平成27年6月8日知事会見記録

ID番号 N36399

平成27年6月8日10時15分から10時43分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いいたします。
 
知事
 まず、1つ目の発表事項は、「第5回いわてマンガ大賞」コンテストの開催です。岩手県と盛岡情報ビジネス専門学校は、次世代を担う若手漫画家のために、またソフトパワーを用いた本県の魅力発信のために、「第5回いわてマンガ大賞」コンテストを共同で開催します。きょうから応募作品の募集を始めました。
 今年度は、これまでの「一般部門」に加え、新たに「スポーツ4コマ部門」を設けます。「一般部門」では、岩手県を題材とした未発表のオリジナル作品を募集します。岩手の魅力を読者に伝えるものであればマンガのジャンルは問いません。「スポーツ4コマ部門」では、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会が来年ありますので、その国体・大会あるいはスポーツ全般にちなんだ作品を募集します。幅広い層から数多くの作品が集まることを期待し、年齢別に「小学生以下の部」、「中学生・高校生の部」、「一般の部」の3つの区分を設けています。一般部門の大賞作品は、岩手県が運営する「コミックいわてWEB」で公開します。また、来年3月発行予定の「コミックいわて」第5弾にも掲載します。スポーツ4コマ部門の入賞作品は、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の広報媒体などで公開し、機運醸成につなげます。
また、コンテストの一環として、県ゆかりの漫画家によるマンガの描き方講座や講演会を開催するほか、漫画雑誌の編集者を複数招き、応募作品の添削会を実施するなどマンガ制作への興味を深めるとともに技術を研さんする機会を多く設けていきます。
ポスターが後ろに貼られていますけれども、こういう感じにやっていきます。このイラストは盛岡在住の漫画家、竹谷州史(たけやしゅうじ)さんに描いてもらった絵を使っています。
 発表事項の2つ目は、「いわてオリジナル品種ブランド化戦略実践本部」の設立についてです。県では、極良食味(米)として開発したオリジナル新品種「岩手107号」と「(岩手)118号」の早期ブランド化を図るため、関係機関・団体等が一丸となって戦略を実践することを目的に「いわてオリジナル品種ブランド化実践本部」を設立します。6月12日(金)に設立します。実践本部の構成は、岩手県産米の生産、流通、そして消費に関わる17の機関・団体であります。このように生産、流通、消費に関わる機関・団体等、17機関・団体等が一丸となって岩手県産米のブランド化に向けて取り組むということは今までになかったことであります。実践本部の取組内容は、オリジナル品種の生産戦略の実践、イメージ戦略の実践、コミュニケーション戦略の実践などです。今後、6月12日の設立会議の後、11月下旬には戦略案に対する意見聴取、そして名称発表を行い、2月上旬には戦略の実践に対する意見聴取と戦略の発表を行う予定としています。
 3番目の発表事項は、一般国道107号土砂崩落に係る復旧工事の着手について。
国道107号西和賀町杉名畑(すぎなはた)地内の土砂崩落について、今週中に崩落部の土砂を除去する工事に着手します。3月29日に土砂崩落が発生して、現在、全面通行止めとなっている西和賀町杉名畑地区でありますが、これまで国の専門家による指導、助言を受けながら現地調査と復旧工事に向けた検討・準備を進めてきました。復旧工事は、厳しい地形やさまざまな制約の中で難しい工事となることが予想され、工法等の詳細について、現在、検討を重ねているところでありますが、一日も早い復旧に向けて、まずは崩落部の土砂の除去に着手します。崩落部の土砂除去は、道路から約350メートル上部から順次除去する必要があり、小型無人掘削機械、リモコンで操作する小型のバックホーですね、これで安全を十分に確保しながら進めることとしています。なお、工事に着手する詳しい日時については、復旧工事を担当する北上土木センターにお尋ねください。
 崩落部の土砂を除去した後は、当面の措置として仮設の防護施設を設置した上で、片側交互通行が確保できるように取り組んでいきます。片側交互通行を確保する見通しについては、来週予定している「一般国道107号通行止めに伴う連絡調整会議」において地元及び関係機関に説明したいと考えています。
 以上です。
 
広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。
 
幹事社
 それでは、ただいまの発表事項3件について各社から質問があればお願いいたします。
 
記者
 オリジナル品種のブランド化なのですけれども、(岩手)107号、(岩手)118号の市場供給に向けては庁内を含めてさまざまな組織が立ち上がっていると思うのですけれども、今回は生産、流通、消費、各団体が参加した今までにはなかった組織ということなのですけれども、これに当たっての知事の期待することをお聞かせください。
 
知事
 まず、去年の米価下落という状況をはね返していきたい、そういう勢いをつけていきたいということがあります。そして、長い時間をかけてようやくできた県オリジナルの極良食味米でありますので、しょっちゅうあることではありませんから、やはり何十年に1度というような、そういう体制で売り出していかなければならないと考えています。
 また、地方創生的な流れの中で都道府県間競争とか、地域間競争が激しくなる中で、そういう中で勝ち抜いていけるような体制というのを今回のお米というものへの取り組みを通じて県の組織の中に、また県とさまざまな関係者とのネットワークの中に構築していきたいというふうにも思っています。
 
記者
 もう一点、今度は国道の方の107号なのですけれども、事故発生から2カ月ほどで、今は通れなくて秋田道を使っての通行になっていまして、地元住民も不便を来していると思うのですけれども、知事も現場を視察なさったと思うのですが、改めて工事着手に当たっての所感をお願いします。
 
知事
 350メートルの高さがある土砂崩落ということで、なかなか過去に例がないような土砂災害で、技術的にこの復旧に非常に困難が伴うという中、まずようやく工事にこぎ着けたということは大変良かったと思っています。
 一方、土砂災害そのもので、いわゆる人的被害あるいは家屋の被害はなかったわけでありますけれども、西和賀町の皆さんを中心に、経済・社会的には長期にわたる非常に大きな被害があるわけでありまして、そのためにも一日も早く通行止めを解除していきたいですし、また長期化する復旧工事の間、さまざま西和賀町の経済・社会的な被害を解消していくことについては県も一緒になって取り組んでいきたいと思います。
 
幹事社
 各社から質問があればよろしくお願いします。
 
記者
 先日厚労省が発表した人口動態の統計の方で自殺率が(岩手)県はワーストとなりましたけれども、県のこれまでの取り組みで自殺者数の方は年々下がっている中で、一方で率の方は全国の中でも低いというか、ワーストの方をずっとなっている中で、今回不名誉な記録になってしまいましたけれども、今後の県のこれに対する対策と、あと知事のワースト(1)をとってしまったことに対する所感というのをお願いします。
 
知事
 ワーストワンというのは残念なことだと思っています。一方、中長期的には県民の皆さんの努力、尽力もあって自殺者数の減、自殺率の低減ということは着実に進んできています。やはりみんなが力を合わせて自殺をなくそう、防止しようという取り組みをしていけば自殺は減らせるということですので、さらに取り組んでいかなければと思います。いわゆる久慈方式(久慈モデル)のような地域コミュニティーに根差した取り組みというのは一定の成果を収め、県北・沿岸の方での取り組みは成果を収めてきているところでありますけれども、内陸の方での自殺者数、自殺率を減らしていくに当たっては(企業・)事業所単位の取り組みというのもさらに強化していかなければならないところでありまして、この県(内)のさまざまな団体が一緒になって県の自殺を防止していこうという体制の枠組みの中で、よりそれぞれの主体が現場、現場で工夫と努力を、工夫を凝らし、努力を重ねていくということを進めていきたいと思います。
 
記者
 先週日本創成会議が東京圏の高齢者の医療・介護についての対策について発表しました。その中で、提案していることの一つに高齢者を地方に移住させようという案がありまして、その中に41都市の中に盛岡が入っていました。あと41都市以外でも釜石についても過疎地域であるが、適切ではないかというような附帯意見もありました。このことについて、全国の各地方でさまざまな意見があるのですが、ネガティブな意見も少なくないのです。東京でさんざん若い間に都市で働けるだけ働いて、働けない年齢になった人を地方に送るのかというような地方の意見もあります。このことについて、岩手で盛岡あるいは釜石の名前が挙がったことについて、知事のお考えをお聞かせください。
 
知事
 まず、そのレポートというか、報告書というかが、首都圏におけるでしたか、高齢化防止戦略だったか、首都圏における高齢化を防ぐために基本的に首都圏1都3県が何をしなければならないかというような文書の中で、最後の方にちらっと地方移住が言及され、その補論とか参考資料の中に盛岡とか釜石の名前も挙げられたということなので、そういう具体的な提案があったわけではないというふうに認識しています。
 一般論としては、CCRC(継続的なケア付きリタイアメントコミュニティ)というアメリカで広がっている、元気なうちから老後のことを考えて、元気なうちに地方に仕事と生活の拠点を移して、そして介護が必要になったら地方で介護も受けられるようにしていくというような、そういう考え方は研究の余地というか、研究する意義はあると思います。地方消滅というのは、ひいては日本全体が消滅してしまうから地方消滅を防ごうということなので、そういう中で日本を消滅させないために地方の方でも今までやってこなかったようなことを追加的に日本全体のために役割を果たしていくということはやぶさかではないところもあります。
 一方、それが極端なケースでは介護とか、医療とか、高齢者の介護や医療の負担だけが地方に押しつけられることで、かえって地方が衰退することを加速するようになっては本末転倒なわけでありまして、さすがにそういうことを国が考えたり、また国にさせようという提案として出てくるとは思わないのですけれども、一般論としてはさっき言ったようなCCRC的な、元気なうちから地方に仕事と暮らしの拠点を移していくということは検討していく意義があると思います。
 
記者
 知事選の関係でお伺いしたいのですけれども、先月5月の末から6月の頭にかけて、生活の党の共同代表の小沢一郎さんが、知事への支援を求めて各政党への働きかけ支援のお願いをされたということが東京であったようです、報じられてもいますけれども。小沢さんがそういうことをされているということの受け止めをまずお伺いしたいのですけれども。
 
知事
 県民党的スタンスの中で、政党にこちらから支援は求めない、こちらから推薦を求めることはしないというスタンスでずっと来ているわけですけれども、勝手連的にさまざま支援をしてくださるということについては、そういう勝手連的な体制で選挙に臨んでいくというのは私としても目指すところであり、そういう中でさまざまな政党においてもいろいろ勝手連的に支持をしてくれる、またそういう支持の輪を広げようとする、そういう活動もしてくれるということはありがたいことだというふうに思っています。
 
記者
 基本的に政党推薦は知事の方から求めないという今回のスタンスですけれども、知事への支援を表明している方がそういう政党に働きかけるということは、政党推薦は求めないという基本的なスタンスからは特段外れることはないということでよろしいでしょうか。
 
知事
 例えば維新の党というのは、岩手県内でも、国政選挙では比例で維新の党と、各岩手県民の方々も少なからずいらっしゃいますので、そういう岩手県民の存在を前提にし、松野頼久(まつのよりひさ)さんには私から携帯で電話して、既に御礼を申し上げているのですけれども、その中でも「岩手県にも結構維新の党は支持者がいるからね」という話で、維新の党として主体的に応援してくれるということなので、まさに県民党的広がりをさらに広げていく、そういう動きで歓迎したいと思います。
 
記者
 今回支援要請をした政党の中を見て、その政党との関係を見ると、基本的に野党、民主党も含めた野党で連携していけないかということを模索しているようですけれども、片やその自民党は平野さんへの支援を決めたということで、政党間の対決の構図みたいなものも徐々にはっきりしてきていると思うのですけれども、言ってみれば与野党の対決による構図みたいなものが今の時期になって明確になってきていると思うのですが、そのことについてはご自身としてはどのように受け止められますか。
 
知事
 岩手県的には、むしろ私が現職でありますし、私を応援しようという皆さんが与党であって、そして希望郷いわて路線、これは希望郷いわてというのは県の総合計画のスローガンでもあって、今まで6年間やってきて、さらに4年間残っているわけです。その最後の4年間、新しいアクションプランもつくって希望郷いわて路線というのを大いに花開かせることができるという、そういう与党的な岩手の流れの中で、それはもうやめさせようという人たちが対立候補を立てて戦うという図式になっていますので、岩手の中においてはそういう与野党の対立があるのだと思います。そういう希望郷いわて路線、それは復興についても今まで4年間やってきた復興の流れというのをそれをそのままさらに発展させて、復興を成功させていこうということについても、今のままでいこう、これはやめさせようという、そこに対立軸があるのであって、そして国政を基盤にした諸政党がその中で岩手与党の側に、県民党の側にどんどん参画してくるということもあれば、それと対立する野党的にいろいろ準備していることもあるというのが岩手県内における構図だと思います。
 
記者
 そうすると、その国政における与野党の関係というのが今回知事選でも知事選の構図に反映されるということは、特段拒否するものでもないという受け止めでしょうか。
 
知事
 それぞれ政党というのは自由に活動するものでありますし、また中央における政党の構図と各都道府県内の政党の構図というのが同じだったら、これは全体主義国家になってしまいますので、日本はまだ全体主義国家ではないので、岩手の構図というのは国政の構図とは違うということです。
 
記者
 それからもう一点、最後に盛岡市長選の関連で伺いたいのですけれども、先日民主党県連が新人の内舘さんの推薦を決めました。知事選との連携というのはまだはっきりしていないようなのですけれども、知事選でも民主党県連は支援ということを決めていて、構図もだんだん似通ってきているのかなというのもあるのですけれども、内舘さんとの市長選での連携というのは何か今のところお考えでしょうか。
 
知事
 特にそういった動きについて、事前に説明を受けたりしているわけでもなく、事後的にもあまり説明を受けているわけでもないので、私としてはあくまで復興ということが大事で、そして復興と連動して進んでいく希望郷いわて路線というものが大事でありまして、そういう県民党的広がりの中に盛岡市長候補予定の方々がどう参画してくるかということかなというふうに思っています。
 
記者
 本日これから復興財源をめぐる地方負担の関係で復興庁との本県の首長の意見交換があります。先週3日の復興庁の発表を受けての臨時会見で、知事は復興庁が出してきた方針については、まずは岩手県の要望が一定程度は配慮されて評価できるとおっしゃって、一方ではそう簡単に捻出できるような額ではないという見解を示されましたが、これまで内部協議等もされたと思いますので、一方ではきょういよいよ詰めの協議が始まる、きょうから始まるということで、きょうの会合に臨む県としての抱負をお聞かせください。
 
知事
 先週述べたような総論的な考え方については、4日の日に竹下復興大臣に直接伝えたところでありますけれども、それは今でもそのとおりでありまして、まずそれをベースにしながら、きょうは各論的なことについても県としての意見を述べさせていただきたいと思っております。各論の内容については、意見を書いた要望書をきょう小泉政務官に手渡す予定にしていまして、それに基づいて説明、意見を述べますので、詳しい内容についてはその後に公表、それをもって公表というふうにしたいと思います。
 
記者
 ありがとうございます。基本的なスタンスとすれば、やはり先週出されたものはあくまでも、配慮はされたけれども、まだまだ負担が重いので、極力それは負担を減らしてほしいと、対象事業を縮小してほしい、あるいは負担割合を減らしてほしいとか、そういうようなスタンスで臨むという感じになりますでしょうか。
 
知事
 できる限り地方負担が少なくなるようにということであります。
 
記者
 あさって6月10日は知事のお誕生日だそうで、51歳になられるということで、この51歳という年をどのように過ごしたいか、ぜひ抱負等をお知らせいただければと思います。
 
知事
 50歳になるときに比べると節目感は少ないのですけれども、50歳を過ぎて、50歳というのは論語で言うと「天命を知る」ということで、復興を成功させる、そして希望郷いわて路線をしっかり軌道に乗せて花開かせていく、そして岩手県のマンガ振興もそうなのですけれども、まだまだ発掘され切っていない地域資源が岩手にはたくさんまだまだありますので、それをどんどん発掘しては磨いて、全国に売り出していくというようなことを一生懸命頑張る50代でありたいと思います。
 
広聴広報課

以上をもちまして、記者会見を終わります。 

次の定例記者会見は6月15日(月曜日)の予定です。

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