平成27年4月27日知事会見記録

ID番号 N35112

平成27年4月27日10時32分から11時01分

広聴広報課

 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
 
幹事社
 本日は記者クラブを代表しての質問はありません。記者から質問があればよろしくお願いいたします。
 
記者
 復興予算に関連してなのですけれども、23日に4県の知事で引き続き国に負担を求めて要望されましたけれども、政府の方針としては一部負担を求める考えを示されていますけれども、改めてこのことについてどのように受け止めていらっしゃるのか教えてください。
 
知事
 4県合同要望では、集中復興期間の延長ということで5年というふうな区切りを設けるのではなくて、復興に必要な期間、今行われているような復興財源の確保、復興予算の手当てというものを継続すべきということをお願いしているわけであります。そもそも復興の現場の実態が5年を一区切りにするのに良いという実態にはありませんで、今年度から来年度、再来年度、まだまだ本格的な復興事業は続いていくというところをしっかり理解いただかなければならないというふうに思っています。また、東京オリンピックが決まるとき、アルゼンチンのブエノスアイレスで総理大臣を先頭にアピールした際に、復興した日本の姿を見ていただくということ、それで東京オリンピックが決まったということもあります。あのとき政府は東京オリンピックまでには復興がきちっと終わっているように、そして当時は復興加速ということを強く言っていたわけでありますけれども、そういう政府の姿勢の中で今復興に政府として、国としての関与を減らしていくというような動きは逆行する話ではないかなというふうに思います。むしろ時間がかかっている復興を加速し、より早く復興を完成させていこうということであれば持ち家再建支援のための費用など、さらに国としての予算、手当てを増やしていかなければならないという分野もある、そういう実態、そして国の姿勢というのを併せて確認すべきというふうに思います。
 さまざまな議論の中で、阪神・淡路大震災と比較して国民の理解が得られないのではないかというような議論が政府与党から出てくるのですけれども、東日本大震災津波の被害が阪神・淡路大震災の被害とは全然違うのだと、大規模津波被害によって町や中心市街地が根こそぎやられて、そして住宅地も高台に移す、かさ上げをするなど阪神・淡路大震災のときの復興とは全然違う復興をしなければならない。また日本でも最も経済・社会的に弱いところの一つである東北の沿岸地方が被害を受けているということで、それで阪神・淡路大震災のとき以上の国による予算の確保と予算の措置をするのだという大方針は、東日本大震災発災直後にもう国民的に確認されていることなわけで、それを今阪神・淡路のときは地元負担だったとか、阪神・淡路のときは国費100%ではなかったという議論が出てくるのは非常に非論理的であります。そういう非論理的な理屈がまかり通って、何となく国全体としての空気感が出てくるというのは、戦後70年のことし、そういうことがないようにしようという反省をしなければならない年なわけでもありまして、きちっと我々としては、これは4県だけではなくて、市町村も含め被災地、復興地の自治体としてしっかり実態を政府与党に理解いただいて、そして復興に必要な国としての予算の確保、その手当てというものをやはり求めていかなければならないと改めて思います。
 
記者
 政府の方針として、5月に一度方針を示すという考えが出されていますけれども、それは具体的に事業内容について何か出されたときに、その時点で全額国に対して負担を求めることを再度求めるのか、あるいは事業ごとに検討していく考えというのが余地があるのかどうか。
 
知事
 今の質問にあるように、これは先週首相官邸での囲み取材を受けたときも思ったのですけれども、政府はこう決めているのだから、早くそれを地元は受け入れないのか、いつ受け入れるのかというような、あとはもう段取りの問題みたいな形の質問が来るので、そこはちょっとショックを受けております。我々はまだ決まった話ではないと思っておりますし、またこのまま決めていい話でもないと思っています。
 どうもマスコミは5W1Hの世界で、あとはいつ地元が折れるのかとか、いつ正式に決まるのかみたいな関心で取材、報道されているのかなというところを懸念していて、それは非論理的な国の決定がなされようとする空気感を助長する取材の仕方であり、報道の仕方でありますので、だからまずはそういったところに対してちょっと気を付けなければならないなと思っていまして、いずれ集中復興期間の延長ということを我々は求めているし、4月20日の全国知事会議でも全国の知事さんの総意で集中復興期間の延長を国に求めるということは決議されていて、全国の知事会の総意でもありますので、これはしっかり求めていきたいと思います。
 
記者
 改めて確認ですけれども、知事のお考えとしても引き続き集中復興期間の国に対して全額負担を求めていかれるというお考えでよろしいのでしょうか。
 
知事
 ええ、それは私を含めて被災自治体の総意であり、かつ全国知事会議の総意でもあるということです。
 
記者
 復興財源の関係でなのですが、先週末に国の方針に関する報道が何件かありまして、その中で、この間岩手県も試算を出されましたけれども、今後5年間で必要な予算額が被災4県で大体8兆4,000億ぐらい、それに対して政府が準備しようとしている復興費用というのが全国で大体5兆円前後が想定されているというような報道がありましたけれども、こういう差が出てくることに実際の被災地の認識と国が準備しようとしている格差が出てくるということについて、まずいかがお考えになられますでしょうか。
 
知事
 政府がどのようなプロセスを経て、あるいはどのような手順で政府としての予算積み上げの作業をしているのかということはわからないのですけれども、いずれ被災自治体側、復興自治体側としては市町村とも連携しながら誠実に数字を積み上げ、これは過去4年間復興庁が窓口になってその時々の政府と一緒にやってきたような積み上げの仕方の延長としてそういう数字を地元としては出しているわけで、基本的にそれを尊重すべきという考え方です。これもマスコミ的には5W1H、ハウマッチの世界で、そういう2つの数字が出れば、つい比較してしまうのかもしれないのですけれども、全然性質が違う。政府の方が何か説明で説得的な説明があれば別ですけれども、まず地元側としては地元が、これはどこに出しても恥ずかしくない説得的な数字としてそういうものをまとめたということは言えます。ということで、それをご検討いただきたいということです。
 
記者
 被災地側から出てきた数字を前提として5年間のものというものを考えてもらいたいということでいいのでしょうか。
 
知事
 はい、そういうことです。
 
記者
 少し話が変わるのですけれども、久慈市の水産加工業の大原商店が多額の未払い金があることがわかりましたけれども、知事の今の認識をお聞かせください。
 
知事
 今それぞれ担当が調査もしているところだと思いますけれども、そもそも県の調査の中で補助事業として決められたもの以外の設備を導入して、それをもう設置してしまったということで、これはおかしいということでさまざまその後の作業、調整に入っているわけでありますけれども、これは過去さまざまなそういう補助事業にまつわる企業なり、NPOなりの不誠実といいますか、きちっと決められたとおりにやりさえすればいいわけですけれども、そうやらないことで復興全体に迷惑をかけるような事案があるのは大変よくないことでありまして、当事者には猛省を促したいと思いますし、きちんと迷惑をかけないように努力して問題の解決に当たることを望みたいと思います。
 
記者
 先ほど知事がおっしゃられた補助事業で目的外の整備をしてというところで、久慈市と一緒に加工協(久慈市冷凍水産加工業協同組合)を通じてですけれども、2億3,700万円の返還を求めています。この返済のめどというのは立っているのでしょうか。
 
知事
 そこは今担当の方で調べているというふうに理解しています。
 
記者
 返還を求めているのは平成24年度事業の分なのですけれども、平成23年度分も未払いがありました。県が完了検査をしているのですけれども、その未払いを見抜けなかったという点で県の監督責任ですとかが問われそうなのですけれども、その辺の認識をお願いします。
 
知事
 県の調査の中で、本来の補助事業でつくるべきでない設備をつくっていたというところから本格的な作業に入ってきているわけでありますけれども、それ以前の段階では県としては基本的に補助事業として採択されて、またそれは復興にも資するし、地域のためにも必要だということで、それを成功させる方向で基本的に対応していたというふうに理解していますけれども、根本的な補助事業と全然違う施設の設置というところでそういう補助事業を成功させるという方向ではもう対応できないというふうにその時点から切り替えたというふうに理解しています。
 
記者
 それは24年度の話だと思うのですけれども、24年度に交付する前に23年度分で未払いがあることを確認すべきだったと思うのですけれども、その辺の確認不足ではなかったかという質問です。
 
知事
 その辺の補助事業を進めるに当たっての行政側のやり方については担当の方に詳しいことは聞いてほしいと思います。
 
記者
 再発防止策などで検討していることがあれば。
 
知事
 今年度からいわゆる監察制度、正式名称は「内部考査」を復活させることにしています。これは、行政というのは補助事業をやると決めたらその成功のために尽力する、何か補助事業を行っている企業、NPOがきちんとしたことをできない場合にはできるように指導するという形で補助事業の成功ということを目指すのが行政の基本なわけですけれども、その反対側、今やっている補助事業というのは、これはもうやめるしかないのではないか、相手が補助事業にはふさわしい相手ではなかったのではないかという、そういう正反対の目を持ってチェックしていくという機能をきちっと県の中に制度化するということがまず一つでありますし、またその制度化によって、一人一人の県職員の中にも自分が今やっていることについて正反対の方からチェックする、実は今相手しているのはもう法律違反、しかもわかっていてそういうことをやっているのではないかというような健全な懐疑精神を持って仕事をするという、そういう抜本的な改革を今年度スタートさせたところです。
 
記者
 1点加えて。それは、事業途中の話だと思うのですけれども、完了検査後にちゃんとお金が払われているかとか、そのお金の流れを最後までチェックするという検査というか、そういうことは検討しないのでしょうか。
 
知事
 いろんなことをやっていますので、そこのところも担当の方に確認してほしいと思います。いろいろ新しい手も打っています。
 
記者
 知事選についてなのですけれども、民主党県連が先日、達増知事を支持するというふうに表明したわけですけれども、これに関する所感をお願いします。
 
知事
 大変心強く感じています。私が提唱している県民党というところに参画いただけるというふうに思っておりまして、復興のために岩手は一つ、オール岩手で復興を進め、そしてその力で地方創生や、さらにその先の岩手の未来も切り拓いていこうという、そういう体制が充実してきたなというふうに思っています。
 
記者
 今おっしゃったように、知事は県民党として政党に支援要請などはしない方針ですけれども、達増知事に対しては民主党と生活の党、平野さんに対しては自民党の方が支援を表明しているわけなのですけれども、これによって図らずもといいますか、与野党対決のような構図になってきてしまっているわけですけれども、これに関する所感はどうでしょうか。
 
知事
 無所属会派の議員さんも私と一緒に同じ方向でということもあり、そういう意味でこの岩手において、岩手の県民は復興に向けて東日本大震災以前以上に一つにまとまって復興しよう、国体・障害者スポーツ大会も成功させよう、そして地方消滅させないようにしてその先の岩手の未来を切り拓いていこうという形で、非常に県民全体としてはまとまりよくなっている昨今だと思うのですけれども、岩手の政治については、いわゆる四分五裂状態にあったと。それが今県民党とそうでないもう一つの方と大きく二つに分かれていくというのは、より四分五裂に比べれば政治としてはまとまっていき、また県民の皆さんからもわかりやすく、そして選挙においては選びやすくなっていっているのではないかなというふうに思います。
 
記者
選挙関係で1点。きのう矢巾町長選の投開票が行われて、新人同士の一騎打ちで高橋昌造さんが当選されました。これに関して知事の所感をお願いします。
 
知事
 盛岡タイムスに難しい解説が載っていて、投票、得票数以上に複雑な構図とか、どういう構図があったのかなと今勉強させていただいているところです。
 
記者
 ありがとうございます。構図はあるのですけれども、現職が16年間の任期を終えて勇退されることで新人同士ということだったのですけれども、新町長が誕生したということに関してはどのようにお考えでしょうか。
 
知事
 矢巾町は有権者数で岩手全体100万(人)のうちの2万人、2%ぐらいを占めているわけですけれども、県都盛岡の南に接し、さまざま県全体の関係にしても流通センターの存在でありますとか、岩手医大が移転していっているということでありますとか、交通の関係等でも岩手県政全体にも重要な役割をさまざま占めている、そういう町でありますので、新しく町長に当選された高橋新町長には県ともしっかり連携しながら調整を進めていってほしいというふうに思います。
 
記者
 ありがとうございます。新町長になる高橋さんはもともと民主党時代では達増知事と同じ党に所属しておりましたし、もう一方の宮舘さんも知事に副知事として仕えていたという、その両方ゆかりのある方の対決だったわけですけれども、これに関してはどのような受け止めをされていますでしょうか。
 
知事
 盛岡タイムスの解説に書いてあったとおり、現職町長さんが宮舘さんに引き継ぎたいという流れの中で、最初は宮舘さんだけが立候補表明と。ただ、その後の展開はまさに複雑な構図ということで、そこは私もよくわからないところがあるので、勉強させていただきたいと思います。
 
記者
 ありがとうございます。あともう一点、別件ですけれども、知事は先ほど全国知事会の緊急提言のお話しされました。それで、先週20日に東京で開催されたと思います。知事はご出席されず、東京事務所長が代理で出席されたと思うのですけれども、今回集中復興期間の延長等、重要なことが23日も要望されましたけれども、そういう重要なときに知事としては全国知事会に出席しなかったのは何か特別理由がおありでしょうか。
 
知事
 いろいろ地元日程とかも含めて総合的な判断なのですけれども、4月20日の全国知事会議においては宮城県知事さん、福島県知事さんから被災地全体を代表するような発言もしていただいていますし、また上田知事を先頭に全国知事会議の復興に関する取りまとめについても、事前にどういう文書にするかということについては岩手県もしっかり関与して策定しておりますので、そういう対応にしたというところです。
 
記者
 ありがとうございます。それで、ちょっと私の取材によると、当日20日知事会見もありましたけれども、もう一つ知事として、ある団体に知事選に関しての推薦要請依頼を直接知事がしたという話をちょっと聞いたのですけれども、この点についてはいかがでしょうか、そのとおりでしょうか。
 
知事
 団体への推薦要請というのは、もうたくさんやっていますので、月曜日にやったかどうかというのは今ぱっとは思い出せないのですけれども、それが理由で上京しないということはあり得ません。
 
記者
 あくまでも最初に質問したように総合的に判断してご本人としては知事会には出席しなかったと、そういうことですか。
 
知事
 はい。
 
記者
 民主党の話に戻って恐縮なのですけれども、お答えにくい話かもしれないのですが、今回県連としては支持を決めたということですが、具体的にどういう活動をするのかというのは県議であったりとか、それぞれの個々の判断でやるということになって、多少温度差が出てくるのではないかというようなお話が結構新聞紙上でもありましたが、前回の知事選では党推薦でしたが、それこそ一枚岩で推薦候補ということで一丸となって多分県連としても推したと思うのですが、前回と今回の違いというのを今のところどう受け止められますでしょうか。
 
知事
 民主党の中の前回、今回の違いというのは、私は知らないのですけれども、いずれ今回は私は県民党的スタンス、そして勝手連的手法でやるというふうに宣言をしていまして、特に選挙に向けての具体的な動き方については勝手連的にそれぞれ一人一人が自由にやりたいような形でやれればいいと思っておりますので、同じ党の中にあってもやり方が人によって、議員さんによって違うということは、もうこれは私からすれば全然問題はありません。
 
記者
 たしか先週の会見でも出た話だと思うのですが、政治団体ですね、「希望郷いわてを実現する会」、先週の段階ではまだ決めていないというようなお話だったと思うのですけれども、その後入会するか否か、その必要性があるかどうかというのは何か進展がありましたでしょうか。
 
知事
 近々お目にかかる予定を今調整していますので、まずは会の設立の趣旨とか、今後どういう方向に進みたいのかというのを改めて直接伺いながら、どういうことを一緒にやっていくかということも決めていきたいと思います。
 
記者
 話は変わるのですが、先週ネパールで大きな地震がありまして、時間の経過とともに犠牲者もどんどん増えている状況です。この被害について知事はどのように見ていらっしゃるかお聞かせください。
 
知事
 まず、大勢の犠牲者が出ていること、本当に気の毒に思いますし、お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りしたいと思います。
 大変大きな被害が出ていて、住宅やさまざまな建物とともに世界遺産を構成するような文化遺産も大きな被害ということで、ネパール全体として大変深刻な状況になっているなというふうに思っています。
 岩手県もネパールから岩手県に来ていらっしゃる方がいますし、また岩手県は結構さまざまな社会的団体の活動でネパールに行くというような活動が盛んで、ネパールに行ったことのある岩手県民というのはかなり多い方だと思っていて、そういう皆さんが心配されて、そして何かしなければ、何かしようというような動きも出ているようでありますから、県としてもそういう県民の思い、またネパールにおける必要性というのを踏まえながらネパールに対する支援をやっていきたいというふうに思います。
 
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。

次の定例記者会見は5月11日(月曜日)の予定です。

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