平成27年11月2日知事会見記録

ID番号 N40383

平成27年11月2日10時30分から11時2分

 
広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。
 
知事
 きょうの発表事項は、台湾訪問についてです。11月8日から11月13日まで台湾を訪問します。
 
台湾からは、東日本大震災津波からの復旧・復興に対しまして多大な御支援をいただいています。このつながりを大切にし、深めていくことが復興の力にもなるということで、11月10日台北市におきまして、復興支援をいただいた方々をお招きして東日本大震災津波・岩手県復興報告会を開催します。報告会では、これまでの御支援に対する御礼を述べますとともに、復興にひたむきに取り組む岩手の姿を発信して、震災の記憶の風化防止、復興への継続的な支援や岩手のイメージアップ、岩手ファンの拡大につなげていきたいと考えています。
 報告会には沿岸市町村復興期成同盟会から野田武則(のだ たけのり)釜石市長、平野公三(ひらの こうぞう)大槌町長に御参加いただきます。また、同時期に台湾を訪問します田口幸雄(たぐち さちお)岩手銀行代表取締役頭取を代表とする総勢22人の「いわぎん海外視察ミッション」の皆さんにも御参加いただいて、参加者との親交を深めていただきます。また、併せて、今後台湾において岩手の知名度を高め、岩手の旅行者を増やし、岩手の産品の消費を拡大するなど、岩手と台湾の観光、経済分野の交流拡大につなげるために、中華航空や台湾観光協会、台湾三三(さんさん)企業交流会への表敬を行って、より一層の関係構築を図ります。
 さらに、11月6日から9日まで開催される台北国際旅行博、自動車関連企業である国端汽車(こくずいきしゃ)、デンソー台湾の視察を行うこととしており、視察と併せて岩手のPRを行ってまいります。また、さまざま台湾の関係機関の訪問も行います。
 以上です。
 
広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。
 
幹事社
 それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いします。
 
記者
 2点お聞きします。
 定期チャーターに向けた取組は今回の中で具体的にどのような働きかけがあるか、発表以外であれば教えていただきたいのと、あと民間交流のことで昨日とおととい、東京と盛岡で台湾文学講座というのがありまして、台湾のベストセラー作家の方の日本語版に翻訳されたものを紫波町の出版社が行っていて、それを通じて経済、文化の交流をしようということで、民間交流の方もどんどん進んでいるようなのですけれども、それの知事の受け止めをそれぞれお聞かせください。
 
知事
 まず、中華航空を訪問して孫会長をはじめとした中華航空の幹部に面会・懇談する予定ですので、チャーター便の運航拡大と、そして定期便の就航について話を詰めてきたいと思います。
 あと今回台湾訪問に当たっていろんな方に会ったり、またいろんな方にメッセージを発信してくるわけですけれども、その中で岩手県と台湾の特別な関係ということを認識を共有できればいいなと思っておりまして、戦前の歴史から始まって、そして東日本大震災津波の際の多大な支援ということ、それに加え、岩手は外国人観光客のかなりの部分を台湾からのお客様が占めており、これは全国的に見てもかなり突出した割合と、そして大きな数字になっていますので、そういうところを確認していきたいと思っているのですが、それに加えてこの岩手県内の出版社が台湾のテレビドラマ化されて大変はやった、そういうベストセラー小説の日本語版翻訳を岩手の会社が出しているというような、そういうこともまた岩手県と台湾の特別な関係を示すものとして、そういうのを踏まえて特別な関係ということでの認識を共有していければいいなと思います。
 
記者
 ありがとうございます。民間交流の促進という観点からすれば、そのベストセラーは戦後日本がたどったのと同じような、作者本人がおっしゃるのは「おしん」のような台湾の典型的な女性を描いているもので、日本にも共感できるものだということで、お互いに理解を深めることで、こちらからインバウンドで受け入れる人にとってもそういう共通の話題みたいなもので共感ができるということがさらに交流を深めるのではないかというような講演の趣旨で昨日話がありました。その点に関しては、やはり民間でお互いを知って、さらに台湾のファンである岩手の人が迎えるということがさらに台湾からのお客さんを増やすことになる、あるいは逆に台湾に行こうという、岩手医大の創設に関わった三田定則(みた さだのり)先生が台湾の大学の医学部の創設にも大きく関わったというような歴史的なつながりもあるということで、互いの交流と理解というのがさらに加速すれば良いのではないかというような話だったのですけれども、知事はそういう観点からいうと民間交流はどうあればというふうに思いますか。
 
知事
 異文化交流といいますか、(文化が)違うところとの交流に当たっては、まずお互いの現状を知ること、そしてそれぞれの歴史を知ることが大事でありまして、それが民衆史とでも申しましょうか、一般の普通の人たちの歴史についても理解し合うと、これは非常に関係が深まりますので、そういう意味で岩手はそこまで理解した上で台湾とお付き合いしようとしているということを伝えられるというのは大変良いことだと思います。
 
幹事社
 他にありますでしょうか。
 なければ、それでは発表事項以外について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
 
記者
 県議会並びに決算の関係で伺います。先週末の県議会の決算特別委員会で、平成26年度一般会計決算が認定されました。本日午後の最終本会議で正式に認定される見通しとなっております。決算特別委員会レベルで全会一致での認定というのは、実はこれは近年なかなかない異例の結論ということのようですけれども、知事は今回の決算の審査についてどのように受け止められていますか。
 
知事
 平成26年度決算は、東日本大震災津波からの復興の本格復興期間に入った初年度ということで、それまで以上に復興の取り組みを加速してきた年度なわけでありまして、県、市町村、国、また企業、団体、個人、そういう民間部門もみんなで力を合わせ、また多くの内外からのご寄附や支援もいただいて本格復興に取り組んだ1年であり、また復興以外のさまざまな災害関係の対応でありますとか、いろんな取り組み、国体と大会の準備も本格化してきた時期でもありますし、そういった全体が決算認定いただくということは大変喜ばしいことであり、県民の皆さんにとっても喜ばしく、また安心できることではないかなと思います。
 
記者
 ありがとうございます。決算特別委員会で認定の結論を出すに当たって、それぞれの会派は県政に臨むスタンスというのは違いますけれども、基本的な理由としては、不認定にするような問題点とか瑕疵がなかったというような評価をしているようです。今回の決算議会というのは、改選後初の決算議会ということになりましたけれども、この決算認定に至る背景というのがもちろん決算の内容もあったかと思いますけれども、県議会の顔ぶれとか、あるいは会派の構成が変わったこと、それから達増知事が無投票3選を果たした知事選の流れというものが影響していると考えますか。
 
知事
 全体として民意を踏まえた形になっているのだと思います。今回の各会派や個別の県議会議員の方の判断の背景にあるのも、やはり平成26年度はみんなで頑張ったなという、そういう県民の皆さんの思いでありましょうし、また9月の知事選とか県議選の結果もまさに民意を踏まえてそういう結果になっているわけでありますから、いずれにせよ岩手県民の民意がしっかり表れてきているのかなというふうに思います。
 
記者
 ありがとうございます。平成26年度は復興を頑張ったなという県民の思いだということですけれども、実は不認定になった前年の決算も多分県を挙げて復興を頑張ったなというような決算だったというふうに知事は受け止められていたかと思うのですけれども、そもそも今回の決算審査並びに認定の結果を踏まえて、過去3年間の決算の不認定というのは、県議会の評価の結論として妥当な評価だったのだろうかというのはどのように受け止めますか。
 
知事
 その辺の経緯に関する県民の皆さんの思いというのも今回のこういう展開には影響しているのかもしれませんね。
 
記者
 今の話の続きなのですけれども、今回全会一致で特別委員会の方では認定という結論でしたけれども、附帯意見がついております。健全財政に十分留意すること、あるいは過去2年間の不認定の理由になった緊急雇用創出事業については十分留意することというようなニュアンスの内容ですけれども、その附帯意見がついたということについての受け止めはいかがでしょうか。
 
知事
 それぞれなるほどそのとおりと思いながら、附帯意見については読ませていただきました。附帯意見は附帯意見で、やはり民意を反映しているなというふうに思いますので、一方執行部も附帯意見に書かれた内容については気を付けているところではあるのですけれども、監査委員の方からも同様の指摘もありましたし、一層気を付けてこの附帯決議に留意しながら執行部としても取り組んでいかなければならないなと思っています。
 
記者
 それから、過去に緊急雇用創出事業の関連で過去2年間のさまざまな問題点を踏まえて、県としても対策強化などされていると思いますけれども、そういう取り組みが今回の決算認定に与えた影響というのはどの程度あるというふうにお考えでしょうか。
 
知事
 今の体制、過去の事案を踏まえていろいろ改めたところ、強化したところについて評価いただいているのかなというふうには思います。
 一方、会計検査院の検査の結果等、新たに出てくるかもしれないところもありますので、今でもこれで終わったとは全然思っていませんので、必要な対策というのは今後必要に応じて講じていかなければならないというふうには思っています。
 
記者
 人口ビジョンと総合戦略が策定されまして、それについて伺いたいのですが、生きにくさを生きやすさに変えるということで、さまざまな目標値も定めているわけですが、人口の社会減ゼロとか、簡単な目標ばかりではないと思っているわけですけれども、この達成に向けてどういったところが重要になるのか、その課題についてどのように考えていらっしゃるかお願いします。
 
知事
 岩手県としては、人口減少問題というのが、このままでいくと将来大変なことになるという将来の問題であると同時に、今目の前の問題でもあるという認識に立って人口の社会減については、やはり東京一極集中的な経済・社会のあり方が良くない。これは今すぐ直すべき課題である。そして、人口の自然減、特に少子化や出生率の低下ということも、それはいわゆる生きにくさの問題という全国共通の深刻な問題でもあり、そこを今しっかり解決していかなければならないということでそれぞれ産業・雇用政策でありますとか、結婚、妊娠、出産、子育て、切れ目ない支援のさまざまな政策でありますとか、そういうステージ、ステージ、また一人一人にきめ細かく対応していくような施策を計画として盛り込んだところであります。
 一方、国がやらなければならないこともかなり大きいと思っておりまして、国にもかなりやってもらわなければというのは先週の北海道東北地方知事会議でも提言とか決議とかに盛り込んだところでありますが、どうも近年の政府の経済財政政策が東京一極集中促進型になってしまっていて、それで全国的に地方からの人口流出が悪化しており、先週の金曜日に発表された岩手の10月、10月でカウントしている人口動態についても三千九百何人でしたか、4,000人近い人口流出(※ 人口動態調査によると4,096人の人口流出)に悪化してしまっているということで、やはり東京一極集中を加速するような経済財政政策は改めていただいて、逆に国は国で東京一極集中年間10万人規模を解消するという、年に10万人、地方の方に人口を移すという、そういうビジョンと総合戦略を立てているわけですから、きちっとそれを実現させるような経済財政政策をとってもらわないと困るというところがあります。
 そして、少子化対策、出生率向上に関しても子供の医療費無償化支援のように全国一律でやった方が良いような分野が多々あるわけでありまして、これについても国の方で新3本の矢あるいは1億総活躍社会の中で子育て支援についてもしっかり取り組むということですので、国としてのそこの強化をお願いしたいと思います。
 しかし、国任せではいけないわけでありまして、地方は地方で今までやったことないような施策もどんどん展開して、岩手で暮らす、岩手で働く、岩手で育てる、それが良いのだというふうにしていくこれからの5年間というふうにしていきたいと思います。
 
記者
 施策はこれから具体化させていくと、県のですね。と思いますが、これ予算編成にはどのように反映させていこうというお考えなのでしょうか。
 
知事
 来年度予算の調整に当たっても、この復興、そしてふるさと振興というのを基軸にして調整するよう既に指示が出ているところでありまして、そういう来年度予算をつくっていきたいと思います。
 
記者
 今のことに関連して、市町村も今県内で総合戦略と、あと人口ビジョンをつくっていますけれども、これとの整合性といいますか、どういうふうな関係で岩手県を県全体として取り組んでいくかというのを教えていただければと思います。
 
知事
 県のビジョンと総合戦略は、最後の最後まで市町村の意見というのを踏まえながらつくりましたので、まず市町村のそれぞれ担当しているところにおいては、県のビジョンと総合戦略については理解していただいていると思います。途中いろいろご意見をいただいたものも反映されていますので、市町村の方でやっていきたいこととのすり合わせというのは、そういう調整の作業の中でできているかなと思います。ただ、運用の段階での連携・協力が大事ですので、県と市町村の連携協力というのは、ビジョンや総合戦略が決まった後も力を入れていきたいと思います。
 
記者
 ありがとうございます。あと先週なのですけれども、盛岡広域圏の方で連携中枢都市圏形成に向けて、連携中枢都市宣言というのがなされました。これ盛岡広域の市町に限ることなのですけれども、県都を中心とした広域の中での発展ということも、これ当然ふるさと振興あるいは人口減少に対するものとして同じく扱うべきものだと思っています。これに関しては、知事はどのように所感を持っていらっしゃいますか。
 
知事
 盛岡広域振興局を窓口として、ずっと県も寄り添って盛岡広域の動きをフォローしながらここに至るためにさまざま協力もしてきたところでありまして、ぜひこの枠組みを生かして盛岡広域のすばらしい地域資源を活用しながら、次の世代に先人、そして今の人たちが築いてきたものをきちっと引き継いでいくことができるようになればというふうに思います。
 
記者
 横浜市のマンションのデータの流用問題についてお聞きしたいのですけれども、北海道の道営住宅などでも見つかり、岩手県でも13件、公表されているところも何件かありますけれども、これについての知事としての所感と、あと今後県として何か対応などをお考えでしたら、それについてお聞かせください。
 
知事
 国を代表するような大きな、代表というか、国内的に大きな有名な企業がその責任をきちっと果たさないと、やはり全国的な大問題になってしまうので、そこはしっかりやってもらわないと困るというふうに申し上げたいと思います。
 そして、岩手県としては旭化成建材からその会社が既製コンクリート杭の工事を行った物件リスト13件というのを提供受けておりまして、それぞれ市町村や民間の所有者に伝えてある(※ 実際、県が情報伝達しているのは市町村のみ。民間所有者に対しては旭化成建材から伝えられる)ところでありますが、今のところ不具合とかというものが確認されていないので、そういうのがなかったということであればというふうに思います。
 
記者
 県として、もし今後何か対応などがもしあればお願いします。
 
知事
 何か不具合等が明らかになれば、県も一緒に問題解決を市町村なり、民間なり、一緒に協力して問題解決を図っていきたいというふうに思います。
 また、そもそも企業としてやるべきことをやっていればこういうことにはならないので、そこは当該企業がしっかりしてほしいですし、一般論として民間企業もちゃんと社会的責任を果たしていきましょうということは言いたいなと思います。
 
幹事社
 他よろしいでしょうか。
 
記者
 先週末の報道で再来年度の全国知事会の会合が岩手県での開催を検討されているというお話がありました。被災県で開催するとなると震災後初めてということになりますけれども、今現在の調整の段階で、あるいは開催ということになった場合の知事の受け止めを教えてください。
 
知事
 そういう方向で今調整しているところでありまして、正式に決まるのは(開催年の)前年の夏の全国知事会議の場で正式決定になりますので、順調にいけば来年の夏には正式決定という運びになります。
 国体・障害者スポーツ大会で復興の様子を全国の皆さんに見ていただき、感謝の気持ちを伝え、しかしまだ数年復興には必要なので、さらなる支援をお願いするという、同じような趣旨をもって「全国知事会議in岩手」には臨みたいと思っておりまして、いわゆる風化の防止、そしてオールジャパンで東日本大震災津波からの復興を成し遂げるということに勢いをつけていきたいなというふうに思います。
 なお、東日本大震災(津波)からの復興については、自治体間協力というのがかつてなかった規模と深さで行われていまして、改めてそういう都道府県という、そういう主体による大規模災害への対応ということへの認識を深められればと思います。プラスまち・ひと・しごと創生についても全国的に今年度立てたビジョンや総合戦略に基づいて取り組みが佳境に入っている段階でもありましょうから、そういう人口流出問題について全国的にも特に深く考え、取り組んできており、また未来についてもかなり覚悟を持ってやっている岩手において、その中間レビューのようなことができればいいなというふうに思います。
 
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
 
 
次の定例記者会見は11月19日(木曜日)の予定です。

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