平成27年8月17日知事会見記録

ID番号 N37856

平成27年8月17日10時30分から11時22分

 
広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
 
幹事社
 本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
 
記者
 先日、戦後70年談話が発表されまして、一応これまでの内閣の政権の考えを引き継ぐということでの「おわび」、「謝罪」という文言が入りましたけれども、それについてまず70年談話をご覧になっての所感をお願いします。
 
知事
 孫や子の世代に謝罪を続ける宿命を背負わせたくないというところがひっかかって、何でひっかかったのだろうなというのをよくよく考えてみますと、謝罪を続ける宿命という捉え方が違和感を感じます。素直に歴史に向き合って、日本がやったことを知れば、そこは自然と申し訳なかったという思い、また伝える相手が目の前にいれば、あれは申し訳なかったと思うという謝罪は自然に出てくるものであって、それは宿命とかという感じは私はしないのです。我々の孫や子や、さらにその先の世代も普通に歴史に向き合えば、そこは自然にそういう謝罪の気持ちが湧いてくると思いますし、また子や孫の世代が我々以上に賢明かつ誠実である可能性はあるし、そうなるように我々の世代は背中を押していかなければならないと思っているのですけれども、そうなればなおのこと、そういう上の世代が宿命のように思って、何か逃れられない運命のように思っているようなことであっても、賢明さと誠実さでそれを克服して、周辺国と仲良くしながら誇り高き日本として力強く進んでいくことはできると思うので、謝罪を続ける宿命という言葉に違和感を持ちました。
 そういう視点から談話全体を見ますと、どうも宿命論的な雰囲気が感じられて、最初のところも100年以上前は植民地の時代だったみたいなところから始まって、その後国際連盟、不戦条約が時代潮流になるけれども、それに乗らないでしまったとか、そして戦後はこの新しい国際秩序にちゃんと乗っていけばいいし、また今もうまく時流に乗っていけばいいみたいな、そういう国際関係というのはある種の宿命によって失敗したり、あるいは宿命に従うことで成功したりみたいな、そういう感性が談話全体を貫いているように感じるのですけれども、実際には国際関係というのは人間同士でつくっていくものでありまして、そこは主体性を持って国際関係に臨んでいけば、宿命ということはないのでありまして、そのときそのとき、より良い国際秩序というものを、またそれは日本一人でつくっていくものでは定義上ないわけで、他の国々との関係の中で主体的に新しい国際秩序をその都度つくっていけばいいので、そういう国際関係における国としての主体性というのがもっとあったほうが良いなというふうに思いました。
 
記者
 それから、謝罪についての文言に関しての指摘も種々ありましたけれども、歴代内閣の姿勢を引き継ぐという、他の新聞や何かは引用という言い方をしているところもありましたけれども、安倍内閣として過去の歴史に謝罪をしたとはっきり言えるかどうかというところはいかがでしょうか。
 
知事
 新しい世代、未来の世代が過去の世代よりも賢明で、誠実で、過去の世代を乗り越えていくということが望ましいと思っているので、過去の世代がやったことをそのまま踏襲していかなければならないということはないのだと思っているのです。何か新しい試みを総理あるいは内閣が意図していたとして、それが国内的に、国外的にどう効果を及ぼしていくかというのは、もう少し時間をかけて見ていかなければならないのかなというふうに思っています。
 
記者
 けさほど記者クラブに案内がありましたけれども、知事選をめぐってということになりますでしょうか、国政の5つの野党の党首レベルの幹部が19日に盛岡市内で共同記者会見をするという案内がありました。知事も同席するということのようですけれども、狙いは何でしょうか。
 
知事
 基本的には、岩手県知事選挙に向けて達増拓也知事、達増拓也候補予定者を囲んでの5野党代表共同記者会見ということで、大変ありがたいことだと思っています。復興とふるさと振興によって希望郷いわてを実現する、また安保法案に反対する県民の皆さん、また広く国民の皆さんをつないでいく、そういうことのためにこの岩手県盛岡市内に結集していただけるということで、基本的に私の知事選挙に向けて大変大きな応援をいただくものというふうに思っています。
 また、ちょうどブログなどでも天下の軍勢が退却を始めたということを書いて新聞で報道してくれたところもありますが、この岩手から天下の軍勢が退却した後に、新しい勢力が結集してくるということで、何か時代が大きく動いていくような、そういうわくわくした感じも抱いているところです。
 
記者
 ありがとうございます。知事は、去年の11月に出馬表明したときに、政党推薦は求めない県民党を掲げられました。知事選の前日に国政5野党の党首が異例のそろい踏みをするということになると、現段階でも知事は政党の推薦は得ておらず、支援や支持にとどまっておりますけれども、掲げられた県民党というのは、一般的なイメージからすると政党と一定の距離感を保つというイメージを持つ県民も多いと思うのですけれども、そういう意味では今回の5野党の党首そろい踏みというのは、有権者の間では、あるいは今までの県民党とは若干変質してきたのかなという印象を持つ有権者もあると思います。そういう見方は適当なのかどうか。また、もし変質したということであれば、やはりこれは出馬表明のときよりも、例えば安全保障法案を中心とした国政の情勢が背景にあるのかどうか、その辺りをお聞かせください。
 
知事
 あらゆる政党こだわりなく県民党的な枠組みへの参加、また勝手連的な選挙への参画、これについては去年からずっと私のスタンスとしては変わりなく来ているのですけれども、その中で、達増県政を終わらせたい、希望郷いわて路線を終わらせたいという人たちは、そういう体制を別途つくり、ただその体制は退却をしてしまいましたので、一方でそうではない人たち、政党が、達増県政そして希望郷いわて路線というものに結集してくださっているので、私のスタンスは全然変わっていないのですけれども、そういう退却派と結集派に大きく分かれたのかなというふうに思っています。
 結集してくださる皆さんは、県民の多数とともにあろう、そして安保法案の件でも国民の多数とともにあろうとしている、そういう政党が結集してくださいますので、そういう意味ではオール岩手の力で復興を進め、ふるさと振興をやっていこうという、そういう県民党的な陣立てにふさわしい結集だと思っています。
 
記者
 ありがとうございます。そうしますと、今のお話ですと、知事のスタンスは、県民党のスタンスは変わってないけれども、関わってくる周りの政党の方がむしろ距離感を縮めてきているという、そういうようなイメージでしょうか。
 
知事
 最初から政党の支援、支持というのを拒絶、断ることは全然考えていませんでしたので、そういう意味では私の方からは距離感の変化とかというのは最初から全然ないですし、政党の方も去年11月15日、私の立候補の意思表明の時点でぱっと全ての政党が決断というわけにもいかず、そこは達増県政、希望郷いわての実現に結集ということには、それぞれ時間がかかったというのはあるかもしれないですけれども、ただそれは距離感、達増との距離感の変化というよりは、そもそもそういう方向性を持っていたのがいろいろ組織内の機関決定の手続とか、さまざまそういうことで段取りにそれぞれ違いがあったということかなと思います。
 
記者
 ありがとうございます。話題を変えますけれども、きのう盛岡市長選挙が告示になりました。これは、盛岡はやっぱり県庁所在地ですから、県政運営にとっては非常に重要な選挙戦ということになると思います。県民党の達増知事に対して、今ほども話がありましたけれども、支持または支援している民主党と生活の党が新人の内舘茂(うちだて しげる)候補の方を推薦しています。また、県議選では民主党と生活の党の候補者が希望郷いわてを実現する会に所属して、実際には知事と連動した活動を行っていると。そういう中で、盛岡市長選挙は達増知事ご自身、特定候補に回る考えがあるかどうかというのをお聞かせください。
 
知事
 まず、知事選挙、そしてその知事選挙と密接な関係がある県議会議員選挙に全力を尽くしていかなければならないというふうに考えています。
 
記者
 先ほどの政治スタンスの関係に絡んでお尋ねしたいのですけれども、県民党という立場を表明されてから、前回の年末の衆院選のときには特定の候補者の応援をされませんでした。今回市長選でも今のお話だと特定の候補者の方の応援には行かないのかなというふうに理解したのですけれども、今現在知事を支える勢力というのは野党が集まっている形で、一方で政権与党の自民党、公明党は知事と敵対というのか、対抗する勢力というような形になっていますけれども、仮に再選後、また夏には参院選であるとか、その後知事の任期中には衆院選がまた行われると思いますけれども、そういった選挙でも昨年末のような政治スタンスというのを維持されるのか、それとも県民党として今回知事選で応援をしてくれた野党の候補者の応援というのはあり得るのかということをお聞かせください。
 
知事
 今回のまさに8月19日の5野党代表結集、達増拓也を囲んでの結集ということで、日本と、そして岩手の政治構造というのは大きく変わると思っています。四分五裂の岩手の県政状況の中で、特定政党の応援はしないと、国政での応援はしないという基本的な考え方だったのですけれども、オール岩手の力を結集して復興とふるさと振興、希望郷いわての実現ということに賛同して5野党が結集ということになってきますと、そこがイコール達増県民党ということになってきて、国政選挙というのは相手候補はどうかとか、いろいろ選挙によってまた構図が変わってきたりもするので、今の段階でどうこうということは言えないのですけれども、かなり国政においても達増拓也からも成功を祈るというような関係が発展していくのではないかなというふうには思います。
 
記者
 そうしますと、実際に選挙になってみないとわからないですけれども、場合によっては次の大きな選挙のときに野党がまた知事選と同じように結集して1人の候補者を立てるというとき、また県議会などにおいても知事と自民党、公明党が対抗するような形の勢力を持っているという場合には、その場合においては県民党という立場に近いということで野党連合の候補者の応援なり、そういうものを検討することもあり得るという理解でよろしいのでしょうか。
 
知事
 その可能性はあり得ると思います。自民・公明が、知事選まではまだ何日かありますので、達増推薦あるいは推薦までいかなくても達増支持というのを決めてくれれば、また構図は変わってくるのですけれども、退却を決めたとはいえ、はっきり達増県政を終わらせる、希望郷いわて路線は止めるということで、いわゆる対抗馬の擁立をそれぞれ組織として正式に決めて、そこは今でもそこから達増支持という形にはなってないわけでありますので、さっきおっしゃったような可能性はあると思います。
 
記者
 ありがとうございます。ちょっと話を変えるのですけれども、先日14日に生活の党の共同代表の小沢先生が盛岡にいらっしゃって、我々報道陣の囲み取材に応じられたのですけれども、その際の囲み取材の前に知事ともお会いになっていたということもおっしゃっていたのですけれども、どういったお話をされたのか教えていただけないでしょうか。
 
知事
 岩手の県知事選挙や県議会議員選挙の選挙前にした情勢の話でありますとか、あとは8月19日に結集してくださるそういう5野党結集の動きがあるというような話をしました。
 
記者
 これまでも小沢先生は、この1年間岩手にもいらっしゃる機会があったと思うのですけれども、なかなか知事とお会いする機会はなかったかと私の方では記憶しているのですけれども、この知事選直前のタイミングでお会いになられるというのは何か知事なり、小沢先生との間の心境なり、そういうものの変化とかというのがあったのでしょうか。
 
知事
 私の方から求めた会合ではなく、先様の方から声をかけられたのですけれども、やはり立候補断念事件というのは極めて異常な事件で、岩手の中がその後どうなっているのかというのを岩手全体を見ている、あるいは選挙の当事者である私の見方とか考え方も聞きたいというのはあったと思いますし、一方で5野党代表がそろい踏みで達増を応援したいことを直接伝えたかったということはあったのだと思います。
 
記者
 もう一点だけ失礼します。先日の横顔取材でも小沢先生と知事との関係について質問が出ましたけれども、知事は前回の4年前の選挙のときの横顔取材の際ですか、大好きなスターウォーズに例えて、小沢先生との関係を「ヨーダ」と「オビ=ワン」というふうに例えていらっしゃったかと思います。ちょっとそれからまた関係が変わったというようなお話だったかと思うのですけれども、例えるのであれば今どういう関係なのか、もしお答えできればお願いします。
 
知事
 ジェダイの「ヨーダ」と「オビ=ワン」みたいなそういう存在だというのはその後もずっとそんな感じではないかなというふうに思います。
 
記者
 選挙の関係で2点ほど伺いたいのですけれども、これまで野党結集とおっしゃってきたことの最大の結実というのですか、それが19日の会見だと思われるのですけれども、これは確認なのですけれども、知事の方からお願いをされたのでしょうか。各党に働きかけをされたということでしょうか。
 
知事
 14日ですか、夜、各党でみんなで集まって達増知事の応援で岩手に入りたいという話があるよと小沢生活の党代表から聞きまして、私からそれは大変ありがたいことだと、ぜひそうしてほしいというふうに言って、そういう意味ではまさに勝手連的にそれぞれの意向を確認し合いながらやることが決まっていったというところだと思います。
 
記者
 ある意味これまで野党結集というのが、国会の方では安保法制を軸にした野党結集というものがあり、岩手ではちょうど知事選がそのタイミングにはまったということでこういう動きになりということで、今回5野党の党首、代表が盛岡に集まるというところまで発展した野党結集の動きが当然知事ご自身も県民党ということをこれまでずっと訴えられてきて、県民党に賛同する勢力の結集というものを訴えてこられていましたけれども、その動きに今回の安保法制の動きがどれぐらい影響したというふうな言い方はできますでしょうか。今のところどうお考えですか。
 
知事
 相乗効果があるということだと思います。達増拓也の応援という意味では、私が今回希望マニフェストに込めている理念、政策、また8年間知事としてやっていく中で人間を大事にするとか、復興においても被災者イコール復興者その一人一人を大事にしていくとか、そしてふるさと振興、いわゆる地方創生においてもやはり県民一人一人を大事にしていかなければならないというような、そういう方向性、また私は最近、神野直彦(じんの なおひこ)先生が、「『人間国家』への改革」これは県の復興委員会の専門委員もやっていただいている大沢真理さんの発想や考え方とも共通するものなのですけれども、やっぱり人間本位の経済社会秩序というのをこれからつくっていく、それはサンデル教授のコミュニタリアニズムということで言っている方向性、そういう市場経済万能ではないような経済社会のあり方ということですよね。それはトマ・ピケティが「(21世紀の)資本論」で訴えていることでもあるし、そういう私の普段からの考え方とか方向性というものに5つの野党が党首・代表を先頭に支持をしてくださるということでありますので、それが一つ大きいことだなと思っています。
 同時に、私は去年の閣議決定のときから集団的自衛権を認めるやり方には反対の意見を表明していましたし、そういうところが5野党が国政の方で今大いに頑張っているところと共鳴していて、岩手県政における希望郷いわて路線というのと、また安保法案への国民的な反対のうねりというのが相乗効果でそれぞれ高まりながら盛り上がっているということだと思います。
 
記者
 すると今回の5野党の結集というものが、今の国会の最大のテーマは安保法制ですけれども、その辺りの国会あるいは国政の情勢とどういうふうに影響すればいいというふうにお考えでしょうか。
 
知事
 県政にせよ、国政にせよ、県民、国民の多数の考え方がないがしろにされないようにということが大事だと思いますので、県政においては希望郷いわて路線の実現につながるような選挙結果が出るように、そして国政においては安保法案が廃案になるようにということが望ましいと思います。
 
記者
 先ほども質問に出ましたけれども、盛岡市長選なのですが、きのう告示されまして、新人の内舘茂さんの選挙事務所をのぞいたら達増さんのポスターが貼っていまして、応援しますというふうなお写真付きのポスターが貼っていたのですが、それを普通に受け止めれば、達増さんは内舘茂さんを応援するのだなというふうに受け止めるのが普通だと思うのですけれども、そこら辺をもうちょっとご説明いただけませんでしょうか。
 
知事
 求められれば選挙事務所用の応援ポスターというのは、求めてきたところに出すという基本方針で対応して、そのとおりにやったということです。
 
記者
 逆に現職の谷藤さんからは求められなかったから、そういう応援するようなポスターというのは張られてないと、そういうことなのでしょうか。
 
知事
 そうですね、はい。
 
記者
 現職の知事さんのお考えとして、有権者の方も、市民の方も関心をお持ちであると思うのですけれども、知事さんからして現職の谷藤裕明さんのこれまでの市政運営について注文するべき点、変えるべき点、そういうところというのはお考えはおありなのでしょうか。
 
知事
 盛岡市政のあり方、それを1週間の選挙期間中に盛岡市民の皆さんがそれぞれ考え、あるいは議論をしたりして深めていく、そういう貴重な機会ですので、現職の評価ということも含めてあまり岩手県知事たる者が早い段階からああだ、こうだと言わない方が良いと思うのです。まず、盛岡市民の皆さんそれぞれが自分の経験、身近なことから考えていって、そしていろんな人たちと議論もしながら盛岡市のあり方をそれぞれ考えて、そして投票を誰にするかを決めてもらえればいいなというふうに思います。
 
記者
 今の市長選の話で、改めてお聞きしますが、達増知事としては選挙期間中にどちらの候補のいずれかと何か街頭演説等でマイクを握るというご予定は現在のところというか、お考えはないのでしょうか、いかがでしょうか。
 
知事
 そういうことを絶対しないと決めているわけではないのですけれども、今そういう予定については白紙の状態です。
 
記者
 ありがとうございます。知事選と県議選の今後についてお聞きしたいと思います。知事は先ほど事件とおっしゃいましたけれども、今回対抗する勢力の候補が断念しましたけれども、当日も囲みで取材をさせていただきましたけれども、改めて今回の件は残念という一言に尽きるものでしょうか、どのように捉えていらっしゃるかもう一度お聞きしてよろしいですか。
 
知事
 そのことが私が天下の軍勢が退却するという表現で言っているような、私の見方ではありますけれども、総理大臣や与党自民党の幹事長、選対委員長も巻き込んだそういう大きな退却という、そういうのも含めて事件になっていて、そしてそれは退却して終わりかというとそうではなく、いわば政治的空白地帯に5野党代表が集まってきて、今までなかったような新しい勢力の結集ということが岩手を舞台に起きている。これは岩手の力になり、かつ日本を変える、そういう日本国民の皆さんのためにも大きな力になっていくのではないかなというふうにも思っていまして、そういう中での立候補断念というのは、長い目で見れば日本の政治が大きく動いていくその一つの過程として、後の世から評価されるのではないかなと思います。
 
記者
 そうすると、まだ選挙戦告示前ですし、そういった勢力からの擁立は断念になったわけですけれども、まだ候補者が出ないとは限りません。ただ、そういった段階でそういう現職達増知事と相反する考え、あるいは政治的スタンスを持った方が退却して選挙にならないというのは、有権者にとっては選択肢を奪われたような形もあるし、もっと選挙期間中に政策なり、主義主張の論争をしてほしかったと私も含めて思うのですが、そういった面で知事としては選挙戦で活発にもっと意見を争いたかったという思いもあるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
 
知事
 こういう事態になった以上は、こういう事態を踏まえて最大限世の中のためになるように動いていきたいなというふうに思っておりまして、8月20日の告示日も、立候補届を出す身としてはその立候補届は17日間の選挙戦を戦うという前提で立候補届を出すわけでありますけれども、ただ客観情勢としては選挙運動というのはその日しかできない可能性もありますので、もう20日の一日で勝負を決めるというくらいの勢いで20日は選挙運動をしたいと思っていて、盛岡市内での第一声から始まって岩手の人口密集地内陸部を南に向かって一関まで進んでいくと。途中、途中、希望郷いわてを実現する会に参加している県議さんや県議を目指す候補予定者の人たちとも連動しながら、岩手の力を最大限引き出しながら、いわば希望の矢をつくり上げ、それを南に向かって放つ、東京まで撤退、東京まで退却した天下の軍勢に向かって岩手から希望の矢を放つというような、そういう8月20日にしたいと思っていて、岩手県民の皆さんにはぜひぜひ演説する場に来ていただければ最高でありますけれども、平日でもありますし、都合が悪ければ報道などでそれを目にして同じ時間を生きているという、そういう実感を持っていただいて、岩手を守り、日本を変える新しい時代の始まりというのを岩手県民みんなで実感していければと思います。
 
記者
 ありがとうございます。あともう一点なのですけれども、知事本人がおっしゃった言葉ではなくて、あくまで陣営の話なのですけれども、今回対抗馬に名乗り出た方が辞退したことで、それを推してきた勢力の政治的な責任なり、あと候補が引っ込んだ上は、乱暴な言い方をすれば黙っていろ的な、県議選が終わって当選後もおとなしくしていた方が良いのではないかというような意見をおっしゃっている陣営の方もいらっしゃるのですけれども、逆にそちら側の勢力からすれば知事、県議、二元代表制であるということから、そういった議論は当たらないというふうに反論している方もいますが、この件に関しては知事はどのように受け止められておりますか。
 
知事
 立候補断念事件というのは、やはりそこに関与した人たちはまず県民に対する説明責任というのがあると思いますし、擁立しないのであれば達増候補予定者を支持するというスタンスをとるのか、あるいは推すとか、支持、支援とまではいかないけれども、一種白紙委任、知事のありようについては白紙委任で、今後4年間については白紙委任という意味で誰も推さないというスタンスをとるのかとか、そういったことはそれぞれ説明責任があるのだとは思います。
 
記者
 ただ、県政が、新たに改選後、知事も県議も改選後にスタートした段階で是々非々で臨むということは、当然希望郷いわてを実現する県議の方も、県議の候補予定者の方も同じスタンスではあると思うのですけれども、くしくも知事が事務所開きのときにおっしゃったこの2年間に関しては、現職を追いやるための県政の汚点だったというような指摘があったような、そういった政争みたいなことが県政で起こるのは、今対抗馬を立てられなかった、擁立を見送ったことでもうそういうことをするのは筋違いだという、そういうことになるのでしょうか、今の話だと。
 
知事
 達増県政の下での復興というのを評価しながら、そして希望郷いわて路線の実現を目指すという人たちのスタンスは非常に明確でわかりやすいと思うのです。そうでない皆さんの、どういう復興を今後進めていこうとしているのかとか、復興以外の岩手県政についてどういうふうにしていこうとしているのかというのは、やはり選挙を通じて明らかにしていく説明責任があるのだと思いますし、そこで十分説明した上で選ばれた方はその説明してきたことを今後4年間の県議会活動の中で主張していけばよく、ですから要は構図とか、他の人がどうこうとかということをそれぞれ考えるのではなく、自分はこうなのだということを選挙戦を通じて明確にしていくことが大事なのだと思います。
 
記者
 先ほど告示日の日程というか、人口密集地を南に進むみたいなお話をされていまして、希望の矢を南に向かって放つとおっしゃっていましたけれども、復興を第一に掲げる知事がまず南に行くというのは、被災地を軽視しているのではないかと思うのですけれども、希望の矢というのは被災地に向かって放つべきではないのでしょうか、いかがですか。
 
知事
 日程上、まず初日一日で知事選挙の勝敗が決するくらいの運動を初日に展開するという中で、これは選対の基本戦略として人口密集地を運動していこうという、そういう戦略であります。そして、私が沿岸地方、復興を、そこに背を向けたり、ないがしろにしていないということは今までの私がやってきたことで、それは沿岸の皆さんも十分ご理解いただいていると思います。沿岸に希望を持っていただくということについては、もう今まで4年5カ月の中でしっかりやってきているわけでありまして、むしろ日本全国東日本大震災の風化、復興の風化、そして国政においても復興の見直しといいつつ、財源の復興予算地方負担拡大議論しか基本的にされていないということに対して一矢報いるという発想は、岩手沿岸の皆さんにも理解いただけると思います。
 
記者
 そういうことはわかるのですけれども、それも含めてまず被災地の皆さんに考えを聞いてもらうという考えは思わなかったのでしょうか。
 
知事
 その後、16日間かけてじっくり対応していきたいと思います。
 
記者
 一日で終わる場合はどうするのですか。
 
知事
 ただ、選挙戦を17日間戦うということは前提としておりまして、今の段階で選挙戦が一日しかないと決めつけることはできないと思います。
 
記者
 今の状況で無投票がかなり濃厚になっている中で、県民の中にはやりきれなさを抱えている、感じている方もたくさんおられると思うのですが、達増候補に投票すると思っていた人も、その逆の方にとってもそういったやりきれなさは募ると思うのですが、そのやりきれなさが結局無投票の場合は明白にならないまま次の4年間に突入する中で、仮に達増知事としてそこを続けることになる場合に、そういった方に対してはどういうふうに今お考えになっているか、ちょっとお気持ちを伺えればと思います。
 
知事
 正式な選挙があったわけではない中で、事前の調査において圧倒的な差がついていた、ダブルスコア以上とか言われるような圧倒的な差がついていたということを事実として共有することで、私に投票しようとしていた皆さんは、やっぱりそれが県民の大多数の意見だったなというふうに思ってもらえると思いますし、また立候補断念した人に投票しようと思っていた人については、これはもう立候補断念に至るほどの少数だったのだなというふうに理解いただけるのではないかと思います。本当は選挙結果として、正規の数字としてそれが出ることが望ましいのですけれども、このような状況の元では次善の策としてそういった理解をベースにしながら県民の大多数の支持を得ている今の復興路線、そして希望郷いわて路線というものについて県民の皆さんもさらに理解を深めていただき、また注文があれば、どんどんああした方が良い、こうした方が良いということも言っていただいて、そういう中でそれぞれの政治的エネルギーを発揮して、そして復興の成功とふるさと振興を軌道に乗せていくということにそれぞれの県民の皆さんが参画していく形、そして象徴的には来年の岩手国体と障害者スポーツ大会を成功させるという流れになっていけばと思います。
 
記者
 先ほどの市長選挙の関係で、新人陣営の方にポスター云々という話がありましたけれども、逆に現職陣営の方で県内の首長で、例えば宮古市長、八幡平市長、遠野市長などが参集しました。これらの首長というのは、知事選では対立候補であるはずだった平野氏支持を表明した首長でもあります。先ほど知事は自民党とか公明党について、希望郷いわて路線を止めようとする勢力だというようなお話もありましたけれども、実際に市長選挙では首長に加えて公明党が市長選挙で現職を支持していると。こうした事実を踏まえると、現時点で市長選挙については特定候補の支持は表明されないということのようですけれども、内心ではどちらか一方の候補に対して共感を抱いているということはあるかどうか。あるいは、そもそも市長選の構図というのは知事選とは全く別物だと、ドライに割り切って受け止めているのか、その辺りを教えてください。
 
知事
 内心というのはないのでありまして、極端を言えば盛岡市長選がどういう結果になろうと、岩手県としては盛岡市が変にならないように、そこはきちんと岩手県としてやれることをやっていきますし、そういう岩手県と盛岡市の関係、岩手県知事と盛岡市民の皆さんとの関係というのは、それをどんな結果になろうとも良いものにしていくというところにきちっと責任を果たしていきたいという思いです。
 
記者
 知事選の話に戻りますけれども、先ほど東京に向かって希望の矢を放つとまでおっしゃったので、これを聞くのはタイミング的にまだ早いのかもしれませんけれども、先ほど無投票が濃厚という話も出たので。無投票といっても、これまで直近だと秋田とか山形の知事選でも無投票ということがありましたけれども、そのときとはちょっと状況が当然違って、秋田、山形の場合は、どちらかというと県議会がオール与党化したことでの、その結果としての無投票という要素が強いですけれども、今回はどちらかというと対抗馬を立てようとした勢力が勝手に引っ込んでしまったと、退却ですね、ということでの無投票ということで、状況が全く違うわけで、当然対抗馬の方の方を推そうとしていた政党もあれば、さまざまな団体もあれば、そちらの方が良いと思っていた有権者の方も当然恐らくいらっしゃるだろうと。そうすると、例えば白紙委任という言葉が先ほど出ていましたけれども、白紙委任ですとか、信任を得られるという、そういう認識があるかどうかという今の時点でのお考えを伺いたいのですけれども。
 
知事
 そこはまさに立候補断念をした方を推そうとしていた皆さんの考え方次第で、とにかく白紙委任ではないのだと、達増県政には物申したい、希望郷いわて路線ではないことを主張したいという方は、やはりまだ日にちはあるわけですから、みずから立候補する、あるいは誰かを立てるということはできるわけでありますので、そういう可能性もあるのだと思いますし、いずれそこはそれぞれの主体が意思をはっきりさせ、必要であれば行動に表すということをしていけば良いのではないかと思います。
 あと、これはさっきの質問の答えみたいな感じではあるのですけれども、選挙対策本部で当初20日の予定として考えていたのは、盛岡市内を時間をかけて回り、その後滝沢、八幡平と北上していく予定でありましたので、初日沿岸に入るということは最初からなかったわけでありまして、5野党の結集とかということを受けて沿岸に入らないようにしたということではありません。
 4年前も、初日はやはり盛岡から運動をスタートすると。というのは、立候補届を盛岡の県の選挙管理委員会に提出しなければならないこともあって、なかなか沿岸で第一声というのは難しいところがあります。
 
広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終わります。
 

次の定例記者会見は9月7日(月曜日)の予定です。

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