平成28年2月18日知事会見記録

ID番号 N42523

平成28年2月18日10時30分から10時56分


広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。

知事
 きょうの発表事項は、「岩手県復興ポスター展」の開催についてです。東日本大震災津波から5年目となる3月11日を迎えるに当たって、震災の記憶を風化させず、岩手県の復興の取り組みを多くの方に知っていただくことを目的として、「いわて復興人」のポスターを掲示する岩手県復興ポスター展を県内外で開催します。きょう2月18日から3月17日まで、県内では県庁県民室、各広域振興局、マリオス、JR盛岡駅など32カ所。県外では、北海道から沖縄まで趣旨に賛同いただいた地方自治体など49カ所、合計81カ所で開催します。掲示するポスターは、平成27年度及び26年度に作成した「いわて復興人」のポスターなど18種類で、本格復興に向けてひたむきに取り組む人々を紹介するポスターです。県内外の方々にポスターをご覧いただいて、復興への思いを改めて思い起こしていただくとともに継続的な支援にもつながることを期待します。

広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。

幹事社
 それでは、ただいまの発表につきまして各社から質問がございましたらお願いいたします。

記者
 今、復興に向けてひたむきに取り組む人々ということのご説明がありましたが、改めて県外の方にはどんなところを見てほしいというのがあったらぜひいただけますか、一言。

知事
 被災地イコール復興地で働いたり、生活したり、あるいは文化活動などいろんな活動をしている、そういう人たちの生身の人間の姿を見ていただくことで災害の意味、そして復興の実態、そういうことを感じてもらえればなというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。あと今5年を迎えるということでの展示ではあると思うのですけれども、せっかくなので、また時期を見てそういうちょうど周年の時期以外でも何かやってみるとかということは、各種イベントとかに行っていらっしゃるとき、恐らく掲示しているのではないかなと思いますけれども、また展開も考えていらっしゃるのでしょうか。

知事
 平成28年度の復興関係の広報事業については、来年度予算の中の事業としていろいろ企画し、予算の形で議会に承認いただこうというところです。

記者
 震災の風化を防止するということですけれども、震災5年に当たって全国、岩手以外のところの風化というのはどのようになっているのかと知事はお感じになっているのでしょうか。

知事
 今は3月11日が近付いてきているからか、さまざまテレビ、新聞などメディアによる東日本大震災や復興についての報道とか、解説とか、そういう紹介するのは、今は多いなと思っているのですけれども、ちょっと前まではそういうのが少なくなってきたなという印象を持っていましたし、いろんな出版関係の人の話を聞いても、復興の本というのがなかなか売れない。であるがゆえに、出版してもらうのも難しいみたいな話を聞いたこともあります。
 ただ一方で、三陸復興フォーラムですね、県外でもあちこちでやって、今年度は静岡県でやりましたけれども、ああいうのをやりますと今でもかなり関心は高く、また今からでも何かやりたいという思いはあるので、潜在的には日本国民の間に東日本大震災を自分たちのことと受け止め、何かしたいという思いは引き続きあるのだと思うのですけれども、それを形にしたりする、表に出したり、形にしたりするような取り組みが全体として減ってきているのかなと、そのメディアの扱いも含めてですけれども、あるいはメディアの扱いをはじめとしてというのでしょうか。という中で、こういうポスター展というのは改めて潜在的に国民の中にある思いを表に出し、また形にしていくことに役に立つのではないかなと期待しています。

幹事社
 その他ございますでしょうか。それでは、なければ発表事項以外についてですけれども、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はございませんので、各社から質問がございましたらお願いいたします。

記者
 昨日、県土整備部の方で発表がありました岩泉の方での違法派遣の可能性がある問題について、改めて知事のお考えをお伺いしたいのですけれども、先週の記者会見で伺ったところから新たに判明した事項ということで、担当の職員の方が実際にラインでのやりとり、相談というのを受けていたということがきのう発表になりまして、結果的にその職員の方は上司の方に報告していたわけですけれども、そこから先の情報の提供であったり、県庁内での情報の共有というのが図られていなかったということも併せて、きのう明らかになりました。それは、結果的に問題の早期対応であるとか、早期の発見あるいは本当に違法性があったのかどうかという確認も含めて、そういう対応がどうしても遅れてしまったということになったと思うのですけれども、改めてそのことについての受け止め、知事のお考えをお伺いできますでしょうか。

知事
 労働者派遣法に関する調査や判断については、法律を所管する岩手労働局において対応するものですので、県としては岩手労働局の対応を注視し、連携を図って対応していくのですけれども、今、岩手労働局がそういう対応をしていると、そういう関係の情報でありますから、それは組織内で情報共有を徹底すべきであったと考えています。県土整備部に対しては、情報共有が徹底されなかったことについて、原因なども含めて調査を進め、しっかり対応するように指示をしているところです。

記者
 今、基本的に法を所管している労働局の対応ということでしたけれども、いわゆる県の方は端緒をつかんでいたというか、一報が入ったのは恐らく県の方が先で、そこから先に例えば労働局であったりとか、労基署であったりとか、その関係機関への情報共有がなされることで、そういう意味でも法を所管する方面での早期の対応というのが、もしかしたら可能だったかもしれないということについてはいかがでしょうか。

知事
 労働局の判断を待つ必要はあるのですけれども、ただ検討すべきような事柄ではあったわけですので、やはり岩手労働局に情報共有をすべきだったと思いますので、やはりそこは情報共有が徹底されてなかったということで、内部的にもどうしてそうなったかということをはっきりさせて、しっかり対応するようにしていかなければならないと思います。

記者
 先日の県土整備部の発表ですと、コンプライアンス的な組織内での情報共有というのに課題があったということだったのですが、今回は違法性の判断というのは県ではない、他の機関の所管でしたけれども、こういう事例が当然内部告発的な申し出というか、相談というのは今後もないとも限らないわけで、コンプライアンス的な意味での組織内での今後の対応というのはどのようにお考えですか。

知事
 当該担当職員がラインのやりとりについて、当初行っていないと報告したというのは、私もそれを踏まえて記者会見でお答えをしましたから、そういう報告をしていたことについては残念だと思うのですけれども、一方で担当職員が口外しないことを強く求められ、恐怖心を覚えたということも聞いているのですけれども、そういう恐怖心を覚えるような事態に直面したときこそ、まず直属上司に速やかに報告し、相談をするということが個々の職員を守ることにもつながるし、また個々の職員が何かそういう危険に直面するというのは、県組織全体が組織としてそういう危険に直面しているということでもあるので、問題解決を早くしなければならないということもあるので、これは県職員に対してですけれども、何かそういう危険を感じるようなことがあれば、なおそういうのは早く上司に報告、相談するようにということを言いたいと思います。

記者
 あさって20日から国体のスキー競技が始まるわけですけれども、1月のスケート、アイスホッケーは県勢好調な出だしだったわけなのですけれども、県選手団に対する期待と、あと大会の盛り上げについてどのように思っているかお聞かせください。

知事
 スキーは岩手のお家芸でありますので、大いに期待したいところでありまして、全国で1位になったり、また世界大会に出るような岩手の選手もいますので、その活躍を大いに期待したいと思いますが、一方、他の都道府県からも世界大会に出て表彰台に上がるような選手が参加しますので、かなり頑張らないと上位の成績が難しい、そういう大会でもあると思います。
 フィギュアスケートで個人で3位になった佐藤選手から最近聞いた話なのですけれども、非常に多くの応援の人たちが来てくれて、それが力になったというのです。それはかなりあると思います。ですから、スキー競技の方もどんどん県民の皆さん、応援に行って、県の選手を応援していただきたいですし、また他の都道府県の選手も見事な競技をするでしょうから、拍手喝采を送ってあげてほしいなというふうに思います。

記者
 今、他の都道府県の選手とおっしゃられましたけれども、ノルディック複合の荻原選手やジャンプの船木選手といった金メダリストも参加を予定しているわけですけれども、この方たちによっても大会の盛り上がりも図られると思うのですけれども、これについてはいかがですか。

知事
 そうですね、そういう皆さんの競技を生で地元で見ることができるというのは非常に貴重な機会ですから、県民の皆さんもどんどん会場に行って、あるいはテレビや新聞でも良いのですけれども、応援してほしいなと思います。

記者
 今、政府、日銀の方でいろいろ金融、経済政策をやっていますけれども、最近の円高、株安、あと日銀で行ったマイナス金利について、知事の所感をいただければと思います。

知事
 異次元の金融緩和でお金がどんどん余るようなことをしたけれども、まだまだ景気が良くならないということで、さらに異次元の金融緩和策に出た。厳密には金融緩和策とはまた別のものみたいな、マイナス金利政策を位置付ける分類もあるみたいですが、広く金融緩和政策をどんどん広げているということですよね。
 ただ、それでも景気が悪い、GDP成長率がマイナスになるとかという事態というのは、1つには事業が足りない、お金がたくさんあり余っている割に事業が足りない。その事業というのを消費も一種の事業で、自分自身に対する投資ですからね、個人を中心としたそういう事業も思うように進まず、また企業、会社による新規事業とか事業の拡大というのも振るわないと。そうすると、やはり公共事業ということを力強く進めるべき、そういう状況なのだと思います。ILC、国際リニアコライダーの建設を決定し、もう着手するということは、それは科学の発展が主目的ではあるのですけれども、経済効果も非常に高くなるでありましょうし、復興を力強く進めていくというのもそうですし、また全国的にも国土強靱化につながることでありますとか、また地方創生的な地方での暮らしが良くなることにつながるような、そして地方の景気が良くなるような公共事業を増やしていかなければならない局面でもあると思います。去年の人口移動で東京一極集中がさらに1万人近く増えてしまった、地方からの人口流出がそのくらい増えてしまったという状況もありますので、総体的に地方が弱っているという状況もあるので、地方を舞台にした国による公共事業というのを増やさなければならない局面だと思います。それが一つ。
 もう一つは、お金が余っているということは、お金を必要としていない人のところにお金があるので、使い道がわからなくてお金が暴れているという状況でありましょうから、お金を必要としている人のところにちゃんとお金が行くような分配、あるいは再分配と言っても良いのですけれども、そのことを真剣に考えなければならないと思います。特に高度成長、成長しているときには、成長、パイが大きくなる中で、それまで貧困だったり、格差があった低所得の人たちの所得も増やしていく、分配・再分配がやりやすいのですけれども、低成長とか、マイナス成長の中では、そういうことがやりにくいがゆえに格差拡大とか、貧困問題の深刻化ということになってきているので、格差対策とか、貧困対策的なところにお金を回していくということをしなければならない局面だと思います。

記者
 ありがとうございます。あともう一件別の質問をさせていただきます。きのうも議会運営委員会がありましたけれども、その中できょうも議案に提出予定の副知事の人事について、直接今回の議案とは関係ないかもしれませんが、以前にもお聞きしたことですが、改めてお聞きします。副知事を2人制にしていた時期もあったわけですが、今は1人になっております。改めて、今復興とか、あるいはことし国体ありますし、これから地方創生等いろいろいろんな大事な時期を迎えている中で、今は2人制ではなくて1人制でも良いのかどうか、2人制にする考えがあるか、改めてお聞きしたいと思います。

知事
 副知事をはじめ、県の幹部、さらに課長や全ての職員のそういう人事というのは、全体として力を発揮すべきものでありますので、そういう中で適材適所の人事というものを、これは副知事のところだけを1人にすべきか、2人にすべきかという問題ではなく、副知事プラス県の幹部、また県職員全体の体制をつくる中で、そのとき、そのとき適切な判断をしていけば良いということで、今回県議会にご提案するような判断をしてお願いをするというところです。

記者
 ありがとうございます。そうすると、2人でなければできないということではなくて、逆に言うといろんな組織のガバナンス的には知事お一人、副知事お一人、あと幹部の方、職員全体で2人制のときに発揮できたのと同じような、あるいはそれ以上のパフォーマンスというか、行政能力が発揮できる状態に今しているのだというふうに受け取りますが、そういう捉え方で良いのでしょうか。

知事
 いずれそもそも2人制という言葉が使われますけれども、制度としてそうしたりしなかったりということではなく、ある意味、条例上は2人まで副知事を置けることになっていますから、条例上は2人制のままで20年、30年前からですか、制度は一切変わっていないわけでありまして、その制度の中で、これは過去の知事たちも副知事人事をはじめ、幹部人事、また職員人事全体、そして体制のつくり方の中で、そのとき、そのとき適切な判断をしてやってきたし、私もそのようにやっていくということであります。

記者
 先月の18日から22日にかけて暴風雪の被害で県内では71億円の被害が出たということなのですけれども、この被害について知事としての所感と、今後激甚災害の指定ということも考えられるかと思うのですけれども、その点についてお聞かせください。

知事
 かなりの被害が出ていたなというふうに思います。この季節、ああいう形の大雪、また暴風、そしてその場所もかつてそういう暴風雪がなかったようなところでそういうことが起きたりしましたので、今までなかったような被害も出ていて、ようやく被害額がまとまってきたのですけれども、やはりかなりな数字になっているなというふうに思います。
 災害復旧として対処できるところについてはそのようにしていかなければならないと思いますし、その災害復旧の中で、激甚災害指定になるとか、いろんな制度的な負担緩和措置ができるところがあれば工夫していかなければならないなというふうに思います。

記者
 激甚災害については、国の方に要望を求めたりとか、そういったことはいかがでしょうか。

知事
 今、計数を積み重ねる中で、どういう扱いにしていけば良いかというのは、これ随時国の方にも報告しながら、既にいろんな調整をしていると理解いただいて良いと思います。

記者
 大船渡のスネカがユネスコの無形文化遺産候補になりました。これについての感想と、県としてこの登録決定に向けての支援といいますか、取り組みが何かあったらお考え聞かせてください。

知事
 ユネスコ無形文化財としては早池峰神楽に次ぐもの、日本食(和食)のような広い文化財もあるのですけれども、地域を特定できるものとしては2つ目ということで、やはり岩手は歴史、文化、厚い歴史と豊かな文化があって、そしてそれを未来に向かって守ろうとしている人たちがたくさんいる、そういう県だなということを改めて思いました。未来に向けてそういう地域の良さ、豊かな文化を守っていく励みになるためにもユネスコ無形文化遺産に登録されれば良いなと思いますし、またスネカを今まで知らなかった人があちこちに、県内、県外、国外にいっぱいいると思いますけれども、関心を持って見に来てもらうと良いなというふうに思います。
 あとスネカに似たようなもので、ナモミとかいろいろ岩手の沿岸の方には仮面の来訪神文化は他にもありますので、そういうのも一緒に注目が高まって、未来に向かって守る力も高まれば良いなと思います。

広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
 

 

次の定例記者会見は3月4日(金曜日)の予定です。

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