平成28年8月8日知事会見記録

ID番号 N47853

平成28年8月8日10時30分から11時20分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。

知事
 まず、神奈川県相模原市の障害者支援施設での事件を受けて、その容疑者が供述している考え方への反論や障がいのある人もない人もお互いに尊重し合いながら共に生きていくという決意を、談話という形でまとめましたので、以下、知事談話を読み上げます。
 神奈川県相模原市の障害者支援施設での事件に対する知事談話。
 7月26日、絶対に起きてはならない、信じられないような事件がありました。犠牲になられた方々に、心からご冥福をお祈りいたします。また、負傷された方々が一日も早く回復されるよう、お見舞いを申し上げます。
 人の命はかけがえのないものです。その命を突然奪うようなことは、決して許されるものではありません。障がいのある人も障がいのない人も共に差別されることなく、基本的人権を享有するかけがえのない個人として等しく尊重されなければなりません。このことは、我が国においては日本国憲法により保障されており、国際的には「障害者の権利に関する条約」により保障されています。
 岩手県では、平成23年の障害者虐待防止法、平成25年の障害者差別解消法の制定に先んじて平成22年に制定された「障がいのある人もない人も共に学び共に生きる岩手県づくり条例」に基づき、障がいのある人と障がいのない人とが互いに個人の権利を尊重し合いながら心豊かに主体的に生活することができる地域づくりを目指しています。
 岩手県民の間では、昔から障がいのある人もない人も共に生きるという意識のもと、多くの取組みが行われてきました。県行政においても、年齢や性別、心身の障がいの有無に関わりなく、お互いの個性や尊厳を認め合い、共に生活するという考え方を重要な理念と位置付け、いわて県民計画や東日本大震災津波復興計画に盛り込んで、県政全般に活かしています。
 今年は、本県で国民体育大会と共に全国障害者スポーツ大会が開催されます。この全国障害者スポーツ大会と、それに併せて開催される文化プログラムや関連の行事を通じて、全国各地から集う皆さんと、改めて、障がいのある人もない人も、お互いの個性や尊厳を認め合い、共に支え合う社会を目指すということを、この岩手の地で確認し、全国に発信していきましょう。
 障がいのある皆さん、社会のかけがえのない一員であるという自信と誇りを持って堂々と生きてください。
 県民の皆さん、特に次代を担う若い世代の皆さん、障がいのある人もない人も、互いに支え合う共生社会を一緒に築いていきましょう。
 平成28年8月8日、岩手県知事 達増拓也。
 次に、台湾での東北トップセールスの実施について報告します。8月23日に東北観光推進機構の主催により台北市内で開催される「台湾・日本東北交流懇談会2016」に出席し、東北各県の知事の皆さんとともに台湾の大手旅行会社や航空会社の幹部に対して、東北広域での観光のPRを行うなど台湾での東北トップセールスを行います。
 台湾は、岩手県を訪れる外国人宿泊客の半分以上を占める大切なお客様で、昨年の台湾からの宿泊客数は震災前の4割増となっており、多くの方に岩手県においでいただいています。また、東日本大震災津波では、多くのご支援をいただいており、岩手県にとって大切な絆で結ばれた地域です。
 今年度においても、既に5月29日から6月2日に、私、台湾を訪問いたしまして、岩手県のトップセールスを行いました。今回の訪台では、東北の各県の知事の皆さんらとともに東北広域での観光PRを行うとともに、台湾政府関係者をはじめ台湾の方々に、東日本大震災からの復興への支援に対する御礼、そして今後の一層の交流拡大の働きかけを行うこととしています。東北、岩手と台湾の双方における交流の深まりにつながるよう取り組んでまいります。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項2件について各社から質問があればお願いします。

記者
 台湾でのトップセールスの関係でお伺いしたいのですが、今回このような形で東北各県の知事の方、皆さんおそろいで現地に赴かれてトップセールスをするというのは、これまでそんなに例がないことかと思うのですけれども、改めて、広域でPRすることのメリットみたいなところ、今回どのようにお考えになられて現地に行かれるかというところを伺いたいのですが。

知事
 今年度初め、仙台に東北6県の知事が集結しまして、観光庁の長官も来ていただいて、東北の観光振興、特にインバウンド、外国人観光客を増やそうという決意を新たにした流れの中で、今回みんなで一緒に台湾に行こうということにしたわけでありますけれども、台湾から日本への観光客数というのは近年どんどん増えていて、もともと親日的で、また、日本に対する関心も高い台湾、それがますます高まっている中、やはり東北としてまとまって台湾を訪問することで、よりインパクトの大きい、インパクトの強いトップセールスをすることができると期待しています。
 あとは、実態として台湾から観光に来る場合、どこか1県だけを徹底的に回る方もいらっしゃるわけでありますけれども、やはり県境を越えて東北の中を広域的に回る観光というのが大きなウエートを占めるわけでありまして、そういう意味でも東北として、知事みんなでまとまってPRをするということが効果的と考えています。

記者
 今の質問に関連して、23日に何か具体的に決まることとか、あるいは具体的にこんなことを話し合いますと、ちょっと内容的なものを教えていただければと思うのですけれども。

知事
 基本的に東北に来てくださいというPRをしてくるということで、プロモーションですよね、そういう宣伝をしてくるということと考えています。

記者
 同じ台湾でのトップセールスに関してですが、東北周遊、周りみんなでということでしたけれども、特に岩手の強み、魅力なんかをどう伝えたいという思いはいかがでしょうか。

知事
 そうですね、東北周遊旅行の中でも、岩手の中のいわて花巻空港ですとか、新幹線でありますとか、あと高速道路でありますとか、そういったものを活用していただくのが効果的だと思うので、そういったところをまず伝えたいと思いますし、あとは世界(文化)遺産が二つあるということで、東北での文化遺産は平泉と釜石の二つでありますから、その辺は推しポイントだなというふうに思っています。

記者
 一つ目の相模原の事件に対する談話の件でお聞きします。犯罪は社会を映す鏡だとも言われております。それで、事件からしばらくたちましたけれども、そういう中での談話ということで、いろいろ障がい者の支援に関わる方に取材をすると、社会経済的な背景もこうしたものにあるのではないかという、それは犯罪を犯す側もそうですし、あと、障がい者の方に対する視線というのもあるのではないかと。中には、今の政治の中で強いものだけをというような趣旨のもので懸念を抱いている方もいらっしゃるようです。その点知事は、どのように受け止められますか。

知事
 まず、一般的に犯罪が起きたときにその原因、理由ということについては、ひとえに犯人、本人が悪いという一つの極と、いやいや、社会が悪いという一つの極があり、ただ実態としては、その中間のいずれかに実態があるというところなのだと思いますが、今回の個別具体的な事件については、まだまだ実態の究明を待たなければならないところがあると思うのですけれども、その中で容疑者が言っている障がいのある人たちをおとしめるような、そういった考え方がそうではないのだということは、これは実態が究明される途中の段階であっても日本国内あちこちからどんどん声が上がっていく方がいいと思って、私としても談話を発表したところであります。

記者
 ありがとうございました。おっしゃるとおりだと思いますので、今、お話を聞いていて、もう一つの声があって、犯人側の方も薬物というか、そういったものの反応も出たということですが、精神障がいがあるのではないかと、まだ実態が解明していない中ではありますけれども、出ていて、そういった中で逆に精神障がいの人が社会と一緒に共存しているということは危険だという、そういうことへの精神障がい者の社会参加への道を閉ざすものではないかという懸念もあるようなのですが、やはりさっきおっしゃったような二つの極があって、その中間で複合的にまざっているという、そういう中でいろいろ解決していかなければいけない問題ではないかなと思っているのですが、知事いかがでしょうか。

知事
 その問題については、容疑者が犯した罪に対する罰の責任を逃れられるほどのそういう状態になかった可能性もある。つまり、犯した罪に値する罰を当然普通に受けなければならない状態であったかもしれない可能性も残っているわけでありますから、その可能性があるにもかかわらず薬物とかなんとか、そもそも本人が精神的にどうだったということを広く押し広げて一般論化していくということはできないと思います。一方で、本人が既にしゃべったり報道もされているような障がい者をおとしめる考え方というのは、既に世の中に出ているわけで、それを否定していくということが今必要なのだと思います。
 罰について免責されるかどうかということについては、まだまだ実態究明していかなければわからないと思うのですが、犯した罪の大きさということは、これはもう罪としてはある種確定していると思うので、これはこういうことはあってはならない、許せないということは、日本社会として幾らでもこれは強調してし過ぎることはないと思います。

記者
 私も談話に関連して、今回こういう大きい事件があったタイミングで全国障害者スポーツ大会が岩手で開かれると思うのですが、その当日のイベントやそれに向けた取組など、具体的にどんなところを通じてこういった共生社会というのを訴えていければ、そういう気持ちが広がればいいなと思っていらっしゃるか、お願いいたします。

知事
 全国障害者スポーツ大会は、私も過去、幾つか視察をしたり、また、応援をしたりしていますけれども、障がいのある人もない人も共に生きるということを実践する活動でもあり、また、非常に象徴的に多くの人たちにそのことを浸透させる効果のある行事でもありますので、まず大会として成功させることが大事だと思っています。あとは、さまざまな関連のプログラムや行事、岩手県においては障がいのある方の芸術作品、その特別展示会なども行いますし、そういった関連の行事も含めて、広く多くの人たちに共生社会の考え方が浸透していくよう工夫していきたいと思います。

記者
 談話に関してなのですけれども、例えば、支援施設にこの談話を配るであるとか、この談話の活用方法をちょっと具体的に考えているところを教えてください。

知事
 今、県の各部局でいろいろ検討してもらっているところですので、今日しゃべって終わりということではなく、何かしら紙の形で配るとか伝達するとか、福祉の現場もですけれども、教育の現場も大事ですから、そういったところを今、関係部局で検討してもらっているところです。

記者
 いわゆる学校教育の現場ということですか。

知事
 はい。

記者
 引き続き談話に関してなのですけれども、少し難しいことなのかもしれないですけれども、結構世論では、オリンピックもそうです、オリンピックとパラリンピックを一緒にしてしまえばいいのではないのかなという議論も結構いろんなところで出てきていまして、国体も実際分かれていますけれども、これを一つにするというのもそういう議論があってもいいのではないのかなと思っていて、主催者側からしたら分けておく方がやりやすいのかもしれないとか、そういう理屈もあるのかもしれないですけれども、でもこういう事件があって、例えば知事がそういう発言、方向性を示したら、今後そういう流れになっていく可能性もあると思うので、そこら辺について、ちょっと難しい質問で恐縮なのですけれども、お考えを率直にお聞きできたらなと思いまして、お願いします。

知事
 超人スポーツというのを国体・大会プラスとして取り組んでいるのですけれども、これはテクノロジーの力を借りて誰でも、という中で障がいのある人もない人も同じ土俵で競技ができるようなものを志向しながら開発されていまして、パラリンピックの義足の発達で障がいのないアスリートよりも成績が良くなる人が出てきたりしているということもあって、テクノロジーの発達ということで、障がいのある人、ない人が同じ土俵で競技できるようになっていくという、そういう方向性はあるのではないかと思っています。
 今年の希望郷いわて国体・希望郷いわて大会には間に合わないし、東京オリンピック・パラリンピックにも間に合わないかもしれないのですが、超人スポーツをやっている人たちはかなり東京オリンピック・パラリンピックに向けて、そういう新しいスポーツの概念、新しい人間のあり方の提案みたいなことを意識してやっているところもあるので、その端緒は今年の希望郷いわて国体・いわて大会、そして国体・大会プラスのところで、その端緒を切り開くことができればというふうに思っています。

記者
 やっぱり分けてやる方が開催する側にしてはやりやすいというか、そっちの方が動きやすいものなのでしょうか。

知事
 スポーツの競技について、例えば、古代ギリシャにまでさかのぼることができるような伝統あるスポーツとか、あるいは、近代オリンピックの黎明期、100年ぐらい前に確立してきたスポーツとか、そういう文化としてのやり方、それを続けていけばそこは基本的に障がいのない人の世界というふうになるというところがあるのだとは思うのですけれども、ただ、障がいのあるなしという文脈とは違うのですが、柔道という競技は、日本で発達した柔道とはかなり違うルールでオリンピックで行われるようになっていますから、やっぱり国際世論のあり方の中でスポーツ各競技の文化、伝統を守るというのと、それをより開かれたものとして多くの人が参加できるようにしていくというあり方の考え方の中で、世の中全体としてはより開かれた競技のあり方という方向に進んでいるとは思うので、運営の仕方という点からすれば、分けてやろうが一緒にやろうが、そこはあまり本質ではないと思うのです。個々の競技のルールをはじめとする個々の競技のあり方というところがポイントなのかなと思います。

幹事社
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 先週行われた安倍政権の内閣改造について伺います。これは、県政にも非常に直結する問題でありますので伺います。知事は、新内閣の発足を受けて、震災復興やふるさと振興を力強く推進してほしいというコメントを出されましたが、今まで一方では、安倍政権の路線については問題提起をいろいろされてきた知事でもあります。その復興、あるいはふるさと振興、つまり地方創生ですけれども、それぞれ担当大臣が代わりました。あとは、防衛大臣の稲田氏の起用についてもさまざま外交摩擦が強まるのではないかとか懸念も出ていますけれども、もろもろ含めて新内閣の顔ぶれについての評価をお聞かせください。

知事
 憲法上も内閣は内閣として一体で国会イコール国民に責任を負うということで、内閣全体、組織として国民に対して責任を果たしていけばいいので、その中で人事というのは組織のあり方としてあるものなので、どんな行政機関でも人事ということはあり、属人的にある人があるポストに就いたから政策がどうなるというふうにはならないように、ある種誰がポストについても組織としては基本的に統一的な組織としての政策を展開するというのが事の本質だとは思うのですけれども、ただ今回、まち・ひと・しごと創生法の関係、いわゆる地方創生について、石破大臣がもう内閣には残らないということを早く宣言し、その後、では誰がなるのかというのが報道されなかった時に、ひょっとして地方創生担当大臣というのはなくなってしまうのではないかということは心配しました。地方消滅の危機ならぬ、地方創生消滅の危機みたいな、一億総活躍という方の陰に隠れてしまって、地方創生という政策が内閣の主要政策ではなくなったら困るなと。福岡県での全国知事会議でも、「地方創生なくして一億総活躍なし」ということを盛んに決議文に入れたりして、一億総活躍ということばかりがクローズアップされ、地方創生への取組がなくなってしまわないようにということを全国知事会議でもかなり心配しました。やはり、あれだけ手間暇かけて、国も、そして都道府県と市町村も5カ年計画を策定して取り組んでいることですから、これがおろそかになるようでは内閣のあり方としておかしいと思うので、ここをちゃんとやってほしいというのが一番の心配です。

記者
 ありがとうございます。そうしますと、コメントでは復興とふるさと振興を力強く推進してほしいと、これは岩手県の二つの重要な課題だと思いますけれども、力強く推進してほしいということですけれども、その力はそうすると強まるということではないという受け止めですか。

知事
 復興については、新しい大臣、今村大臣が就任早々被災県を訪問し、また、被災地も視察するということで、内閣として復興を最重要課題の一つとして取り組んでいくということは伝わってくるなというふうに思います。ただ、地方創生関係については、何かあまり内閣からのメッセージ的なものが感じられないので、もうちょっと力を入れてほしいなと思っています。

記者
 ありがとうございます。それから、あと一週間で終戦記念日ということでありますけれども、毎年、政権与党の三役あるいは閣僚が靖国参拝するしないうんぬんという話題が取り上げられる時期でもあります。それについての是非についてはどう受け止めますか。

知事
 政治家個人、あるいは政治家以前の人間個人としての考え方とか、あるいは行動様式とかはいろいろあるのだと思うのですけれども、これもまたやはり内閣としてきちっと近隣諸国との関係で、過去についてきちっとした認識を持っているのか、また、そういう過去の歴史を踏まえた上で近隣諸国と友好関係、発展的な関係をつくっていこうとしているのかという、そこをきちっと内外に示すことは内閣として必要なことだと思いますので、そこで内閣の一員が勝手に個人的に、スタンドプレー的に行動したり発言したりすることはまずいと思います。

記者
 おとといですけれども、大船渡東高校の講師が北海道の方で強制わいせつの疑いで現行犯逮捕されたという事案がありました。これに関する知事の所見の方をお願いしたいと思います。

知事
 逮捕ということで、大変遺憾に思っております。事実関係はこれから究明されるのだと思うのですけれども、教職員として生徒に直接接して教育に携わる者は、やはり法律に違反してはならないということ以上の倫理性といいますか、きちっと人の道を教えていく、そういう立場にあると思うので、改めて教育に携わる人たちはそういうことを自覚してほしいというふうに思います。

記者
 特にも教職員の立場での性犯罪ということで、問題の方が大きいと思うのですけれども、再発防止といいますか、綱紀粛正についてはどのようにお考えでしょうか。

知事
 まず、警察による捜査の進捗を見ながら、教育委員会においても厳正に処分するということを既に言っていますけれども、そのとおりにしてもらわなければならないというふうに思います。また、再発防止についても、今回のこの事件について、二度とこういうことをしてはならないということを教職員一人一人の自覚につながるような形で、教育委員会としてもやってもらわなければというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。話題は変わりまして、明るい話題の方を。昨日、甲子園の方で、盛岡大学附属高校が打撃戦の末に一回戦勝利しましたけれども、これに対しての知事の所見の方をお願いします。

知事
 すごかったですね。車で移動中、ラジオで聞いていて、4対4ぐらいのころから聞き始めましたので、シーソーゲームの追いつ追われつの様子をずっとラジオで聞くことができました。まず、激闘に勝利した盛岡大学附属高校の硬式野球部の皆さん、あっぱれと言いたいですし、また、相手が福岡県代表のここ毎年甲子園に出ている強豪校ということで、甲子園というオールジャパンの舞台で天下を向こうに回して大暴れというような大活躍を岩手の代表校がやってのけたというのは、岩手県民として非常にうれしい喜びであります。
 ツイッターのトレンドってありますよね、ツイッターで特に注目されている言葉をランキングする。昨日から今日にかけてですが、結構長い間、盛(岡)大附というのが1位になっていて、全国的にもあの試合はすごいと、あれに勝った盛(岡)大附はすごいと、全国的にも評判になったということで、岩手県民として大いに自慢したいなと思います。

記者
 ありがとうございます。次の相手も創志学園、強豪だと思うのですけれども、次への期待はどうでしょうか。

知事
 今まで練習してきたこと、またやはり岩手県内の高校野球のレベルは非常に高くなっていますから、そういう県内の強い相手と戦って、それに勝利してきたその経験というのに基づいて、自分たちのペースでやっていけば決して後れることはないと思うので、マイペースで伸び伸びとやってほしいなと思います。

記者
 ありがとうございます。もう一点、今、オリンピック期間中で、メダルラッシュに沸いていますけれども、今週末には岩手県出身、高橋英輝選手が競歩の方に出場します。これに関する期待の方をお願いしたいと思います。

知事
 知事室に来てもらいまして、それでいろいろやりとりもしたのですけれども、やはり今までの練習の成果を出していくのだということで、マイペースで伸び伸びやってもらうことで大きな可能性も出てくるのだと思うので、悔いなくベストを尽くしてほしいなというふうに思います。

記者
 ちょっと先ほどの内閣改造の話に絡んでなのですが、岩手においては地方創生というのは復興と直結する話で、知事がよくおっしゃっているように、大事なのは本質的なところは、いわゆる自由に使える予算と権限ということだと思います。そういった意味では構造改革というのが一番求められるところだと思うので、そういった観点から内閣改造に伴って政権への注文というのをお聞かせください。

知事
 秋の補正予算が今、議論されているのですけれども、この地方創生でも地方の方でいろいろ具体的にアイデアを練って、それを国にチェックしてもらって、そこに予算がつくというような形が今、主流になっているわけですけれども、やはり地方交付税交付金を厚くするというような、何にでも使える予算を、地方の予算を厚くすることがむしろ地方創生効果は高いと思われますので、そういった方向で秋の補正予算を組み立ててほしいなというふうに思います。

記者
 あともう一点、ちょっとお盆を挟んでしまうので、早目に聞いておこうと思いまして、知事が20日ですか、無投票から1年になります。なので、1年通しての自己評価と、今後の展望をお聞かせください。

知事
 本格復興を、きちっと事業を完了させていくということについて、まず一定軌道に乗せていること、またそういう中でさまざま遅れている部分とか、また、復興の長期化で生活支援やコミュニティー支援が必要になっているというところに国や市町村とも連携しながら対応しているという点、やるべきことはやっているかなと思っております。そして、国体と(全国)障害者スポーツ大会の準備というのも大きいのですけれども、これの方も復興と並行しながらの準備ではあったのですけれども、まず最低やらなければならない準備が進むのに加えて、国体・大会プラスのような新機軸も幾つか盛り込むことができていますし、また競技力向上の面でも、8位以内という目標達成に向けて、かなりいい感じに仕上がってきていると思います。あとは、次の県の長期計画策定ということとの関係で、幸福という概念を行政に取り入れてやっていくということについても議論が始まり、また、専門家の委員会も立ち上げたところでありまして、そういう将来に向けた手も3期目の最初の1年のところできちっとやることができたかなというふうに思っています。

記者
 幸福度ということで、昨日、私も未来塾の方に参加させていただいて、率直に勉強になったなと思うのですけれども、人口減に対する意気込みというのもいただけますか。

知事
 まず、昨日も確認したような各年代の人口がバランス取れて安定していく、そういうある種の定常状態に持っていくのだという長期的な人口ビジョンの正しさのようなものを昨日は確認することができたと思います。短期的にはどれだけ人口流出を減らしていくことができるかということで、昨日、藻谷浩介さんからは、地消地産という考え方が大事だということが出まして、そのとおりだと思っております。地産地消の反対で地消地産、地元で生産しているものをとにかく消費しようというのの反対で、今、地元で消費しているものはできるだけ地元産にしていこうという、そこのところが若者、女性の生きにくさを生きやすさに転換していくことにも通じていて、都会も地方も人手不足状態なのですけれども、その中で地方を暮らしや仕事の場として選んでもらうということにもつながっていくと思うので、一つの象徴的な取組が3年後の三陸防災復興博というもので、岩手の三陸を中心とした地域資源を改めて一気に発掘して、そしてそれで地消地産ということを岩手で将来にわたって大々的にやっていけるという形を作るようにしていきたいと思っています。

記者
 毎度聞いていることで、政務秘書のことなのですけれども、知事としてはどういった人材が政務秘書になってほしいと思って人選をされているのでしょうか。

知事
 適材適所で、また、人によっていろいろ得意分野はありますので、知事秘書についてもこういう人でなければだめとか、そういうのはないというところがあります。ただ、やはり秘書としての経験があった方がいいということは思っていますし、秘書としての経験がない場合には、何か組織の中で働いた経験があるというような、そういう人がいいなと思っています。

記者
 そういう意味で、進捗はいかがですか。

知事
 そうですね。まだ発表、お知らせできるところまでは行っていません。

記者
 それで、あともう一つ、お盆が間もなく始まって、お休みがあると思います。先ほどから話が出ているように、オリンピックとか、いろいろテレビを見ていても楽しいものが目白押しなのですが、知事はどのようにお過ごしになられる予定でしょうか。

知事
 遠くに行ったりはせず、普通のお盆の過ごし方を、実家に家族や親戚が集まったりとか、お墓参りをしたりとか、そういう普通のお盆の過ごし方をする予定です。

記者
 ちょっと話が戻ってしまうのですけれども、相模原の障害者(支援)施設の関係で、普通なら警察は被害者の名前を実名で発表するのですけれども、今回はずっと匿名で発表していて、知る権利との兼ね合いで匿名発表についてどう思うかというところと、あともう一点なのですけれども、匿名にする背景に家族からの強い要望があるということで、家族に障がい者がいるということを世間に知られたくない、そういうまだ根強い差別があるという状況があるということをご家族の方たちは言っているようでして、そういう状況についてはどう考えていらっしゃるかというのを伺いたいと思います。

知事
 知る権利というのは、裏を返すと世の中を良くするためにいろんな情報を入手して、それでいろいろ考えたり行動したりということを広く一般の人たちもやれるようにするという観点からは、情報が制限されるというのは残念なところがあるのですけれども、一方、ご家族の意向というのはやはり尊重しなければならないなというふうに思います。そして、ご家族の意向の背景として、日本社会で障がいのある人に対する差別的なことが見受けられるということが背景としてあるのではないかということについては、私もそういう心配はします。今日のこの私の談話についても、もっと日本社会のいろんなところから同じような声が上がった方がいいのではないかと思っていて、ちょっと今、日本社会全体としてそういう声の上がり方が足りないのではないかなと思いつつ、まず自分にできることはやろうと思って、今日、談話を発表しているというところがありまして、やはり日本社会、もっともっと障がいのある人、ない人、共に生きる共生社会というような感じ方、考え方、そして行動というのを浸透させていくように努力しなければならないなと思っています。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

 次の定例記者会見は8月22日(月曜日)の予定です。

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