平成28年12月26日知事会見記録
ID番号 N51785
平成28年12月26日10時00分から10時28分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。
知事
今日の発表事項は、ベトナムでのトップセールスについてです。来年の1月10日から13日まで、岩手県で輸出に取り組む民間団体等とともに、ベトナムホーチミン市を訪問します。ホーチミンでは、岩手県産食品及び観光資源をPRするため、現地流通関係者等に対するトップセールスを行います。1月11日には農林水産物の輸出先として有望市場であるベトナムへの岩手県産食品の輸出拡大を図るため、ベトナム政府関係者や現地流通・観光関係者等を招待し、岩手県PRレセプションを開催します。レセプションでは、安全・安心な岩手県産食品の情報発信、そして観光PRを行い、本県への観光客の増加にもつなげたいと考えています。1月12日は岩手県としてベトナムで初開催となりますイオンにおける岩手食品フェアで岩手県産食品の試食PRを行います。フェアでは、今回のフェアをきっかけに、初めてベトナムへの輸出が実現する米やリンゴをはじめ、牛肉や日本酒等を販売することとしています。岩手県産食品のさらなる輸出拡大や、岩手県への観光客の増加を図り、ベトナムとの経済交流の促進につなげたいと考えています。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項について、各社から質問がありましたら、どうぞお願いします。
記者
ベトナムへということですが、ベトナムでトップセールスをする理由というのはどういったところに、狙いというのはどこにあるのでしょうか。
知事
既にいち早くベトナムでのビジネスを展開している県の企業、事業者さんもいますし、また、岩手の物産を海外に売り込む中で、ベトナムというのはやはり有望市場でありますので、今回トップセールスをするという、そういう流れです。
記者
ありがとうございます。輸出拡大と併せて観光客増加へということも触れていらっしゃいました。
知事
そうですね。
記者
台湾が県内の入り込みで一番多いわけですけれども、ベトナムもかなり拡大が見込めそうだというのもあっての今回のトップセールスでしょうか。
知事
岩手県へのベトナムからの外国人延べ宿泊客数は、去年640人、その前は410人、年々増えてきています。また、私が高校生だったころ、地元の高校に入ってくるベトナム生まれの人とか、昔から岩手にベトナム出身の人が来る、生活するということもありましたし、それが最近、観光客数も伸びているということで、一つのチャンスではないかと思っています。
幹事社
それでは、幹事社から代表質問を1問お願いします。一年を振りかえっての所感についてよろしくお願いします。
知事
今年は希望郷いわて国体・希望郷いわて大会開催の年ということで、年明け早々からスケート大会、そしてスキー大会と始まって、一年が始まったなと思い出します。
一方、国体・大会には「東日本大震災復興の架け橋」という冠称をいただいていまして、3月11日、東日本大震災津波から丸5年経った追悼の行事を岩手県内でもやったところでありますけれども、丸5年経って6年目に突入する復興をしっかり進めるということで本格復興完遂年の今年、災害公営住宅の建設、持ち家再建、商店街等のための土地の造成、それから小中学校や県立病院の建設、そして落成というようなことがどんどん進んだ一年でもあったと思います。
そして、そういう東日本大震災からの復興の取組と並行し、準備を進めてきた国体と全国障害者スポーツ大会でありますが、直前に台風10号というかつてないような台風による50年に1度クラスの大きな被害を生じたわけでありますけれども、そうしたことを乗り越えて、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会、行事としても、そして、チーム岩手としての競技の面でも成功させることができて良かったと思います。行事としても本大会開会式、事前の週間天気予報では雨というような予報も一時あったのですけれども、非常にいい天気になり、そういったところでも県民の皆さんも驚きを感じたのではないかと思いますけれども、そして、初日からチーム岩手の優勝、入賞ラッシュが続き、そこにも県民の皆さん驚かれたと思うのですが、その驚きが感動に変わって、「広げよう感動。伝えよう感謝。」という希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の趣旨、目的も達成することができたと思います。
そして、12月にはリニアコライダーワークショップ、世界中からリニアコライダーの研究をしている研究者の皆さんが岩手県に集まって国際会議を開き、ILCが実現すれば岩手は常にこういう状態になっているのだなという、そういう未来を先取りすることができたのではないかなと思います。国体・大会の成功というその成果、レガシーを今後の東日本大震災や台風10号からの復旧・復興、そして地方創生、ふるさと振興に生かしながら岩手の未来を切り拓いていければという、そういうことを県民みんなで確認することができた一年ではないかと思います。
幹事社
この質問に関連して各社から質問があればお願いします。
記者
去年もあったと思うのですけれども、はやりといいますか、今年の漢字、知事にとっての今年の漢字というものがあればよろしくお願いします。
知事
「銀」ですね、シルバーの銀。これは国体で天皇杯・皇后杯が2位だったというのと(全国)障害者スポーツ大会でもメダル数が2位だったという、そういう2位という意味の銀、そして「銀河のしずく」がデビューして、たくさん売れて賞も取ったりしたこと、また、宮沢賢治さんの生誕120周年、「銀河鉄道999」の松本零士さんにいわてマンガ大賞の特別賞を差し上げることができたというようなことも含めて「銀」という字にしたいと思います。オールジャパンは「金」というのが今年の一字に選ばれているのですけれども、合わせると金と銀になって、めでたいんじゃないでしょうか。
幹事社
ほかに各社から質問があればお願いします。
記者
先ほど一年を振り返って、県政課題であった部分についてご説明いただいて「銀」ということだったのですけれども、政治環境の部分で参院選があったり、衆院選も近いと言われておりますが、そういった政治環境についてどういうふうに一年振り返られますか。
知事
去年の知事選、県議選から今年の参院選という流れの中で、岩手県民の政治選択というのが一つ岩手型のパターンとして確立というか、あるいは定着というか、少なくともはっきり見えてきて、格差社会にしないですとか、国際の平和を志向するですとか、岩手らしい風土に根差した、そういう政治的な方向性とか、構図のようなものが見えてきたのではないかなと思います。
記者
なるほど。参院選では、元秘書であった木戸口さんが当選して、こちらは銀ではなく金星だったかと思うのですけれども、そういった意味で県政課題とは別として、今年の漢字というのは何でしょうか。岩手型のパターン、いわゆる野党共闘のことだと思うのですけれども、知事選から続いた県民党の中で野党共闘の流れができて、そういった意味で漢字は何ですか。
知事
あえてもう一つの漢字と言われると、実は漢数字の「二」というのも考えていたところがあって、これも天皇杯、皇后杯2位というところがあるのですけれども、大谷翔平選手の二刀流の「二」でもありますし、政治についても二大政党制というのでしょうか、政党二つでなくても二大勢力でもいいのですけれども、ちゃんと国民にとって選択可能な政治、そして二つの勢力が競い合うことで日本政治をより良くしていくような、そういう形が岩手の中にはできてきているのかなという、そういう漢数字の「二」というのを挙げておきましょう。
記者
最後に一点。二大勢力というお話ありましたけれども、今回、人物本位ということで木戸口さんのことを参院選では応援されていて、衆院選の場合も衆院2区で野党共闘の統一候補は畑浩治さんが立ちますけれども、ある意味達増知事にとっても盟友だと、人物本位であるということでもあり得ると思うのですけれども、いつ解散あるかわかりませんけれども、そういった意味で達増知事は二大勢力のどちら側なのでしょうか。
知事
衆院選については、4年任期の折り返し地点を過ぎているのかな、2年前の12月に選挙があったばかりですから、次の衆院選ということは、私は全然考えてないところであります。
私のスタンスとしては、岩手県内広く県民的な支持をいただきながら県民の多数の支持をいただき、政党とか議会の会派とか、そういったところからも多数の支持をいただきながら県政を進めていく、そういう立場かなと思っています。
記者
先ほども復興のお話があったのですが、先日、政府の予算案が発表になりまして、復興予算も発表になりまして、今年度に比べて減っているというような内容でもありましたけれども、まず、どのように評価されているかという点を教えてください。
知事
去年、政府にとっての最初の5年が終わって、次の5年の予算のあり方については激しく議論をしながら地元負担もある程度拡大し、しかし、復興に必要な予算はその年度ごとにきちっと確保していくというような結論が出た。それに沿って、まず政府としての所要額を確保していただいたかなというふうに思っています。
記者
ありがとうございます。内容を見るとハードの面も着々と進めながら、観光ですとか地方創生という観点も強くなってきているのかなと思うわけですけれども、これは県が進んでいく方向性ともマッチしている予算というような考え方になるのでしょうか。
知事
政府の中、広く国会のいわゆる与党も合わせて政権としてさまざま議論があって、財政再建路線、とにかく歳出を抑制して借金を減らすことを優先させるというような議論もある中、地方一般財源がきちんと確保され、前年度以上の金額、総額になっていることでありますとか、復興関係の予算も確保されているところ、それから質問にあったような地方創生関係とかですか、大幅に削減されるような、あるいは立ち消えになってしまうような懸念がある中では、それなりの額が確保されているところは一定の評価に値するかなとは思っております。ただ、それは年度ごとに東京一極集中、これはイコール格差拡大でもあるのですけれども、そういうことが一進一退の中でずるずる東京一極集中や格差拡大の方に引っ張られているような現状の中で、もっと抜本的な流れを変えるような策を国民的にはつくっていく必要があるとは思っているのですけれども、そういう抜本的な流れを変えるような予算ではなく、一進一退の中で少しでも押し戻そうとするような予算だなと思っています。いろいろ議論がある中で、地方の予算を大幅に増やすとか、また、インフラ整備に関わる予算を着実に増やすとかということについては、政府としてはしないような流れになっているのですけれども、やはり21世紀、日本の経済、社会を強くしていくのは地方からやっていかなければならない、それが地方創生や経済、社会的な格差の縮小にもつながるので、もっと大幅に地方に財源というか予算を移譲して、地方の方からさまざまな事業が展開できるようにし、また、地方において国民生活をしっかり守れるようにして、また、世界全体軍拡競争というよりはインフラ整備競争の時代に突入し、世界全体の軍事予算よりもインフラ整備予算の方が多くなる時代になっていますからね。日本でもそういうインフラ整備の技術、ノウハウ、これを伸ばして世界にも貢献できるようにしていくという視点も含めて国土強靱化的なこととか、あとは新幹線も今年、函館まで行ったのですが、札幌まで延ばすとか、あと、北陸の方もさらに西日本のほうに延ばしていくとか、そういうことをどんどん思い切ってやるように国民的に議論していかなければならないと思います。
記者
復興予算についても必要な額を確保されたというお話でしたけれども、復興予算についても一定の評価に値するというご認識でよろしいでしょうか。
知事
総額としては、一定(程度)確保されたなと思っています。ただ、具体的に何にどのぐらい使われるかというのはこれからですので、その中でまた改めて要望、提案していかなければならないこともあるかなとは思っています。
記者
23日の日に矢巾町でいじめを受けていた中学生が自殺した問題で第三者委員会の報告書が出されました。まず、これについて知事の所感をお聞かせください。
知事
可能性に満ちた中学生が命を絶つことになるというのは本当に残念で痛ましいことでありまして、改めてご冥福をお祈りするとともに、改めて、残された家族の皆さんの魂の救いにつながるようにということをお祈りしたいと思います。
第三者委員会の作業の中で、いじめの実態ということがさらに掘り下げられて、矢巾における今回の事案の実態を明らかにするということがさらに進んだと思いますし、また、岩手全体としてもいじめをなくして命を大切にするということへの教訓としても学ぶべきものが示されていると思いますので、今後、いじめそしていじめを理由とした死ということがなくなるようにオール岩手としても取り組みが進んでいくことを期待します。
記者
教育としては関係するところであると思いますが、昨日、私立高校ではありますが、盛岡中央高校のアイスホッケー部の講師が酒気帯び運転(の疑い)で事故を起こして逮捕されるという事案がありました。これについて、知事としての所感をお聞かせください。
知事
学校管理下で多くの生徒が事故によってけがを負うということで、大変残念なことだと思います。治療中の生徒の皆さんの一日も早い回復を祈ります。二度とこういうことが起きないように学校でしっかり事実関係を明らかにして講ずるべき対策を講じていただきたいと考えておりまして、県の法務学事課の方からも当該学校に対して学校安全対策の徹底、教職員の綱紀保持及び在校生の心のケアへの配慮について要請したところであります。
記者
先ほどの衆院選の件で私も一点聞かせてください。先ほど知事がおっしゃったように、二大勢力、二大政党制の中でお互いにしのぎを削って国民に政策を示していくというのが政治に求められている姿というか、そのあるべき姿ということでした。そうすると知事、各政党が言っているように野党共闘の源流は去年の知事選にあったという話もあります。そして、それが今回の夏の参院選だったり、新潟県知事選だったりということが出てきました。そういう流れからすると、今、全国で次期衆院選に向けた野党統一候補として誕生しているのは岩手2区の畑浩治さんということになります。そうすると、先ほど知事ははっきりおっしゃいませんでしたが、私の感覚としては、知事はやはり野党統一候補である畑さんを応援する立場にあるのかなと思うのですが、いかがでしょうか。
知事
まだ4年の任期の半ばでもありますし、今は衆議院議員さんのことを言えば、今いる衆議院議員さんたちに日本の国のかじ取りをきちっとやってほしいと思いますし、また、岩手選出の衆議院議員さん、比例復活のお二方(※正しくは3人)も含めて、岩手が直面している課題はさまざまありますので、それを国政を通じて解決するということを頑張っていただきたいと思っています。選挙のことは考えてないです。
記者
そうすると過去の2年前の選挙もそうでしたけれども、衆院選と参院選と臨み方が知事にとって変えていらっしゃるようにもちょっと受け取ったのですが、そういうわけではないのでしょうか、衆参で別にスタンスを分けているとか、そういうことではないのですね。
知事
そこはわからないですよね。同じ参議院選挙でも主濱了さんが引き続き立候補みたいな形であれば、私は何もしなかったかもしれませんし、9年間知事の政務秘書をやってくれていた木戸口さんの立候補だったので、あれだけやったというところもありますし、そこは参院と衆院の違いとかというよりも、その時その時の事情によって違うという方が強いと思います。
記者
わかりました。ありがとうございます。あともう一点、今年最後の記者会見でまた改めてお聞きします。政務秘書については、先週も聞きましたが、その後、進展はいかがでしょうか。
知事
今まだ発表できる状況にはありません。
記者
来年いつごろとかというのは何か指針というか、あるのでしょうか。
知事
いつになれば発表ということも発表できる段階にはありません。
記者
もう一つ聞かせてください。前にも聞いたかもしれないのですけれども、どういう人が知事にとっての政務秘書として望ましい条件とかというのはあるのでしょうか。
知事
適材適所ということです。
記者
来年もよろしくお願いします。
知事
はい。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
知事
それでは、良いお年を。
次の定例記者会見は1月5日(木曜日)の予定です。
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