平成29年1月23日知事会見記録
ID番号 N52227
平成29年1月23日10時30分から11時09分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
幹事社
本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問は用意ございませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
アメリカのトランプ大統領が就任いたしまして、TPPからの離脱を正式に表明しました。このことに関する知事の所感と、知事は以前からTPPには慎重な姿勢を示してきたわけですけれども、今後、本県の経済とかに対する影響をどのように捉えているかお願いします。
知事
TPP離脱ということと、あとは就任演説がセットで発表された格好になっていると思うのですけれども、就任演説で「アメリカファースト、アメリカファースト」と強調し、その流れの中でTPPからの離脱ということなのだと思いますが、この「アメリカ第一、アメリカ第一」というのは、これはアメリカ以外のどの国や、その国の人にとっても、これはちょっと居心地の悪い話であって、そこは国際的にもそういう評価だと思います。やっぱり外国や外国の国民としては協力してやっていきましょうというような言葉を期待するわけですから。ただ一方、トランプ大統領が内外に対してそこまでのことを宣言しなければならないほどアメリカ国内の経済社会情勢が厳しい状態にあるという現実を反映しているというところもあるわけで、そこは我々もしっかり理解しなければならないと思います。
そういう中で、保護主義の台頭が懸念されているのですけれども、新自由主義という言葉をもじれば、新保護主義とでもいうようなものを工夫していくべき時なのだと思います。伝統的な保護主義というのは、他の国を攻撃するようなやり方で、自分の国だけ良ければいいというような保護主義で、またそれは、もともと19世紀のヨーロッパの方で自由主義か保護主義かという時の保護主義は、地主の利益を代表するとか、大金持ちの利益を代表するような保護主義だったわけですけれども、今、アメリカと日本の間で、あるいは世界の各国で工夫すべきは、それぞれの国の中に放置できない貧困問題であるとか、格差の問題があるという時は、お互い貧困問題の解決とか、格差是正ということについて協力し合おうという、そういう姿勢の中で、貿易について一定の規制をかけていくということをお互い納得の上でやっていくことは悪いことではないと思います。アメリカの場合は、製造業の分野でかなり所得が低いとか、そしてまた、そういう職にすら就けない人たちがいるということが背景にあるので、そういうところをお互い理解し、日本の方でも中央と地方の格差とか、その中で所得の格差の問題、貧困の問題というのがあるわけで、そういうのをお互いの国内事情、しかも人類共通のテーマとして、それはお互いに解決しなければならないですねというようなことについては、力を合わせて協力していくと良いと思います。
それは、政府間のやりとりだけではなくて、国民間でそういう理解を深めていくことも大事で、私もちょっと前にアメリカ中西部会議(※正しくは、日本・米国中西部会)でしたか、アメリカ中西部の経済人や州の知事さん方が東京に来て、日本の経済界の代表と(懇談する会議に)私も招かれて東日本大震災と復興の話をさせてもらう機会があったのですけれども、そういう民間同士、また、地方政府同士の相互理解を深めていくなんていうことも大事だと思います。
あと、日本の労働組合、労組の団体とアメリカの労働組合、労組の団体(同士)とのやりとりなんていうのは、これはもうずっと積み重ねがあると聞いていますので、そういうところでお互いの相互理解を伸ばしていくということも大事ではないかと思います。
記者
本県への影響というのはどのように捉えていますか。
知事
そういうふうなお互いの共通理解に基づいて、お互いの国内問題を解決する方向で経済秩序、貿易を含めた経済秩序をつくっていくことができれば、岩手のためにもなるのではないかと思います。
記者
今のお話に関連するのですけれども、アメリカがTPPからの正式離脱を表明したという中で、日本政府、今の状況ですと、政府の対応としては恐らくこのままの流れで進んでいくのだと思われるのですが、改めて国、政府に対して、今こういう状況になっているということを踏まえて、経済連携というところをどういうふうに対応すべきだというふうにお考えになられますでしょうか。
知事
例えば岩手で、岩手の農産物の輸出を増やしたいという、そういう話はあるわけですけれども、それはTPPがなければできないというわけではなく、現に今、TPPがない状況の中、アジアへの輸出を増やしたりしているわけですし、アメリカへの牛肉の輸出というのも岩手からもやっているわけですし、そういうのはお互いの相互理解に基づきながら増やしていくことはできるのだと思います。
あと、岩手の製造業の関係で、アメリカへの輸出がダウンしたらどうしようというのがあるかもしれないのですが、現状維持であれば現状より悪くはならないわけですけれども、そこでアメリカが保護主義というのを自分の国だけ良くなって、そして相手の国を攻撃するような、そういう保護主義の方には行かないように、そこはよくよく政府間交渉とか、政府以外の交流の中で持っていかなければならない話だと思います。
記者
先週の復興委員会(※正しくは、県と市町村との意見交換会)があって、第3期復興実施計画の1次案についての議論があった際に知事が発言されたことに関してお聞きします。釜石市長さんから、(復興実施計画)第3期の2年間が過ぎたその先の県の新しい総合計画に盛り込む内容がなかなか見通せなくて不安だというような発言に対して、知事から今の知事の任期を越えた部分の総合計画に関して、復興に対する内容の盛り込み方みたいなことの発言があったと理解していますが、改めて任期外ではありますが、今までも8年間の復興計画を作った時も、知事の任期を当然飛び越えた期間でなっているので、そんなに違和感なく受け取りましたが、今、話したように復興計画の期間が過ぎた後の次期総合計画については早目に、当然知事が今の任期中に作ることもそうですし、ある程度早目に何か沿岸の被災市町村の方に示すようなお考えだというふうに捉えていいでしょうか。
知事
早目といっても、今の段階でこれからの2年間を越えた3年目とか4年目とか、さらにそれ以降の詳細計画を示すことというのは、もうちょい後にならないとできないと思います。ただ、今の2年間の計画についても、そもそも「更なる展開」への連結期間ということで、「更なる展開」部分ですね、そこは復興の総仕上げとか、さらにその先は、復興のその先ということになるのですけれども、そういったところも視野に入れたり、見据えたりした2年計画になっているので、2年でぶっつり切るわけではなくて、さらにその次の、今からだと3年目、4年目のことも計画表の中にはちゃんと矢印がついていたりとかしているわけですので、今の段階では今度の第3期復興実施計画はそうなっているということと、あとは総合計画の策定作業はもう幸福指標の検討など、もう既に始まっている部分もあり、それは新年度に入るとますます佳境というか、ますます作業が進んでいきますので、やっぱり8年目、丸8年、丸8年を超えた9年目、10年目以降の復興の在り方は、次の総合計画との関係というのもやっぱりあるので、新しい総合計画を固めていく中で、新総合計画の下での復興の在り方の詳細を決めていくという段取りになると思います。
市町村長さんたちとの会議の時に私が言ったのは、ただ今の段取りで行くと丸8年終わって、9年目に入った最初の半年ぐらいに、この復興の詳細計画が全くない空白状態、それは私の任期と今の県議さんたちの任期の最後の4、5、6、7、8、9月の最初のあたりですね、その半年余りの部分の復興の詳細の計画がない状態でそこを迎えるというのは、それは不安もあるでしょうから、そこについて空白にしないような工夫は必要だなということを申し上げました。
それは、今言ったように次の総合計画を固める作業の中でそこに空白がないようにもしていくというふうにしたいと思います。
記者
ありがとうございます。すみません。先ほど私、復興委員会と言いましたが、県と市町村との意見交換会です。知事が今おっしゃったとおりでした。失礼しました。
わかりました。そうすると次の計画が、今まで3年ずつだったのが2年で、すぐもう3年後は次はどうなるのかということの不安だったようにも、不安というか、先がどういう総合計画の枠の中で復興というものがどう位置付けられているのかということへの不安というか、懸念のようなものだったと思うので、今知事がおっしゃった空白を設けるのは、空白に関しての発言はそのとおりだと思うのです。ただ、もう少し先まで、例えば、この前も先日もおっしゃっていたアクションプランの期間みたいなもので位置付けるべきなのか、あるいは総合計画というものが今まで、今は県民計画になっていますけれども、何か計画の大枠の中で復興というものを章で位置付けるのか、常にそれぞれの章立てのやるべき主要施策の何項目の中に必ず復興が入っているのかというような位置付けの仕方へのわからない、見えない部分に対してどうしていくつもりなのかというものへの見通しが立たないことへの不安もあるのかなと思ったのです。そういう意味では、具体的には当然これから新年度、その次の年度で策定して詰まっていくことだとは思うのですけれども、何かある程度、先の見通しを示してあげて、空白部分を越えた部分でどう復興を捉えていくのかという、何か県として指針みたいなものを示してほしいという趣旨だったのではないかなと私は勝手に解釈したのですが、その点はいかがでしょう。
知事
計画文章の作り方については、ある程度やっぱり文書の作り方、計画の作り方には新規さみたいなものも必要ではないかと思うから、完成させる2年以上前、完成させる2年ぐらい前の段階で、もう完成形が今確定して、それをこの後2年間の間に全然いじれなくなってしまうのはちょっと。もっとクリエーティブになれる余地はあった方が良いと思うのです。ただ、復興が大丈夫なのかという問題については、まずハードの整備については、これはできるまでやるというのはもう当たり前の話で、それが8年を越えたり、あと仮に10年を越えたりしても、それはできるまでやるので、それを未完成の状態で放っておくことはしないということは、市町村の皆さんにもそう思っていただいていいと思います。
そして、ソフト関連についても、こころのケアの問題とか、これも8年で切るのか、10年で切るのかというのは、それはもう年限ありきで決めることではなく、必要であればそれは必要な限りやるべきことだというのが少なくとも私の基本的な考えなので、私の下での県政ではそういう方向でやっていくということです。
ただ、もちろんハードと同様ソフトも早い段階で完了する、早い段階でもはやニーズがなくなる、つまりこころのケアを必要とする人が早い段階で全然いなくなれば、それに越したことはないので、そういうことは大前提としてあるのですが、ただ、阪神・淡路大震災の例を見ても、やはり長くかかることではあるので、長くかかるのが望ましいわけではないのだけれども、でも実態として長くかかる場合には、それにきちっと寄り添って対応するということには揺るぎないというふうに思っていただければと思います。
それを裏づける計画が不存在であることが心配というところは、ただそこは計画というのはいろんなことを取り入れて、特にインフラ整備とか、あと心のケアのような必要性が今もう目の前でみんながわかっているようなことについては、それを途中で放り投げたりはしないよとはっきり言いたいと思いますけれども、第1期復興実施計画から第2期復興実施計画、基盤復興期間から本格復興期間に移るときに、若者・女性の参画を増やすという要素を強化するというのを入れましたでしょう。ああいう新しい観点とか、新しい視点で復興をより豊かなものにしていくというような、そういう余地もやっぱり丸8年が終わって9年目、10年目という時に、そういう余地はやっぱり残しておきたいし、幸福指標の検討もしている新しい総合計画というのは、自治体の在り方とか地方の在り方とかについて、やっぱり今まで以上に意義のある、中身のある計画にしたいと思っているので、そういう理念のもとでの新しい復興実施計画には、それなりの新しい要素も入ってくる。だから、それがあるがゆえに丸8年以降のことについて今現在確定させるということはしないわけなのですけれども、必要に迫られていることについては、そこは決して途中で止めたり、放り投げたりはしないと言いたいと思います。
記者
ありがとうございます。計画に対しての考え方は、私も理解しました。ただ、やっぱりそうであれば、計画に関してはですけれども、我々は先週から、あるいはそれ以前に知事のお話を直接聞いているので、そういう趣旨だということは理解しているので、逆に、であれば沿岸の市町村の行政なり、暮らしている被災された方たちにそのメッセージをある程度やっぱり届けなければいけないのだと思うのです。計画じゃなくてということであれば、「新がんばろう!岩手」宣言みたいな形のメッセージ的なものは逐次発信していった方が多分そういう不安が解消されるのかなと思いますので、これから1次案に関してパブリックコメントと、あと地域説明会もあるということなので、何かその都度やはり発信していく必要性はあるのだなと思いました。知事は、それはいかがですか。
知事
個別の論点に入っていけば、例えば今うちの近くにある防潮堤が丸8年で終わらなかったら、もうそれ以上工事は止めて放っておくのかとかいう疑問に対しては、いや、いや、そんなことはない。計画どおりに終わればそれに越したことはないのだけれども、そこを越える場合にも工事を途中で止めることなくちゃんと完成させるというような話は、それぞれ身近に、被災者イコール復興者一人一人に直接関わりのある事々について、そこはきめ細かく答えを出していくことができるので、そういうプロセスを経れば、それほど問題はなくなってくるのだと思います。
記者
今のお話の中で出た幸福度の話についてちょっとお尋ねしたいのですけれども、今年度から本格的に県の方でも有識者を交えて議論されて、たしか11月だったか、中間の指標も出まして、県独自の幸福度というのがこれからますます議論が佳境に入ってくると思うのですけれども、他の自治体などでも幸福度の議論というのが増す中、これから完成される岩手独自の幸福度というのはどのようなものを理想として見据えていきたいか、それをどのような形で政策に反映されることを知事として思い描いておられるのかということをお聞かせいただければと思います。
知事
一つは、縄文文化以来の人と自然との共生というような、そういう文明、文化が岩手には色濃くあり、それが宮沢賢治の世界にもつながっていて、そういう感覚を県民が広く共有しているというような、そういう岩手の独自性というものを反映させられればいいなと思いますし、あとは他の自治体が既に取り組んでいたり、OECDやら日本の内閣府の研究成果もあったりしますので、そういう成果を生かしながら時代の先端を行くような、そういう意味での独自性のようなものも取り入れられれば良いなというふうに思っています。
記者
中間報告で、たしか12項目の指標というのが出て、これが充実していれば幸福と思われるような、あの12のものというのは有識者の方が結論を出されたものだと思うのですけれども、知事としてはこの12の項目というのが県の幸福度を反映させるものとして極めて妥当なものだというふうなご感想というか、印象を持たれましたでしょうか。
知事
そこは過去の自治体の取組とか、それから研究の成果とかをしっかり踏まえているなという感じを受けていますね。ですから、人間性とか、あるいは人間と社会の関係とか、そういう多くの知見に基づいて大体あんな感じかなと思っています。
記者
東日本大震災の応援職員の派遣についてお伺いしたいのですが、今日、全国の自治体の関係者の方が陸前高田(市)を視察すると聞いていました。応援職員を確保するための、理解してもらう一つの策だろうと思っていましたけれども、応援職員を確保する環境というのは厳しくなってきていると思うのですが、知事はどのように今後確保していくべきとお考えなのか教えてください。
知事
一つは、必要性をまずご理解いただくということで今回の取組も意義があるのではないかなと思っています。
あとは、これは派遣してくださっている他の自治体の方から伺う話として、応援職員の派遣ということがその自治体にとっても防災、また、大きな災害からの復興に関するそういう知識、経験を得るのに役に立つと。そうですね、兵庫県だったか、神戸市だったか、阪神(・淡路)大震災の被災地ですら、もう震災以降に入ってきた職員が半分を占めるようになってきたということで、やはり最近大きな災害が起き、また、復興の途上にあるところでその知識、経験を学んできてもらうということはますます大事になっているというような話を伺ったりもしています。ですから、そういうメリットといいますか、そういうことについても広くご理解いただけますと、やはり自治体間の水平協力というのが大規模災害の時には必要だし、また、普段からそういう体制を作っておかなければならないというのが東日本大震災の教訓なので、そういう取組として日本の地方自治の進化の形としてそういう大規模な応援職員派遣ということが必要に応じて行われていくということを確保できればと思います。
記者
昨年は熊本地震もありましたし、他の全国の自治体が東日本大震災の被災地にだけ職員を派遣するというのもなかなか環境的に難しくなってきているのかなと思います。また、県内の台風第10号もあったわけで、応援職員を確保する環境というのがなかなか厳しいのだろうと思っているのですが、その点は知事、どのようにお考えでしょうか。
知事
事実関係が共有されればそれぞれ熊本の方もそうですし、また、東日本大震災被災地、そして台風第10号被災地、これだけの被害があって今でもこのくらいの応援の人数が必要という、そういう事実がきちっと共有されれば、そこにその必要なくらい頑張ろうかというような思いも全国の自治体に出てくると思いますし、大規模災害が集中すればそれだけ必要になる応援職員の数も増えるというのは当然のことで、各自治体が派遣する応援職員の必要性というのは上がり下がりがあるというのは当然なのだと思います。そういう時にどうきちんと対応できるかというのは日本の地方自治が問われているのだと思うのですけれども、全国知事会議などでもきちっとそういうのには対応していこうというような、そういう意思統一もしていますし、事実を共有しながら、また、志も共有していくようなことで対応していくことができればと思います。
記者
政務秘書について、その後いかがでしょうか。
知事
残念ながら、まだ発表できる段階にはありません。
記者
先週金曜日に、今年の3月11日に知事は釜石(市)で県と合同の慰霊祭をなされるということでしたけれども、先日、復興計画の会議もありましたけれども、今年、釜石でどういったメッセージ、特に被災者の方も聞いていらっしゃると思いますけれども、どういったメッセージを発信したいと思っていらっしゃいますでしょうか。
知事
まず、犠牲になられた方々への追悼の思いをきちっと表明するということがまず大事で、この犠牲になった方々への思いということが何といっても復興の原点、そして命を失ったということに対する残された人たちの悲しみというのは、これは幾ら時が経っても癒えることはなく、また、時が長く経てば経つほど苦しみが増すということもあるわけですから、まず慰霊、追悼ということをきちっとやるということが大事であります。
あとは震災から丸6年経ったこの復興の状況についても、そこはお互い、県内また県外に対しても今こういう復興の状況だということを確認しつつ、そしてこれからの復興に必要な部分について、これについても状況を共有して、さらに頑張っていきましょうというような、そういうことができれば良いなというふうに思います。
記者
今後6年目に入って、今も仮設(住宅等)で暮らしている人が多くいる中で、こういう人たちの大変さというのは年々増してきていると思うのです。その中で、知事が発信されていくメッセージもそうした長期化する避難者の思いに応じるものになっていくのかなと思うのですけれども、長期化する避難者に対してはどういう思いというか、メッセージを発信していくのか。
知事
仮設住宅等の生活というのは長くなればなるほど、それはきついわけですから、改めてその皆さんの思いというものを私を含めて県内外みんながそれをしっかり共有した上で、みんなで復興を頑張ろうというふうにしたいなと思います。
それから、先週、大来塾という大来佐武郎さんが設立したフォーラム’80という異業種交流団体のOB・OG会を大来塾と言うのですが、そこで東日本大震災と復興の話をしてきたのですけれども、一つにはいまだに岩手だけで1万5,000人くらいの方々が仮設住宅等で生活しているというのを、今でもそうなの、知らなかったという声があったりとか、あとは津波災害の特殊性で住宅の再建というのに非常に時間が掛かるということについて、ああ、なるほどというふうに今回初めてわかったみたいな、そういう反応もあって、一方でそういうことに対する関心というのは今でもあり、また、状況が分かれば今からでも何かしたいという、支援とか、何かしたいという思いも持たれているということも確認できまして、震災から6年というのはかなりの年月が経ったといえば経っているのですけれども、改めて東日本大震災やその後の復興の理解を新たにして、そして支援への思いもまた新たにしていく、そういう機会にもなるなというふうな手応えを感じましたので、そういうふうにしていきたいと思います。
記者
初めの質問に戻りますけれども、手短にアメリカの大統領の話で伺いたいのですけれども、新しい大統領の発言とか、政策とかに対して国内外、どうしても政策的な、さっきの保護主義の話とか、あるいは差別的な発言とか、あるいは個人攻撃をするとか、なかなかネガティブな声しか出てこないのですけれども、では良いところはないのかと。また、政治経験のなさとか、いろいろネガティブな発言とか、あるいは不安の声とかばかり出ていると。知事、何か前向きにとか、期待感を感じるようなところは何かありませんでしょうか。
知事
いろんな感想とか、みんなどんどん自由にしゃべっていって良いとは思うのですけれども、知事は知事でやっぱり岩手県を代表してアメリカという国や、そのアメリカの中の地方であったり、企業であったり、また、団体や個人と岩手県との関係を良いものにし、お互いに利益のあるようにしていかなければならない立場にありますので、基本的にはそのために必要な発言をしていかなければと思っております。だから、まず選挙に基づいてアメリカの新しい大統領が選ばれて、そして新しい任期がスタートしたことについては、もう素直にお祝いを述べたいと思いますし、アメリカの皆さんが新しい大統領の下でアメリカをより良くしていくことを期待し、そしてその作業に岩手県としても共に歩んでいくことができればと思います。
記者
知事の見立てとすれば、大統領就任の当日から国内で抗議行動が起こるとか、あるいは史上最低の支持率でスタートする政権だとか言われていますけれども、これから逆に支持とか評価というのは高まると思いますか、それともますますアメリカは混乱すると思いますか。
知事
今の段階では不確実性が高いので、的確な予想は難しいというところです。さっき新大統領の任期スタートをお祝いする発言をしましたけれども、それはそれでそのとおりなのですが、一方でさまざまな新しい大統領に対する反対とか、批判のそういうデモとか運動している人たちも無視してはならないと思っていて、そういう人たちの声の中には、岩手県民や広く日本国民が共有し得る自由とか、国際協調とか、開かれた社会とか、そういう価値観を主張している部分もあったりしますので、そういうところにも耳を傾けていかなければならないなと思います。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は1月30日(月曜日)の予定です。
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