平成28年4月25日知事会見記録

ID番号 N45032

平成28年4月25日10時30分から11時16分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。

知事
 まず、発表事項の1つ目は、「岩手の幸福に関する指標」研究会の設置についてです。岩手県政の推進に当たり、物質的なゆたかさに加えて、岩手ならではの生き方や人のつながりといったゆたかさにも着目していくことが重要ということで、幸福に関する指標の県政への導入を検討していきます。幸福に関する指標の導入を検討するに当たっては、先行研究はもとより岩手県の社会経済的背景や地域の状況などについて専門的な観点からも議論していただくことが重要ですので、このたび、社会学や経済学などの専門家の皆さんから成る「『岩手の幸福に関する指標』研究会」を設置することとしました。第1回の研究会は4月28日に開催し、研究会の基本方針、今後のスケジュール、幸福に関する岩手の特徴等を議論していただきます。その後、研究会を数回開催して、10月をめどに研究会から中間報告をいただきたいと考えています。幸福に関する指標については、平成30年度までのいわて県民計画第3期アクションプランの期間内にも試行的に導入し、次期県民計画における本格導入を目指していきます。
 発表事項の2つ目は、トヨタ自動車株式会社等との連携によるラグビーを通じた復興支援イベントの実施についてです。このたび、トヨタ自動車株式会社から「希望郷いわて国体・希望郷いわて大会」支援の一環として、ラグビーを通じた復興支援のお申し出をいただき、釜石市、釜石シーウェイブス、岩手県ラグビーフットボール協会等の関係機関との調整の結果、7月2日の土曜日、そして7月3日の日曜日に復興支援イベントを開催することとしました。7月2日、いわぎんスタジアムでトヨタ自動車ヴェルブリッツと釜石シーウェイブスとの復興支援マッチ、そして7月3日には釜石で両チームの選手による釜石市内の小学生を対象としたラグビー教室等を開催します。スポーツの力、ラグビーの力で復興を後押しし、「希望郷いわて国体・希望郷いわて大会」の成功に向けて官民一体となってその準備の取組を進めてまいりますとともに、ラグビーのより一層の機運醸成につなげていきたいと思います。
 3つ目は、「希望郷いわて国体・希望郷いわて大会」開・閉会式の観覧者募集等についてです。関係のポスターも張ってありますけれども、まず開・閉会式の観覧者募集についてです。今日の午後1時に開始します。募集期間は6月30日、木曜日まででありますけれども、専用の申込用紙に記入して郵送していただくか、インターネットで申し込んでいただくということになります。申込用紙は、県庁、広域振興局、県外事務所等の出先機関、県内市町村窓口及び一部のコンビニエンスストアなどで入手できます。募集人員は国体総合開会式では約8,000人を予定しています。そして、この開・閉会式にご出演いただく方々を紹介することができるのですけれども、まず、国体総合開会式のオープニングイベントには宮本信子(みやもと のぶこ)さん、臼澤(うすざわ)みさきさん、エンディングイベントに千昌夫(せん まさお)さん、新沼謙治(にいぬま けんじ)さん、式典前演技に村上弘明(むらかみ ひろあき)さん、柴田泰孝(しばた やすたか)さん、総合閉会式のエンディングイベントにEXILE・USA(エグザイル・ウサ)さん、全国障害者スポーツ大会開会式のオープニングイベントに松本哲也(まつもと てつや)さん、歓迎演技に国体と同じく村上弘明さん、柴田泰孝さん、そしてエンディングイベントには福田(ふくだ)こうへいさんと松本哲也さん、そして閉会式のファイナルステージにはAKB48(エーケービーフォーティーエイト)ということになります。岩手の顔というような岩手を代表する方々、また「あまちゃん」、「どんど晴れ」でドラマに出演いただいた宮本信子さんやEXILE・USAさん、AKB48といった全国とのつながりの力を象徴するような方々にもご出演いただいて、東日本大震災復興の架け橋「希望郷いわて国体・希望郷いわて大会」として成功させていきたいというふうに思います。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 質問の前に記者クラブへの転入者を紹介します。転入者から一言ご挨拶をお願いします。

 (記者紹介)

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項3件について、各社から質問があればお願いします。

記者
 幸福の指標について伺います。これは、去年の知事選のマニフェストでも掲げられた取組の一つだと思いますけれども、いわゆる今まで幸福度とおっしゃっていたものだと思いますけれども、他県で導入している例もあるやに聞いておりますけれども、これを取り入れようと取り組むに当たっては何か参考にした先進例などはあるのでしょうか。

知事
 東日本大震災津波への対応、そしてそこからの復旧・復興への取組を通じて、岩手の県民の皆さんの底力が引き出され、そして県外とのさまざまなつながりが発展し、それが大きな力となっていくという中で、そこにはいわゆるGNP、GDP、国民総生産、国内総生産といったような経済指標とは違うそこに力とか、価値とか、そういうものがあって、それが復興の進捗や、また、ふるさとを消滅させないという意味でふるさと振興にもつながっていくし、そして地方自治法にも書かれている地方自治体の目的、住民の福祉の向上という、そういうミッションを達成していくに当たっても、幸福という概念が非常に役に立つのではないかなというふうに思い始めますと、国で言えばブータンとか、あとヨーロッパの幾つかの国々、そしてそういう目で見てみると日本国内でも幾つかの自治体が導入したりもしているし、また、政府でも内閣府で検討したりもしているということで、そういうのも参考になるなとも思っていますし、あと3つ目の要素としては、宮沢賢治さんの「世界が全体幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」という言葉、そういう岩手の風土、歴史文化の中にも独特な幸福感というものがあって、そういうのも大事にしていくとうまくいくのではないかなというようなことを考えて、今進めています。

記者
 ありがとうございます。先ほどGDPとかGNPによらない価値観だというお話でしたけれども、まさに例えば高度経済成長期であれば目指すところが一つはっきりしていて、ある意味幸福度というのは測りやすかったと、逆に言えば思うのですけれども、この価値観が多様化する現代社会において、1つの数字に幸福の指標の数字を示すというのは非常に難しい作業だと思うのですけれども、これを導入することで行政運営、内部の話あるいは県民にとって、取り入れた先にそれぞれどのような成果を期待するかというのをお聞かせください。

知事
 1つは、専門家の皆さんに現代社会のあり方の中で地方自治体がミッションを達成していくために幸福という概念をどう活用していけばいいかということを議論していただこうと思っていますし、あとは県民の皆さんにもアンケートのような形で、今、幸福ですか、そしてどういう判断基準で自分の幸福ということを判断しますかと、つまりどういうことがよくなれば幸福である度合いが高まるというふうに判断するかということを県民の皆さんにも聞いてみて、それらも参考にしながら作っていければと思います。

記者
 ありがとうございます。達増知事はどういう場合に幸福度が高まりますでしょうか、ご自身の体験をお聞かせください。

知事
 宮沢賢治さんの幸福論を分析すると、全体の幸福というのと個人の幸福というのがあって、全体というのは世界全体でなくても県全体の全体というのもあるし、あるいは身近なところで自分の家族、家族全体のということもあるでしょうし、そういう全体の幸福を追求していくような中に自分の幸福の追求というのがうまくかちっとはまって、それが両立していくというときにものすごく幸福感、生まれてよかったとか、自分が今生きている意味がここにあるみたいな、そしてこれを進めていけば人生もっとよくなるみたいな感覚を得られるのではないかなという、そういう感じがしています。

記者
 私も幸福の指標について重ねて質問させていただきたいのですが、こういったものを策定して県民皆さんにそれを受け入れてもらって、理解してもらって、それを進めていくというふうに考えると、私の何となくの感覚では相当長い時間が必要になってくるのだろうなというふうに考えております。とりあえず、導入に至るまでのプランというのは年次を区切ってあげていただいていますが、それから先、こういったものを推進していくというものにどれぐらいのスパンを、時間的なものをお考えでしょうか。

知事
 一つ目標とする成果物は、次期岩手県総合計画になりますので、年度が変わって、あと3年現行の総合計画、いわて県民計画でやっていきますから、丸々3年経つともう次の計画をスタートさせていかなければなりませんから、ある程度それに間に合うくらいの時期に一つの成果物ができればいいと思っていまして、次期いわて総合計画の中に幸福というのを位置づけるということが、ですから大ざっぱな言い方をすると2、3年先までにできればいいなというふうに思っています。

記者
 そして、それをそのまま県民に理解していただいて、県民がそれを共有するといいますか、県民皆さんが一つの考え方になると、一つの県民運動みたいなものが必要なのではないかなと思うのですが、そこに関しては、つまり県がそれを作成するという一つのミッションはもちろんやったとして、それを県民の方々にきちっと理解して浸透させていくというものにはワークショップ等々というふうには書いてありましたけれども、どれぐらいの時間がかかるのかなというふうにお考えでしょうか。

知事
 まず、県総合計画を策定するプロセスの中での議論を大事にしたいと思っています。現行の総合計画を作るときにも、それまで県の総合計画と呼んでいたのを今回はいわて県民計画ということで、やっぱり県民一人一人が主役になるような計画にしていかなければならないなということで、高校生や大学生の人たちにそれぞれいろいろこういう岩手にしたいと、その中で自分はこういう方面で活躍したいみたいなことを書いて出してもらうようなことを結構やりましたし、それを材料にしたトークとか、シンポジウムみたいなこともいろいろやりました。金子勝(かねこ まさる)先生とか、さまざま時代の最先端の社会のあるべき姿を提唱している先生を招いて私が対談したり、その結果を広く県民の皆さんに知っていただいて、またそれをベースに議論するなどなど、まず途中のプロセスを大事にしていきたいなというふうに思います。

記者
 国体についてですけれども、開・閉会式の出演者も固まってきて、いよいよ近づいてきたなという印象なのですけれども、改めてどのような開・閉会式にしたいか、どのような部分をアピールしていきたいかというのをお願いします。

知事
 「広げよう感動。伝えよう感謝。」ということで、より感動的に、かつ、それが東日本大震災津波直後、そしてその後の復旧・復興でいただいている支援に対する感謝の気持ちにつながっていくようなものにしたいと思っています。そういう意味で、岩手県や岩手県民にとって特別な国体・大会であるのですけれども、日本全体にとっても東日本大震災の被災県で初めて開催される国体・大会でもありますし、日本全体にとってもそういう特別な国体・大会として意義のあるものというふうになるよう成功させていきたいと思います。

記者
 今の関連で国体の関係なのですけれども、岩手県ならではというところではどういった演出をしたいとか、何か今、知事として思っていることがあるかというのと、どちらも閉会式も全国的なEXILEのUSAさんですとか、AKB48さんというところで出演されるということなのですけれども、そこで岩手だからこそできる、連携してどういうふうな岩手らしさを見せたいみたいな何かお考えはありますでしょうか。

知事
 大友啓史(おおとも けいし)さんに式典アドバイザーになってもらって、そして岩手の英知を集めて開・閉会式や式典などについては、内容もどんどん検討し、また、詰めていっているところなのですけれども、入場行進の音楽は既に冬の国体でも披露されていて、マーチチャグチャグであるとか、「あまちゃん」のテーマに始まり、「花は咲く」で終わるマーチでありますとか、岩手の歴史文化も踏まえつつ、そして東日本大震災以降の岩手の経験と全国とのつながりというものを反映したような開・閉会式の作り方になっています。そこがみそだし、そこがいいなと私も思っています。やはり岩手の郷土芸能を大々的に披露するようなところも入ってきますし、それからEXILEやAKB48もオールジャパンで活躍するアーティストですけれども、東日本大震災以降、何度も何度も岩手の被災地に入っていただいて、特に若い皆さん中心に被災者や、それを支援する皆さんとも一緒の活動を重ねてきているアーティストですので、そこにも岩手らしさというのが出てくると思っています。

幹事社
 司会からも1つよろしいでしょうか、幸福の件に戻るのですけれども、次期県民計画は次期県の総合計画の中で本格導入ということです。先ほど知事がおっしゃったようにGDPとか、そういった今までの既存の経済社会指標と違うものを取り入れていくということになると、その次期計画の本格導入に向けて、その計画策定のプロセスでもこういったものが活用されるのかなと思うのです。具体的な詰めの作業はこれからだと思うのですけれども、どういうふうに幸福度が作っていく中で活用されて、次期計画にも反映されるというような、今の時点で知事がこうなってくれたら、こうなるといいなと思う期待とか、意義みたいなものをちょっといただければと思います。

知事
 行政としては先進的な取組だと思うのですけれども、一方、岩手県民が広く共有できる、すとんと納得できるような内容であり、また、進め方である必要があるというか、自然にそうなっていくようなものだと思っていまして、何かとても難解で難しくて、一部の人にしかわからないようなことを無理に大勢に押しつけたりするようであってはならないし、少数の人しか認めないような価値観を多くの人に無理に押しつけるようでもだめだと思うので、そういう共有できる、いわば人と社会にとって当たり前の価値観とか物事の進め方というものを岩手県民の中から引き出しながら進めていくというふうにしていけばうまくいき、いいものができるし、かつ、プロセスもスムーズになっていくというふうに思っています。

幹事社
 ありがとうございます。そうすると、恐らく計画の策定過程なんかももしかしたら今までと、前回の県民計画も先ほどおっしゃったような説明ありましたし、またちょっと行政としては新たな指標が、幸福度の指標を作るのと並行して行われそうだなという感じを受けたのですけれども、そう捉えてもいいでしょうか。

知事
 岩手県はコンサルタントに頼らないで、県職員中心に県民の意見や力を引き出してさまざま計画を作ったり、実行していくのが得意になっていますので、今までのやり方をベースに、さらに発展させていけばいいのではないかなと思います。なお、コンサルタントというのは場面、状況によっては非常に力になり、行政にも貢献する存在なので、コンサルタントが悪いという意味ではないのですけれども、総合計画みたいなときはやっぱりコンサルタントに全面的、いわゆる丸投げなどせずにやっていかなければならないし、そうやっていけばうまくいくと思っています。

幹事社
 ありがとうございます。
 ほかにありますか、発表事項関連で。
 それでは、なければ発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 熊本地震の関係の対応についてお伺いしたいのですけれども、支援物資の発送であるとか、あるいは県職員の派遣であるとかというところにとりあえず取り組まれておりますけれども、急性期の対応は過ぎたのかなというところで、今後は、経験のある人材の派遣であるとか、あるいは行政業務を担う人手の派遣であるとかというところに今後フェーズとして移っていくのかなと思うのですけれども、改めて、県としての今後の支援の進め方というのを今のところどうお考えでしょうか。

知事
 まず、発災から今日までの段階においての人的支援、また、物的支援、それからお見舞い金の決定とか、義援金、寄附金の呼びかけとか、金銭的な支援、それぞれうまくスタートできているなというふうに思います。
 あと、私もツイッターで被災者の避難所に身を寄せている被災者の方々にホテル、旅館に入っていただくというようなことをツイッターやブログで紹介しているのですけれども、それも熊本県などで取り入れられて、あれは日本では岩手県が初めて採用したやり方だったと思うのですけれども、それが今回の大地震にも生かされていて、いいのではないかなというふうに思っています。
 これからなのですけれども、岩手県もまた復興ということで全国の自治体などから大勢応援職員を派遣いただいて進めているところでありますので、大規模な人手を派遣するというような貢献の仕方は適当でないと思っておりまして、既にスタートしているような大規模災害のときの災害廃棄物、がれきの処理に関する専門家の派遣でありますとか、あとは建物危険度判定の専門家の派遣、県立病院からのお医者さんの派遣でありますとか、そういうプロフェッショナルの派遣ということで要所要所で貢献することができればというふうに思っています。
 また、物資とか、ボランティアとか、そういったものの岩手から現地に行くことのサポートも県としてもやるべきこととは思っていますけれども、そこは大々的なボランティアの受け入れとか、物資の受け入れは現地の方でまだ難しい状況ですので、引き続き全国知事会、そして政府と連携した情報の共有、そして、現地の状況の把握ということに努めて的確な支援を行っていきたいと思います。

記者
 今最後におっしゃられた物資やボランティアが現地に行く場合のサポートというのは、例えば具体的に言うとどういうことでしょうか、旅費とか、その辺りの関係ですか。

知事
 まだ今の段階で、菊池市とか阿蘇市みたいに受け入れ側との間によほど個別具体的なセットができないと持って行けないような状況でありますし、ボランティア受付についても、まだ現地、県内やその周辺からの募集、それも途中で締め切ったりするような状況なのですけれども、この後の展開なのですけれども、要は情報の提供だと思っています。県民の皆さんの思いとして何かしたい、何かしなければという思いは非常に募っているなと思っているのですが、そういった思いを形にしていくための支援ということで、物資についてはこういうルートがあるとか、あと、ボランティア募集についてはこういうルートがあるとかということを全国知事会や政府と連携しながら状況を把握して、県民の皆さんの思いが形になっていくような取組をしていかなければというふうに思っています。

幹事社
 ほかによろしいでしょうか。

記者
 北海道の補選の結果が昨日出まして、野党統一候補ということで注目されたわけですが、自民党の候補が勝ちました。いわゆる野党共闘の出鼻をくじかれたという評価もあれば、善戦したという評価もあるようですが、知事はどのようにお考えでしょうか。

知事
 私も現場の状況を具体的に把握しているわけではないので、報道などを見ていて感じるところですけれども、惜しかった、いい線いった、健闘した、予想よりも多くの支持を得たというような評価もあれば、勝てなかったのはだめだったと、やっぱり勝てなければだめだみたいな、そういう評価もあるのかなと思います。
 いずれにせよ新しい力というのを総結集、さまざまな力を総結集して新しい力を作って、そして、実際に世の中を動かす、選挙に当選し、議員になって世の中を動かすというところには至らなかったということでしょうから、それを目指す人たちは、より努力をしなければならないのだと思いますし、勝った側は勝った側で、こういう世の中にしたいということを訴えて当選されたのでしょうから、やはり日本をより良くするために頑張ってほしいと思います。

記者
 県内でも野党統一候補という動きが詰めの段階ということで進んでいますけれども、県内への今回の結果がどんなふうに影響するかということについてはいかがでしょうか。

知事
 やはり、いろいろな力を結集して、新しい力を作っていかなければならないということは黙っていてもそういう流れがあって、ひとりでにできるようなものではなくて、やっぱりそれぞれ努力して力を合わせて協力して頑張らなければならないという、そういう認識が強まったのではないかと思いますし、志に値するような努力と工夫をしていってもらえればいいのではないかと思います。

幹事社
 すみません、また司会から。今の衆院選の補選の結果の件で関連してですけれども、昨日、知事の後援会の集いがありまして、取材というか、冒頭のぞかせていただきました。その中で、知事のごあいさつの中で結集の件に関してですが、私もそういう新しいいわての未来を切り拓き、日本全体においても日本をよくする力となるような力の結集ができたので、県政に生かし、日本を良くすることに生かさないといけないというふうにおっしゃいました。今も先ほどもそういう趣旨でお答えになったと思いますが、具体的に日本を良くすることに生かさないといけないというのは、夏の参院選のことを指しているのか、これについてまずお伺いしたいと思います。

知事
 参院選のことも含みます。昨日は後援会の行事でありましたので、後援会の皆さんに対しては、やはり参議院選に向けて、そういうさまざまな力を結集し、新しい力を作ろうという側を応援してくださるように私からもお願いしていかなければならないと思っていますし、昨日はその最初の段階のようなことをあいさつで述べたというところです。

幹事社
 最初の段階ということですが、そうすると何度か会見でお聞きしましたが、今、県内の野党4党で実務者協議をしていて、早ければ今週にも最終合意をして会見という形になりますが、そういう呼びかけプラス、今後、知事としてもどういう運動をできたらとお考えでしょうか。

知事
 知事としては、岩手においては競争する二大勢力が切磋琢磨しながら、それぞれがより良いものを生み出していって、より良い政策、より良い政治姿勢、そうやって競いながら全体が向上していくということも大事だと思っていますので、知事として完全片方だけを応援というわけにはいかないと思っています。
 後援会の行事であれば、あるいは後援会の人たちが相手であれば、かなり直接具体的にお願いをしてもいいと思っていますが、そこはそういう中で自然な形で、後援会については今まで20年の蓄積もありますので、その経験や蓄積も踏まえながら、後援会の皆さんの力が最大限引き出されるような工夫もしていきたいと思っています。

幹事社
 ありがとうございます。あともう一点、昨日の北海道の補選だと投票率が補選でしたが57%で、京都の補選に関してはやはり30%と、補選というのは大体往々にして投票率は低いものですが、高かったのはやはりそういう力の結集があったからだとお思いでしょうか、そして知事としてというか、政治家あるいは県民として投票率を上げていくということも何かこの夏の参院選に向けて関わっていきたいというようなお考えがあるか、この2つを教えていただければ。

知事
 投票率の向上は、これは選挙管理委員会が強く訴えていることですから、まずは県の選挙管理委員会を応援しなければというふうに思います。投票率が高くなったり、低くなったりするのにはいろんな要因があるのですけれども、やはり二大政党制といいますか、二大勢力が切磋琢磨する中で、それぞれがよりよいものを出そう、よりよいものを出そうと、前へ前へと、あるいは上へ上へと進んでいくような、有権者にとって魅力ある選挙にするには、それぞれもっと努力しなければならないのかなというふうに思います。二大政党制とか、二大勢力の切磋琢磨はその競争を通じて、全体がどんどん向上していく、日本としてどんどん前に進んでいくようにならなければだめであって、同じレベルでいつまでも組織と組織の仁義なき戦いみたいな、赤勝て、白勝てというようなただの闘争でいては有権者はしらけてしまうでしょうし、まして足の引っ張り合いのような、どれだけ相手をおとしめるかでどんどん低くなっていく競争、後ろに後退していくような競争になってはもう国が滅びてしまうわけでありますから、前に進もう、向上しようという、そういう姿勢を有権者の皆さんにそれぞれもっと示してほしいと思います。

幹事社
 ありがとうございます。ほかにありますか。

記者
 先ほどの質問に関連してなのですけれども、片方だけ応援するわけにはいかないといっしゃいましたけれども、少し古い話を持ち出して申しわけないのですけれども、2014年に県民党を掲げられて、次期知事選に出ると出馬表明された時に、県民党の立場で、基本的にはその後の衆院選にも絡んで、いわゆる政治活動はしないということで中立を保たれたと思うのですけれども、今のおっしゃっていたことというのは、そのときの考え方は今でも変わっていないという捉え方でよろしいのでしょうか。

知事
 そうですね、ただあのとき8人いる国会議員が全員そのまま引き続き復興に力を尽くしてもらえればいいという、1人落選してしまった方がいて、もっと応援しておけばよかったというようなことも言ったわけですが、県民党的という視点に立つ中で、できれば全員当選するほうがいいとか、むしろ負けそうな人を応援しなければならないのではないかとか、そういうことは状況によっていろいろあり得ますので、そういう中でやはり県民のためとか、そうですね、県民のためという視点を失ってはならないと思っていて、そこから離れて、まさにさっき言ったような、仁義なき戦いの単なる闘争の片一方だけに入って行くというようなことはできないと思っています。

記者
 先ほど片方だけ応援するわけにはいかないと言ったのは、今おっしゃられたように、状況によってはあり得るけれども、基本的なスタンスとしてはそういう考えだということでいいのですね。

知事
 そうですね、はい。

記者
 地震の話にちょっと戻ってしまって、関連ですね、戻ってしまって、ちょっとあれなのですけれども、岩手県内でも一般住宅の耐震化率というのは73%というデータもあります。それに県内では熊本の今回の地震と同じように活断層というのも幾つか通っている状況なのですけれども、これについて知事のお考えと、今後、岩手県でも今回の地震を一つの教訓にしなくてはいけないと思うのですけれども、今後、どのように取り組んでいくかというところをお聞かせください。

知事
 岩手県内における建物の耐震化の進捗については、毎年度、毎年度予算も確保し、事業化をして県民の皆さんに呼びかけながら進めているわけですけれども、今回の熊本県を中心とする一連の地震をきっかけに、改めて県民の皆さんに呼びかけたいと思いますし、耐震化の進捗に力を入れていかなければならないなと改めて思います。

記者
 活断層の件についてはいかがでしょうか。

知事
 これも普段から調査、研究が適切になされているものと思いますけれども、岩手のどこにどういう活断層があるかというのは、既に知られていることですので、その情報の共有ということについては今回の九州、熊本を中心とした一連の地震をきっかけに改めて県内の活断層についての情報共有も進めていきたいと思います。

記者
 一点全く違う話ですみません。今日、(大相撲)夏場所の番付が発表されまして、岩手県からは16年ぶりに幕の内、新入幕が誕生しました。これについて、知事の所感をお聞かせください。

知事
 大変うれしく思います。岩手県も幾つかの高校の相撲部で盛んに相撲をやっていますし、またちびっ子相撲、子供の相撲大会の取組もありますし、また、社会人の相撲についても取組があって、岩手を代表するスポーツの一つであり、伝統ある国技でもありますので、その分野で岩手から新入幕というのは非常にうれしいニュースですので、これからさらに錦木(にしきぎ)関を応援していきたいと思います。

記者
 選挙の話でちょっと確認なのですけれども、参院選のスタンスのところで。当然知事としてのお立場としては、どちらか片方をというのはなかなか難しいというのは分かるのですけれども、昨日の集いでのご発言なんかも聞いていると、昨日だと参院選に向けて新しい力の結集を、総結集しようとしている側にさらなる結集をというような趣旨でのご発言だったと思うのですが、そうすると知事としてはなかなかどちらかに肩入れというのは難しいけれども、一政治家としてはそういう新たな結集の方への呼びかけというのを今後もされていこうというお考えなのか、それとも片方だけに肩入れするわけにはいかないという範囲の中での昨日のご発言だったのか、いかがでしょうか。

知事
 知事として期待される、全体として岩手の政治が向上していくことを促す役割、ただそういう中でどっちかを勝たせるという決断を岩手県として、あるいは県民としてするわけですからね。だから、その中で役割を果たすということも知事として期待されると思いますし、その中で適切に役割を果たしていければというふうに思います。

広聴広報課
 以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は5月9日(月曜日)の予定です。

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