平成28年12月7日知事会見記録

ID番号 N51451

平成28年12月7日10時30分から11時01分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。

知事
 今日の発表事項は、「いわて復興人」ポスターと動画による情報発信についてです。東日本大震災の記憶を風化させず、改めてそこからの復興に対する理解を促進し、関心を高めて継続的な支援につなげていくために、今年度も復興に取り組む県内外の方々を「いわて復興人」として取り上げたポスターを動画とともに制作しました。ポスターは、このバッグボードにあるとおり3種類で、今後、市町村、関係機関、支援団体に配布しまして活用していただきます。復興関連イベントの会場でありますとか、県外事務所などでの掲示も行います。
 また、それぞれのポスターと連動して3本の動画を制作しておりまして、「応援派遣職員」と「山田町かき小屋」の動画は、今日、12月7日からの公開となります。県ホームページ特設サイト「いわてとあなたが、つながるページ」、それからYouTube(ユーチューブ)の岩手県公式動画チャンネルで見ることができます。
 もう一本の「たろう観光ホテル」の動画は、1月11日からの公開を予定しています。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 質問の前に記者クラブへの転入者をご紹介します。

 (記者紹介)

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項について各社から質問があればお願いいたします。

記者
 今までも復興人のポスター、動画もありますけれども、今回、応援職員の方がというのが特にトピック的なのかなと思います。前回、地震津波で延期になっていた被災人財の確保の連絡会議(被災市町村人財確保連絡会議)も今日あるのですけれども、改めて、復興応援職員の方の協力が引き続き必要だというところを知事からも思いを語っていただければと思います。

知事
 東日本大震災の発災から5年以上が経過する中で、応援職員を派遣していただくということはますます大変なことで、かつ、それでこちら被災地の方に応援に来てもらって、そしてそこで働くということも大変さが増していくのだと思っているのですけれども、一方で、復興事業の推進がまだまだたくさんあるところでありまして、その必要性は決してなくなってはいないところでありますので、派遣する大変さを派遣していただく側としてはきちんと理解をしつつ、一方で、この復興の現状をご理解いただいて、さらなる応援職員の派遣をお願いしていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。特にも年度当初ですと応援職員の方がそろって激励会がありますけれども、こうして応援職員の方を囲んで知事も一緒に撮影されたり、動画も入っているのでしょうか。改めて接されての応援職員の方の思いみたいなものは感じるところはありましたでしょうか。

知事
 年度の途中、心の健康セミナー(メンタルヘルスケア研修)などで集まっていただく機会にも、そこの懇親会に参加して、いろいろ様子を見たり話を聞いたりしているのですけれども、やはり使命感を持って働いてくださっていて、そのやる気やエネルギーというのは県職員、もともとの岩手の県職員にも伝わって、県組織として非常に大きな力をいただいているなと思っています。
 そして、被災地イコール復興地の住民の皆さんにとっても、離れたところから派遣されて応援に来てくれている職員さんたちと接することで、まだまだ広く全国から応援をいただいているのだなという、そういう気持ちがこの復興を頑張ろうというやる気にもつながっていっているなというふうに思います。

幹事社
 本日は記者クラブを代表しての幹事社質問はございません。各社から質問があればよろしくお願いいたします。

記者
 台湾と花巻空港の定期便について伺います。11月末に県の方から中華航空に行って、定期便について協議されたと思いますが、その内容を踏まえて知事の所感をお願いします。

知事
 11月30日に杉村企画理事が台湾を訪問し、中華航空の幹部と面会をしています。曹志芬(そう・しふん)副総経理にお会いしました。そして、中華航空では現在、来年の定期便のダイヤを検討中ということなのですけれども、まず、復興航空(トランスアジア航空)の解散に伴う同社の路線の引き継ぎ、そして、来年導入(予定)であった機材A350の納入の遅れ、この2つの影響で機材が不足し、そして来年の定期便のダイヤが未確定ということだそうであります。そうした中、既存路線の機材の確保が優先ということで、来年春の花巻の定期便化は困難ということであり、また、定期便だけではなく、定期チャーター便の実施も困難という見通しが示されました。また、中華航空側からは、こうした状況になり大変申し訳ないという話があったそうであります。
 台湾とのチャーター便は、東日本大震災以降、順調に回復して、また、平成26年度から運航されている定期チャーター便は、高い実績、搭乗率を上げていますので、そうしたニーズがある中、来年春の定期便化が困難となったことは残念であります。
 ただ、今回は、復興航空の解散という突発事、また、新規機材の納入の遅れというような全体として予想外の事態が発生したことが要因であると理解しておりまして、定期便化の方針が大きく変わったものとは考えておりません。
 今後も、引き続き、定期便化を第一の目標としつつ、中華航空と情報交換を行いながら、当面は春の桜のインバウンドチャーター便、定期チャーター便ではない普通のチャーター便ですね、春の桜のインバウンドチャーター便の運航継続を働きかけて、引き続き台湾との交流拡大に取り組んでいきたいと思います。

記者
 定期便化を第一の目標としつつということでしたが、現在は恐らく中華航空が社内で混乱しているような状況かと思いますが、今後の働きかけとしてはどのようなスケジュール感で、そしていつごろを目標に定期便化というのを目指していくお考えなのでしょうか。

知事
 東京の支社、台北の支社、また本社とさまざまな窓口で、また、県の方もさまざまな担当のレベルで、常に恒常的に接触はありますので、そういう中でさまざまタイミングを見計らいながら、働きかけをしていくということになると思います。

記者
 岩手競馬についてなのですけれども、先日の競馬組合議会の方で、知事は330億円の構成団体融資について元金の返済をしたいという意向を表明されました。これに至った経緯、理由について改めてお願いしたいと思います。

知事
 今年で10年間、新しい競馬改革のルールに基づいて単年度の収支均衡というやり方でやってくる中、年度途中で利益が出ても事業運営に必要な施設整備、修繕等を行った結果、最終利益が返済を行う基準の1億円を上回ることはなかったわけでありますけれども、今年度は、現時点で必要と考える施設修繕や積み立てを行った上で、1億円を超える最終利益を見込むことができたということでありまして、このルールに従って返済されるという運びとなっているわけであります。

記者
 その中でも厩務員の待遇改善とか、施設の修繕をもっと優先すべきではないかという声もあります。そうした中で今後どのような形で岩手競馬の運営に当たっていくのかお聞かせください。

知事
 厩務員の皆さんも含めてこれまで関係者の方々には単年度の収支均衡という厳しい存続条件を達成するために多大なご協力をいただいてきております。一方、競馬組合としては、発売成績が好調な時には構成団体融資の返済を行っていくことがまず構成団体に対して、そして県民全体の岩手競馬に対する支援の継続に必要というふうに考えているわけであります。今後も関係者の意見を伺いながら施設整備の修繕、更新や賞典費の改善など、そういったところにも努めて、そして競馬事業を継続しながらルールに従った返済を行うということであります。

記者
 カジノ関係のことでお聞きします。まず1点目なのですが、先日というか、昨日、衆議院を異例のスピード採決という形でカジノ法案(カジノを中心とする総合型リゾート(IR)推進法案)が通過いたしました。この一連の動きということをまず知事はどのように評価されるかというのをお聞かせください。

知事
 もうちょっと議論をした方が良いのだと思うのです。秋の臨時国会といいますのは、そもそも公務員の給与の関係で必ずやらなければならない補正予算や立法をすることがまず目的で、あとは緊急経済対策とか、あと災害があったら災害対策とか、それが臨時国会のやることでありますから、国家百年の計的なTPPもそうだと思いますし、そしてIR法ですか、についても通常国会で丁寧に議論して決めていくというのが筋なのだと思います。過去、戦後の日本の国会を振り返りますと、重要法案というのは、通常国会を二、三回、つまり2年、3年かけて議論して決めたりもしているわけであります。
 カジノというのは欧米流、突き詰めるとヨーロッパ流の非常に特殊な文化で、私が聞きかじるところでは大金持ちがいかに自分が大金持ちかを見せびらかすための施設、これだけ損をしても平気なのだよという大損することが娯楽になるような人たちが集まって、いや損した損したとかやるのがカジノの本質であって、そういうものすごい世界に旅行者がちょっと立ち寄って、ちょっとそういう世界に自分も一瞬所属したような非日常的な体験をするということが、そうやってカジノ文化のようなものが発達して経済産業的にも位置付けられたりしているみたいなのですけれども、それをいきなり日本にぱっとつくれる状態にあるのかというのは、やっぱりもっと議論をした方が良いと思いますよね。歴史や風土に全然なじみのない、そういう過激な施設を急遽日本につくることによる弊害というのはかなりあると思いますし、やり方によっては非常に悪の温床にもなり得るわけでありますから、慎重に議論していくべきことだと思います。

記者
 関連でなのですが、今まさに悪の温床ともおっしゃいましたけれども、極めて弊害が大きい施策であることは間違いない。その一方で、大阪ですとか釧路みたいなところでは、いわゆる地域振興の一環として積極的に取り組むべきだという議論もあります。また、一方では兵庫県のように、極めてそもそもカジノというもので地域を活性化するという考え方自体がおかしいのだと知事がはっきり表明しているような自治体もございます。その辺は、達増知事の考えとしては、カジノというもので地域振興というものはやるべきなのか、もしくはできるのかというのはどのようにお考えでしょうか。

知事
 そこは大阪の事情ではよくわからないところもあるのですけれども、アンダーグラウンドで既にそういう文化か何かあって、合法化することでそれを生かせるような環境にあるからそう言っているのかどうか。だとしても、日本でよく映画の中などに出てくるそういうかけごとの世界とラスベガスにあるようなIRは全然違うのではないかとも思いますし、ちょっとその辺は想像でしか言えないのですけれども、そういったことをもっと地域外の人でもすっと納得できるような説明の仕方をしないと、ただ観光振興、観光振興というだけでは認めてはいけないような施設なのだと思います。
 一方で、日本が観光に力を入れていく、それは東北地方もそうですし、岩手県もそうなのですけれども、岩手県は基本的に岩手の地域資源を発掘して磨き上げて、そこに岩手県民のおもてなしの心を添えて国内外の人たちに来てもらって、それを体験して楽しんでもらうというようなコンセプトでやっているので、IRがそういうのになじむかどうかというのは日本全体(の議論)としても、日本はどういう観光振興しようとしているのかというのは、やはりそこにもかなり議論が必要なのではないかなと思います。

記者
 そうしますと、岩手でカジノ、IRを大きく捉えますけれども、今のところ何らかの動きをしようということは考えていらっしゃらないということですね。

知事
 そうですね、今のところそういう必要性は感じてないです。

記者
 わかりました。ありがとうございます。

記者
 明日、上京されると思うのですけれども、自民党本部で復興応援フェアの物産展の日程が入っていますけれども、これは(知事)自ら参加されようと思った考えは何を考えてそれに参加しようと思ったのでしょうか。

知事
 自民党が党本部を使って福島県をはじめこの東日本大震災からの復興支援、いろいろやる中、今回岩手フェアというイベントをやってくださるという話を聞きまして、ちょうど上京日程もありましたから、上京時間を少し早めれば自民党本部の岩手フェアにも参加できるということで参加を決めました。

記者
 ありがとうございました。党本部がこのような形で地方の応援をするような物産展を開くという、こういうアイデアはどのように評価しますか。

知事
 岩手の応援、特に復興支援というのはあらゆる企業、団体にお願いしたいところでありますので、今回の企画も歓迎しますし、そこに出席してお礼を述べたり、またさらに盛り上げたりしていきたいと思っています。

記者
 ありがとうございます。知事は、政治スタンスとすれば県民党ということで、どこの政党本部であれ、訪ねるというのは、それはあり得るよなという見方と、あと、これまでの歩みを考えると多少サプライズで受け止める人と両方あるかと思いますけれども、知事の政党各党との心理的な距離感というのは何か変化があるのでしょうか。

知事
 もともとですけれども、20年ほど前に政治の世界に身を投じてから、どの政党に対しても同じそういう政治の世界の仲間という仲間意識は持っていますよ。ですから、国会コーラス愛好会で、それこそ超党派の合唱活動に参加したことなどもありますし、またそういう人間としての共通の基盤みたいなものを持ってないと効果的な政治論争とか、大事な決定をめぐる論争、そして選挙などでの活動の競争とか、そういったことというのはやっぱり同じ人間とか、同じ日本国民とか、そういう共通基盤を持っていればこそそういう競争も的確に行われるのでありましょうから、政治に背を向け、とにかく政治は嫌だとか、だめとかという人と私の距離に比べれば、政治をやっている各政党との距離の方がずっと近いと思っています。

記者
 昨日、県立大船渡病院で看護師の女性が男性に刺されるという事件がありましたけれども、県立病院でこういった事件が起きたということの知事の受け止めと、あと、県として再発防止といいますか、こういった事件が今後起きないようにどう対応されていくのかというのを聞かせていただけますでしょうか。

知事
 岩手の医療施設、病院もそうですし、診療所もそうですし、そういう中に県立病院もあるのですけれども、県民の健康と命を守るための施設において、使命感を持って地域医療を守るため働いている看護師がこの事件に巻き込まれたというのは大変残念であります。この事件を引き起こした人は患者さんだというふうに聞いていますけれども、患者さんをはじめ県民みんなが医療従事者と力を合わせて、県民一人一人の患者さんであれば患者さんの健康を守って、そして命も守っていくためにもっと力を合わせていかなければならないのだということをこの機会にまた申し上げたいと思います。

記者
 例えば、警備の増強だとか、具体的な対応で何か考えられていることというのはあるのでしょうか。

知事
 医療局においては、不審者の侵入防止と患者等の安全確保のために県立病院防犯マニュアルを作成していて、各県立病院ではそのマニュアルを参考としながら病院の実情に合わせた独自のマニュアルを作成して運用しているということで、さまざまな対策を行っているところであります。今回の事件を受け(ての対応については)、現在取調中ですので、この事件の原因究明等の結果を受けながら、必要な対応があれば、さらに講じていくということになると思います。

記者
 基本的にはそのマニュアルをベースに、しっかりとマニュアルに沿った対応をしていくということになるのでしょうか。

知事
 今回(の事件は)すれ違う際に「おはようございます」と挨拶をした直後、背後から刺されたということで、どうすればそれを防げるのかというのは、今ぱっと私が言えることではないと思っていて、もう少し事件の原因究明等が進めばいろいろ対策とかもあり得るのかとは思いますけれども、人が大勢出入りし、また、高度で専門的なことが行われている病院の中での安全を守るというのは、やっぱり独特の専門性のあるところでありますので、今まで築き上げてきたマニュアルでありますとか、さまざまな対策ということに基づきながら、さらに工夫を重ねるということになると思います。

記者
 リニアコライダーワークショップについて伺います。昨日、おとといとだいぶ学会の関係者の方々と懇談する機会もあったかと思います。さまざまな研究者の発言を聞きましたが、技術面ではだいぶ詰まってきたのかなというような印象を受けますけれども、この実現性について、いろいろ懇談される中でどう感じているのかということと、それから懇談をいろいろする中で、地元に対しての注文も何かあったのかなと思いますけれども、その辺りをお聞かせください。

知事
 日本におけるILCをめぐる動き、特に日本政府の最近の動きについて初日の全体セッションで発表が行われて、そしてそれに対応するリニアコライダーコラボレーション、LCC側の対応についても見通しが語られて、その中ではLCC側もコスト削減に努めようとか、そのためにはこういう技術があるとか、また、ステージング、段階化と言うのですかね、まず、短くつくってスタートさせて、徐々に長く延ばしていくというような新しい考え方も紹介されて、日本の文部科学省のもとで検討されている作業で出てきた提言をちゃんと研究者側も受けて、それに対応した新たな工夫をしているというふうに、全体としてILC建設の方向に向けた調整というものは進んでいるなという感触を得ています。そういう中で、河村建夫ILC(国会)議員連盟(リニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟)会長さんがプレゼンテーションを行って、そういう全体の動きを大所高所から見ながら、日本としてもサイエンスファーストという志で頑張りたいということをおっしゃって、研究者の皆さんがスタンディングオベーション、立ち上がっての拍手と、そういう盛り上がりになったことは、ツイッターを見ていますと参加者の一人がリニアコライダーワークショップで立ち上がっての拍手が起きたのは初めてではないかというツイートもあったりして、かなり今までなかったような展開や盛り上がりがこの岩手の地で、リニアコライダーワークショップでできてきているというのは非常にうれしいことでありますし、地元としても頑張らなければならないなと思います。
 地元への注文というのは、もうあまり聞いてないですね、地元の理解、地元の熱意というもの、中学生5人の初日のレセプションでの発表とか、ああいうのに象徴されるものを褒めてくれたり、歓迎してくれたりというのは聞いておりますけれども、そうですね、注文というよりは、良くやってくれているみたいな地元への賛辞をいただいているところです。

記者
 政務秘書についてですけれども、いかがでしょうか、進展はございましたでしょうか。

知事
 まだ発表できる段階にはございません。

記者
 そろそろ年をまたぎますけれども、そのころには何か変化は起きそうでしょうか。

知事
 将来の予想についてもまだ発表できる段階にありません。

記者
 わかりました。ありがとうございます。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。
 

 次の定例記者会見は12月20日(火曜日)の予定です。

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