平成28年11月25日知事会見記録

ID番号 N51193

平成28年11月25日10時30分から10時58分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。

幹事社
 今日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はございませんので、各社から質問があればよろしくお願いします。

記者
 先日23日に盛岡市内でオオハクチョウの死亡個体が発見されまして、簡易検査で鳥インフルエンザの陽性反応が出ました。これに関する知事の所感の方をまずお願いします。

知事
 関係者の方で情報の共有を図り、また感染症に関する危機管理は県の所管するところでありますので、県の担当においてしかるべく現場、そしてその周辺管視を強化しているところであります。盛岡に飛んでくるハクチョウというのは、市民、県民の皆さんにとっても身近な存在ではあるのですけれども、鳥インフルエンザというのは特に岩手はブロイラー全国3位の県でもあり、鶏を飼っているところもたくさんありますので、そういったところに感染していかないように、これは県民の皆さんにも気をつけていただき、野鳥にみだりに触れないように、そして死骸を見つけた場合には県の方にご連絡するようお願いをしたいと思います。

記者
 今、知事がおっしゃったように、昨日の情報連絡会議で情報の共有をされたようですけれども、特に養鶏業者とか心配なさっている方も多いと思います。改めまして、県として今後どのように対応していくのかお願いします。

知事
 予防のための対応をきちっとやっていれば、感染を防ぐことができる分野でもありますので、それぞれ気をつけて感染を防ぐよう、県の方としてもそういう対応や呼びかけも含めてやっていきますし、また、いざというときの備えをきちっとやっていきたいと思います。

記者
 ILC誘致について伺います。12月5日からリニアコライダーワークショップがありますけれども、それの前の知事会見ということで、ILC誘致、今正念場を迎えているという中で、非常に重要な会議になります。県あるいは推進協、あるいは実行委員会の方などなど、いろんなイベント、県民が接するようなイベントもたくさん組まれていますけれども、それに臨む抱負をお聞かせください。

知事
 専門家の皆さんが集まって会議をするというのは、今までも世界のあちこちでやっているのですけれども、いわば現地で行われるのは今回が初めてということで、ぜひこれをILC実現への契機になるようにしていきたいと思います。地元としては、そういう大型の科学研究施設受け入れ歓迎の気持ちがあふれているということを関係者の皆さんに伝えていくチャンスだと思いますし、そういう中で地元側と、そして研究者の皆さんとの間の相互理解とか、また心の触れ合いのようなものが広まっていくと良いというふうに考えています。

記者
 ありがございます。知事ご本人も会議でスピーチされたりとか、あるいは関係者と懇談する機会もあるようですけれども、知事からはどのようなメッセージを伝えたいと今は考えていますか。

知事
 まず、地元として大いに歓迎したいということと、そして県民の皆さんが老いも若きも関心を持っていろいろ勉強をしているよと。老人クラブのようなところで加速器の勉強をしたり、また子供たちは学校で加速器について学んだりしていて、そういう県民の皆さんの関心も高まっていて、世界的な科学研究の進展に岩手として貢献したいという気持ちがあふれているということを伝えていきたいと思います。

記者
 昨日も発表があったのですけれども、県職員の不祥事が続いているようなのですけれども、これに対して知事の所感と今後についてお話をいただければと思います。

知事
 これは大変遺憾なことであります。やはり組織としてできることはなかったのか、また今後こうしたことが起きないようにするにはどうすればいいのかということを改めて組織として取り組んで、再発防止に努めていかなければならないと考えます。

記者
 ありがとうございます。そうした中で、昨日、発表があった事件に関しては、震災復興のための応援として派遣された職員でした。県議会の決算の委員会でも、ある委員から応援職員の現状というか、置かれている実態等について議論がありました。やはり不慣れなところで、苛酷なところという、職員の不祥事とはちょっと切り離して、応援職員の話ではあるのですけれども、引き続き(市町村で)700人規模の応援が必要と見込まれている中で、改めて応援職員についてはどのように対応するべきかということと、あと必要な応援についての思いというのをお話しいただければと思います。

知事
 今回の件については、逮捕、勾留中ということで、県としても本人に接触することができず、動機などについてはまだわからないのですけれども、応援職員の方々の現場での勤務については、さまざま困難さとか、ああした方が良い、こうした方が良いというような議論は、これはいただいているところでありますので、そういったことを参考にしながら、応援に来ていただいている職員の皆さんがやりがいを持って、そして現場のニーズに応えて、そしてそれを成果として持ち帰っていただけるよう、県としても努めていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。もう一点、別の質問をさせていただきます。原子力発電環境整備機構、NUMO(ニューモ)というのがありまして、高レベルの放射性廃棄物の地層処分に関して科学的有望地というものの候補を、早ければ来月、年明けにずれ込むかもという話もありますが、発表されるというのがありました。まず、そういう地層処分ということについて知事はどのような認識で捉えていらっしゃいますか。

知事
 岩手として、そういうのに名乗りを上げるというつもりはないというところであります。

記者
 地層処分という、そういう方法というもの、あるいは核のごみと言われるものに関しては、知事はどのようなご認識をお持ちですか。

知事
 日本学術会議、東日本大震災後、震災とそこからの復興についてもいろいろ提言をいただいていて、会長の大西先生は復興構想会議の委員でもあって、親しくさせていただいていますが、日本学術会議は大深度地下での長期間保存というのはいろいろリスクも多いので、ちゃんと目の届くところで保存した方が良いのではないかという提言もしていて、ですから科学的に大深度地下埋設が良いとは限らないというのが今の科学の現状だと思いますので、そういったことも参考にしながら国として決めていかなければならないのではないかなと思います。

記者
 ありがとうございます。そうした中で、日本学術会議の話、今出たのですけれども、日本大学の先生が、イコール科学的有望地ということではないのですけれども、その適地として北上山地沿岸、阿武隈北部山地沿岸、北海道根釧地方沿岸というのを挙げたという話がありまして、今回NUMOというか、地層処分に関しては政府が主導してやるという中でこういう名前が出てしまっているのですが、それについては知事どのように受け止められますか。

知事
 いろんな方がいろんな意見を言うのだとは思うのですけれども、いずれにせよ国として責任ある処理の仕方を決定していく際には、やはり科学的知見に基づきながら、きちんとした対応をしていかなければならないのであろうと思います。

記者
 今の問題にちょっと関連してなのですが、5月に各自治体の説明会がありまして、その際、大体県内で20自治体ぐらいが出席しているのですけれども、今までと国の方針が変わりまして、要するに立候補ではなくて国からの選定という形をとるということなのですが、知事の元にはどこかの自治体に声がかかっているとか、そういうことはありませんでしょうか。

知事
 そういう内々の働きかけみたいなのはありません。

記者
 あと、知事はこの問題について2009年の3月の会見の場で、最終処分地を受け入れる考えはないし、これに関する調査を受け入れる考えもないとおっしゃっていますけれども、この方針に変わりはないということになりますか。

知事
 そうですね、そのとおりです。

記者
 そうすると、万が一なのですが、先ほどのお話にもちょっと出ていましたけれども、岩手の地を国の方で言ってきた場合ですが、その際にはどのように対応されますでしょうか。

知事
 もともと大深度地下での埋設処分ということについて、日本学術会議からまずいのではないかと、こう言われているわけでありますし、岩手を活用する理由はないのだと思っておりますので、それはもう考えの外のことというふうに受け止めているというか、受け止めないでいます。

記者
 衆院選の区割りの関係なのですけれども、本日、区割り審の方が本格的に作業始まりますが、以前もちょっと伺いましたが、知事の意見照会という形で総務省の方に出されているかと思うのですが、事務局の方に聞きますと、基本的には非公開であるということなのですが、知事の口から言える範囲で、どのような意見を出したということを教えていただきたいのですが。

知事
 意見照会は大きく2つ、区割りの改定案の作成方針と、そして区割りの改定案と、2つについてのものなのですが、区割りの改定案の作成方針については、国の方からは平成25年に作成した緊急是正法に基づく区割りの改正案の作成方針に準拠して作成される方向ということでしたので、特に意見は申し述べませんでした。
 それから、区割りの改定案については、審議会からの意見照会文書の例示にもあったのですけれども、私の方からは地域の一体性や地勢、交通、その他の自然的、社会的条件に配慮し、現行の選挙区の区域が大きく変更されないことが望ましいというふうに申し述べたところであります。

記者
 衆院選のことでお伺いしたいのですが、県内でも衆院選に向けての野党連携の動きが徐々に出つつあり、党本部レベルでも野党間の幹部同士の協議というのがずっとこれまでも何度か続いていますけれども、見ていると民進党の方は基本的には党本部で全体の方針を決めると言っているであったりとか、共産党の方は小選挙区には原則候補者はできるだけ擁立するという話が出ていたりとかで、夏の参院選のときと比べると、少し野党連携のあり方というのが衆院選については少し違うのかなという印象を受けているのですけれども、知事ご自身、衆院選に向けての野党連携、野党協力のあり方というのは、どういう方向性で進むべきというふうにお考えになっていらっしゃるかお聞かせ願えますでしょうか。

知事
 そもそも、まだ前回衆院選から2年も経っていないので、衆議院議員の任期4年というのは、憲法にちゃんとそう書いてあるのです。解散の場合はそうではないとも書いていますけれども、そもそも解散というのは、やはり抑制的に行われるべきもので、特に今、区割りの見直しを何でしているかというと、1票の格差問題があって、違憲判決ですか、違憲状態判決ですか、いずれ裁判所の方からも今のままではだめだみたいなことを言われている中で、区割りの見直しをやっているのであれば、およそ国をつかさどる人として、今のうちにやってしまえというのはあり得ないのではないかなと思っていて、区割りの変更をしてからでないと衆院選はしてはだめなのではないのかなと、そのための作業を今やっているのではないのかなと受け止めていて、そういう意味では衆院選というのはまだ先の話なのかなと思ってはいるのですけれども、ただ、国政においては、衆院選は常在戦場と、こういうことなのですけれども、それはイコールいつでも政権交代はあり得る、そして全ての政党、政権を取る、あるいはそういう新しい政権に閣外協力でも参画するというようなことを念頭に常に行動する。いつ選挙があっても、有権者が適切に選択できるように、日ごろから国政において重要な論点を立てながら、いざというとき国民にさっと選んでもらえるようにするというのが、戦略、戦術的なことではありますけれども、そういうものだと思うので。
 ですから、野党協力とか、野党共闘とかということについても、それぞれの政党、さらにはそれぞれの政治家が有権者に向かって日ごろからどうアピールしていくかという問題なのでありましょうから、その中でやっぱり本気で自分たちはこういう日本にしていかなければならないという主張があるのであれば、その中身と、それを実現するために具体的にどういう人たちと協力してやるのかというのは、日ごろから訴えていくものかなというふうには思います。

記者
 台風10号に関連して質問します。知事自身を含めて、これまで累次にわたって国に対して要請活動をされていると思いますけれども、それに対する成果については、知事はどのように評価されておられますでしょうか。

知事
 新しい立法をするとか、そういうところまでいかないような形での既存の法制度を生かした中で、さまざま柔軟に対応するということについては、(国には)いろいろ迅速に対応してもらっているなと思います。岩泉乳業の復旧に強い農業づくり(交付金)の予算を使うことができるようにするとか、あと龍泉洞も天然記念物なので、文化庁の予算で今年度中の再開を目指して復旧していくことができるとか、そういうところは早目早目に進めてもらっているかなという感じがします。

記者
 重ねて恐縮です。首長によって、政府与党との距離感というのはそれぞれ異なると思うのですけれども、今回のような局面で、首長の政治的な立ち位置が国の対応に何らかの影響を与えるというふうにお考えでしょうか。

知事
 それは、事の本質は権力の座に就いた人が選挙での協力と権力の行使をリンクさせて、特に災害の時などでも選挙を手伝わないと予算を付けないみたいな脅かしをしていいのかという問題で、それは民主主義国では決してあってはならないことなわけですから、そこは権力者がそういうことをしているかどうかということが問題なのだと思います。そうでなければ、自治体の首長の態度の問題とか言い始めたら、それは全ての国民がその時の政権与党に対して忠誠心を見せないと、その国民は不利益な扱いを受けるみたいなことを認める社会になったら終わりですから、そういうのは下から目線で見るものではなく、上の方からチェックしていくべきことだと思います。
 私としては、今回の台風10号に関し、日本政府が何か岩手に不利なことをしているとは、全然受け止めていません。

記者
 先ほどの区割りの件で伺いますけれども、他県ではあるいは具体的な市町村名を挙げて、例えばこういうふうに取り扱った方が良いのではないかという意見をしているところもあるようです。具体的にそれを本県でしたのかというのが1つと、あと現行の選挙区が大きく変更されないようにということで申し述べたということですけれども、どうしてもやっぱり4選挙区を3選挙区に減らすとなれば、ざっくり言えば一選挙区10万人の有権者が増えるということになります。そうすると、どうしても選挙区が大幅に変更、区割りが変更になるというのは避けられないという状況だと思うのですが、その中でどのようにすれば大きく変更されない、この意味するところはどのようなところでしょうか。

知事
 1つ、最初の質問に対しては、市町村名レベルでは意見は述べておりません。
 そもそも選挙区を減らすことに私は反対でありますので、そういう意味でも今の選挙区があまり大きく変動しない方が良いというのが基本的な考え方でありますし、明確に言ってはいないのですけれども、地域の一体性や地勢、交通、その他の自然的、社会的条件に配慮というところでは、いわゆる広域的な複数市町村のまとまりとみなされているようなところは、そこを新しく分割したりしないようにして、区割りを変更するのが望ましいと思っています。

記者
 いつも聞いていることですが、政務秘書に関して、その後、動きはいかがでしょうか。

知事
 その後、動きはありません。

記者
 23日に政党のパーティー等があって、政務の方があって、やはり執行部の方、知事部局の方の方もなかなか戸惑うのかななんて私は見ていたのですけれども、やっぱり知事もなかなか動きづらかったのではないかと思うのですけれども、いかがですか。

知事
 公務として扱うかどうかのグレーゾーンを政務担当秘書がぐるっと担当し、グレーのないところだけ事務方に残すみたいなふうにしていたところ、政党関係の会合に出るのも、それは県によっては公務扱いしているし、あと例の長野県の村井元知事の政務秘書が訴えられた裁判での判例だと、知事の政治活動みたいなものも、それは知事としての公務(公的活動)だという判例もあるので、そういう意味で事務方でカバーして良い部分というのは、実は広いのですが、ただ、今まではそういうところで分けていなかったので、やっぱりそこのところはもう少し事務方には事務方が得意な分野で活躍してもらいたいので、政務秘書はやっぱり必要だなと感じています。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。
 

次の定例記者会見は12月7日(水曜日)の予定です。

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