平成28年3月24日知事会見記録

ID番号 N43542

平成28年3月24日10時30分から11時04分


広聴広報課
 それでは、ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から4件発表がございます。それでは、知事お願いいたします。

知事
 「国体・大会プラス」協賛事業の募集開始について。県では、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会を機に「国体・大会プラス」と称して、芸術文化イベントや動画等を活用した岩手の魅力発信などなど、スポーツの枠を越えた新機軸の取り組みを岩手全体で展開することとしています。この「国体・大会プラス」の取り組みの一環としまして、県内において民間団体が実施するイベント、催事の開催を支援し地域振興を図るため、4月1日から各広域振興局において「国体・大会プラス」に協賛するイベントを募集します。
協賛するイベントに対しましては県ホームページで事業の概要を公表しますほか、共通のPR用ツールとして国体・大会プラスの、この のぼりと缶バッジを提供します。のぼり、缶バッジのデザインは岩手県出身の著名漫画家であります吉田戦車(よしだ せんしゃ)さんのオリジナルイラスト、かわうそ君、斎藤さん、そしてかえる君が描かれていますけれども、今回特につくっていただいたものであります。これらのツールをイベントの来場促進に活用しながら国体・大会の機運醸成にも参加していただきたいと考えています。申し込み用紙、募集要項等については、きょう県庁ホームページに掲載しました。また、各広域振興局窓口にも配架してあります。
 次に、「日本創生のための将来世代応援知事同盟」への本県加盟について。4月16日、宮崎県で「日本創生のための将来世代応援知事同盟サミットinみやざき」が開催されます。このサミットから岩手県も新たに加盟することとします。「日本創生のための将来世代応援知事同盟」は、去年4月、12県の知事によって立ち上げられました。独自の発想と実行力を持ち、人口減少社会に立ち向かうトップランナーを目指す知事が団結して社会全体で将来世代を支援するという同盟の理念に共感し、岩手県としても加盟の申し出を行いました。4月16日のサミットでは、「しごとの創生」や「結婚応援」をテーマとしたパネルディスカッションなどが予定されていまして、私の方からは本県の取組事例を紹介し、他県事例なども踏まえて議論を行います。また、こうした議論を踏まえて「みやざき声明」を発表する予定となっています。
 そして、3番目、三陸復興・振興方策調査報告書、「三陸の未来を拓く提案」についてです。この報告書は、三陸地域の市町村長の皆さんをはじめ、地域で復興に取り組む企業・団体、県外有識者の皆さんなどのご意見などを伺いながら、中長期的な視点や広域的な観点に立って、新たな三陸地域を築いていくためのアイデアや事例等を「三陸の未来を拓く提案」として取りまとめたもので、市町村や企業・団体をはじめ多くの皆さんが三陸の復興や振興に向けた取組を検討し、県民的な議論を深めていくための参考としていただきたいものであります。報告書では、急ピッチで進む復興道路の整備や宮古~室蘭間のフェリー航路開設の動き、災害公営住宅の建設や商店街の再建などの復興まちづくりの進展などの地域の動きを踏まえて、「産業」「観光」「コミュニティ」の3つのテーマごとにプロジェクトという形で整理しています。
 例えば、幾つか紹介しますと、「産業」では「三陸まるごと直送プロジェクト」。復興道路整備による時間短縮効果が産業振興につながるということで、復興道路整備によって付加価値の高い三陸の新鮮な水産物を、迅速に消費地に輸送する仕組みが構築できるというものです。
 また、「三陸物流強化プロジェクト」。港湾と復興道路を活用した効率的な物流ネットワークが形成されることで、県内企業の競争力の向上と三陸地域における物流拠点の形成が可能になるというものです。
 次に、「観光」では、「三陸観光マネジメントプロジェクト」。地域間のアクセス性の改善が交流人口の拡大につながるということで、戦略的に、人材育成、商品開発、情報発信を実施する仕組みを構築することができるというものです。取組内容としては、三陸地域広域の観光プラットホーム組織が地域の観光関係者間の連携を促進することで、個性的な観光メニューが充実できるということや、道の駅等の整備と連携によって周遊観光の充実を図ることができるというものです。これについては、この後発表する「三陸地域の総合振興に関する推進体制整備に向けた取り組みについて」で具体的に説明します。
 次に、「コミュニティ」では、「地域間交流のまちづくりプロジェクト」。復興道路の整備や鉄道の復旧などによる生活圏の変化や拡大を見据え、三陸鉄道やコミュニティバスによる地域交通システムの構築などにより生活サービス機能の利便性の向上を図ることができ、地域の人々が快適に生活できる環境を形成できるというものです。
 「開かれたまちづくりプロジェクト」は、人材が広域で活躍できる仕組みづくりや移住者の受入態勢づくりなどを通じて、地域内外の多様な人材の力を三陸地域全体の地域づくりに生かしていくことができるというものです。
 東日本大震災津波の発災から6年目に入りまして、復興も胸突き八丁の正念場を迎えているということができます。この報告書を参考に今後の三陸地域の復興、そして復興に向けてどのようなことに取り組むのかというようなことを市町村、企業・団体、また多くの皆さんと一緒に考えて推進していきたいと思います。県としても平成28年度に行う第3期復興実施計画の策定過程において検討を行って実行に移していきたいというふうに考えています。
 そして、最後、三陸地域の総合振興に関する推進体制整備に向けた取組についてですが、今年度、政策地域部内に「三陸総合振興準備室」を設置して、三陸地域の復興後も見据えながら総合的な地域振興を担う新たな推進体制の整備に向けて検討を進めてきました。新たな推進体制においては、地域のシンクタンク、官民協働のプラットホーム、地域を牽引する事業の推進役というような役割・機能を想定し、今後、段階的に整備する計画です。当面交流人口拡大等に向けた地域連携の取組を強化するために公益財団法人さんりく基金にDMO、観光地域づくり推進法人DMOの機能を担わせることとし、平成28年度、専担部署を新設し、観光等による地域経済の波及効果や来訪者の動向等の各種データ収集・分析、マーケティングによる地域戦略の策定などの事業から着手します。その取組の一環としまして、事業推進の中心となる専門人材を配置するため、きょう付けで「観光プロデューサー」(仮称)の全国公募を行うこととしました。被災地の交流人口の拡大等による地域活性化に向けて意欲を持って活躍していただける方の応募をお待ちしております。
 そして、こうした取組を進めるため、国の交付金等の支援策を活用することとしまして、県、三陸地域13市町村とさんりく基金が連携し、3月10日付で観光庁に日本版DMO候補法人への登録申請を行いました。今後、復興道路の整備や宮古~釜石間の山田線の再開によって、三陸地域が文字通り一つにつながり、さらにラグビーワールドカップ2019の開催が予定されるなど、沿岸から県全体が盛り上がり、そしてまた国内外から多くの来訪客が期待されます。このような機会も的確に捉えて市町村や関係団体等との連携の元、三陸鉄道やジオパークなどの地域資源を活用した観光等の産業振興や三陸ブランドの強化などによって、三陸地域が将来岩手全体の発展を牽引できるように取組を進めていきたいと思います。
 以上です。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、ただいまの発表事項4件について、各社から質問があればお願いします。

記者
 3つ目にあった報告書の中身のことでプロジェクトについてお尋ねします。コミュニティのところで、三陸観光の中に復興博のような名前がちょっとあったように見ましたが、知事がかねてよりおっしゃっていた復興博みたいなものもこの中に位置付けようとされているのでしょうか、その辺りちょっと教えていただければ。

知事
 そうですね、この三陸復興・振興方策調査報告書といいますのは、既に行われている事業や、またこうしたことをやると良いのではないかというアイデア、既に行われているもの、またまだアイデアの段階にとどまっているもの、そうしたものを一通り分野ごとにまとめて整理したものでありますので、既に県としてやることを決めているものも入っているのですけれども、一方まだ誰もやると決めてないようなアイデア段階にとどまっているものも入っているという、そういうふうになっています。

記者
 すると、53ページにあるような三陸まるごと博覧会プロジェクトみたいなものも今おっしゃったような形で考えれば、今後いろいろよく検討していく中では、そういったものに一致するものになる可能性はあると。

知事
 そうですね、これはあくまでも調査報告書でありますので、ここに書いてあることが既にこれに基づいて行われると決まるわけではなく、何か行われるに際してはそれぞれ県なら県の計画とか、また県の予算、そういう中で県の事業として行われるとか、他に三陸鉄道が行うとか、あるいは市町村とか、企業・団体が行うとかというときもこれが根拠になって行われるわけではなく、これは調査報告書、アイデア集、事例集でありますから、これを参考にしながらそれぞれの事業主体がそれぞれの組織的に、正式に決めて行うということになります。

記者
 わかりました。ありがとうございます。
 あと推進体制の方でお話のあった観光プロデューサーについてですけれども、これはどういった方というか、例えばいろんな観光のことで実績のあるフロントランナーみたいな有名人に限らずともいいのでしょうか、その条件さえ満たしていれば。

知事
 実力のある人を求めていて、実力本位と、私の頭の中にあるのはそういうイメージですから、有名でそういう方もいれば、有名でないけれども、そういう方もいると思います。

記者
 有名無名は問わず、実力のある人を広く全国から公募すると。

知事
 給与、手当とか見ると結構な条件ですから、やっぱりそれなりの人ということです。

記者
 そうですか、わかりました。ありがとうございます。

記者
 国体・大会プラスの関係ですけれども、吉田戦車さんの缶バッジとのぼりですけれども、見ると書きおろしだと思いますけれども、知事の見たこの印象というか、感想と、あとどのような効果を期待しているかというのをお聞かせください。

知事
 ちゃんと今回の岩手国体・大会に使われる炬火用のそれの特別の炬火棒(正しくは、炬火トーチ)を描いていただいていますので、かなり今回の希望郷いわて国体・大会について、いろいろ調べてその気になって書いていただいたのだなと。
 一方、吉田戦車さんの漫画の中でも最も人気があるものの一つ、「伝染(うつ)るんです。」の主要キャラクターが登場していて、全国的にもアピール効果が高いなというふうに期待しています。

記者
 報告書の方に戻ってしまって恐縮なのですけれども、今回のDMOとこの報告書との関連を改めてちょっと伺いたいのですが、報告書の方の観光分野の方で、より実行に移していくための一つの手段としてこのDMOを考えていらっしゃるということでよろしいのでしょうか。

知事
 そうですね。どっちも私の名において行われているのですが、三陸復興・振興方策調査報告書は復興局が所管となって取りまとめた調査報告書でありまして、それを参考にしながら政策地域部の方が所管となってこっちのDMOは進めていくということです。

記者
 今報告書の方だとアイデア段階のものもあるということでしたけれども、それを一つでも実現性といいますか、その実現可能性みたいなものをこのDMOの方で検討してもらうというようなことをイメージされていますか。

知事
 そうですね。DMO側としては、DMOとしてこういうことをやると良いのではないかという施策を検討し、決定していくわけですけれども、その際、この三陸復興・振興方策調査、報告書も大いに参考にするという格好です。

記者
 改めてこの報告書を参考にしてもらえればということですけれども、改めて期待といいますか、どういうふうに活用して三陸地域に今後さまざま交通ネットワーク環境など変わるタイミングでどういうふうにこれを活用してもらいたいというふうにお考えでしょうか、改めて。

知事
 復興は、地元の底力とさまざまなつながりの力が復興の力になるというものだと思っておりますけれども、そういう中で県が県として行政組織だけで復興というのは進められるものではなく、行政としてやるべきこと、やった方が良いことというのはあるのですが、またさまざま民間団体や企業、あるいは首長あるいは個人といったような主体も復興にはどんどん参画していただかなければならない、復興というのはそういう開かれた復興として進んでいく必要もあり、そういう中で三陸の市町村長さんや企業、団体、県外有識者の皆さんのご意見を伺いながらこういう方策調査報告書を取りまとめたというのは意義あることだと思っております。この中から、県としてやるべきこと、やった方が良いことは着実にやりながら、県以外の主体にもどんどん働きかけて、そうやってオール岩手、地元の底力プラスさまざまなつながりの力で復興をゴールに向かって進めていき、そしてその先の三陸の未来を開いていくというふうにしていきたいと思っています。

幹事社
 他ありますでしょうか。なければ、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。

記者
 先日復興庁の岡本事務次官が「ILCは金食い虫」という発言をしたということで、国会内でも謝罪、撤回などのやりとりがあったようですけれども、これに関して知事のご所見をお伺いします。

知事
 いろいろ問題のある部分については謝罪、撤回などで対応していただいたと思っておりますし、またもともと当初の発言においても復興にはそういうILC型の事業とともに普通の復興事業と両方必要だみたいな、ILCの必要性自体については当初の発言の中でも言及されていたと理解しておりますので、表現上の問題が是正され、もともと考えていたこととか、本当に言いたかったことみたいなものがはっきりしてきたのではないかと思います。

記者
 そうすると、知事としては発言、言った部分を切り取れば確かに過激な発想ではあるけれども、基本的には考え方は同じと捉えていらっしゃるのでしょうか。

知事
 謝罪、撤回があった部分についてはもう撤回されたので、もう存在しないものとして扱います。

記者
 逆に今回その発言が全国的にどれだけ浸透したかわかりませんけれども、閣僚とか政府の発言に対しては結構たびたび報道されていますけれども、このことでILCがちょっと認識が広まったとかというような印象というのは受けられますか、いかがでしょう。

知事
 国会中心に政治の世界には「悪名は無名に勝る」と言って、全然言及されないよりは、何か悪い話でも言及された方が良いという、そういうことわざのようなものがありますが、でもやっぱり良い形で言及されてほしいので、これから県の方からも発信、さらに力を入れて良い形で全国的に言及されるように頑張っていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。あともう一点お伺いします。今ちょうど開催中なのですけれども、いわて市民ネットという安保法の廃止を前提とした野党共闘を進める市民団体が今設立されようとしております。これに対して知事からどういう評価というか、ご感想があるかいただければと思います。

知事
 岩手の人々が世の中を良くしようと、また潜在的に県民の中にある思いを形にしようといろいろ工夫されることは良いことなのではないでしょうか。

記者
 仄聞するところによると、知事もメッセージの依頼があって、メッセージを届けているともちょっとお聞きしたのですが、どんなことでしょうか。

知事
 そういえばそうですね、そういう依頼があって、今言ったような趣旨のメッセージを既に差し上げた記憶があります。

記者
 以前にもお聞きしていたことで、改めて時間が経過したのでお聞きしたいことがあって、前にもお話ししたように知事選のときの県民党的な結集ということで中央の野党の方たちも盛岡に来ていただいて発信をしたわけですけれども、そういう先鞭を切っている、そういう全国的にも良い例が岩手にあると思うのですけれども、改めて知事ご自身として何か橋渡しというか、そういった何かみずからも音頭をとるような、あるいは呼びかけに参加していくような、そういうお考えというのはいかがでしょうか。

知事
 そういうのは特にありません。

記者
 何回かお聞きしていますけれども、DIOジャパン関係でなのですけれども、花巻、奥州、一関3市の補助金返還の方がいまだなされなくて、県が求めてきた年度内返還というのは難しい情勢になってきましたが、今の所感をお聞かせください。

知事
 いろいろ県と関係市の間で組織的なやりとりはあるのですけれども、関係市の側もいろいろ議会との関係とか、内部の検討状況とか、いろいろありますでしょうから、県が組織として年度内にということは働きかけているわけでありますけれども、決定するのはそれぞれの市でありますから、そちらの決定を待ちたいと思います。

記者
 今ここまで予算措置されていないことの理由については、改めて知事はどのようにお考えでしょうか。

知事
 県と市の間では組織的にいろいろやりとりし、調整をしているところですし、また市と議会の間のやりとりなどについては、あまり知事からそれぞれの市の中の議会の中での市長と議員のやりとり等についてはあまり言うべきではないと思いますので、特にそういったことにはコメントはしません。

記者
 あと県議会の方でもこの話題が出た際に、議員の方から、知事が直接3市とやりとりしてはどうなのかという提案があったようなのですけれども、これについてはいかがでしょうか。

知事
 県と市のやりとりについては、組織的に適切に行われていると考えます。

記者
 あともう一点、ちょっとやわらかいネタですけれども、選抜高校野球、釜石高校が先日初勝利を上げて、復興にも力になったと思いますが、そのことに関する感想と、あとあした2回戦、滋賀学園戦を迎えるようですけれども、これに向けたエールをお願いしたいと思います。

知事
 岩手の高校にとって甲子園の1回戦突破というのは、やっぱりそう簡単なことではありませんので、堂々と勝利したこと本当にうれしく思いますし、県民の皆さんも喜んでいると思います。さまざまマスコミでの報道や解説でも釜石高校のことがいろいろたくさん取り上げられて、そういう意味で(岩手の高校では)東日本大震災被災地からの初の甲子園出場ということで、そういう役割も担いながら堂々の勝利だったと思います。小豆島高校も強いチームだったのですけれども、その強いチームと堂々の戦いで勝利し、釜石高校は強いですからね、この後もこの調子でどんどん一つ一つ勝利を重ねていってほしいなというふうに、そういうことを期待します。

記者
 先ほどの議論に関連して、今後について、今、きょう辺りで市や町の議会がほぼ終わり、新年度に向けて3市が今のところ返還のための補正を組んでいないという状況ですが、今後について知事としてはどのようにしていくかというところをお聞かせください。

知事
 もし市の側で県の方に説明しなければというのであれば、それはしかるべく組織的に説明があるでしょうし、そこは今しかるべくやりとりしているところですので、その報告を待ちたいと思います。

記者
 今の関連で、先ほど組織的に県と関係市でやりとりをしているということをおっしゃっていましたけれども、その県議会の方で少しお話が出た知事と首長さんの直接のやりとりというのは、今の段階では知事ご自身も必要はないと、担当部局間とのやりとりで十分であるというふうなお考えですか。

知事
 むしろそれぞれ市が議会との関係でさまざまやりとりをしていたり、また市の内部で商工政策専門性、また予算処理の技術的な専門性、そういうところで検討している中で岩手県知事が何かするということではないと思っています。

記者
 改めてコールセンターが立地していた市町で今回対応が分かれているという状況になっていますけれども、今の対応がそれぞれで分かれているという状況についてはどう受け止められますでしょうか。

知事
 もしそれぞれの市の事情について県に対して説明あるというのであればしかるべく行われるでありましょうから、それを待ちたいと思います。

記者
 1点だけ伺います。山田町の「大雪りばぁねっと。」の問題について伺います。今回の2月定例会で県が再検証の報告書を議会に示して、それを踏まえた議会の質疑があったということで、この問題について一区切りということになろうかと思います。平成23年度から25年度、3年連続の決算不認定など県政に混乱を来したと、なかなか長期にわたった問題になりましたけれども、今回の新年度の予算に附帯意見で一連の教訓を生かせという指摘もありましたけれども、改めて対応をどうされるかということと、あと議会の中で再検証の時期が着手が遅かったのではないかという指摘もありましたけれども、これについてどのように考えているかお聞かせください。

知事
 再検証を有識者の皆さんにお願いするに当たっては、やはり会計検査院の報告を待ってからということだったと思います。そして、再検証の結果も踏まえながら再発防止の徹底、補助事業等の適正に向けた取り組みの推進ということが大事だと思っておりまして、今年度既に補助金等審査委員会の設置や本庁と広域振興局によるダブルチェックの実施、また内部考査の実施なども取り入れているところですけれども、そうしたことをしっかり進めながら事務処理の適正化に努めていきたいと思います。

記者
 27日に民進党が党大会を開いて結成されますけれども、それについて知事の所感と、民進党という名前についての知事の考えをお聞かせください。

知事
 名前だけ取り上げてどうこうというよりも、政党の名前についてはいろんな経緯の中でいろんな決まり方をするもので、戦前の板垣退助自由党なんていうのは非常に明確な理念をびしっと打ち出すような党名でしたけれども、その後、原敬総裁・総理が率いた政友会というのは、政友会ということ自体にはあまり主義・主張はないのですけれども、政友会の名の元に日本にデモクラシーを定着させるという理念・政策は明確に展開された、そういう政党があったと思います。戦後もそういう理念を訴える党名もあれば、そうですね、新進党なんていうのは理念をはっきり出すというよりも新進党の名の元で衆院選での5つの契約とか、マニフェストの走りを打ち出したり、その後も日本再構築宣言というやっぱりマニフェストパンフレット、政策書を出したりとか、そういう形で理念、政策を訴えたりもしましたので、いずれそのように21世紀の今の時代、冷戦時代に比べてかなり外交、安全保障にせよ、また経済・財政政策にせよ、とにかく消費税を上げて、それで社会保障担保と言っていたような20年前の経済・社会状況とは違う状況になっているので、格差問題や貧困問題を解決するというような新しい経済財政政策も求められていると思います。そういう新しい時代の要請に応えられるような理念、政策をばんと打ち出してほしいなということを期待します。

広聴広報課
 それでは、以上をもちまして本日の記者会見を終わります。
 


次の定例記者会見は4月1日(金曜日)の予定です。

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