平成28年5月9日知事会見記録

ID番号 N45217

平成28年5月9日10時30分から11時03分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。

知事
 まず、平成28年度県勢功労者の決定についてです。県勢への発展に多大の功労があり、その実績が極めて顕著であって、県民の模範となる方々を県勢功労者として昭和55年度から顕彰してまいりました。本年度の県勢功労者については、県内各界の代表の方々で構成する県勢功労者顕彰選考委員会にお諮りした上で、このほど決定をいたしました。
 本年度の顕彰は、岩手県社会福祉協議会会長等として社会福祉の向上に貢献された桑島博(くわしま ひろし)様。岩手県農業共済組合連合会会長理事等として、農業者の経営安定化に貢献された鈴木長壽(すずき ちょうじゅ)様。岩手県産業創造アドバイザー等として、産業振興施策の推進に貢献されたトヨタ自動車東日本株式会社名誉顧問の内川晋(うちかわ すすむ)様。岩手県看護協会会長等として、保健医療の充実に貢献された村田千代(むらた ちよ)様の4人といたしました。
 表彰式は5月25日、知事公館において行います。この5月25日は、1876年、明治9年に岩手県の県域が現在の形に決定した日でありまして、今年は140周年になります。
 次に、特定職員によるメール問題についてです。このたび農林水産部の幹部職員が他の職員に対して、特定の国政選挙立候補予定者の後援会への入会などを促すよう求める内容のメールを送信した事案が発生したことは、誠に遺憾であり、この機会に県民の皆様におわびを申し上げます。
 これまでの調査の結果、本事案は、当該幹部職員が国からの配分予算を増やしたいと思い、選挙応援が予算確保につながるものと短絡的に考え、法令上の問題性を突き詰めることなくメールの送信に至ったものであります。当該幹部職員もこれを認めておりますが、他の職員などから、さらに詳しい事実関係の確認を進め、今週末を目途に明らかにしてまいります。なお、先週の5月6日には総務部長から職員の服務規律の確保に関する文書を発し、改めて周知徹底をしたところであり、引き続き再発防止の取組を進め、県民の信頼回復に努めてまいります。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 質問の前に記者クラブへの転入者を紹介します。転入者から一言挨拶をお願いします。

 (記者紹介)

幹事社
 では、ただいまの知事の発表事項について各社から質問があればお願いします。

記者
 2番目に発表のあったコンプライアンスの件で伺います。県職員が選挙に関して後援会に加入を働きかけるというのは、これはまずは地方公務員法で禁じられていると。もう一つは、公選法でも禁じられているということで、2つの法律で主に禁じられているということですけれども、やはり先ほど県民に対しておわびということですから、そもそも今回の事案というのは調査中とはいえ、やはり法律違反であった、またはその疑いが非常に強いというような認識でよろしいのでしょうか。

知事
 まず、地方公務員法に関しては、一般職の地方公務員の政治的行為を制限しているものであり、今般の事案については、その詳細について引き続き調査中ではありますが、地方公務員法第36条に規定する政治的行為の制限に抵触する可能性があると考えています。また、公職選挙法については公務員の地位を利用した選挙運動等を禁じており、これに対する罰則も定められています。ということから、今般の事案が公職選挙法に抵触するかどうかは、これは司法の判断であるというふうに認識しております。

記者
 ありがとうございます。調査結果は間もなく明らかにされるということですけれども、まだ調査中ということであると思うのですが、基本的にこれらの行為に対しての対応方針というのはどのように臨むのでしょうか。

知事
 一つ再発防止に関しては、先ほど述べましたように、普段から国政選挙前には服務規律の確保に関する文書を発していたところでありますが、それを前倒しして周知徹底を図っているところであります。また、この事案の調査については、まず今週末に発表、報告できるよう進めていく一方、関係職員の処分について、調査の結果を踏まえ、しかるべき時期に厳正かつ適切に行ってまいります。

記者
 ありがとうございます。今回の事案というのは、知事が今おっしゃったとおり、一つには法律に抵触する疑いがあるということと、もう一つはそれをまた勤務時間中に行われたというところがもう一つ問題点だと思いますが、その辺りを踏まえての再発防止策というのはどのようになるのでしょうか。

知事
 服務規律の問題ということで、法令遵守の中にまた信用失墜行為の禁止でありますとか、職務に専念する義務といったことが地方公務員法には書かれてありますが、他方、罰則がないことから、法令面とさらに服務規律という広い観点から処分の検討を行っていくことになります。

幹事社
 そのほか質問のある社はございますでしょうか。

知事
 処分の検討と、あと再発防止についても進めていくということです。

記者
 メールの問題に関してなのですが、公選法に関しては司法の判断に委ねるということでしたが、調査結果をまとめた段階で警察へ届け出ということも考えているということでしょうか。

知事
 まずは、今週末をめどに調査を進めて検討していきますけれども、必要であればこの調査結果を警察に引き継いでいくということになると思います。

幹事社
 そのほか質問はございませんでしょうか。

記者
 今の質問に続いてなのですけれども、必要があればというご発言がちょっと気になったもので、必要があればというとどういう想定になるときが必要があるという考え方になるのでしょうか。

知事
 そこも法令上、厳密にどのような対応をすべきかということも含めて、今週末には報告、発表できるようにしたいと思います。

記者
 必要があれば刑事、司法への判断もというお話だと思うのですけれども、必要があれば、どういう事態が必要なときなのかが少しイメージがわかないもので、もし

知事
 問題は、当該事態が必要かどうかという判断を今、作業、調査を踏まえ、行っているところであります。

記者
 例えば、この調査の結果で、当該の職員さんに関して、今回の事案だけにかかわらず、過去長年にわたって同じようなことをやってきたとか、そういった悪質性とか、そういうのが出てきたらというイメージでよろしいのでしょうか。

知事
 そこは質問しているのは、公職選挙法違反ということがどのような場合に違反に当たるかという質問だと思うのですけれども、これは、公職選挙法の教科書というか、コメンタールを書くような話になりますので、我々がやっているのは、個別具体的な事案が、公職選挙法違反として、警察に引き継ぐべきかどうかというところの最後の詰めを行っていくということであります。

記者
 前提としては、引き継ぐためにということですか、今のお言葉を聞くと。現在はないのですよね。

知事
 現在まだ調査中という段階にありますので、警察に引き継ぐか引き継がないかということも今週末には報告できればと思います。

記者
 調査結果を踏まえた上で判断するという、そういうご理解ですか。

知事
 そうです。

幹事社
 そのほか質問はございませんでしょうか。
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 連休前の話なのですけれども、DIOジャパンに関して奥州、一関、花巻の各市が補助金返還を決めて、6月定例会に予算計上するということを表明いたしました。これに関しての知事の所感をお願いしたいと思います。

知事
 それぞれこれまで県が要請したことについて対応していただけるという趣旨の判断がなされたものだと受け止めておりますので、時間はかかったわけですけれども、よかったと思っています。

記者
 補助金返還がなされれば、今回の事案も一定程度一段落というか、一区切りつくような形になると思いますけれども、改めて今回の事案を受けて、今後の対策なり、振り返りながらでお願いしたいのですけれども、今後の対策とか、展望というものをお聞かせください。

知事
 補助事業の適正執行ということについて、多くの教訓を得たと思いますので、再発防止イコールこの補助事業の適正な執行、さらには、公金の取り扱いの適切さの確保ということについて、県としては、そのための新しい部署を設けたり、また、チェック体制を強化したり、会計検査院との人事交流も今年度行って、より力を入れていきたいと思っています。

幹事社
 そのほか質問はございませんでしょうか。

記者
 連休の前後にかかって起きたことで、まず参院選の岩手選挙区で7月に任期満了を迎える主濱さんが不出馬を表明されました。これについて知事のご所見をお伺いします。

知事
 主濱さんの不出馬ということについては、さまざまな事情もあって、ある意味苦渋の決断をされたというふうに思っていまして、非常に残念なことではあるのですけれども、一方、政治家としての道と人間としての道、それぞれを大切にしていきたいというその思いが県民の皆さんにも理解され、そして生かされていくことを期待します。

記者
 ありがとうございます。それで、これまで会見でお尋ねしていた野党共闘について、主濱さんを統一候補として内定した形で進んでいたものが、また仕切り直しの形になっています。これまで知事は、前回の会見でご自身も何か応援していけるような形というか、前向きな発言をされていたと思いますが、これによって、野党共闘について何かご認識の変化等はございますか。

知事
 1つは、主濱さんが勇退されるということは、突然のことでありまして、これまでも、今も、主濱さんが参議院議員として国会での活動、地元での日常活動をそれぞれやってこられた実績もありますし、また、県民の多数のご理解もいただきながらそういう活動もしてこられたということで、まずはそれがきちっと引き継がれていくということが大事だと思っています。
 野党結集ということについても、主濱さん自身が去年の岩手県知事選挙の時もそうでしたけれども、そういう野党の連携、力の結集ということについて、岩手県はもちろん、全国的な動きもリードするような活躍をされてきたわけですので、そうした志と、そして具体的な運動がしっかり引き継がれていくことを期待します。

記者
 ありがとうございます。それで、今のお話に絡んで、主濱さんとしては、そういった中で自分が(出馬を)やめるに当たっては、後継は確保しておかないといけないのだということで、先月末に辞職されましたけれども、知事の政務秘書であった木戸口さんのお名前が取り沙汰されていますが、これに関しては、知事はどのような受け止めをしていらっしゃるでしょうか。

知事
 それに関しては、私も主濱さんご本人から直接その存念と考え方を伺いまして、そして木戸口さんからも伺いまして、それに基づいて木戸口政務秘書の辞表を受理し、辞職の辞令を出す手続きを取ったところであります。
 一方、本人がまだ公にはそういった存念や考え方を発表していませんし、また、県内野党間においても、明日の会議でそれぞれの政党の考え方を持ち寄るというふうに聞いておりますので、今の段階で私から主濱さんの後継とか、次の候補者ということに言及するのは控えたいと思います。

記者
 ありがとうございます。わかりました。そうするとその点は了解しましたが、民進党が先週末に別の方を民進党として適任と考える方の名前を公表しました。それで、木戸口さんは先ほど知事がおっしゃったように、オフィシャルにはっきり表明したということではないのですけれども、いずれ複数の方が挙がっているという中で、野党共闘がどういうふうに収れんされていくのが望ましいとお考えでしょうか。

知事
 畑浩治さんは畑浩治さんで、公には自らの意思なり考え方を発表していませんので、私も事前に特に説明を受けていませんので、こちらの方について私から言及すべきでないと考えております。いずれ4党の会議については、その会議で何をどう取り上げ、どう決めるかということもその中で調整しながら進めている話でありますので、それはもうそちらを見守るような格好かなとは思っているのですけれども、広く岩手全体のことを考えた時に、それこそ盛岡タイムスさんが四分五裂と呼んだ岩手県政が野党の結集によって収れんし、県民にとってもわかりやすく、また、安全保障法案でありますとか、様々な政治課題をめぐる議論にも対応しながら、県民が政治に参画し、政治を動かしていけるような、そういう流れの中で野党結集ということが進んでいるので、それを大事にしてもらうといいのではないかと思います。

記者
 うちの記事も出していただいてありがとうございます。あとその上で、あくまで野党共闘に向けた政党同士の協議を見守るということで、改めて昨年の知事選であった結集のようなことを知事が率先して何か参画してうまい方に向かうようにするというようなお考えは、今の時点ではないでしょうか。

知事
 私は、存在自体が野党結集のたまものであり、象徴であるのはもちろん、それ以外の無所属とか、無党派の議員の方々や、県民の皆さんの県民党的力の結集のそれが人間の形になっているのが私だと思っておりますので、そういうものとして存在すること自体がそういう流れを応援する形になると思っています。

記者
 ありがとうございます。あと、別の質問でもう一点お尋ねします。最近、東京の舛添知事の海外出張費の額や、別荘からの公用車の使用問題が報道されております。これについて、同じ知事という立場で、この問題、報道等について、どのようなご認識を持っていらっしゃいますか。

知事
 国と国との間に内政干渉、不干渉があるように、都道府県の間でもその都道府県において、それなりに考えて、そしてそれぞれのルールに基づいてやっていることについては、あまりとやかく言わないほうがいいのかなということが基本的にはあります。週末の過ごし方とか、それから、外国出張のあり方についても、それがいかに都道府県政全体の中で役に立っているか、意義を果たしているかということだと思いますので、そこは舛添知事が東京都民の皆さんに対してきちんと説明し、理解を求めていかれればいいのではないかと思います。

記者
 ありがとうございます。先般、民放の「Mr.サンデー」という番組で、都道府県知事でアンケートをしていて、紹介はされませんでしたが、岩手県知事も回答されていたのを画面で拝見したのですけれども、今と同じような趣旨のご回答をされたのでしょうか。

知事
 たしか一概には言えない、それぞれ都道府県の中での判断ということがあるというような趣旨の答えをしたように思います。海外出張でも何か勝負をかけて、ある程度お金をかけなければならないこともあるでしょうし、また、週末の過ごし方というのも、そもそも知事というのはその都道府県に住民票がなくてもよくて、東京出身者、東京に家がある人が地方の県の知事になっていたり、週末、東京の実家に戻るということもあるわけですし、一概にそういうことがだめだとは言えないのだと思っていて、だから東京都の知事さんが週末に東京都以外のところにいるということについても、そこはそれで都政に支障がないのかとか、また、都政に何かプラスになるのかとか、そういったことが都の中で確認されていけばいいのだと思います。

記者
 参院選の話に戻るのですけれども、先ほど知事という存在自体が野党結集のたまものだというお話がありましたけれども、今、野党結集がどうなるのか不透明な状況の中で、昨年の知事選ではこぞって知事のもと、知事を支えるということで結集をされた勢力が、今後、その野党結集がどうなるのかというところがよくわからなくなってきてしまっている状況がある。あるいは、過去を振り返れば、政権交代を目指すということで民主党という政党のもとに集った方々が、それぞれ相反する候補を野党統一候補として推すべきだということで、それぞれ皆さん主張されているということで、結論としてはどうなるのかというのは、明日の会議も踏まえてのことだと思いますけれども、なかなか不透明な状況になっているという、この今の現状について、いかがお考えになられますでしょうか。

知事
 会議のテーブルにはついているわけでありますし、野党の歴史をさかのぼりますと自由党が民主党と合併するかという時に、当初、民主党内には反小沢的な雰囲気があって、合併、合流しないとかなっていたものが、衆院選がどんどん近づいてきて、やっぱり一緒に力を合わせてやった方がいいということで、合流して選挙に臨み、勢力を大きく伸ばしたことがありますし、その直後の参院選の時も菅さんが代表を辞めて小沢一郎さんがなるのか、いやいや岡田さんだとかぐちゃぐちゃやっていたのですが、いざ岡田さんで一本化されて、その参院選でさらに躍進しましたし、ある意味、ああだこうだと議論を戦わせた末に一つの結論に至るというのが、野党側の必勝パターンということも言えるのではないかなと思っています。

記者
 政務秘書ポストの取り扱いについて伺いたいと思います。知事は、木戸口氏の辞表を先月27日付で受け取られたと思いまして、空席になっていると思います。知事は、これまで政務と公務は明確に区別してきた印象を私は持っているのですけれども、その中で、木戸口氏が政務部門を担ってきた役割は、県政の運営の中では大事なものだったのだろうと思います。木戸口氏の後任について、できるだけ早く置きたいと思っていらっしゃるのか、あるいは、当面は空席にされるというような想定でしょうか。

知事
 去年は知事選挙もありまして、その選挙の準備という政務職の強い仕事が多い中、木戸口さんにはまず野党結集ということに向けて、8月19日に5野党党首と私が固い握手を交わしたあの時の事務局役なども含めて、県民党的な力の結集ということについて尽力してもらいましたし、また、希望マニフェストもその原稿は木戸口当時秘書に書いてもらって印刷に回したりとかということをしてもらっていて、そういうことができる人というのはなかなか他にいないものですから、すぐに後任というわけにはいかないのですけれども、一方、私自身にとって去年の今ごろに比べますと、あまり政務度の高い仕事がひしめいているわけでもありませんので、そういったことから、今の段階、後任は誰ということについては、白紙の状態であります。

記者
 ありがとうございます。今、木戸口氏が県民党の構築の上で大事な役割を果たされたというお話でした。これから参院選の野党の統一候補になるかどうか、基本的にはそちらの方向で野党協議は進むのだろうと思いますけれども、知事のこれまでの政治的な、それぞれ誰になるかは今はわからないですけれども、先ほど出た名前も含めて、もし統一候補になった場合には、それぞれの人物によって、知事の関わり方というのは変わるものでしょうか。

知事
 選挙への関わり方というのは、もうこれは情勢、そのときの情勢によって全然違います。

記者
 関連してなのですが、先ほど主濱さんから直接お考えを聞いて、今回辞退するということで直接お考えを聞いたということだったのですけれども、知事の方で昔、主濱さんが参院選に初出馬したときとか、選対本部長とかやっておられて、主濱さんから、一身上の都合ということでしたけれども、事前にその部分について相談を受けていたのでしょうか。

知事
 これはご本人が結論を出した後に、後継の話とセットで話を受けたということです。

記者
 後継の話とセットで、初めてそのときお話があったということですか。

知事
 そうですね、私もさまざま主濱後援会の活動に来賓で呼ばれて、地元の活動にご一緒する機会もあったのですけれども、そういう切羽詰まった状況だということに私も気が付かなかったところは、不明を恥じております。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は5月16日(月曜日)の予定です。

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