平成27年9月17日知事会見記録

ID番号 N38773

平成27年9月17日10時30分から10時48分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
 
幹事社
 本日は記者クラブを代表しての質問はありませんので、各社さん質問があればよろしくお願いいたします。
 
記者
 改選後の県議会の会派構成について尋ねます。
 知事選での野党結集の流れを受けて、県議会の会派である希望みらいフォーラムと民主党が統一会派を結成して第1会派となりました。新しい改革岩手は県政与党的な立場、スタンスを打ち出しておりますけれども、今回のこの統一会派の結成が県政運営にどのように影響するか、どう受け止められますでしょうか。
 
知事
 まず、会派のつくり方というのは、これは議会の中の自治の一環で、議員の皆さんが自立的に決めていくことですので、知事として、ああだ、こうだという話ではないというふうに基本的に考えますけれども、一方で岩手県政全体として、いわゆる四分五裂と言われたばらばらな状態に対して、県民の皆さんからは、できるだけまとまっていった方が良いという、そういう思いはあったのではないかと思います。一般論として、会派が大きいほど県民の多様な地域性でありますとか、多様な職業とかいろんな分野を代表する、あるいはそういう声に耳を傾けるということは一般論としてやりやすくなるのでありましょうし、県民の皆さんの期待に応えるような方向で今回の第1会派形成ということが進んでいけば良いのではないかなと思います。
 
記者
 ありがとうございます。先ほども四分五裂の状態が変化したということですけれども、この新しい会派は、政党の会派運営と、あとはそれぞれ民主、生活の政党の運営は切り離すということで、そこは一線を画しつつという方針で臨むとのことです。これが今後の展開なのですけれども、これは会派運営にとどまらず、野党の再編、結集の流れにつながるとご覧になりますでしょうか。何かその辺り、今回の知事選の流れが統一会派の流れにつながったということですから、その辺り野党再編等々で何か期待するところがあればお聞かせください。
 
知事
 会派は会派、政党は政党というのは、これは常にそうですので、今回に限った話ではないと思うのですけれども、そうですね、知事選挙、県議会議員選挙、希望郷いわてを実現する会という枠組みがかなり県民の支持を得て、また期待に応えるような形で浸透していったのではないかなという、そういう手応えは感じています。いわゆる四分五裂の状態から、県政がまとまっていくような方向というのを県民の皆さんが期待する中で、希望郷いわてを実現する会の運動というのが支持を得て、期待も高まっていると思いますので、第1会派の形成もそういう方向性の動きだと思いますし、また政党というものも、つまるところは民意に応えていくということが求められているのだと思いますので、そこはやはりそういう結集に向かった方向性というのは出てくるのではないかなというふうに思います。
 
記者
 ありがとうございます。きょうの午後に臨時会で議長選挙が行われます。けさの各会派の代表者の会合で、第2会派の自民クラブが議長選で独自候補を擁立するということで、選挙戦にするということを表明しました。県議会のこれまでの慣例では、第1会派が議長を出すということでここまで来ておりますけれども、達増県政と一線を画してきた自民クラブが今回このような形で独自候補を擁立するということについて、どのように受け止められますでしょうか。
 
知事
 議長の決定というのもこれは議会の自治の問題でありますので、知事の方からどうこうということではないのですけれども、要は県民の皆さんがそれを望んでいるのかということを意識しながらやられると良いのではないかなというふうに思います。
 
記者
 ちょうど今ですが、国会で安全保障関連法案をめぐる攻防がずっときのうの夜中から続いていて、今も続いている状況です。知事、今のこの状況をどういうふうにご覧になっているか、お考えを伺わせてください。
 
知事
 県議会であれ、国会であれ、選挙で選ばれた人たちが選ばれた後は、あとはもう自由に勝手に決めてやって良いということはないので、選挙直後から県民なり、あるいは国民なりの民意を実現するのだという姿勢を持たなければならないと思うのです。その意味で、今、国会の多数派と国民の民意というのがかなり乖離し、それがついに衝突的な局面にまで来ていて、かなり不測の事態といいましょうか、何が起こるかわからないような状態にまでなってきているという緊張感が高まっていますので、ここはやはり国会で多数派をとっている政府与党が改めて民意を大事にするやり方ということを考えて、今週中に安保法案採決、それは今国会中に採決ということを前提として、そういうことを決めているようですけれども、白紙撤回された方が良いのではないかなというふうに思います。
 
記者
 今の話に引き続いてというか、政党のことにも関わることで、今回安保ということで野党が今結集して民意をくみ取ろうと動いております。ただ、政党の支持率等を見ていると、確かに今の政権のやり方には説明不足とか、会期中に採決するべきではないという民意はあるのですけれども、ではその受け皿として野党がなり得るかというところはまだ数字的なもので裏付けというのは出てないような気がするのです。連日行われている国会前のデモ等を見ていても、必ずしもそれが野党結集イコール民意というか、デモに参加している人たちの意思と一致してないような気がするのですけれども、知事はその点どのように受け止めというか、ご覧になりますか。
 
知事
 かつて民主党と自由党が合併したときは、それまで支持率が6%とか、そういう水準だった民主党が民由合併によって10(%)と15(%)とかそのぐらいの支持率になり、そして合併直後の衆院選で議席を伸ばした結果、支持率は20(%)とか、当時の与党自民党と競い合うような数字になっていったということがありますので、やはり野党の方の支持率、特に野党第1党というか、野党第1党の支持率というのは政権交代の実現可能性の高さで支持率というのはかなり違ってくるのではないのかなと。政権交代の可能性を高めるために合併などしていけば、これは野党第1党というより、野党全体の支持率ということになってくるのですけれども、そういう過去の歴史を分析しますと、政権交代の実現可能性の高さが野党の支持率を高めていくことになるので、そこが今調査したときに政権交代がすぐにも起きそうな感じがないということが野党の支持率の低さにつながっているのではないかと思います。
 
記者
 ありがとうございます。そうすると、やはり長らく続いた自民党の、連立も含めて続いた政権が2009年に交代して、さらにまた2012年にまた自民党が復権したという、そういう中で、やっぱりなかなか今おっしゃったような政権担当能力とか、そういったものがまだ民意としては評価できないような状態にあるのかなと思うのです。そうすると、やっぱり分裂前の当時政権をとった民主党に対する国民の、有権者の不信感というか、なかなかぬぐうのには時間がかかるのかなとも思うのです。そういう中で、安保という一点に関して何とか巻き返しを図ろうという政党の考え方もあるとは思うのですけれども、なかなか言い方が悪いのですけれども、安保をだしにして野党が共闘するというふうにも見えるのです。そういうものに対しては、知事はどう思いますか。
 
知事
 まず1つ、今の野党の支持率の低さは能力の問題というよりも政権交代実現可能性の問題で、あれだけばらばらだったら、今解散総選挙をしても政権交代の可能性は限りなく低かろうという、そういうリアリティが支持率の低さになっているのだと思うので、能力まで考えてアンケートに回答している人が、野党ではなく、与党を支持としているわけではないのだと思うのです。あと、そもそも支持政党なしの方が与党の支持率より高い調査結果がほとんどだと思います。
 あとは安保法制をだしにして云々ということについては、これがそもそも憲法違反ではないかとか、集団的自衛権にまで入り込めば、戦後一貫して日本が否定していた憲法も否定する道に入っていくのではないかという、そこはもう党利党略とか、そういう次元を越えて、ここできちんと反対しないと日本はだめになるみたいな思いが強ければ、それはそういう党利党略的な批判は当たらないということになるのだと思います。
 
記者
 ありがとうございます。別の話題でもう一点、最近火山の噴火とか、あと先週も関東、宮城でも水害がありました。きょうもチリの方で大きい地震があって、気象庁がこれから発表するようですけれども、恐らく三陸の方に津波到達の可能性も出るのではないかと思っています。そういう中で、改めてその地震津波の対応、チリ地震が起きた場合の対応についてどのように捉えているかが1点と、あと水害ですね、2年前にちょうど県内でも盛岡も含めて大きな被害がありましたけれども、改めて今回の鬼怒川あるいは宮城の大崎で起きた渋井川の方の氾濫、決壊等を踏まえて、水害のことに対して所感があればいただければと思います。
 
知事
 チリ沖の大きな地震についての今回の岩手への影響については、気象庁からの発表を待ってきちんと対応したいと思います。最近の、私が知事になってからもチリ沖の地震に起因し、津波注意報が出たり、あるいは実際数メートルの、あるいは数十センチの津波が来たりということは……、数メートルではないな、数十センチの津波が来たりということはありましたので、かなりきちんとした予測が行われますので、そこの気象庁による発表をきちっとフォローしていきたいと思います。
 それから、水害については計画的に災害防止のための治水事業をきちんと進めていかなければならないわけですけれども、最近日本のあちこちで問題になっているのは、かつて経験したことのないような雨の降り方によって、大変大きな被害が出るということでありますので、まず計画的に治水事業を進める、防災事業を進めるということと、プラスそれでもなお50年に1度、100年に1度に対応できる治水や防災の事業をやっていても今まで経験したことがないというような大雨で災害が引き起こされるような事態もあり得るのだということをまずは地域住民の皆さんにきちっと日頃からそういう意識を持っていただかなければならないですし、また県も一方で市町村、もう片方では国としっかり連携して、万が一というか、そういうことが起こったとしても、これは結構起こることになっていますので、最近、それにきちんと対応していくように日頃から対応できるような体制をとっておくということだと思います。
 
記者
 議長選の話に戻るのですけれども、先ほど自民会派が慣例どおりではなくて、独自の候補者を立てるということで、県民の皆さんがそれを望んでいるのか意識すると良いと思うというご発言ありましたけれども、知事からご覧になって、そういうものを県民の皆さんが望んでいるというふうに思われておりますでしょうか。
 
知事
 県政であれば県民、国政であれば国民がこう思っているという解釈については、個々の政治家あるいは政治家集団によって解釈は違ってくることなので、そこはいろんな判断があり得るのだと思います。ただ、やはりベストを尽くして、これが民意だという、そういう民意の解釈のぶつけ合いというのが政治の競争であるべきだと思うので、そういうふうにベストを尽くして、これが民意だという判断であれば、その判断はそれぞれ尊重されなければならないと思います。それは違っても構わないと思っています。
 
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。

 

次の定例記者会見は9月28日(月曜日)の予定です。

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