平成28年6月13日知事会見記録

ID番号 N46228

平成28年6月13日15時30分から16時03分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。

知事
 発表事項の第1は、平成28年度一般会計6月補正予算(第1号)についてです。6月23日に招集する県議会6月定例会に提案する平成28年度一般会計補正予算(第1号)です。補正予算の規模は約16億円、補正後の現計予算額は1兆677億円となります。
 今回の予算編成の考え方ですが、震災分は東北観光復興対策交付金を活用したインバウンド対策の実施に要する経費など、復興の推進に必要となる予算を、通常分は「希望郷いわて国体・希望郷いわて大会」等に伴う行幸啓対応や平成28年熊本地震被災自治体の国体等への参加支援に要する経費など、早期に措置が必要な予算を計上しています。
 補正予算の主な内容は、震災分では約6億円を計上しており、市場ニーズを踏まえたプロモーションの展開やインバウンド推進のための受入基盤整備等に要する経費、県産品の情報発信や購入機会の拡大を通じた訪日外国人の誘客に要する経費を盛り込んでいます。
 通常分では約10億円を計上しており、平成28年熊本地震で被災した熊本県及び熊本市の選手団が安心していわて国体に参加いただけるよう必要な支援経費を盛り込みました。また、岩手医大が取り組む大規模災害時の医療救護活動などを行う人材育成事業に対する補助を盛り込んでいます。
 今後とも適時適切に補正を行いながら、復興とふるさと振興にしっかりと取り組んでいきたいと思います。
 発表事項の2つ目は、ラグビーワールドカップ2019釜石開催準備委員会の設立についてです。ラグビーワールドカップ2019日本大会釜石開催の成功を目指して官民の関係団体がスクラムを組み、一丸となって開催準備に取り組んでいくため、「ラグビーワールドカップ2019釜石開催準備委員会」が設立されることとなりました。この組織は、ホストシティである岩手県、釜石市のほか、県内の経済・商工団体、競技団体、観光、交通・運輸等の関係団体の代表者等で構成されます。平成28年7月2日に設立総会と併せて第1回総会が開催され、委員会の会長に岩手県知事を、会長代行に釜石市長をそれぞれ充てることが提案される見込みです。「オール岩手」の体制が構築されることで、ラグビーワールドカップ2019釜石開催の準備に向けた取組が本格化し、県内における準備活動や機運醸成の促進が期待されます。
 発表事項の3つ目は、「第6回いわてマンガ大賞」コンテストの開催についてです。こちら(バックボード)にポスターが貼ってありますけれども、県と盛岡情報ビジネス専門学校は、岩手のマンガ文化の振興とマンガを活用した岩手県の魅力発信を目的として、「第6回いわてマンガ大賞」コンテストを共同で開催することとし、今日から作品の募集を開始しました。今回、「一般部門」と前回新設した「スポーツ4コマ部門」の2部門で作品を募集します。「一般部門」では、岩手県を題材とした未発表のオリジナル作品を募集します。岩手の魅力を読者に伝えるものであれば、マンガのジャンルは問いません。「スポーツ4コマ部門」では、「希望郷いわて国体・希望郷いわて大会」またはスポーツ全般にちなんだ作品を募集します。幅広い層から数多くの作品が集まることを期待して年齢別に「中学生以下の部」、「高校生・一般の部」の2つの区分を設けました。「一般部門」の大賞作品は、県が運営している「コミックいわてWEB」で公開しますほか、来年3月発行予定の単行本「コミックいわて」シリーズ第6弾にも掲載します。また、「スポーツ4コマ部門」の入賞作品は、各種広報媒体などで公開し、マンガやスポーツを身近なものと感じてもらえるよう活用してまいります。
 また、コンテストの一環としまして、県ゆかりの漫画家によるマンガの描き方講座を開催しますほか、漫画雑誌の編集者の方々を複数招いて応募作品の添削会を実施するなど、マンガ制作への興味を深め、技術を研さんする機会を多く設けてまいります。
 回を追うごとに応募作品の内容が充実してきておりまして、6回目となる今回はさらにレベルの高い作品が多数寄せられることを期待しています。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項3件について各社から質問があればお願いします。

記者
 補正予算についてなのですけれども、熊本地震の被災自治体に参加支援をするということですが、東日本大震災の際にも開催県から岩手県の方に参加支援をいただいたという記憶がありますけれども、それを踏まえて今回の支援に対する思いというか、所感をお願いしたいと思います。

知事
 岩手がそういう支援を受けた時は大変ありがたかったですし、また、助かりました。やはりあれだけの大きな災害に直面している熊本県、熊本市、県財政、市財政のやりくりも大変だと思いますし、また、気持ちとしてもいわて国体、そして障害者スポーツ大会に参加することで、岩手はもちろん、全国から支援されているのだということを確かめることができればなというふうに思います。

記者
 岩手が支援いただいた時には、たしか現地の知事さんがこちらの方に赴いて直接届けてくれたというふうなことだったと思うのですけれども、達増知事が熊本の方に伺って届けるということはあるのでしょうか。

知事
 今年の夏、全国知事会議が福岡県の福岡市内で行われる予定で、そこに私も行く予定がありますので、その前後に熊本の方にまで足を伸ばせるかどうかというのを今、調整中です。

記者
 岩手医大への支援の方なのですけれども、補正の関連ですね、今回、この補正をつけた意図と、今後に向けて知事の所感をお聞かせください。

知事
 大規模災害時の医療救護活動を行う人材育成というのは必要でありますので、予算化したところであります。
 他方、これは全国的に国の予算で行ってもいいというか、本来行うべきことでもあると考えていますので、実は来年度予算の対政府要望提案の中に盛り込んでいます。ただ、今はそういう国の制度がありませんので、県の予算として今回盛り込んでいるところです。

幹事社
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 5月29日から台湾ミッション4泊でしたでしょうか、行ってこられたということで、現地で中華航空の孫会長とも懇談があったかと思います。何か先方から新しい提案などあったのでしょうか、どのようなやりとりをなさったか教えてください。

知事
 来年の季節定期便に向けて、早い段階でもうやると決めていただきたいというふうに思っていたのですけれども、先方から、今年11月に季節定期便化の判断をしたいという話がありましたので、これは、具体化に向けて一歩前進だなというふうに考えています。ほかにも、この秋のチャーター便運航に関する具体的な計画を提示していただきまして、この秋のチャーター便を成功させて、そしてその頃に、11月に季節定期便化の判断をするというように、定期便化に向けた段取りがどんどん具体化してきているという、そういう成果が今回はあったと思います。

記者
 ありがとうございます。まさにこの春並びにこの秋のチャーターの実績というのが国際定期便化への結果として求められるという大事な時期になりますけれども、本県としては改めて利用率の向上、特にアウトバウンドが弱いという指摘も中華航空からされていますけれども、取組について教えてください。

知事
 今回の今やっている定期チャーター便については、アウトバウンドの予約率が約90%ということで、かなりいい数字になっていますので、この調子でさらに今後も頑張っていきたいと思います。

記者
 参院選とは絡まないのですけれども、以前まで知事の政務秘書を務められていた木戸口英司さんが選挙準備のため4月末に退職されて、そこから1カ月余りが経過しましたけれども、現在、それまで政務秘書は不在という状況での執務であったと思うのですけれども、それについて政務秘書がいる時と不在の時で何か執務に影響は出ているのかというところと、今後、新たに政務秘書をつけるというお考えはあるのか、この2点お願いします。

知事
 思い出しながらしゃべりますと、まず、私の達増拓也後援会の皆さんとの日常の活動についての連絡とか、あといろいろ話を聞くというのが政務秘書がいないということで、そこはやや不自由になっています。ただ、参院選に後援会の方でも参加するということで、選挙関係の選挙対策事務所やその準備の段階の事務局の人が代わりに後援会関係の連絡役をやってくれるみたいな格好になっているという現状なのですけれども、これは平時の体制では非常にそこは不自由するなというのを今感じています。
 あとはいろいろ私のことをよく知っているかのような感じで秘書課に連絡してくる。ただ、本当にその人が僕のことをよく知っているのかというのを秘書課の職員が受けて、これが政務秘書でそういう私の個人的な付き合いについても把握している政務秘書がいれば、その辺はさささっと整理できるものについて、県職員たちを大分煩わせたり、悩ませたりしてしまっているなという感じもしているので、そういう観点からもやっぱり政務秘書というのが必要だなと思っています。

記者
 今後新たに採用する方針とかというのはどうでしたでしょうか。

知事
 そう簡単にほいっと決められるような状況にもないので、今のさまざまな動きからすると参議院議員選挙が終わってから選んだり、決めたりする作業に入れるかなというふうに感じています。

記者
 参院選の話になりますけれども、今日、つい先ほどまで小沢代表が県内各政党、木戸口さんの支援を決めた各政党あるいは団体の方に訪問されて、支援の改めてのお願いというか、あいさつ回りをされていたということなのですけれども、この時期にこういう形で小沢代表が来県されて、こういう活動をされることについて、木戸口さんの支援を表明されている知事として、効果というか、その辺りどのようにお考えになられるかというのをお伺いしたいのですが。

知事
 まず、木戸口英司さんを応援する個人としてはうれしい気持ちです。それから、去年、知事選で野党結集というものを含む幅広い県民党的な力の結集というのを実現し、それが今回の参院選にもそのまま流れてきていて、そしてそれが岩手を良くし、また、日本をいい方向に変える力も持っている、そういう動きを大事にしたいというような政治家としての思いからは、東京、国会の方で早い段階から野党結集の重要性を訴えていて、さまざま去年の安全保障法案をめぐる動きの中でそういう野党共闘というのをリードする役割も果たしていた小沢一郎さんが、岩手で各政党や関係の団体を回って歩くというのは、そういう国政での動きと岩手県内での動きを連動させて野党結集を含むそういう県民党的結集とか、あるいは、日本全体の新しい政治の動きとかというのをより確かなものにする効果があるというふうに思います。

記者
 それから選挙公示前、今日が最後の記者会見になると思うので、改めてお伺いしたいのですが、今後、今回の参院選の関わり方、週末も特に公務など入っていない際には、集会などにご出席されているようですけれども、改めてその辺りどのように今回、公示後も含めて関わっていかれるおつもりでしょうか。

知事
 出陣式あるいは第一声とか、公示日のそういう大きなイベントでありますとか、あとは選挙中の大規模な集会でありますとか、そういったところに私も出ると、そこで何かしゃべるというようなことはあると思います。

記者
 参院選に関係して私もお聞きします。昨日、木戸口さんの選対がありまして、選対役員が選出されました。その中に総括責任者の中に知事の後援会連合会の会長である森越さんが就任されたとお聞きしました。今、お話がありましたけれども、公務がある知事という職としては、お休みの時とか、あるいは公務のない時にしか活動できませんが、森越さんが入ることは、やはり一心同体である木戸口さんを応援するために名代として活躍してもらえるという、そういう思いがおありでしょうか、いかがですか。

知事
 今回、森越さんに選対総括責任者になってもらうということについては、私からも森越さんにお願いしたという経緯があります。去年、森越さんに達増拓也後援会連合会の会長になっていただく時には私と木戸口当時秘書と2人で森越さんの家に行ってお願いしたこともあるのですけれども、そういう意味ではその3人の協力関係というのが一つ大きいと思っていまして、去年の知事選でそういう3人のしっかりした連携ができたのですけれども、それが今年にもそのまま生かされていけばいいなというふうに思っています。

記者
 ありがとうございます。あと、今回の選挙の構図について、前もお聞きしたと思うのですが、ちょっと改めてお聞きしたいことがあって、これは野党結集したということでいうと去年の知事選で5野党党首が集まった。そういうものが今回の32ある全国の1人区での統一候補擁立実現に大きな源流となっているというのを先ほど小沢さんもいらしてお話ししておりました。それと併せて考えた時に、去年実現しなかった達増拓也さん対平野達男さんのその選挙を参院選岩手選挙区という舞台に移して争うことになった、そういうふうな捉え方をする方もいるし、そういう面もあるのかなと私も思っているのですが、知事としてはこの点はどのように分析というか、ご覧になりますか。

知事
 参院選の方から見ていってもわかりやすいと思うのですけれども、今回の参院選は安全保障法制を今のままでいいのか、廃案にしたほうがいいのではないかということが大きな争点であり、かつ、そういう集団的自衛権も認める、そういう方向で憲法も改正しようと。集団的自衛権というのは、身の回りの防衛だけではなく地球上のどこにでも行って戦う、いわば帝国的なそういう路線になるわけで、戦前、戦中回帰的なところもあって、改憲、憲法改正もそういう戦前回帰的な方向でいいのかと。それに絡んで、この21世紀にふさわしい経済、社会政策が求められているのに弱肉強食的な市場原理万能的な方向性でいいのかというようなことが今年の参院選の主要な争点だと思うのですが、象徴的な安全保障法制というのが、実は去年の知事選でそれがメインイシューになったというのか、あるいは非常に大きな要素になったということが、私が無投票当選した一つ直接の理由として相手候補予定者だった人によって語られているわけですよね、安全保障法制の問題がクローズアップされたので、立候補断念ということだったわけなので。今年は参院選で国政がメインテーマ、国政が基本的にテーマになっているわけだから、まさに去年決着がつかなかった、棚上げされた安全保障法制をめぐる投票ということが、今年はできるという意味でも同じ構造になっているというふうに思います。

記者
 そうすると、今、木戸口さんもテーマにされている岩手を守り、日本を変えるという、去年は岩手を守り、今年は、日本を変える、そういう戦いの図式というふうにも評価されているのでしょうか。

知事
 岩手の方に軸足を置いてみますと、東日本大震災津波ということを経験し、その中で人間の在り方、社会の在り方というのを厳しく見詰め、考え、そして行動していくということに岩手県民は迫られたわけですけれども、そういう中から作り上げていった復興、それは県の復興計画の形で文書になっていて、そしてそれを年度ごとに着実に進めてきたという実績が形となってあるわけですけれども、その今までの5年間というものをさらに力強く続けようと去年知事選に向けて思っていた人たちが、国政については安全保障法制には反対という、そういう方向性と一致していたわけでありまして、それが去年の夏、国会前でデモをしていたような、そういう人たちとも呼応して岩手の知事選の準備というのも進んで、1日だけは知事選挙戦があったのですけれども、そこでもまさにそういう復興や地域の振興というテーマと安全保障法制の問題が呼応するような形はあったわけです。それは今年も同じような形で参議院議員選挙が戦われるというふうに思います。

記者
 相手が達増さん対平野さんというのを木戸口さん対田中さんになった代理戦争というのは違うのでしょうか。

知事
 どこに視点を置くかですけれども、僕は基本は有権者が主役だと思っているので、有権者からするとそういう復興やふるさと振興、そして国政の安全保障や憲法の問題というテーマについて、そこは去年賛成していた人たち、反対していた人たちの多くは去年と同じスタンスで今年の参院選にも臨んでいき、誰が立候補者としてそういう有権者の願いを実現してくれるのかなという時に、今年は去年私が立った位置に木戸口さんが立っているということですよね。

記者
 相手は相手ということですかね、そうすると。

知事
 相手の本当に訴えていることとか、考えていることというのは私が推量できることではないので、そちらについては詳しくは語りません。

記者
 参院選なのですけれども、昨年の知事選で告示前日に、野党の党首の方が結集して知事と記者会見してアピールなさったわけですけれども、それと同様に、19日に野党4党の三役クラスの方が県内入りして街頭演説をする方向で今、調整しているようなのですけれども、これについて知事の所感をお願いしたいと思います。

知事
 そうですね、やっぱり去年の展開を思い出させるような、そういう企画が進んでいるのだなと思いますし、県内の政治的な動きと、そして国政というのはやはり連動しながら進んでいるのだなというふうに思います。

記者
 その19日に知事ご自身は参加する予定とかはあるのでしょうか。

知事
 どういう行事になるのかというのは私もつまびらかには知っておりませんし、ですから、まだ私が19日に何をするとかしないとかということについては決めていません。

記者
 参院選に関してなのですけれども、知事選が無投票になった時に達増知事がブログの中で天下の軍勢が退却したという言い方をされていました、非常に記憶に残っているのですが、明日、安倍首相が入ります。まさに達増知事がおっしゃっている天下の軍勢の頭領なわけです。何を自民の側が訴えているかというと、小沢一郎先生から続く改革勢力の政治からの転換を訴えていく、いわゆる安定政権の下での政策実現を訴えていく。こういったことを訴えてくるとは思うのですけれども、そういったのにはどういうふうに反論するでしょうか。

知事
 去年は日本のほかのところで全然選挙がない時に岩手県だけ知事選挙、そして県議会議員選挙があって、そこに時の政権が入ってくるという、まさに天下の軍勢が入ってくるイメージがあったと思いますが、参議院議員選挙は全国一斉に選挙が行われ、その準備も今、全国一斉に行われているので、政権与党のトップ、イコール総理大臣もいろんなところを回られるのではないかと思います。いろんなところを回る中で、それぞれ共通のことを主張したり、行った先々に特徴的なことを主張したりされるのだと思いますけれども、それは特に総理大臣のおっしゃることであれば謙虚に聞いて、参考になるのであれば参考にしたいなと思います。

記者
 本当ですか。

知事
 はい。

記者
 本当であればちょっとあれなのですけれども、わかりました。

知事
 謙虚に聞いて参考にしたり、何かしゃべる場に自分もそこに行く、つまり集会に参加するとか、そういう意味ではないですよ、多分、後で報道されるでしょうから、そういうのはちゃんと読んでおこうという意味です。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

 次の定例記者会見は6月23日(木曜日)の予定です。

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