平成27年11月19日知事会見記録

ID番号 N40384

平成27年11月19日15時30分から15時59分

 
広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。
 
知事
 平成27年度の一般会計12月補正予算(第3号)についてです。補正予算の規模は4億7,000万円余、補正後の現計予算額は1兆1,504億円余となります。
 今回の補正予算の主な内容は、まず震災分では沿岸被災市町村が実施する福祉灯油事業に対する補助に要する経費、そして通常分では県営体育館の改修工事に要する経費や冬季国体等の対応や震災復旧工事の増大に伴う超過勤務手当など、早期に措置が必要となった予算をそれぞれ計上しています。
 以上です。
 
広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。
 
幹事社
 それでは、ただいまの発表事項について、各社から質問があればお願いします。
 
記者
 福祉灯油なのですけれども、灯油価格が一時期に比べて大分下落していると思うのですけれども、その中であえて今回も福祉灯油を続けるという意味をお聞かせ願いたいと思います。
 
知事
 応急仮設住宅等での不自由な生活が長期化する中で、生活再建や経済面の負担を抱える被災地の低所得者世帯へのきめ細かな支援が引き続き必要と考えたところであります。また、実際沿岸の多くの市町村が県の支援があれば福祉灯油事業を実施したいという意向であったということも背景にあります。
 
幹事社
 そのほか予算について質問ある社はありますか。
 それでは、発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
 
記者
 県政課題ではないのですけれども、連日パリの同時多発テロの件が取り沙汰されております。発生後最初の記者会見ということで、受け止めをお聞かせください。
 
知事
 罪もない人たちの命を奪う、ああいうことは絶対にあってはならないことでありまして、組織的にそういうことをする人たちに対しては、二度とこのようなことはしないようにというふうに言いたいと思います。
 
記者
 ありがとうございます。最近の傾向を見ますとテロが起こって、また空爆が強化されて、またテロが起こるという繰り返しなのですけれども、知事、外交官の経験もありますし、また国会議員の経験もあるということで、なかなか出口の見えないテロ対策なのですけれども、どのように対応すればよろしいと考えられますか。
 
知事
 まさに出口ということが大事でありまして、クラウゼヴィッツの「戦争論」にも戦争は政治の延長だということが書いてあるのですけれども、そこで言わんとしているのは何のためにやるかということであって、伝統的には国と国との戦争であれば、どこかで片方がもう参ったと、そして降伏文書、そして降伏文書というのはイコール平和協定を結ぶ、つまり平和を実現するために必要悪として戦うということが伝統的には戦争としてあって、最初の湾岸戦争はちゃんとイラクのサダム・フセイン大統領が国連決議に基づいて行動した側と国連の旗の下に戦った国々とちゃんと交渉して平和協定みたいなものを結んでけりがついたわけですが、イラク戦争の場合はそういう交渉の相手をミサイルで攻撃したり、死なせることを目的にしていたものですから、戦争が終わった後、話し合ってどういう平和を実現するかというのを決められないままずっと今に至っているわけで、それが中東の混乱の元になっていると思います。今もどことどこが、では停戦の合意とか平和の合意とかするのかというのが見えないまま、やみくもに武力による攻撃が行われているようなところもあって、そこはまずいのではないかなというふうに思っています。やはり国連という枠組みの元でゴールが見えるような形で、そして国連憲章に基づいた手続を踏みながら紛争の解決、平和の実現というふうに諸国民が協力してやっていくことを望みます。
 
記者
 ありがとうございます。テロ組織からは、日本も敵視されているという状況はなかなか穏やかではない状況だと思います。また、国内では集団的自衛権が議論になっているという中でもありますけれども、とりわけ国際的な中で日本がどのような対策、中で役割を果たすべきと考えますでしょうか。
 
知事
 そういうゴールの絵を描いていくことに対して貢献できると思いますし、またそのゴールの中には武力行使の停止とかという狭い意味での平和だけではなくて、難民として散り散りばらばらになった人たちが、またふるさとに帰ってくるとか、そしてそこに復旧・復興ということも入ってくる、平和というのはそういうものでありましょうから、そういう大きな図の中で日本にやれることとか、日本がやらなければならないことはいっぱいあるのだと思います。
 
記者
 はい、ありがとうございました。
 
記者
 済みません、2点ほどありまして、1個は発表事項で、県営体育館の施設の改修費、経費、これを今議会で計上した理由についてお聞かせください。
 
知事
 その質問の趣旨は、来年度本(当初)予算ではなく今年度の補正でなぜ早くやるのかという(ことですか)
 
記者
 そうですね、それも含めて、国体もあると思うので。
 
知事
 まず、体操競技の練習会場というふうに位置付けられていますので、まず国体の練習会場として使えるようにするということは、これはやらなければならないことでありますし、また国体がなくても県民の皆さんのスポーツやいろんなことに使われる県営体育館ですので、早目に改修しようということで今回の補正予算に計上したところです。
 
記者
 済みません、もう一点の方なのですけれども、会計検査院の方の結果が出ましたけれども、今後の県の対応についてお聞かせください。
 
知事
 まず、その内容について市・町と認識を共有していかなければならないと思いますし、また一方で県と市・町とですり合わせた上で国に対して説明していた部分について認められなかったところもあるので、そこをもうちょっと国に対して詰める作業も必要ではないかというふうに思っています。まずは、そういう国とのやりとり、そして市・町とのやりとりというところに少し時間がかかるかなというふうに思っています。
 
記者
 今の会計検査院の件に関連してお尋ねします。前から県議会等でも言われておりますけれども、県の指導力というか、立場としてやはり返還しなければいけない場合に関して、県の負担ということについて県議会でもやりとりが今までもありました。これについては、今の時点ではどのような位置付けで、今後どのように議論がなっていくのか、知事としての今の時点でのお考えあれば教えていただければと思います。
 
知事
 厚生労働省との間でもうちょい詰めなければならないことがあると思っていますし、またそこは岩手県だけではなく、全国的に広く起きたことでもありますので、その中で国との関係においてどういう事後の対応をしていかなければならないかということが決まっていくわけですけれども、そこは基本的にできる限り市・町の負担を少なくしたいという思いは県にもありますけれども、今回国において認められなかったところがあるわけで、そこはまず国に対してもうちょい詰めの作業をしたいなというところです。
 
記者
 そうすると、まずちょっとどういう言い方が適切かわからないので、ちょっと失礼になるかもしれませんが、値切りみたいな感じで、もう少しもっと返さなければいけない分を圧縮させると。圧縮した段階で、さらに負担に関してはさらに関係市・町と協議して、もしかしたら知事の考えというか、これは組織的な判断が必要だと思うのですけれども、負担するべきは負担するということも交渉の条件というか、手段としては用いるということもあり得るのでしょうか。どう捉えたらいいでしょうか。
 
知事
 全国的な広がりのある今回のこの問題の中で、岩手県だけが何か特殊な対応をするということはいかがなものかということもあると思いますので、その辺はやはりよくよくまず国の方と調整するということがまず必要かなと思っております。
 
記者
 ありがとうございます。もう一点、では国政についてお尋ねします。安保法制、あるいはTPP等があって野党から臨時国会の召集が求められていたのですけれども、1日ずつの予算委員会だけで終わって、報道によると1月4日にも早々通常国会を開くことで対応するようなのが政府の今の考え方のようです。これに関して知事はどのようにお考えでしょうか。
 
知事
 国会の開会の憲法に書いてあるルールとして、一定数の国会議員の要望があれば開会するとなっているわけですから、やはりその趣旨を生かしていくのが良いのだと思いますし、安保関連法については、採決はされたけれども、議決はされたけれども、議論が足りなかったみたいな話は政府与党の方からも確かに出ていたと記憶しますし、またTPPについては、これはいくらでも説明しなければならないことというのはあると思いますので、やはり臨時国会というのは開くのが普通なのではないかなというふうに思います。
 
記者
 1月4日で召集することで何か代替するような形のやり方というのは、そうするとちょっと国会議員の経験もある知事としては違和感があるのでしょうか。
 
知事
 うん、そうですね。いまだに開かれていないということがやっぱりおかしいなというふうに思います。
 
記者
 ありがとうございます。あと済みません、もう一点、政治的なことでお尋ねしたいのですけれども、自民党県連が参院議員を公募して、公募で最終合格者を公認として申請して、おととい決定されて、いち早く候補者になりました。それで、今までの県政の流れでいくと9月までに知事選と県議選があったわけですが、そういった中で達増知事を応援した勢力の方では主濱さんが今現役なわけですけれども、まだ動きが、具体的に続投するのかしないのかということをまだ明言していないのですけれども、今までの県政の流れを国政にも広めていくというようなことを知事はおっしゃっていて、その後宮城県議選とか、あとつい最近終わった福島県議選等がありました。そういった流れの中で、知事を応援する勢力、あるいは知事と志を同じくする勢力がこの参院通常選挙に向けてどのような動きになっていくと良いなとお考えなのか、もしよければ教えていただければと思います。
 
知事
 これは、政治上の自由は何よりも大事な自由でありますから、立候補したい人が(立候補)したりとか、させたい人がさせたりとか、またそういったことを政党などの政治団体が団体の自治として、それぞれルールを決めてやっていくというのはどんどん自由に行われれば良いと思います。
 一方、そういったことは公のことでもありますから、きちっと県民に対して説明されることが大事でありまして、立候補するという人はその志とか、参議院議員になって何をしようとしているのかというのを県民の皆さんにどんどん理解してもらう必要があると思いますし、立候補させようとする団体もそういうことなのだと思います。
 
記者
 ありがとうございます。そうした中で、民主党の内部から党を解散して野党の維新の党とでしょうか、合流するというような話があったりとか、あと生活の党の小沢一郎さんが年内には野党連携が緒につけばというか、実現すればというふうなお話はしていましたが、こういった野党連携については知事どのようにご覧になっていますか。
 
知事
 これもまさに自由なのですけれども、それもきちっと何のためにという説明がなされることが大事だと思います。民主党を解党するという話については、いま一つ説明が足りていないのかなという感じはします。
 
記者
 会計検査院の関係なのですけれども、「大雪りばぁねっと。」の関係で、県議会の方で第三者による検証を求める決議が2度にわたって行われた経緯があると思うのですけれども、それに対して知事は会計検査院の結果が出るまでは対応できないという趣旨の発言をなさっていたと思うのですけれども、実際に会計検査院の方から結果が出た現段階でどのように対応していくか、考えをお聞かせください。
 
知事
 会計検査院の報告があって、それでまず県の方でさまざまやったものを国の方に大きくひっくり返されるような状況にはもうないということだと思います。執行部として議会が求めていた再検証ということをどう進めていくのかということについては、やはり議会とよくよくすり合わせてやっていかなければならないと思っておりまして、例えば、どういう人たちが検証に携わるのかということについても、全て終わった後でそういうメンバーではだめだということになったら、またやり直しになってしまいますから、やはりスタートする前にそこは議会に納得いただいてからでないとスタートできないのではないかなと思っていまして、そこをいずれ何らかの形で執行部としても議会とよくよくすり合わせた上で先に進んでいくのかなというふうに思っています。
 
記者
 確認ですけれども、第三者による検証を行うという趣旨でよろしいのでしょうか。
 
知事
 議会の議決を尊重して対応していかなければならないと思っておりまして、改めて議会の議決の意味について議会に確認しながら進んでいくのかなというふうに思っています。
 
幹事社
 ほかありませんか。
 
記者
 話題が変わりまして、震災の遺構の関係なのですけれども、きょう大槌の方から遺構の問題について県庁の方と協議に来ているようなのですけれども、震災遺構のあり方について、一般論として今知事としては各自治体、国の方で予算が出るかと思うのですけれども、遺構をどのように、例えば役場庁舎、公共施設の遺構として残す重要度という、そこの一般論と、あと今回大槌で町長が代ったことによって一部保存という方針が現町長によって大転換されて、ただ今後の住民の方との協議によっては変わり得ると、そういう姿勢に変わってきてはいるのですけれども、今回の大槌の旧役場庁舎の保存の個別の問題について、知事は保存すべきかどうかも含めて、それと今後の決め方についてどのような個人的なお考えを持っているかお聞かせいただけますか。
 
知事
 県としては、あるいは私としては発災直後から遺構問題という問題の立て方をするのではなくて、復興という大きな作業の中でまちづくりについては市町村の主体性というのを生かしながら広域性や専門性で県がやるべきところについては県がやり、そして国の事業や国の補助も一緒にやりながら、その辺よくよく話し合いながらすり合わせて進めていくというふうに考えていまして、そういう中でジオパークを検討する中、岩手全体としては陸前高田の高田松原を中心としたところに追悼のための施設や公園を設置しようでありますとか、あと田老観光ホテルとか、市町村においても残そうと決め、それをまたジオパークのサイトというふうにも位置付けるというふうな形で進めてきた経緯があります。
 というわけで、大槌町の復興のあり方については町長さんの交代ということで、全体として見直しの作業をしているというふうに理解していますので、そういう中からさまざま最初はこうでなかったけれども、こうしたいとか、何か話があればいつでも県としては相談に乗るということです。
 
記者
 DIOジャパン並びに会計検査院の、あるいは先ほどの厚労省の関係でもあるのですけれども、知事は先ほど返還金について、岩手だけ特殊な対応はあり得ないというお話をされました。
 
知事
 あり得ないというか、望ましくないのかなということで、ただそこも国とすり合わせる中で、どういうふうになっていくかというのは相手もあることですので、絶対こうということはないと思っています。
 
記者
 今回の緊急雇用については、県の基金事業であり、あるいは誘致に携わったという背景はある一方で、事業の実施主体というのは市町村ということです。緊急雇用に限らず、国の交付金を県が基金に積んで、それを活用して市町村が事業をやるというのは、これは緊急雇用だけではなくて他の分野でもよくある話だと思いますけれども、そもそも論としてそういう市町村の事業に対して返還金が発生したと、それについて県が負担するというのは論理的にあり得ると、これはDIOに限らずなのですけれども、あり得るのでしょうか。
 
知事
 言葉の使い方の問題なのですけれども、基本的に法律に従ってやるということで、法律からはみ出したり、法律に違反したりするわけにはいきませんので、そうしますとおのずからそこは決まってくるものがあると思います。
 
幹事社
 その他ありますでしょうか。
 
記者
 最後に、つい先日台湾を訪問されて、岩手県としてのインバウンドといいますか、台湾も含めて外国人の観光客をどう岩手に引っ張ってくるのかということを県の方でも検討されているとは思うのですけれども、その中での課題等、先般の台湾訪問を通して見えてきたものがもし何かあれば教えていただければと思いますが。
 
知事
 台湾はうまくいっている例で、日本全体は台湾からの観光客はどんどん増え、岩手においてもどんどん増えて、震災前の水準をはるかに超えるくらい大勢台湾からいらしていただいていますので、その背景には積極的な観光プロモーションでありますとか、そういったことをまず台湾においてやっぱり続けていきたいと思っておりますし、あとは台湾以外のところについて台湾の成功をどう生かしていくかということではないかと思います。
 
幹事社
 その他ありますでしょうか。
 
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
 
 
次の定例記者会見は11月27日(金曜日)の予定です。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 報道担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5285 ファクス番号:019-651-4865
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。