平成28年1月25日知事会見記録

ID番号 N42007

平成28年1月25日10時30分から10時53分

 
広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。

幹事社
 本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はございませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
 あさってからいよいよ完全国体の幕開けとなる冬季大会が始まるわけですけれども、知事としてどのような大会になってほしいかというのをまずお聞かせください。

知事
 開始式のリハーサルも順調に進んで、いよいよ開幕を迎えるというところに来ていると思います。岩手県にとってこの46年ぶりの国体、それを冬の国体も同時に行う完全国体ということで特別な国体でありますけれども、東日本大震災の被災県で震災後初めて行われる国体プラス全国障害者スポーツ大会ということで、日本全体にとっても特別な国体だと思います。「広げよう 感動。伝えよう 感謝。」というスローガンですけれども、スポーツの感動ということを中心にしながら、人間賛歌といいますか、いろんな文化関係でありますとか、また地域振興関係でありますとか、いろんな関連のイベント、企画、事業がありますので、そういう中で人間というものが生み出す感動というのを、県内で、そして県外の皆さんと共有しながら、東日本大震災、そしてその後の復興への支援に対する感謝の気持ちをしっかり伝えていきたいというふうに思います。

記者
 国体には当然競技会という側面がありまして、岩手県選手団の活躍についてはどうでしょうか。

知事
 選手強化もしっかり進んでいて、天皇杯総合8位以内という目標に向かってしっかり進んでいけるように、進んでいると思いますので、頑張っていきたいと思います。

幹事社
 他にございませんか、あるいは関連してございませんでしょうか。

記者
 先週、「いわて三陸復興フォーラム」が開かれました。特にも、間もなく震災丸5年を迎えるに当たって、いろんな議論が、多様な主体も踏まえて議論されたと思うのですけれども、知事も参加されてみて、改めてどのように受け止めたか、あるいは何か感想をお持ちであればお願いします。

知事
 改めてオールジャパンで、今回は東北大学の今村(文彦)先生のようなオールジャパンで活躍している方と、そして岩手県内の被災地と復興の現場で活躍している人たちと一緒になって、情報の共有や発信を行っていくというやり方が、大変効果的だなということを改めて思いました。そういうこと、取組をさまざまな形で県内でやり、また県外でやりと、やっているのですけれども、全国的には今度の3月11日で丸5年という5年の節目ということで関心が高まる時期に来ていると思いますので、岩手県からもますます情報の共有と発信ということに力を入れて、今復興の量の確保と質の向上に努めるべき、そういう段階にあるわけですが、その復興の実態を理解していただきながら、さらに支援を続けてもらえるよう頑張っていきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。そうした中で、先月国の復興委員会があって、その中で今後の新たなというか、基本方針ですか、案が骨格で示されたと思うのですけれども、当日も取材に応じられたとは思うのですけれども、改めて中身と今後についてどのような注文といいますか、期待、盛り込んでほしいものがあるか教えていただければと思います。

知事
 各論部分の内容について、被災者の皆さんの心と体のケアなどのそういった被災者支援について、切れ目なく継続的に行っていくというようなことが書いてあり、また復興の事業量の確保ということの関係でも、インフラ整備中心にしっかりやっていくというようなことが書かれていて、内容的には現場の実態を踏まえながら今まさに本格復興の最中であり、最初の5年に引き続いてやっていかなければならない、そういう連続性についてきちっと踏まえた内容になっているのは良いなと思っています。
 総論的な部分で、新しいステージとか、総仕上げの5年間とか、そういう今までの5年間と違うというようなところが強調されていることについては、当初心配をしていたのですけれども、内容の部分がしっかりしているのであれば、全国の皆さんに関心を持ってもらうには新しいステージというふうな切り口で見ていただく方が、全国の皆さんにも関心を持ってもらえるのかなと今は思っておりまして、そういう全国の皆さんの関心を高めていくような工夫をしていくということと、あとは内容をより充実させていくというようなことを今後やっていけばいいのだなというふうに思っています。

記者
 ありがとうございます。あともう一点、先週国の方で補正予算が可決成立しました。これから当初予算の方に審議の方が入ると思うのですけれども、改めて当初予算の審査はどういうふうになってほしいという期待あるいは意見、お考えがあれば教えていただきたいのと、決まった補正予算の方もよければ、もう成立したことなのですけれども、教えていただければと思います。

知事
 岩手にとっては復興関係と、それから地方創生関係、あとはTPP対策の農業の強化という部分が注目点なのですけれども、それぞれ補正が成立した部分については着実に執行していくよう、県の方からも国に働きかけながらやっていきたいと思いますし、予算については復興や地方創生関係それなりにきちっと対応、所要の額が盛り込まれているというふうに思っていますので、その成立を待って県の方でも対応していきたいと思っていますけれども、予算の審議を通じて、この復興の現状や、また地方創生のあるべき姿、そしてTPPが抱えている問題などについて、国会の中でしっかり審議されて、それで政府の取り組みとして足りないところについては補われていくような、そういう国会審議を期待したいと思います。

記者
 ちょっと国体のお話に戻ってしまって恐縮なのですけれども、当然全国各地から選手、関係者、それから応援の方々など大勢の方がいらっしゃると思います。そういう方々に今の岩手をどう見てもらいたいか、あるいはそういう方々にどういうものを伝えたいかというところ、ちょうど震災から間もなく5年という節目を迎えるタイミングでこの冬季大会があるということを踏まえて、実際にこちらにいらっしゃる方々をどう迎えて、どういうふうに受け止めてもらいたいかというのを教えていただけますでしょうか。

知事
 やはり復興に向けて頑張っている岩手の姿というのを見たり感じたりしてほしいなと思います。これについては、必ずしも沿岸被災地、復興地の方を直接訪れなくても、岩手の県内のテレビとか、新聞とかが毎日震災復興関係のことを報じているというようなことをちらっと目にしただけでも、「あっ、そうなのか」と思ってもらえると思いますし、また競技の関係で内陸の方しか訪問しないとしても、内陸の方で会う岩手県民とやりとりする中で、やはり復興というのが大事なのだなというようなこと、少しでもそういうところの気付きとか、発見とか、そういうのがあれば帰った後でもそういう気付きや発見というのが自分の中で育っていき、全国で広がっていくというふうに期待できますので、直接岩手を訪問して、そして直接そういう復興に頑張っている岩手というものを感じてもらえればなというふうに思います。

記者
 きのう大相撲の初場所で、日本出身力士として10年ぶりに琴奨菊が優勝を果たしたわけですけれども、その裏で県人出身力士3人いますけれども、十両の錦木が3場所連続の勝ち越し、あとは琴力泉も勝ち越し、あと佐々木も優勝争いまであと一歩というところでありました。初場所における県人力士3人の活躍についてはどのようにお考えでしょうか。

知事
 大変うれしく思います。岩手県では、ちびっ子相撲から高校生の相撲、また社会人の相撲も盛んですので、そういった関係者の皆さんにも励みになると思いますし、また岩手全体としてもスポーツの力で盛り上がって、それがまた復興やふるさと振興の盛り上がりにつながっていけばというふうに思います。

記者
 北海道新幹線の件で伺いたいと思います。開通まで2カ月になりまして、これまでにも知事からいくつかご発言いただいていますけれども、北海道、特に函館、道南の方と岩手の結び付き、あるいは下り線で東京から北海道へ行かれる方の岩手で1泊されるかどうかという、その間で観光誘致につながるかどうかという辺り、改めて見込まれる期待を教えてください。

知事
 まず、北海道、北東北というセットの部分の魅力が増して、外から北海道、北東北エリアに来る人たちが増えていくということを期待しますし、また北海道、北東北エリアの中で、親戚関係とか、歴史的なつながりとか、いろんな絆がある地域ですので、そこでの人や物の行き来が増え、それがビジネスチャンスにもつながっていくことを期待します。
 また、北海道はインバウンド、外国人観光客がたくさん訪れるところであり、函館だけでもこれは東北全体を合わせた以上のインバウンド(※実際は、平成26年の実績で比較すると東北全体の方が多い)、外国人観光客が函館だけでも訪れているので、そうした外国人の皆さんが北東北の方にも、岩手の方にも来てくれるということを期待します。

記者
 先ほど国体の中で、岩手を発信したいというような抱負を述べられましたけれども、それとも関係するかもしれません。花巻空港の関係で伺いたいと思いますけれども、先週、平成28年、2016年の上期のダイヤが発表になりましたけれども、その中で愛知県営名古屋空港との間で運航しているFDA、フジドリームエアラインズが1日3便から4便に増便するということで発表がありました。県は重要路線と位置付けていて、増便を要望していた中で、それに応えられたという結果となりましたけれども、受け止めあるいは期待感をお聞かせください。

知事
 花巻・名古屋便は、私が知事になって途絶えていて、それで私も直接FDAさんを訪問して働きかけたり、また東日本大震災直後に復興支援という形でまず開設してもらうということについて、時の政府にも直接働きかけたりしていましたので、それが今や1日4便になるということについては大変うれしく思います。もともとそのくらいの潜在的なニーズがあるということをずっとFDAさんの路線ができる前から言っていたわけでありまして、自動車産業、それから半導体関係、そういったものづくり産業関係での人の行き来というのは多いわけですし、プラス平泉が世界遺産になって、観光という面でもニーズがあると。それに加えて、復興支援関係でも名古屋市が陸前高田市に大々的に支援してくださっているというような、そういう復興関係の人の行き来も増えていますし、この1日4便という体制も充実させて、さらにこのニーズというのは増えていく、そういう可能性があると思っています。

記者
 ありがとうございます。ちょっと話題変えます。さっき補正の話題の中で、TPPに関する国会での議論とか対応策を求めたいという趣旨の発言がありましたけれども、そのTPP対策の先頭に立ってきた甘利経済再生担当大臣をめぐって、口利きとその見返りに金銭を受領したという疑惑が浮上しています。甘利氏は、一連の疑惑について説明するという話ではありますけれども、明確には疑惑は否定しないという状況にあります。今回の一連の騒動についてどう受け止められましたか。

知事
 私は事実関係を承知していませんので、その取り沙汰されていることについてはコメントなしとしたいのですけれども、TPP問題については、TPP協定の内容自体にさまざま問題があり、かつそもそも日本、国として日本の農業をどう将来発展させていくのかとか、また日本の経済・産業全体を本当に市場原理万能主義的な方向で良いのかという、そういう議論をしなければならないわけですので、早くそういう本質的な議論ができるようにし、そしてそういう本質的な議論をしてほしい、国会ではやってほしいなというふうに思います。

記者
 ありがとうございます。まさに今知事がおっしゃるとおり、実際に野党が反発する形で、疑惑の審議はともかく国会審議に既に影響は出ております。安倍政権が経済政策を最重要課題ということで位置付ける中で、経済担当の要の閣僚がこういう形で国会に影響を与えていると。
 一方で、最近株価がかなり乱高下していて、日本経済の不透明感が増しているという状況にもありますけれども、地方の行政を預かるトップとして、その辺り、地方経済にも少なからず影響しかねない事案でもあると思いますけれども、どのようにこれから安倍政権に対応してほしいというふうに望みますか。

知事
 まず、憲法にも内閣は連帯して国会に(対し)責任を負うと書いているわけでありますので、ある特定政治家個人の問題として放っておくのではなく、安倍内閣として速やかに本質的な議論ができるようにしていかなければならない、そういう責任があるのだと思います。そういう議論の中では、やはり一人当たりの賃金は相変わらず低迷しているでありますとか、日本においても格差問題、貧困問題は深刻化しているでありますとか、そういった背景もあって消費が伸びず、投資も伸びず、余ったお金が暴れていろいろ株の乱高下でありますとか、一方また、国債の方にお金が流れていってしまうといった状態にあるわけですので、かなり今のままではだめだという視点に立って経済政策については、経済・財政政策については議論しなければならないところだと思うので、早くそういうことをしてほしいなというふうに思います。

幹事社
 他にございませんでしょうか。
 私の方からちょっと国体に関してなのですけれども、各会場に他県から大勢の選手が来られるかと思うのですが、県民にこういう形でおもてなしといいますか、迎えてほしいという知事の考えがございましたら、気持ちがございましたらちょっとお願いしたいのですが。

知事
 やはりできるだけ競技会場に行っていただいて、そして県勢の応援もですし、またほかの県の選手についても見事なプレー、すばらしい演技、そういったものに対して拍手を送っていただきたいなと思います。やっぱり、まず競技が盛り上がっていくということが大事だと思います。また、応援おもてなしメニュー(提供)の店という、そういう取り組みで今既に県内あちこちのお店でそういう特別なメニューを提供するというサービスも始まっていますし、いろんなそういう競技会場以外のところでのおもてなしの取り組みということもやっていますので、県民の皆さんにもそういったところにも参加いただいたり、いろんな形で盛り上げて、おもてなししていただければと思います。

幹事社
 他になければ、いいですか。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終わります。
 

次の定例記者会見は2月1日(月曜日)の予定です。

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