事
 地域でさまざま地域の環境というものを生かしながら生活している県民の方々がお亡くなりになるという大変痛ましい事故であったというふうに思います。二度とこのようなことがないように安全管理が今後徹底されていかなければならないというふうに思っています。

記者
 県で28日付で通知も出されていると思いますが、改めてその内容と今後必要なこと、あるいは呼びかけていくことあれば教えてください。

知事
 28日付の通知ですね。

記者
 事故の翌日の。

知事
 そうですね、手元にその紙の写しはありますが、「土地改良施設における安全管理の徹底について」というタイトルで、農村建設課総括課長から広域振興局の農村整備担当のセンター所長と農村整備室長宛てに出されたものでありまして、それぞれの現場から土地改良施設を管理する市町村や土地改良区等に対して下記事項に留意した対策を徹底するよう周知願いますというものであります。そして、下記事項といいますのは、冬期においても管理人などによる巡視を強化し、関係者以外はむやみに土地改良施設に立ち入ることがないように安全施設の点検、修繕や注意喚起のための看板設置など安全対策に万全を期すこと、そして市町村及び土地改良区の広報や各種文書、さまざまな会合などの機会、媒体を活用して地域住民に対する転落事故防止等に向けた注意喚起を徹底すること、また施設管理者は施設の維持管理を実質的に担っている水利組合等の維持管理団体に対してもこの通知の趣旨を周知すること。そして、万が一事故が発生した場合の緊急連絡体制を確認し、関係者への徹底を図ることという内容です。

記者
 あと最後に、通知は0.5ヘクタール以上のため池に限ってということで対象に出されていると思うのですが、それ未満のため池も県内には主要なものもあって多くあると思いますが、そこについても注意を広く呼びかけていくと、県としてはこれからやっていくということでよろしいのでしょうか。

知事
 通知にはため池の大きさについては言及されてはおりません。今、話があった受益面積が0.5ヘクタール以上または1,000トン以上のため池というのは、過去東日本大震災で福島県でため池の決壊があったのに対応して、各県ごとに各日本全国ため池の耐震調査を行った際にその基準をベースにした整理したということであります。

記者
 その整理で0.5ヘクタール以上というのを県としては把握していると思うのですけれども、その未満というのはまだ数としては把握されていないと思うので、そこについても同様に呼びかけていくということでよろしいのでしょうか。

知事
 さっきの通知は、特にため池の大きさについては言及しておりませんで、そこは管理している市町村なり、土地改良区なり、多分小さくても危なそうなところとか、そういうのはあるのだと思いますので、そこはさっき言ったような安全のための趣旨が徹底するような形でやってもらえれば良いなというふうに思っております。

記者
 知事の立場というところと、あと3月の時期というところもあってちょっと答えにくい問題だと思いますけれども、あえてお聞かせください、議会人であったという経験も踏まえてですね。
 県議会の方で定数に関してのどうするかという検討が始まりまして、今月22日から本格的な議論が始まります。一つ定数は今、48ということを考えるという意味では、ベースとなっている国勢調査の時の人口よりも今回の直近の国勢調査というのは人口が約11万人減っているということになれば、単純に人口比でいくと削減しなければならないと。行政運営を考えた時に人口とか、財政規模に見合った組織のあり方というのはあると思いますけれども、半面では人口が減っているから活力を維持するために議会が必要という意見があるかもしれません。知事は、人口と県議会定数、岩手県の非常に厳しい財政状況というのもあると思いますけれども、どのように、第三者的には考えられますか。

知事
 ここは(県)議会の方で議論を進めることになっていて、また多分今は、各会派あるいは個人ごとに考え方を整理している段階でありましょうから、なかなか私の方からは一般論としてもあまり議論の流れを誘導するような発言は控えた方がいいなと思っております。
 ただそうですね、衆議院議員の区割り問題については国から意見を求められたので、ああいうことを言っているということはあります。

記者
 ありがとうございます。もう一つ、2年前の県議選を振り返りまして、16選挙区あるうち、1人区ないし2人区が9つあるうち6選挙区が無投票ということになりました。一般的に無投票というのは、やはり投票することで県政に参画することの意識を持つという意味では、選挙戦が行われるというのは非常に意義深いことだと思います。達増知事は、知事選は結果的に無投票になりましたけれども、直前まで選挙戦になりそうだったということで、また事情は多少異なるかもしれませんが、県議選に関してはそういう形で、要するに定数が少ないところは無投票率が高い。
 例えば衆議院の小選挙区とか参議院の選挙区というのは定数1ですけれども、政党が強力にバックアップするという意味では、候補者のリスクがある程度少ないと思いますけれども、県議選の場合だとバックアップがない場合が多いという中で、リスクが高いということで、なかなか定数が少ないと新人が出にくいという状況があると思います。県議選の無投票が多いというところの受け止めと、あとは県政の参画意識を高めるために、やっぱりそこを改善するための選挙区のあり方というのは考えるべきではないかという指摘もあると思いますが、その辺どう思いますか。

知事
 無投票になる理由はそれぞれの地域的、あるいはその時々の、その時期なりの事情があってそうなることもあって、個別具体的な事情にもよるとは思うのですけれども、一般論としては選挙というのは有権者イコール住民の皆さんが地方自治に直接参画し、また一つの決定を行うチャンスですから、選挙になった方が良いと思います。
 前回の岩手県議会議員選挙については、10人区の盛岡選挙区でも候補者が普段より少なかったということがあったと思います。ですから、選挙区の定数の問題というよりも、当時言われたいわゆる政党の四分五裂問題と言いましょうか、政党の力がそれ以前とか、そうでない時やところと比較して弱まっていたというところが候補者数が少なかったことにつながっているのではないかと思いますので、やはり一つは政党なり、あるいは政治団体が(人材の)発掘、育成、選挙を頑張らないとなかなか。しかも、特に県議選とか、規模の大きな選挙になってくると政党や政治団体への期待というのがあるのではないかなと思います。

記者
 ありがとうございます。かつてよりも政党の力が落ちているというのは、まさにそのとおりだと思います。

知事
 その時は。

記者
 その時はそうですね。ただ、政党の力は、政党がもっと頑張るべきだという意見もあると思いますが、やっぱり全国的あるいは時代背景としてなかなか政党の力が弱まってきているというのも、それは避けられないところもあると思います。そういう中で、ではどうやってそういう県政、要するに議会を支える人材を発掘していくのかというのはなかなか難しい時代だと思いますが、どのようにしていけばいいと思いますか。

知事
 確かにアメリカでも、あるいは去年のイギリスもそうだったのでしょうか、政党が民意に対して対応しきれないで驚くような選挙の結果が出たというところもあったと思うので、世界的な現象ではあると思うのですけれども、他方、民主主義的なプロセスというのは多数派を形成して、そしてできればコンセンサスで物(事)を決め、コンセンサスに至らない場合には多数決で物(事)を決めるというプロセスなので、やはり政党や政治団体は頑張らなければならないと思いますし、あとは既存の政党や政治団体に満足できない人たちもやはりつながっていく工夫ですよね、有権者がばらばらでいるのではなくて、つながっていくことでそちらの側から、既存の政党や政治団体と別なところから候補(者)が立っていくとかというようなことが求められていると思います。

記者
 私も選挙区の県議の定数の件で、先ほどお話あった衆(議)院の区割りの時に出された意見でああいうことというのは、私の記憶違いかもしれないので、確認をさせてください。東京一極集中とかと言われる中で、人口比だけでやってしまうと地域の意見が届かないので、単純に人口比割だけではだめだというような趣旨だと思いましたが、良かったでしょうか。

知事
 そこは過去の記録を発掘していただいて、岩手県ホームページにも載っていますので。

記者
 そうですか、わかりました。

知事
 ええ、よろしくお願いします。

記者
 わかりました。ありがとうございます。もう一つ、政治的なことでお聞きします。今現在、国会である学校法人の土地取得をめぐって国会で論戦が開かれています。その中で、首相夫人が公人か私人かというのが議論になっているようですが、知事としては総理夫人というのは公人、私人どちらだと思いますか。

知事
 明確にこれはプライベートだと、明確に私人としての資格で行うとはっきりさせてやらない限り、公務だと推測されるものだと思います。移動に公用車を使ってないとか、公費の秘書を伴っていないとか、公的な肩書きを使ってないとかというのをはっきりさせる。そういうことをしないと、やっぱり私人としてじゃないというふうな推測というのは常に成り立つものなのだと思いますね。

記者
 法律で私人か公人かというのがあるわけではないですけれども、今言ったようなことだと思いますし、公費で一緒に外遊したりしているのであれば、やっぱり100%私人かどうかといえばそうではないのかなと思うのです。翻ってそうすると政治家、特に国会議員だったり、あるいは地方議員だったり、あるいは知事のようなお立場だったり、市町村長だったり、こういう方の奥さんというのはある程度公的なものをまとうものかなとも逆に思うのですが、知事はどのようにお考えですか。

知事
 一つ一つの個別具体的な行為に関して、かなりそれはさっき言ったような移動に公用車を使っているのかとか、公費による秘書が付いているのかとか、肩書きをどう使っているかとか、一つ一つの行為についてチェックしていけば良いのだと思いますね。ただ何もしないで存在するだけの部分について、私人か公人かというのはあまり意味がないし、かつ行為が伴わない状態では判断ができないのだと思うのです。やはり行為が私的行為か公的行為かというところが議論の本質で、今問題になっているケースの場合、非常に偏ったというか、非常に個性的な特別な教育内容を行っているような幼稚園の名誉校長、園長、そのグループの小学校の名誉校長でしたか、そういったところに総理大臣夫人の肩書きで就任して良いのか、副校長とか副園長とかとしての行動を行う際に公用車を使っているのか、公費の秘書が付いているのかというのは僕は知らないのですけれども、そこで関与の仕方、行為の仕方に公の度合いが高ければ高いほど、私立幼稚園でそういう個性的なことが許されるのは、あくまでも私立の枠組みでやっているからだと思うので、結構これは大事で、憲法の原則で、私立学校(※正しくは公の支配に属しない教育)に国は補助してはいけないと憲法に書いていて、その文言どおりには運用されていなくて、(私学振興助成法により)私学補助というのは国も県もやっていますけれども、ただそこの教える中身について、公と私の区別というのは厳密につけなければならないという趣旨が憲法にあるのだと思うのです。私立の学校には宗教系の学校もありますしね。だから、今回のケースはかなり公教育になじまないような内容と言っていいと思うのです。公教育になじまないような教育の内容について、公的行為と推測されるような総理夫人の行為はやっぱり問題があるのではないかということが問題の本質ですよね。そこはよほどこれは個人でやっているのです、主人は関係ありません、総理は関係ありません、あくまでプライベートですということを強く主張しながらやって、公務だという推測が生じないようにする義務が首相夫人側にはあったと思います。

記者
 そうすると、例えば知事ご自身の奥様のことと捉えても、やはり独立した個人だということで終わりではなく、やはりそういう公人の家族である場合は、行為、いろんな行動、言動等に関しては、ある程度抑制的というか、ある程度自分たちで線を引いて、一般的な私人とは区別して対応するべきだという、そういう捉え方と考えますか、どうですか。

知事
 個別具体的な行為に応じてですね。

記者
 話を戻してしまって申し訳ないですけれども、台風10号の関係なのですけれども、先ほどもお話あったように今月下旬の防災会議で見直しはまとめる形になっていて、その中身としてもタイムラインであるとか、風水害対策支援チームであるとか、それから市町村長向けのセミナーであるとか、担当者のセミナーであるとか、すごく網羅的になるものになるのではないかなと、いいなと思っているのですけれども、例えば新潟県であったりとかで毎年水害サミットみたいなのをやっていらっしゃる、毎年提言なりをまとめて全国に発信したりとかしているわけですけれども、そういった防災意識を常に高く保ち続けるための枠組みみたいなのというのは、ちょっと今回のまとめの中に入っていなかったのですけれども、今後そういった枠組みみたいなのを県で考えていらっしゃいますでしょうか。

知事
 今聞いた話はなるほど感を持って聞いていましたので、参考にはしたいなと思います。

記者
 あともう一点、ため池の話なのですけれども、先ほどもちょっとお話あったのですけれども、1,899カ所というのはいわゆる水害、決壊を想定して調べたもので、今回の水害のものにもつながって、それは今までやっていらっしゃった部分なので、あまりとやかくという話ではないのですけれども、小さい部分というのは地元の人に聞くと一関だけで2,000カ所あるのではないかぐらいのことも言われていたりもするわけで、ただ行政として土地の人たちが管理しているところの安全対策に介入するというのはなかなか厳しいところもあったりするのですけれども、ただ県土の詳細を把握するという意味でも、それを全部確認すること自体はいいのではないかなと。今回はワカサギを氷の上で釣っていて亡くなってしまった、落ちて亡くなってしまっていたのですけれども、別にワカサギに限らず、魚がいたりするもので、夏に滑って落ちるみたいなことも全然考えられることで、そういったところで現状把握というところは進めてもいいのかなと思うのですが、どうでしょうか。

知事
 そうですね、こういうのは分権論的に市町村がやること、土地改良区がやること、また個人がやっていることはできるだけ自由に、自主的にやってもらっていればいいという、そういう方向性がある一方で、県は県として県民の安全に対してやはり責任がありますし、また県土利用について把握する必要性がありますので、まず今はそれぞれの管理者に対して安全確保のための徹底を求めるという形でその管理者を通して安全を確保するというやり方を県としてやっているところでありますけれども、農林水産部の方でも小さいため池、つまり今まで県として把握してないため池についても対応を検討しているということなので、今回の事故への対応の中で県としてもどこまで対応していくかというのを見極めていければと思います。

記者
 今回の通知というのは緊急安全対策的なものであって、今後恐らくものすごい数があるので、調べ上げるのに時間がかかると思うのですけれども、そういった部分も今回の通知の対応の中で検討していくと、そういうことでよろしいですか、その把握とか、そういった部分について。

知事
 通知に基づく県から管理者への働きかけを受けて、それぞれの管理者がこの後どう動いていくかというのを見定めながら県の対応を決めていくことになると思います。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

 次の定例記者会見は3月22日(水曜日)の予定です。

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