平成27年5月25日知事会見記録

ID番号 N35667

平成27年5月25日15時30分から16時00分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
 
幹事社
 本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いします。
 
記者
 先週金曜日に沿岸の首長さんたちとの復興財源の地方負担についての方針について、意見交換というか、連絡会議をされて、まず首長さん方の切実な意見というか、思いがその場に率直に出たと思うのですけれども、まずそれを受けての所感と、あともう一点はあすの政府の復興推進委員会について、県の考えとして、首長さんの意見を踏まえてどういうスタンスで臨まれるか、改めてお教えください。
 
知事
 やはりそれぞれの市町村が大変だということが改めてよくわかりました。そして、思えば全国的な巨大な自然災害が起きて、大きな被害が出た場合、関係する市町村の数というのは大体1桁くらいで、国と、また国のそれぞれの役所の担当部局と綿密にやりとりしながら復旧や復興を進めていくのが普通だと思うのですけれども、今回八十数市町村が全部まとめられて、全てに共通するような見直しが行われているというのは、それこそ異例中の異例なことかなと思いました。岩手の沿岸市町村長の方々からも、もっとそれぞれの市町村と国とのやりとりをきちっとやってほしいという声があったのは当然だと思いますので、このことはあしたしっかり国の方に伝えなければなというふうに思います。
 そして、今この段階で東日本大震災からの復興のための予算、地方負担を拡大するというのはやめてほしいということを改めて国の方に、また復興推進委員会において述べていきたいと思います。
 
記者
 今までの10分の10の国費負担の枠組みは維持してほしいということを訴えていくということだと思うのですけれども、6月末までには新たな枠組みを決めるというふうな、政府も上から言うような形で方針を示されていますけれども、あす以降というのもあれかもしれないのですが、その上で個別の今自治体の首長さんから事情を聞いてほしいという声もあるということでしたけれども、やっぱり復興庁の方にはそれをさらに強く今後のところで個別具体の話を聞いてほしいというのは強調される話になるのでしょうか。
 
知事
 この週末に西條剛央(さいじょうたけお)さん、去年いわて復興塾でも講師をしてもらいましたし、また県の幹部会議に呼んでプレゼンを、講義を、講演をしてもらうということもやった「ふんばろう、東日本支援プロジェクト」を始めた若い学者さんの書いたチーム力ですか、チームの力ですか、「チームの力」という本を読んで、チームというのはおよそ目的があってつくられたもので、目的を目指す集団がチームで、これは国の制度もそうだし、自治体もそうなのですけれども、いかなる方法でやっていくかというのは目的に対して整合性があるか、そして状況は変化するので、変化する状況の中できちっと目的を達成するために適切な方法をとっているかが常に問われなければならないということが本の主題でありまして、改めて全くそのとおりだなと思ったのですけれども、今回の政府方針における復興予算の地方負担拡大というのは何のためなのかということがやはりはっきりしない。そして、復興の目的はまさに復興であり、そして被災者の皆さんが自立できるようになることだとしても、今の状況の中で適切な方法は、手厚い国の、これは財政にせよ、人的にせよ、手厚い国のコミットであって、今手厚くすればするほど復興は早くなり、自立も早くなるという局面の中で国のコミットを薄くして、地方負担を拡大するというのは、やはりどう考えても理に合わないことだなと改めて思っていまして、そもそも論的なことをやっぱりあしたも話さなければならないなと思っています。
 
記者
 あすのもう一度確認なのですけれども、復興推進委員会のスタンスとしては、あくまで集中復興期間の延長、地方負担ゼロをこれまでどおりのスタンスとして主張していくという理解でよろしいのでしょうか。
 
知事
 正確なところは終わった後に取材してほしいと思います。
 
記者
 あくまで地方負担の拡大がないようにと先ほどおっしゃっていましたけれども、そういうスタンスでと。
 
知事
 スタンスというか、何ていうか、そういう立場とかスタンスとかという問題ではなくて、今困っている被災者、復興者の人たちが一日も早くそれぞれの生活、仕事、学びというのがちゃんとまさに復興した状態になっていくために何をすればいいかということについてベストを尽くす所存です。そこには国とか、地方とか、立場の違いによるスタンスの違いというのはあり得ないし、あってはならないと思います。
 
幹事社
 幹事社なのですけれども、確認なのですが、あすは基本的な県としての考え方を伝えるとともに、初めの方にありましたけれども、国と被災自治体との直接のやりとりの機会というものを設けてもらいたいということも要望されるということでよろしいのですか。
 
知事
 それはしっかり伝えるというか、また要望というか、要望というと何か目下の者が目上に向かって言うみたいな感じの言葉使いでありましょうけれども、復興推進委員会という国の復興のあり方を審議する委員会の中で、委員としては対等な立場であるべき姿をみんなの前で述べていく。その中で、被災市町村と国とのやりとりはもっと密にしていくべきということを言わなければならないと思っています。
 
記者
 関連して政府の言う自立ということに関してちょっとお聞きします。これまでも知事からも自立ということに関しては、被災直後から既に自立して取り組んでいるという主張ですけれども、私が聞いている政府側というか、中央側の自立という表現は道路とかではなくて、例えば災害公営住宅とか、あるいは社会施設のようなものが100%お金が出ることで結構立派なものができている。立派なものができているのはいいけれども、確かにそれは必要だからつくっているというのは当然ではあるけれども、それが例えば今公共施設の長寿命化等で財源が少ない中で取り組んでいる、そういう状況の中で、何十年後かにはそういったものが果たして人口減少とかという問題がある中で、果たして維持できるのか、集中(復興)期間を延長したり、地方負担の拡大、今止めても20年後、30年後先になったときの負担までちゃんと地方が自立して財源を持って行けるかというところに自立という問題があるというふうな話をちょっと聞いたものですから、そういう捉え方については知事はどのように受けとめられますか。
 
知事
 だったら、そう正式に言ってもらえばいいのですけれども、今既に国と地元の間で密に調整をして決めている事業のそれぞれの仕様について、災害公営住宅の仕様とか、防災集団移転の事業の仕様とかについて、何かそういう単価の安いものに見直すべきという提案が国からあるわけではないというふうに認識しています。
 
記者
 そうすると、あしたは特にこちらで受け取っている自立に対して、地元側から、知事の考えとか、私たちもお聞きしていますけれども、改めて自立とは何を指すかということは改めて政府に問いただす必要があると思いますが、その点なんかも主張されますか、あしたはいかがでしょう。
 
知事
 別に聞かなくても地方の自立ということを言えば、例えば税収が増えることとか、その他一般財源が増えることとか、そしてまた被災者の皆さんの自立ということを言えば、それは仮設住宅等から出て恒久的な住宅に入ることとか、商店街が仮設から仮設ではない商店街になること、それから小中学校だって今仮設小中学校まだいっぱいあるのですけれども、それらが仮設ではない小中学校で学べるようになることということが自立だと思うし、それは別に今さら自立という言葉の中で目標にしなくても、今まで4年間ずっとそれを早くやらなければ、早くやらなければと取り組んできたことなわけですから、あえて言うとすれば、それをもっと早く達成するためには何をすべきかというと、国のコミットをより厚くするという方向にこそ見直しはされるべきと考えます。
 
記者
 そうすると、あしたは自立云々のところは特に私が聞いたようなことは問いただすような場面はないというふうな捉え方でいいのですか。
 
知事
 非常に簡単な話で、今被災地、復興地の実態はどうなっているのか、そこで復興という目的を達成するために必要なことは何かということをきちっと論じてくるということです。
 
記者
 国との関わり方なのですけれども、あしたは発言の場はそういう場としてあれなのですけれども、今後国と話し合いを持つ場があるとした場合に、地方としたら、先日知事は裏技なんかなくて、地元の声を率直に聞いてほしいとおっしゃっていましたけれども、地元からすると負担ゼロを本当に求めてほしいと思うのですけれども、そうする場合に今までと違うアプローチを考えていらっしゃったり、その必要性というのはどう考えていらっしゃいますか。
 
知事
 ここに来てさまざまな報道ぶりでも市町村長さんの声が報道されるようになってきていて、これは大変良いことだと思います。そういうふうに何となく政府の方ではこう考えているという政府から流れる情報ばかりが先行してきたこの問題なのですけれども、ここに来てまず4県合同要望の辺りから各県の言い分というのが報じられるようになり、そしてそれぞれの県で市町村長との意見交換をやる中で、市町村長の意見というのもだんだん広まってきて、そういう中で国民的にもまともに考えられるような状況になっているのではないかと思います。岩手県と市町村の先週金曜日の会議の際にもさまざまな全国団体の会に出ていて、そこは今の集中復興期間のやり方を延長するのが好ましいというような意見ばかり聞くと。ですから、まじめに真剣に被災地、復興地の実態というのをわかった上で、まじめに真剣に考えれば全国民的にも集中復興期間を延長すべきという、そういう民意というのは一つの流れに持っていくことができるのではないかと思います。
 
記者
 すると県というか、知事ご自身も国に対しては改めて現状を見てほしいと、そういう訴え方をされるのですか、その手法は変わらないですか。
 
知事
 ちょっと質問の趣旨がよくわからないのですけれども、また4県合同での対政府与党要望をしたほうがいいということで調整もしています。
 
記者
 最後、今まで4県合同(要望)を首相官邸にされていたりして、考えを伝えているにもかかわらず、国の方針が負担を拡大させるという方針を打ち出してきているので、その方法が国に伝わっていないのではないかと、意見が。なので、別の方法をとる必要があるのではないかという意味合いなのですけれども、そこら辺いかがですか。
 
知事
 我々の目的は基本的に正しい目的だと思うし、また今の状況の中で適切な方法として、やはり地元の実態と、そして地元の声を政府にきちっと伝えていくというのは方法として間違ってはいないと思います。
 
記者
 知事選についてなのですけれども、達増知事を支援する「希望郷いわてを実現する会」の支部組織のような形で北上に立ち上がるようですけれども、これに関して知事の所感をお願いしたいと思います。
 
知事
 さまざまな政党、会派を背景にするような皆さんの連携が広く広がってきていて、私が県民党的な形で臨みたいという、そういう県民党的な形というのに対応するような、そういう形ができてきているというふうに思います。
 
記者
 一方で、同じく立候補を表明している平野さんは、先週政策のほうを発表されまして、復興であったり、1次産業の振興であったりというのを掲げましたけれども、達増知事として、先週も公約云々の話ありましたけれども、改めて有権者に対して政策なり、公約なりを発表してアピールするお考えというのはありますでしょうか。
 
知事
 政策については、今まで何をしてきたのか、そして今何をしようとしているのかということについては随時発表の機会もあり、オープンにもしてきて、議会や定例記者会見での答弁、回答というのもそうなのですけれども、ただそれはあまりに情報量として多過ぎて、それをわかりやすく整理して、マニフェストという形で発表するのが望ましいかなと今は考えておりまして、あまりぎりぎりにならないうちにそういうのを発表したいと今は考えています。
 
記者
 具体的にはいつごろになりそうだというお考えなのでしょうか。
 
知事
 それはつくっていく作業と、あといろいろ状況も見ながらなのですけれども、選挙も近づいてきていますので、いろんな方から岩手をこういうふうにした方が良いとか、こういう政策をした方が良いとかという声を直接聞いたり、あるいはネットで寄せてもらったりとかしているところもあって、あまり早い段階でマニフェストみたいに整理して発表してしまうと、そういう声をもうここで終わりみたいにしてしまうところもあるかなというのもありますので、そんなにすぐには出しません。
 
記者
 あともう一つですけれども、平野さんの会見の中で、知事としてあるべき姿ということで、歩く政治というか、県民と意見交換して地域を把握しなければならないというような趣旨がありました。それで、達増知事はあまりそういうふうなことはやっていないのではないかというような批判めいたことも言っていましたけれども、これに対してはどうでしょうか。
 
知事
 4年前もそうだったのですよね。次点になられた候補の陣営の方で、達増は全然東日本大震災対策は何もやっていない、復興を何もやっていない、そしてまた歩いてないというのもあって、ただそれは全然実態とは違う、いわば虚像でありまして、実像の反対の虚像ですけれども、そういう虚像と戦うために沿岸をとにかく歩くとかという手法を次点候補の方はとられたりもしたのですけれども、いずれそういう虚像をつくって、その虚像と取っ組み合いをするような手法というのは県民に対して浸透しないし、うまくいかないと思います。
 
記者
 今月15日から台湾の輸入規制強化ということで、産地証明書を義務付けるということで発表がありました。それで、岩手からも米だとか、リンゴだとか、そして水産物も近年では輸出されているということで、影響が懸念されていると思うのですけれども、まずそのことに対する所感と、県としての対応ですね、今後の政府への働きかけなど所感と対応について。
 
知事
 岩手県もこれからどんどん増やしていこうと思っていた矢先でしたので、大変残念に思っていますし、一日も早く前のような形で輸出できるようにしてほしいというふうに思います。
 岩手の沿岸の漁業者の皆さんも既に輸出実績のある皆さんは困っていますし、またこれから輸出を増やそうとしていた皆さんも大変困っていますので、まずはそういう実態を踏まえて、政府の方にはうまく交渉してほしいと思います。
 他方、政府の交渉の仕方についてはつまびらかなことはわからず、また水面下でいろいろやっていることについても見えなくて、ただ報道から見える部分だけなのですけれども、とにかくだめだ、だめだ、だめだと言っているだけでは、台湾当局は台湾当局なりに何やら日本から輸入されたものの産地表示が異なっていたという問題が消費者の間で大きくなって、その消費者の不安に応えるための措置として、それも短期間の措置であって、馬英九総統みずからが釈明するような形で言っているようですので、岩手の生産者の皆さん台湾の消費者の皆さんというのは一連託生ですからね、そこは岩手のいい海の幸を台湾の皆さんに食べていただきたい、台湾の人たちも食べたいという、そこは利害が共通しているわけでありまして、それが安全安心の観点からきちっとした形でやれるようにというふうに日台両当局でそういう観点から話を進めてもらえば悪いようにはならないと思っていまして、WTOに提訴とかという話も何やら日本政府から言っているみたいなのですけれども、事を荒立てる前によくよく台湾内部の事情も理解した上で、台湾の消費者は日本の味方、日本の生産者と台湾の生産者は同じ目標に向かう一連託生の関係というのを踏まえて日本政府には対応してほしいと思います。
 
記者
 知事選の話に戻りますけれども、相手の候補の方の話なのでちょっと答えにくいかもしれないのですけれども、先週月曜日に平野さんが政策の基本方針の発表があって、復興予算については地方負担導入あるいは拡大は反対であると、TPPについても断固反対すると、安保法制に関しても現時点では到底賛成できるような状況にないとおっしゃっていて、片や基本的には自民党の方は推薦とか指示とか、どういう文言になるかわからないですけれども、ある程度の組織的な応援の体制をとるということは表明をしていて、というところで政権の方針と平野さんが現時点で掲げている政策的な方針の面ですね、ねじれているというか、到底一致をしているような状況ではないのですけれども、そういうことについてはどのようにお考えになられるのでしょうか。
 
知事
 私は、今やっている復興のやり方の岩手の中でやっている方向性、そしてそこに地方創生という要素をかぶせて、そしてみんなが希望を持てる岩手を実現していくというその方向性を共有できる皆さん、一緒に選挙戦をやりましょうという形でやっていますので、そういうふうにやればいいのではないかなと思います。
 
記者
 私も知事選のことで1つ、金曜日、平野さんの方で「開かれた県政を創る会」という、平野さんを支持する任意団体が設立になりました。それで、設立時に参加した現職県議の方が21人で、あと何人か来そうな人がいるというので、呼びかけを進めると言っています。他方、達増知事を応援するための政治団体である「希望郷いわてを実現する会」は途中で入会を表明された方も含めて、あと元職の方もいると思うのですけれども、現職では11人なのです。県議の数だけで言うと平野さんの方が現時点では支援する県議は勝っていますが、これについてはどのように受け止められますか。
 
知事
 最初に言った方の団体21人の県議さんの中で、少なからぬ数の人が4年前の選挙では達増知事とともに一緒にやります、達増知事と同じ方向に行きますと、希望郷いわてを実現しますと言って有権者の皆さんの支持を得て当選を果たした皆さんですので、その方向でならそのときと同様の力を発揮できると思いますが、その正反対の方向に進もうとしたときに有権者にどれだけ支持を得られるのかというのはわからないと思いますよ。
 
記者
 4年前で言うと達増知事を支援する方の方が当時民主党政権でしたし、圧倒的に多かったと思うのです。これは、今おっしゃったことありますけれども、数が多いから勝つとか勝たないとか、有利だ、不利だとかということは、現時点ではないという、そういうお考えの元に今おっしゃられたことかなと思いますが、そう受け取ってよろしいですか。
 
知事
 その戦い方にもよりますので、一概に数で決まるわけではないというまず大きな一般論がありますのと、他方今回の選挙を私と一緒にやろうという県議さん、また県議候補の皆さんの数というのは今ぐらいの数にはとどまらないと思います。ということで、きちっと中身が共有されていて、同じ方向を向く形で数が多ければ、それはその方が強いわけですけれども、問題なのは4年前に達増知事とともにやります、希望郷いわてを実現しますと言って、私も当選したのですけれども、その県議さんも当選したという中で、今回正反対の方向性を出して戦おうとすることというのはかなりどうなるか予想できないようなことではないかなと思います。
 
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。

次の定例記者会見は6月1日(月曜日)の予定です。

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