平成28年9月12日知事会見記録
ID番号 N48626
平成28年9月12日13時15分から13時52分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発言があります。それでは、知事お願いいたします。
知事
台風10号による災害から2週間が経過しようとしていますが、この1週間で新たに身元が判明した方々もいらっしゃいます。改めて、お亡くなりになられた方々に対して心から哀悼の意を表し、被災した皆様にお見舞いを申し上げます。
県としては、引き続き市町村、国、関係機関等と連携し、被災者支援や復旧に向けて取り組んでまいります。
また、東日本大震災津波の発災から5年半が経過しました。本県の被災地イコール復興地においては市町村、県、国が一体となって被災者の方々に寄り添いながら「安全の確保」、「暮らしの再建」、「なりわいの再生」にそれぞれ取り組んでいます。災害公営住宅や高台住宅団地が着々と完成し、県立大槌病院と山田病院が開院したほか、商店街や商業機能の再生も本格化しています。
一方、依然として多くの方々が応急仮設住宅等での不自由な生活を余儀なくされています。心と体の健康の問題や将来の生活の不安など被災者の方々が抱える課題について、一人ひとりに寄り添った、より丁寧な対応が必要となっています。
また、このような復興を進めている最中に、今回の台風10号により東日本大震災津波の被災地域においても大きな被害が発生しました。復興はまさに正念場であり、市町村、県、国の連携を密にしながら、また、行政と民間が力を合わせ、全力を挙げて台風10号被害からの復旧とともに東日本大震災津波からの復興に取り組んでまいります。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発言を終わります。
幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればよろしくお願いします。
記者
三点お伺いしたいことがあるのですけれども、まず一点目ですね、今回の台風被害の関連で、災害廃棄物のがれきあるいは水に濡れた家財道具など、片付け作業をボランティアの方のお手伝いなど入るにつれてどんどん岩泉町内を中心に増えている状況だと思うのですけれども、町の方では到底なかなか自力で処理をすることが難しいので、久慈(市)や宮古(市)などと連携して県と協議を進めているというようなお話をされているのですが、例えば、(東日本大)震災の時のように市町村から県が委託を受けて、県が処理を行うというような取組が(東日本大)震災の時はなされましたが、今回も同様の対応など検討されているのかどうか、その辺りをお伺いしたいのですが。
知事
具体的な検討があるという報告は受けてないのですけれども、災害廃棄物の問題はこの規模の大きい自然災害があった時には非常に重要でありますので、県としても市町村からの相談を受けながら、また、いろいろ情報交換、意見交換もしながら、この災害廃棄物の処理がスムーズに進むように努めていきたいと思います。
記者
それからもう一点、人手、マンパワーの点なのですが、これから被害家屋の調査ですとか、例えば、罹災証明の発行など事務的な作業がどんどん進んでいくと当然、小さな規模の自治体だと人手が足りないという事態になっていくと思いますが、その人手の確保については県の方でも町村会に要望されていたりなどされていると思いますが、当然、まず震災復興、被災地にも応援職員が入っておりますし、内陸の市町村からもそういうところに既に人手を出しているというところがあって、必ずしもさらに追加の人手の派遣、職員の派遣というのが余裕がある状態ではないと思います。その辺りの対応というのはどのようにお考えでしょうか。
知事
9月7日に岩泉町と久慈市から派遣要請がありまして、県としては今、市長会、町村会と連携して内陸市町村等からの派遣に向けた調整を行っているわけでありますけれども、その結果いくつかの市町村から既に何人か応援が入っているわけでありますけれども、全国市長会、そして全国町村会に対しても職員派遣の要請をするかということについて、今、検討しているところです。
記者
その辺りの取組も含めて早期に確保したいというところでしょうか。
知事
そうですね、制度的な枠組みのありようも含めて調整しているところです。
記者
ありがとうございます。それから、三点目なのですが、先ほど災害対策本部員会議の方でも岩手県としても50年に1度のクラスの今回の被害だというようなお話がありましたけれども、水害といってもこれまで想定されていたような、例えば、堤防の決壊ですとか、増水で水があふれるなどという、そういうところもありながらも、それ以上のかつて想定されてないような水の流れ方ですとか、家屋の被害なんていうのも今後明らかになっていくと思いますが、その辺りも含めて地域防災計画の見直しですとか、そういう辺りに着手するお考えというのは今のところありますでしょうか。
知事
伊勢湾台風をきっかけに戦後の日本の防災体制というのは災害対策基本法もできて、それらを中心に整備が進んでいったわけですけれども、近年のゲリラ豪雨ですとか、スーパー台風ですとか、いわば戦後型の日本の防災体制が通用しないような新しいタイプの自然災害が発生してきているということだと思うのです。そういった災害が起こるたびに国の方からも改めて避難の適切な勧告指示でありますとか、降雨の量、そして河川の水位といった情報のリアルタイムでの伝達でありますとか、そういったことの周知徹底を求めてきて、それをまた県から各市町村に伝えたりもしております。今回、防災計画の見直しについては、これちょっと担当の方でわかるのであれば、国の方から防災計画の見直しについての通知が来ていましたっけ。
総務部長
総務部長でございます。お答え申し上げます。9月7日、総務省消防庁の方から各都道府県に今回の台風被害を受けまして、今後の水害及び土砂災害に備えた地域の防災体制の再点検についてという通知がまいりました。これは、今後の水害等に備えた県及び市町村の防災体制の再点検を国から求めるものでございます。特にこの中では、市町村において市町村の地域防災計画、マニュアル等を再確認し、避難勧告等の発令体制、確実な伝達、指定緊急避難場所の指定、さらには住民が取るべき避難行動の理解促進、こういったポイントを示しながら平時から実効性のある対応体制ができているかの確認、点検作業を求められております。県としましては、この点検作業を行う中で市町村とも連携して市町村の方での体制整備も含め、協調して取り組んでまいりたいというふうに考えております。
知事
はい、そういうことです。
記者
その辺りを進めていく上で、必要であれば見直しであるとか、修正であるとか、その再点検の結果を踏まえて、今後のことをお考えになられるということでよろしいですね。
知事
今、言ったような作業を進めていく中で、必要であればさまざまな改革とか、変更とかはこれはちゅうちょなくしていくということになります。
記者
先ほど質問の中でマンパワーの話がありました。自治体もマンパワーの不足があるのですけれども、建設関係も当然マンパワーの不足というのは懸念されています。台風がなくても、震災復興だけでも東京五輪の需要なんかもあって現場の人手不足が非常に進んでいたと。これで台風関連が重なることでますます逼迫してくることが懸念という中で、台風の復旧、また、震災復興にブレーキがかかるのではないかという懸念もあるかと思いますが、その辺りの対応をどのように考えていますでしょうか。
知事
東日本大震災からの復興については、予算額で見たピークは昨年度で、その次は今年度で、今後、予算で見た事業量は減っていく傾向にあります。今回の台風10号の復旧作業についても沿岸の地元の事業者プラス盛岡広域振興局の方で調整していく岩手内陸の事業者もかなり復旧作業に従事して、まず地元のマンパワーで対応はしています。東京オリンピック関係の事業がどのくらいあって、そっちにどれぐらい人が割かれるのかというのは、やはり疑問としてはあるのだと思います。その辺はやはり国において、東京オリンピック・パラリンピックのせいで東日本大震災からの復興が減速するようなことがあってはならないということでの必要な調整はしてもらわなければというふうに思います。
記者
ありがとうございます。それから、一次産業についてなのですけれども、大震災から一次産業、漁業を含めてですが、再建がなされてようやく沿岸では希望が持てているというところにまた台風がありまして、二度被災したというような事例も相次いでいます。大震災の時は、特に漁業なんかですと従来の過去の災害を上回るような手厚い補助なんかもあって、それで迅速に復旧したということで生活再建につながったというような経緯もありますけれども、今回もやはり早期復旧させなければ、生産意欲の低下にもかかわってくる、あるいは一次産業離れというのも懸念される中ですけれども、早期復旧に向けて、一次産業の復旧に向けてはどのように考えていますか。
知事
今回の台風10号の災害自体、岩手にとって50年に1度クラスの大きな災害ですし、また、被害を受けた地域、市町村によっては東日本大震災の時を上回る被害を受けているわけですので、まず、今回の台風10号の被害の甚大さ、その特殊性ということを県としても念頭に置いて国に対しても特段の支援を求めているところですし、特に、東日本大震災の復興の途上で受けた被害ということで東日本大震災の際に地元負担を基本的にゼロにしていくというような、そういう東日本大震災からの復興の基本的な考え方を今回の台風10号の災害復旧にも及ぼしてもらえるよう要望もしているところです。
記者
ありがとうございます。次は住居について伺いますけれども、特に岩泉町では広範かつ多数の家屋が損壊していると。岩泉(町)は、特に平地が少ないということで、どうしても水辺に家が張りついているというような地域事情もあるという中で、なかなか住宅再建というのもまた難しいのかなと思っていました。住宅の再建は、まずは緊急避難的な住居の確保、今は避難所に住まわれていますけれども、その緊急避難的な住居の確保と、あと恒久住宅の確保と両面あるかと思いますが、それぞれ対応はどのように考えていますでしょうか。
知事
久慈市の方では、既に仮設住宅あるいはみなし仮設住宅のニーズ調査が行われているところで、岩泉町の方でもだんだんそれを進ませていきます。そして、持ち家再建については、その前にといいますか、安家川とか小本川もそうですけれども、災害復旧、河川改修の計画を作るところからやっていかなければならず、その際に河川の流路を元に戻すのか、それとも今回の災害を踏まえた別な形にするのか、元の流路と違うような形にするのかといったところをまず河川改修の計画として検討していかなければなりません。そういった安全の確保という作業と並行して持ち家再建についても検討を進めていくということになります。
記者
ありがとうございます。私の質問はこれで最後にしたいと思いますけれども、知事は9月10日で知事3期目の就任丸1年ということで、昨日から2年目に入りました。3期振り返りましても、1期目はまずは2008年、要するに前半、序盤に岩手・宮城内陸地震があった。2期目は大震災の対応があって、3期目は奇しくもといいますか、台風災害の対応でスタートしたという、災害救助法が適用される大規模災害が任期の序盤にあったというようなこれまでの経緯でありますけれども、けさほどの災害対策本部員会議での指示の中で、新しい時代の減災対策に努めなければならないというお話がありました。先ほど質問の中では、地域防災計画みたいなソフト面の話もありましたけれども、残り任期が3年で新しい時代の減災対策、ソフト、ハード含めてどのような対策を講じたいと、あるいはその問題意識を持っていらっしゃいますか。
知事
さっき総務部長が説明したような体制とか、仕組みの見直しの中で具体的には検討されていくのですけれども、ざっくり言うとゲリラ豪雨とかスーパー台風とか、あとは強い地震、大きな地震の可能性とか、そういったものが戦後のひところに比べてより切迫したリスクとしてありますので、そこにきちっと向き合って、技術の進歩によって気象情報というのはかなり正確に事前に入手できるようになっていますので、それを生かした迅速な対応、また、雨量や河川の水位や、そういったリアルタイム情報もより共有しやすくなっていますので、そういう技術の進歩、また、情報の取り扱いに関するやり方の進歩を踏まえた対応というのが一つ大きいというふうに考えています。
また、減災には強靱さというのが必要になるのですけれども、河川改修などのハード面も大事です。プラス何かあった時には地域のコミュニティーの絆で、それに対応するとか、また、外部からのボランティア、その受け入れ体制を迅速に整えて、外部からの力を大いに活用していくとか、そういったところも新しい時代の新しい災害にふさわしいようにしていけば県民の安全を確保することができると考えます。
記者
台風10号関連で、政府の調査団の務台俊介さんが1日に岩泉(町)に入った時に、一部報道されているようにおんぶをされて移動したということが非常に被災地の心情を害しているというような報道があって、昨日いらした松本防災担当大臣もこの件に関しては承知をしていて、被災地の心情からすると配慮に欠けていて、不適切であり、口頭で注意したというお話がありましたが、知事はこうした行為あるいはこういうことが話題になっていることに関してどのように受け止められますか。
知事
発災直後の調査団の岩手入りについては30日、台風が来た翌日には岩手入りし、さらにその次の日にもう現地入りしたということで迅速に対応してもらったと思いますし、その間、県はじめ地元からの状況の報告、そして要望をきちっと聞いてもらうことができたと思っています。視察についてもそうであったと思いますので、政府調査団としての目的は達成できたのではないかなというふうに思います。
記者
そうすると、今おっしゃった所期の目的が遂げられたのであれば、おんぶということがちょっと思いが至らなかったというふうに務台さん本人もおっしゃっていますけれども、あまりそこは取り上げることではないかなというふうな受け止めでいらっしゃるということでしょうか。
知事
発災直後のことなので、地元側の現場、県や市町村の現場で対応している職員たちに過剰な負担を求めるというのはちょっと心苦しいところもありますけれども、突き詰めればやはり地元側で長靴を用意できなかったということは申し訳なかったと思います。
記者
わかりました。ありがとうございます。あと別件で、昨日、国体の水泳競技が終了しました。本大会に向けて、(10月)1日が本大会ですけれども、水泳の結果についての知事の所感と、あと本大会に向けた期待とを教えてください。
知事
リオデジャネイロオリンピックで活躍した日本代表選手の皆さんがほぼそのまま岩手にやってきて国体水泳競技に参加していただき、地元としても大いに盛り上がりましたし、また、全国的にも報道などで取り上げてもらって非常によかったと思います。
岩手県勢の成績については、千葉すみれさんがえらかったなと、2つ100メートル自由形と50メートル自由形で8位入賞ということで得点を稼いでもらえたので、よかったと思います。
記者
本大会に向けてはいかがでしょうか。
知事
台風10号災害復旧ということがあるわけですけれども、東日本大震災復興の架け橋国体、台風10号災害復旧の架け橋国体という意味も重なってあるのだと思います。ですから、本大会を成功させることで、また、その成功に向かって取り組むことで台風10号災害復旧の方も加速させることができ、全国的にも注目いただいて、それが支援にもつながりますので、国体の本大会成功に向けて、さらに力を入れて頑張っていきたいと思います。
記者
国体から台風の話に戻って恐縮なのですけれども、二つお尋ねしたいと思うのですけれども、まずは今回の台風における、算定途中ではあるのですけれども、被害総額についてです。今日の時点で822億円余りということで、東日本大震災を除くと過去に例を見ないような被害額となっていること、土木関係、農林水産関係ですけれども。今回、このような被害額、莫大な被害額になったということについての所感をまずお聞かせください。
知事
非常に残念で、こういう災害はない方が良く、なければ良かったなと思うし、また、今後ないことを祈るわけですけれども、発生した以上、それぞれ復旧を進めることはこれはやらなければならないことですから、ちゅうちょなくこれはしっかり復旧事業を進めたいと思います。そこには大変額の大きい費用がかかるわけですけれども、これは何とか工面しなければなりませんので、激甚災害指定は大体見込みがあるなという感じでもありますし、そうした国からの財政支援ということを引き続き要望しながら財源を工面してしっかり復旧を進めていきたいと考えます。
記者
二つ目の質問というのは、今まさにおっしゃった激甚災害の指定についてですけれども、政府から大臣クラス、または副大臣クラス、政務官クラスがいらっしゃるたびに要望はなさっていたと思うのですけれども、改めまして指定への見通しについて、現段階で知事のところに入っている状況をお聞かせ願えますか。
知事
昨日、松本防災担当大臣が10号の前の台風被害なども合わせながら激甚災害指定に向けてでしたか、そういう方向で調整するという趣旨のことを述べてくださったと受け止めておりますので、その調整が順調にいって、まず我々としては岩手が受けた被害について激甚災害のスキームでより手厚い補助がこの自治体財源の方に行われるということを期待します。
記者
今日の災対本部員会議の資料にもございましたが、孤立集落というのは10月初めにも大体解消されると。大分、右肩下がりで下がってきているのですけれども、避難者数というのは、今日初めて400人を切りましたが、大体400(人)から500(人)の間で前後していて、岩泉(町)に当たっては被害家屋の調査というのはまだ上がってきてはいませんが、恐らく避難者のうちの多くが住宅半壊及び流失した可能性が高いと。先ほど仮設住宅みたいな話もございましたが、一定期間の避難所生活というのは覚悟しなければならないところかなというところで、避難所生活に対する対応についてのお考えをお聞かせください。
知事
県の方でも避難所一つ一つ気をつけて見ていますし、専門家もそれぞれ派遣しているところです。また、県社協も入ってボランティアあるいは物資の支援、そういった外部からの応援支援との調整もしながらきちんと安全の確保と、また、生活の水準が悪化しないようにということに努めていきます。
記者
岩手の場合であると、東日本大震災というのがあって、避難所支援というのはある程度ノウハウがあるかと思うのですけれども、この辺の活用といったところはお考えありますか。
知事
もう初動の段階からかなり対応はできていると思っていまして、まず食べ物に不自由せず、着る物についてもちゃんとあって、そして衛生面でも問題がないようにということを中心に、さらに自衛隊による入浴支援もいただいていますし、また、だんだんボランティアとか、物資支援で福田パンをたくさん持ち込まれたところもあって、すごく喜ばれたという話も聞いていますし、そういう行政以外の主体からの支援も含めてですね、やはり家を失ったり、また、家が住むことができない状態にあったりというのを補うくらいの何か後で振り返って明るい思い出とか、そして今、将来に向かって希望のもとになるような、何かそういうこともあるような避難所生活というのでなければだめだと思いますので、そういったことも民間力も含めて調整していきます。
記者
もう一点、先日、温帯低気圧が接近した際に、各地で避難勧告であるとか、避難指示が出たのですけれども、台風10号の接近に伴う時もそうだったのですが、避難勧告、避難指示、避難準備情報というのは、出すのは主体は市町村単位ではあるのですけれども、まちまちな部分があったりして、先日、高崎市の方では避難準備情報はもう使わないと、わかりづらいと、そういったところで、先ほど地域防災計画の見直しみたいなところがあるのですけれども、市町村単位の危機管理みたいなところというのはまちまちになってはいけないと思うのです。ある程度、例えば、温帯低気圧が接近した時に久慈市は11時ぐらいに避難勧告を既に出したのですけれども、岩泉(町)の方は午後3時ぐらいになってしまって、いわゆる避難時間というのは久慈市と岩泉(町)の間ではかなり差が出てしまったと。そういったところで、ある程度、統一したというか、温帯低気圧や台風が来るとわかっているのであればそろえるみたいなところが必要なのかなというふうに思うのですが、その辺、県としてはまとめて対応するみたいなのは考えているのでしょうか。
知事
消防、防災は自治の原点というところがあって、それで市町村ごと、さらにはコミュニティー単位で消防団が作られていて、市町村が避難勧告や避難指示を出すというのは、このくらいの雨がこのくらいの時間降っていれば、うちの近所のこの川というのはどのくらいの時間でどうなるというようなことが、そういうのが一番わかるのは地元自治体、またさらにはコミュニティー、突き詰めるとそこに代々100年住んでいるその家の人が一番よくわかるみたいな中で分権的といいますか、そういう危機管理が基本にはなっているのです。ただ、ゲリラ豪雨とか、スーパー台風みたいになってくると、過去の経験とか、その時の感覚、地元の人の感覚というのでは対応できない、今回まさにそうだったと思うのですけれども、その場合はやはり気象庁からの情報の数字に基づいて早目早目に判断していかなければならないというのは今回の教訓だと思うのです。ですから、そこはまずやはり市町村ごとに検討してもらわなければならないというところがあると思いますし、ただ、検討の様子、また、検討の結果は県も情報共有して、ここはこうした方がいいのではないかと思えば、そこは県の方から助言したり、支援したりしていきたいと思います。
記者
今回の台風10号で、やはり内陸から沿岸への支援物資というのがなかなか行き届かないというか、どうしても岩手での地形上、内陸から沿岸に行きづらいというところで、大分迂回して時間もかかる、そしてまた夏の災害ということで非常になかなか支援物資が届きにくいということがありました。今後こういったことが繰り返されないために、県としてはどのように対応というか、対策をしていきたいと考えていますか。
知事
石井国交大臣がいらした時にもこの話をしたのですが、復興道路、復興支援道路として整備が進んでいる三陸沿岸道路でありますとか、釜石花巻間の高速道路、そして宮古盛岡横断道路のできている部分については、台風10号でもびくともしなかったのです。そのびくともせず、使えるところが今回迂回路にも使われたりして助かったわけでありまして、やはり沿岸の縦軸、そして沿岸と内陸を結ぶ道路を高速道路、高規格化していくということは早目早目に進めていかなければならないということだと考えます。
記者
もう一点、すみません。災対本部員会議でもありましたけれども、今回20人という死者、また行方不明者も今4人という状況、この状況について、知事としてはどのように考えていますか。
知事
大変残念なことで、亡くなった方々のご冥福を祈るしかないのでありますけれども、伊勢湾台風のころに戦後日本の防災の基本ができ上がって、その後、それが機能してきたというのが通用しなくなっている近年、そういう新しい事態に市町村、県、力を合わせて、国の力もいただきながらしっかり対応していかなければならないなと改めて思います。
広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は9月20日(火曜日)の予定です。
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