平成28年4月18日知事会見記録

ID番号 N44841

平成28年4月18日10時30分から11時10分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。

知事
 発表事項に先立ちまして、熊本県を中心とする一連の地震、犠牲になられた方々のご冥福をお祈りしたいと思います。また、被害を受けた方々、そしてさまざま影響を受けている方々にお見舞いを申し上げたいと思います。突然の災害で命を失った方々、また、そのご家族、友人、知人の皆さん、そして家を失って避難されている方々、食料や水などの不足によって避難所に入られている方々、全てとても人ごととは思えない、私たちが東日本大震災津波の時に経験したことと同じようなことが今九州で起きているということで、県民の皆さんも心配され、また何かしたいという、そういう思いが募っていると思います。県といたしましても、全国知事会、また政府と連携をしながら、この地震被害に対して支援をしていきたいと思います。
 発表事項です。岩手の若者が参加した「超人スポーツ」の取組についてということで、県では「希望郷いわて国体・希望郷いわて大会」を機会に「国体・大会プラス」と称しまして、スポーツの枠を越えた新機軸の取組も展開することとしています。その一環として、9月下旬開催予定の「いわて若者文化祭2016」で県内の若者が参加した超人スポーツの発表の機会を設けることとしています。
 「超人スポーツ」というのは、最新の研究分野であります人間拡張工学に基づいて、人間の能力をテクノロジーを用いて拡張し、そして競技をするということで、年齢や身体能力、また、障がいの有無等に関わらず、誰もが楽しむことができる可能性を持つ新しいスポーツです。
 岩手での「超人スポーツ」の取組については、去年開催した「いわて若者文化祭2015」での評論家・宇野常寛(うの・つねひろ)さんと私との対談で出たアイデアを基にして若手県職員の施策研究会「若手ゼミ」が行った提案を具体化したものです。その皮切りとなりますキックオフミーティングを、4月24日の日曜日、岩手県公会堂で開催します。私も「人間拡張工学」の第一人者・稲見昌彦(いなみ・まさひこ)東京大学大学院教授をはじめとする超人スポーツ協会関係の皆さんや県内の有識者の皆さんとのクロストークに参加して、超人スポーツの意義、可能性などについて意見交換をします。また、参加者全員によるワークショップも行われます。ワークショップは5月から8月にかけて継続的に開催し、学生をはじめ県内の若者が競技アイデアを出し合って、「いわて若者文化祭2016」で成果発表するという予定です。
 県といたしましては、この取組を通じて、年齢や身体能力、障がいの有無等に関わらず、誰もが生き生きとスポーツに取り組むことができるような新しい地域社会のモデルを提示するとともに、テクノロジーや文化の振興、福祉の向上などに地方から貢献していきたいと考えています。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 ただいまの発表事項に関して、各社から質問があればお願いします。

記者
 熊本地震の件について、今、ご説明、お話がありましたけれども、震災津波を経験した本県として、今、大勢の方が避難している状況で、報道を通じても食料の不足とか、居場所の不足とかあると思うのですが、今、全国知事会の方では連絡員2名を派遣しているということですけれども、何か岩手の方から積極的に情報提供するような動きというのはあるのか、あるいは今後されるのか、その辺お聞かせ、震災の教訓を踏まえてどんなことが特にできたり、情報提供できるのかということを教えていただければと思います。

知事
 震災直後の応急対応から復旧・復興に関して、岩手が経験したことの中でお役に立ちそうなことについては、いろいろな形で現地の方に提供していきたいと考えています。

記者
 今、混乱している時期でもあって、タイミングというのは見る必要があると思うのですが、これもやはり全国知事会との連携、政府も含めて連携の中でやっていくことになると、先行して岩手がというふうにはあまり動きとしてはならないものでしょうか、どうでしょうか。

知事
 全国知事会でさまざま情報の共有ですとか、現地と各県の間のとり持ちをやってもらっていますので、全国知事会を通じた情報提供というのが、一つ大きな流れになると思います。

記者
 あと県内としては、先ほど知事がおっしゃったように何かしたいという県民の方、沿岸でも募金が始まったり、内陸でも同じようなことが起きていますけれども、何か県内での動きに関して、県として何かまとめたり、参画したりという動きは今のところ何かありますか。

知事
 この週末にもさまざまな寄附金、義援金の取組が県内あちこちで行われていまして、もう既に県民的には動き始めているということだと思います。県としては、政府、全国知事会を通じた県としてのいわば正規のルートでさまざまDMATをはじめとする人的応援でありますとか、それからさまざまな対応していくわけでありますけれども、県民の皆さんに対しても、まず赤十字の義援金募集の案内を県のホームページでも紹介したりということからさまざまな情報提供を始めているところでありますし、やはり県民の皆さんと心通わせながら県としても対応していきたいというふうに思っています。

記者
 「超人スポーツ」についてですけれども、この「超人スポーツ」の取組を岩手でやる意義というものと、あと「若者文化祭」で競技実施した後の広がりや展開についてはどのように考えているのか教えてください。

知事
 宇野常寛さんが「PLANETS」という雑誌を主宰していて、そこで三重県知事さんと私と宇野常寛氏との3人で鼎談をして、その鼎談のテーマは、地方が主役になるような東京オリンピック・パラリンピックにしていこうということだったのですけれども、その「PLANETS」の雑誌全体のその号の趣旨は、東京オリンピック・パラリンピック、2回目の東京オリンピックとしていかに盛り上げるかという中で、そこで実はこの「超人スポーツ」も紹介されていまして、いわば2020年東京オリンピック・パラリンピックのあるべき姿を今年の「希望郷いわて国体・希望郷いわて大会」で先取りしようという発想があります。片や2回目のオリンピック、片や2回目の国体なのですけれども、1回目の時にはできなかったような新機軸も展開することによって、それをレガシーとして伝えていく。岩手としては今年の岩手における「超人スポーツ」の取組が東京オリンピック・パラリンピックにもつながっていけばいいなと思いますし、また人間拡張工学ということで、私は今年、胆沢病院で「ダヴィンチ」を触らせてもらいまして、ああいうのも「人間拡張工学」なのだと思っていまして、人間が手とか体とか感覚器官を直接やる以上に、テクノロジーの力を借りてすごいことができるようになっていくというのは、今後、学術面でも産業面でも発展が期待できる分野だと思いますので、岩手がそういう研究、開発あるいは生産の現場にもなっていくといいなというような期待もしています。

記者
 熊本地震についての関連ですけれども、県の方では岩手県応援本部を立ち上げているということなのですけれども、知事として執行部側の方にどういった指示を出されているのかということが1点、あと、知事は東日本大震災を経験されているトップとして牽引してきたわけですけれども、これからどういうことが熊本や大分にとって大切になっていくのかというところをお聞かせください。

知事
 さっきの質問にもありましたけれども、岩手の東日本大震災津波での経験に基づく役に立ちそうな教訓とか、そういったノウハウについてうまく伝えていくこと、それから人的応援については、DMATのほかにもさまざま専門家のネットワーク、福祉関係の緊急派遣でありますとか、あと、建物の危険度判定の専門家の派遣でありますとか、これは政府の担当とも連携しながら、まず待機モードにはもう入りつつ、入っているところで、そういったことに、そういう人的応援に的確に対応していくということ、あとはお金や物資の支援については、さまざま受け入れ側の事情もあるわけでありますけれども、お金については日赤の寄附口座の案内、義援金口座の案内から始まって、まずやれることから順にやっていくこと、県としてもお見舞い金を贈呈するよう手配、指示しているところです。
 それから、物資については、今は緊急的な部分、まずは国を挙げて水とか、食料とか、毛布のような必要性の高いものについては大々的に応援が行われていて、足りない分は九州、山口の枠組みでありますとか、あるいは協定が結ばれている関西広域連合との関係での支援とかで対応をしているようなのですけれども、タイミングを見て、岩手としてもできることをやっていこうということで検討を指示しています。
 ちなみに、物資については、遠野市と菊池市の特別な関係に基づいて、遠野市からも相談を受け、県のトラック協会にお願いしてトラック2台出してもらい、うち1台には県からの水を積んで出発しているところですけれども、そういったさまざま特別な関係に基づく支援というのがありますので、そういったものも市町村と連携しながら対応していきます。

記者
 あわせて熊本地震の対応の質問になるのですけれども、現状、全容がまだまだよくわからないところがたくさんあって、現状でも自治体や県を飛び越えて結構広い範囲で支援が必要な状態になっているかなと思うのですけれども、全国知事会等の動きの中で、例えば、うちは熊本の方を支援するとか、うちは大分の方を支援する、あるいはその中の自治体とか、そういう役割分担的なお話、多分、東日本大震災のときは関西広域連合とかがやっていたと思うのですけれども、いろいろなところにいろいろな支援がちゃんと届くようにという施策でやっていたと思うのですけれども、そういうような動きとかというのは現状出ていますか、まだそういう話にはなっていないでしょうか。

知事
 大きい枠組みとしては、九州プラス山口県の相互に助け合う枠組みと、あと関西広域連合による支援の枠組みがあるというふうに聞いています。それと別に、全国知事会として福岡に現地対策本部的な連絡所を設け、そこに職員、担当員が派遣されて、全国知事会としても情報収集等連絡をするような体制を取っています。

幹事社
 それでは、発表事項以外について、幹事社の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 TPPの件についてお伺いします。先週の会見ではお聞きしなかったのですが、TPPの審議をめぐって国会が空転した状況がありました。まず、これについて知事は、どのようなご認識かお聞かせください。

知事
 国民的な議論が行われて、そして本当に国会として承認していいのかということについてはよくよく議論してもらいたいと思っていますので、拙速にオーケーしてしまうというようなことはよくないと思っておりますので、その検討の仕方とか、検討に対する資料の使い方とかは、国会の中でさまざま調整するのでしょうから、うまくやってほしいと思います。

記者
 ありがとうございます。そうした中で、先週あった県議会の常任委員会のやりとりの中で、県としても、今、独自に影響額の試算を米を中心に行っているというお話がありました。この件に関しては、その中で議論があって、報道もしたのですけれども、改めて、知事は独自の試算ということについて、そのやる意義と、あと結果をどういうふうに生かすというか、活用していくのか、それについてお考えを教えてください。

知事
 生産者の皆さんを中心に県民の皆さんがどうなるのだろうという不安を持っている、そこに応えていくということが県は県で推計をするということの理由だと思いますので、どういったところが不安かというようなことを生産関係団体ともすり合わせながら作業をしていけばいいというふうに思っています。

記者
 ありがとうございます。それで、この件に関して政党の県組織の方から、国会の審議でも資料になるように早目にまとめて出したらいいのではないかというような要望が先週出されまして、今のお話ですと県民、不安を抱えている方に対しての情報提供ということでしたが、国会審議の材料という、そういう切り口あるいは考え方というのはございますか。

知事
 基本は生産者をはじめ県民の皆さんの要望に応えていくところにありますので、生産者の関係団体と調整しながら作業していくということが基本なのですけれども、できたものに対しては、誰がどう活用してもいいので、国会で活用するということがあってもいいと思います。

記者
 ありがとうございます。あともう一つ、別の件で、夏の参院選の岩手選挙区において、先週、野党統一候補の一本化に向けた動きが加速しまして、協定を結ぶという方向で話し合いがまとまりつつありますけれども、これに関して知事のご所見をいただければ。

知事
 選挙の主役は有権者であり、その選挙で誰それに投票するということを通じて、その投票した人が結果として、例えば、政策的にどのような政策を主張したことになるのかであるとか、どういう日本のあり方に賛成したことになるのかというものが、そこをはっきりさせる、それは細かく詰めていくという手もあれば、心を動かされる、そういうインパクトのあるビジョンを作っていく、そこはいろいろな作り方があるのでしょうが、そういうものを作っていこうという作業はいいことだと思いますので、やるのであればうまく進めばいいなというふうに思います。

記者
 先ほどのTPPの関連ですけれども、今、知事は独自試算について、基本は県民の要望に応えることと、どのように使っても構わないというような趣旨でお話しされましたけれども、独自試算の結果については、公表の方針ということでよろしいのでしょうか。

知事
 そこも生産関係団体と相談しながら決めていくことかなと思っております。

記者
 公表しなければ県民の要望に応えているというか、県民もわからないままになってしまうような気もするのですけれども、どうでしょうか。

知事
 県として、当初国が発表した前提に基づいた推計を出したのは、その根拠として国が出している前提というのがあったわけですけれども、そうでない前提というのにもいろいろな考え方もあるでしょうから、これはやはり作業をやってみないと、どれだけの生産者の皆さんが具体的な数字を絞り込めなくても作業をする中で大体わかったということになれば、公表するような成果物という形にはならないのかもしれないのですけれども、ただそこは、やはり作業の中で決めていくということになると思います。

幹事社
 幹事社からも1つお願いします。参院選に関してなのですが、改めて、知事の国政選挙へのかかわり方のスタンスを教えてもらっていいですか。

知事
 あたかも各都道府県知事は国政に関するスタンスというものをそれぞれが持っていて、言葉にできるということを前提にしているようですが、そういうものではないので、知事としては憲法や地方自治法に基づいて適切に知事の役目を果たしていくと。ただし、知事は選挙で選ばれる政治家でもありますので、地方政治、さらに日本の政治、広くは世界全体のありように対しても、それなりの主張をしたり、行動したりということはあり得るので、良心に従って適切に行動していくということだと思います。

幹事社
 1つお伺いしたいのですが、前回、去年の知事選の時に、県民党というのを掲げられまして、そういう枠組みの中で認識というか、スタンスの認識というか、変化はありますか。

知事
 まず、私は特定の政党に所属していませんから、そういう何か党規約的なあらゆる義務はない状態です。一方、さっき言ったような憲法、地方自治法等に基づいて知事の仕事をやっていく、同時に地方政治、国の政治、世界全体のありようについて発言をしたり、行動したりということもあるという中で、県民党スタンスというのはやはり岩手県民の多くが日本かくあるべしとか、世界はこう出なくてはならないみたいな、そういう思いが高まっていたとすれば、それを形にすることに私としても一役買うということはしなければならないのではないかなというふうに考えています。

幹事社
 前回お聞きしたときに、何か私に支援してほしい条件であるとか、そういったものを付ける立場にはないということなのですが、逆のベクトルであれば、そういった世界情勢とか、日本かくあるべしといった、ここに合致するのであれば、それは県民党のスタンスとして合致するというか、同じ方向に進めるものだという捉え方でいいのでしょうか。

知事
 基本は、やっぱり政治家としての良心ということ、さらにはその中で岩手県民が歴史上果たしてきた役割であるとか、今置かれている岩手県民の運命みたいなものであるとか、そういうのを踏まえて、やはり岩手県民が歴史の中でしっかりした役割を果たしていくという中で、具体的には安全保障関連法というのが憲法違反と言えるような形で法律になってしまっていることはよくないという思いが岩手県民的にあると思いますし、また、格差社会化とか、貧困問題の深刻化とか、そういうのはよくないという思いもあると思います。宮沢賢治さんの「世界が全体幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」というような、そういう個人の幸福と全体の幸福を両立させていくような、そういうことが県内地方自治としても求められるし、また国のかじ取りであるとか、世界のあり方としても求められている、そういうことを岩手から発信して日本を変える、世界を良くするというような思いが岩手県民的にはあるというふうに感じています。

幹事社
 わかりました。先ほど安全保障の話が出ましたけれども、県内野党の協議の中で消費税の問題であるとか、TPPの問題とか、あと原発の問題であるとかというところも話し合われていますけれども、そういったのも大義になり得るのでしょうか。

知事
 究極的には一人一人の人間の安全保障というようなものをみんなでどう実現していくかという中でさまざまな政策論があると思うので、そこはこうでなければならないというのは私のほうからはないのですが、ただ私はやっぱり、「今、岩手県民は」という視点から見ますけれども、それぞれオールジャパン、全国的な政党を背景にしている皆さんは、やはりオールジャパン的な発想もあるのでしょうから、そこについてはやはり私からああしろ、こうしろというのはふさわしくないのかなというふうに思っています。

幹事社
 そうすると、良心というのは県民の良心ということなのでしょうか、それとも達増知事の良心ということなのでしょうか。

知事
 そこは自分の中にある良心を見つめればですね、良心というのはどういうものかはわかるので。

記者
 この1週間でアジアからのチャーター便2機が相次いで花巻空港に降り立ちました。延べ宿泊ベースで見ると、昨年はおよそ2,000万人の外国人観光客が日本に訪れていますが、延べ宿泊ベースでいくと、東北に泊まっている方というのは1%を切っているという数字で、私は大変少ないと感じているのですが、知事は、その辺りどういうふうにお感じになっていて、しかも、外国人に岩手に来ていただくということを考えたときには、少なくとも東北ぐらいのレベルで見ないことには、多分、外国人からは映ってこないのかなというふうに思うのですが、その観光客インバウンドを誘致するための東北での連携について、今後どういう取組をしていく、そして例えば、交通インフラでの連携であったり、あるいは観光コンテンツの開発であったり、そういった部分に関してどういうふうに岩手として取り組みたい、あるいは、東北としてどういうふうに取組を進めていきたいとお考えか、お教えください。

知事
 東日本大震災によって、外国からの観光客の数が大きく減ってしまって、そこからなかなか回復できないでいる、東北がそこからなかなか回復できないでいる間に、日本全体としては空前のペースで外国人観光客数が増えていくという中で、東北だけ全国的に日本の中で外国人観光客数が少ないという状態になっているのだと思います。したがって、政府の方でも、一つは復興という枠組みの中で東北観光にてこ入れをしていかなければというのはそのとおりだと思いますし、また、国を挙げて観光立国を進めていくという中で、東北により力を入れていかなければということもそのとおりだと思っています。そこは東北が頑張っていかなければならないところで、それぞれの県や地域の努力や究極的には個々の宿泊施設や飲食店、サービス業の努力ということも大事なのですけれども、やはりオール東北での取組が大事な局面だと思います。まず、オール東北としての外国への売り込みということをやっていかなければならないと思いますし、また、その中で旅行商品の開発も今も日本の奥の院・東北回廊というコンセプトが一つあって、地域資源、特に食の豊かさというものを軸にしながら新しい旅行商品開発していこうということがありますので、岩手もそこに積極的に参加していきたいと思いますし、交通インフラについては、復興道路やJR山田線の宮古釜石間を直して三陸鉄道で引き受けるということも観光振興に向かっての大きい材料に、オール東北として見ても大きな材料になっていくと思いますし、また、空港の連携ですね、花巻空港に入った後、東北を周遊して、どこかほかの空港から帰る、あるいは、その逆のようなパターンとか、そういう交通インフラ、空港をはじめとする交通インフラを活用したオール東北の連携というのが大事だと思います。

記者
 そのために、具体的にどういう施策あるいは指示をお出しになっているのでしょうか。

知事
 1つは、東北観光推進機構の方で、JR東日本会長さんでもある清野(せいの)会長を先頭に取り組んでいるところでありますし、また、北東北三県は北東北三県で観光振興の枠組みがありますので、そこでも連携して取り組んでいきたいと思います。
 あとプラス北海道新幹線が函館まで行ったということで、北海道との連携も大事になってきていますので、東北観光推進機構として北海道と連携するという話もあるのですが、北東北三県は北海道と北海道・北東北知事サミットの枠組みを持っていますので、そこでの連携も大事にしていきたいと思います。

記者
 先ほど参議院選挙の件で、知事ご自身がどういうスタンスをとるかという当事者的な質問がありましたけれども、私はどちらかというと第三者的な視点で伺いたいのですけれども、知事の第三者的な見解を。
 今回、間もなく整いそうな県内の野党共闘というのは民進、共産、社民、生活と、それに対して与党は政策は必ずしもすっかり一致しないという政党が共闘するのは野合だという批判をしています。一方では、野党側は立憲主義をそもそも脅かす安倍政権は打倒すべきだということで大同小異で共闘は大義があると言っていますけれども、知事は県民党というスタンスでありますから、中立的な見解だと、立場だと思いますけれども、どちらに言い分があると思いますか。

知事
 国会をベースにした国政政党のあり方としては、政策の多様性と統合の問題というのは常にあるわけで、地方のさまざまな声を、あるいはいろいろな分野の声を政策にしていくときというのは当然地方であるとか、それから分野、産業であるとか、あるいは教育、福祉、医療であるとか、立場によって、基本的に一人一人の人間の自己実現を考えれば政策志向のばらばらさというのは、なくてはならない要素であり、他方、それを法律にしたり、予算にしたりする場合には、多数派形成をして過半数、少なくとも最大多数は必要になってくると。ですから、さまざまな政策志向を持っている人たちが集まって、そして今、この局面ではこういったことを実現していかなければならないといって統合を図っていくということは、それなしに民主主義はあり得ないということですから、それ自体を否定したり、あるいはそのこと自体を否定するような言い方は、かえって民主主義に逆行すると思います、全体主義的な話になってしまいますから。でも、自民党あるいは自公連立というものもばらばらな政策志向を統合しながら、その都度決断してやっているのではないかと思います。

記者
 ありがとうございます。先ほど選挙で、県民が、要するに日本を変える必要がある中でどう行動するのかという話でしたけれども、今回、熊本でこういう形で大きな震災が起きたと。これまで安倍政権が取ってきた政策の評価なのですけれども、これまで熊本の震災が起こる前の評価というのは今まで聞いてきましたけれども、では実際に震災が起きたと、これがまた長期化する懸念があるという中で、改めて安倍政権が今までとってきた政策が基本線は熊本の震災復興にも寄与するのかと思われますか、それともあるいは修正が必要だとすればどこにあるのでしょうか。

知事
 人の命がかかっているような救命救助活動、そして大勢の人が食べるにも困っているような、万単位の人がそういう避難生活しているところに対応している政府のトップについて、むやみに今の局面で批判することについては抑制的でなければならないと思っています。今の日本が直面する経済情勢であるとか、社会問題であるとか、それぞれに対して今の政府のやり方ではだめで、こうしたほうがいいというのはたくさんありますが、それはそうした議論の場においては必要に応じて言っていきたいと思いますけれども、今は安倍総理大臣を先頭に日本全体一つになって熊本を中心とした災害に対応していく、そういう局面だと思います。

広聴広報課
以上をもちまして記者会見を終わります。
 

次の定例記者会見は4月25日(月曜日)の予定です。

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