平成27年2月17日知事会見記録

ID番号 N32507

平成27年2月17日10時30分から10時58分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
 
知事
 きょうの発表事項は、「岩手県復興ポスター展」の開催についてです。東日本大震災津波から4年が経過する3月11日を迎えるに当たり、改めてこれからが復興の本番であるという理解と関心を深めていただくために、県内外で「岩手県復興ポスター展」を開催します。
 このポスター展は、きょう2月17日から3月13日まで、県内は岩手県庁県民室、各広域振興局、アイーナなど37カ所、県外では北は北海道から南は九州まで、趣旨にご賛同いただいた地方自治体など61カ所、合計98カ所で開催します。そして、東京都のご厚意により、2月25日から3月15日まで地下鉄でも掲示されます。
 掲示するポスターには、今回新たに「三鉄キットDreams(ドリームズ)」と、そのチームのゼネラル・マネージャーの岩隈久志選手を取り上げたポスターも追加しました。
 県内外の方々にポスターをご覧いただいて、復興への思いを共有していただくこと、そして継続的な支援につながることを期待します。
 以上です。
 
広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。
 
幹事社
 それでは、今の発表事項について、各社から質問があればお願いします。
 ないようですので、それでは発表事項以外について、本日は幹事社からの用意はないので、各社から質問があればお願いします。
 
記者
 きょう、岩手県沿岸に津波注意報が発表されました。県内でいうと去年7月以来ということで、改めて津波の危険性というか、地震の危険性というのを感じさせられたと思うのですが、改めて地震、津波の、今回の地震についての危険性も含めて、注意喚起も含めて、ご所感をお願いしてもいいですか。
 
知事
 やはり地震、津波、油断のならないことだという思いを新たにいたしました。沿岸の津波注意報が出た地域、それぞれ市町村ごとに避難指示でありますとか、避難勧告でありますとか、迅速な対応をとっていただいたと思いますし、やはり地震、津波、さらにその他の自然災害も含めて、災害に対する意識ということを常に心掛けておかなければならないなと改めて思います。
 
記者
 まだ沿岸部で防潮堤が完成していなかったりとか、まだハード面での安全性が確保されていない中で、また今後地震が起こる可能性のある中で、その辺の住民の方々への注意喚起という部分ではいかがですか。その辺も聞かせてもらっていいですか。
 
知事
 突き詰めると、一人ひとり災害対策ということで、まずは家族単位から学校にいるときにどうするとか、家にいるときにどうするとか、また職場でどうするとか、そういうことを日ごろから確認し合っていただいて、そしてそういう積み重ねがコミュニティー単位、また市町村単位で日ごろからの備えとなっていくよう期待します。
 
記者
 ハード面での安全というのは、これから迅速に進めるということですか。
 
知事
 災害はきょうの午後にもまた起きるかもしれないわけですから、それにも適切に対応していかなければならないわけで、それはさっき言ったとおり一人ひとり、家族という単位から始まって気を付けていかなければならないと。一方、復興の中で防潮堤などの防災施設の整備というのは、これは安全の確保の要となる部分でありますので、しっかり進めていきたいと思います。
 
記者
 ありがとうございます。あと1点、きょうから2月の定例議会が始まります。新年度は本格復興期間に位置付ける3年間の中間年に当たるということで、改めて議会開催に当たっての所感というか、伺ってもよろしいでしょうか。
 
知事
 今議会では、実質的に史上最大規模となる本格復興邁進(まいしん)予算をご審議いただきます。これは、先ごろの記者会見においてもかなり質問もたくさん出て、長い時間やりとりしたと思いますが、まず復興の事業、大変規模が大きいということに加えて、いわゆる地方創生、人口減少対策的なことも盛り込まれていますし、盛りだくさんな予算でありますので、県民の皆さんの関心も高いと思います。議会での質問、答弁などを通じて、広く県民の皆さんに新年度予算をご理解いただけるように、また新しい条例の案も幾つか出ますので、そういったことも県民の皆さんにご理解いただいた上で、議会で決定いただけるように執行部側も努めていきたいと思います。
 
記者
 先週末の話で、次期廃棄物の最終処分場の最終候補地に八幡平市平舘の椛沢(かばさわ)が決定したということで、今後市民の理解を得て進めたいということでしたが、改めて知事から所感、意気込み等を教えていただければと思います。
 
知事
 県の方では、次期最終処分場、震災がれきなどのニーズもあって、新しいものを早くつくっていかなければならないという中、地域や各市町のご意見、また平成33年までの整備の確実性という要素、そして整備運営上の諸条件やそういったことを総合的に評価して、県としては八幡平市が最も優位と判断したわけであります。受け入れに関して大きな異論はないと受け止めていましたけれども、八幡平市において前向きに検討いただいているということは大変ありがたいと思います。また、住民の皆さんからご意見、ご要望等があれば伺って、真摯に対応していきたいと思いますし、岩手にとって必要な施設でありますので、きちんとつくることができるように進めていきたいと思います。
 
記者
 ありがとうございます。ひところだと、廃棄物の処理場、処分場というのは迷惑施設のような扱いがされて、立地等では所在する市町村ももちろん、地域住民の方の理解が欠かせないということで、そういう還元施設、あるいは施設ではなくても何か見返りといいますか、そういうものが求められるというか、あるいはそういうものを提供するということもあると思うのですが、そういった対応というのは県としてはどのようにお考えなのでしょうか。
 
知事
 県と八幡平市とのやりとりの中で、建設の詳細を詰めていければというふうに思っています。
 
記者
 今具体的にいろんな条件を示すという段階まではまだないということで捉えてよろしいでしょうか。
 
知事
 何か条件うんぬんということではなく、まず県のために必要な施設だということで、またそれぞれの市町のご意見も伺いながら、整備、運営上の諸条件を総合的に評価するということで詰めてきていますので、そういう方向で今後も詰めていくことになると思います。
 
記者
 ありがとうございます。別件でもう一つ、先週14日に安倍首相が沿岸の方にいらっしゃって、知事も同席といいますか、一緒に同行されたと思うのですけれども、その際の何か安倍首相とのやりとり、あるいは要請したような何かがあれば教えていただければと思います。
 
知事
 平成27年度政府予算の中に岩手の復興に必要な予算も盛り込んでいただいていることについて、私から御礼を申し上げ、また28年度以降の復興財源の確保についても、よろしくお願いしますということを申し上げました。安倍総理は、平成27年度予算については、うん、うんとうなずきながら聞いていてくれまして、後半の28年度以降の財源については、竹下復興大臣の方が主として引き受ける形で、「必要な予算はしっかり確保するから」というような趣旨のことをおっしゃってくれました。
 
記者
 ありがとうございます。それで、その際に知事から、バレンタインデーということがあって、何かチョコレートをプレゼントされたと聞いたのですけれども、チョコ、そういうのは義理チョコとか友チョコとかいろいろあるのですけれども、何チョコだったのでしょうか。
 
知事
 直前、らら・いわてに行く機会があって、らら・いわてにいろいろ県産品のチョコレートも並んでいまして、これいいなと思うものが幾つもあったので、そこから幾つか選んでお三方に、総理、復興大臣、小泉政務官に差し上げたのですけれども、「情報提供チョコ」という感じでありましょうか。バレンタインデーということに事寄せて、地域振興的に、そういう物産面でも岩手県もいろいろ工夫していますということを伝えられればと思ってお渡ししました。
 
記者
 ありがとうございます。バレンタインデーというと、お返しみたいなのが来月あるのですけれども、何かそういうことは期待されてはいるのでしょうか。
 
知事
 情報提供でありますので、情報を受け止めていただいた段階で、もうそこでこちらからの趣旨としてはもう終わっていると考えています。
 
記者
 先ほど県議会の話題がありましたが、関連になるのですが、12月県議会のときに継続審査になっていた決算が不認定なところ、要するにDIOジャパンの問題あるいは山田のNPOの問題について、県の対応が不十分であるという指摘が主な原因だったと理解しておりますけれども、その直後の議会になりますが、改めてその2つの問題について、今回の議会ではどのように対応、新しい対応を示す用意があるか、またどのような、何か今までの方針と違うところがもしあれば教えてください。
 
知事
 DIOジャパン問題については、厚生労働省がいわば司令塔役になりながら、市町村における情報収集、そこに県も一緒になって、市町村、県、国が一体となってさまざま調査をしたり、いろいろ対応しているところでありますし、大雪りばぁねっと。事件については、司法による裁判がいろいろ進んでいるところであります。また、県の内部、また市町村との関係の中で、補助金行政について、より適正に行っていこう、ああいう問題や事件が再発しないようにしていこうという取り組みも進んでいるところでありますので、そういった事柄について質問があればきちんと答えていくというところです。
 
記者
 ありがとうございます。きょう2月定例会に臨むに当たって施政方針を述べられると思いますけれども、もちろんこれから議会なので、議会で話す話ではありますけれども、どのような辺りに主眼を置いて述べられるかというのを、ポイントを教えていただけますでしょうか。
 
知事
 テーマは、本格復興邁進(まいしん)年であり、本格復興邁進(まいしん)予算だということで、そういう事業の内容を紹介、説明するということが柱になります。ただ、現任期最後の知事演述になりますので、4年間を振り返る的なところもあるのですけれども、それはほぼイコール県の今までの大震災津波、そしてそこからの復興への対応を振り返るという、そういう部分も設けてあります。
 
記者
 ありがとうございます。最後なのですが、今度の議会で国の補正予算に対応した県の補正予算も提出を予定しているかと思います。内容は固まっているかと思うのですけれども、編成に当たっての留意点とか、あるいは目玉みたいなものがあれば。特に当初予算については、復興と並んで人口問題について重点分野にして編成したかと思いますけれども、その辺りを教えていただけますでしょうか。
 
知事
 今回の補正予算は、国の緊急経済対策に対応しながら、県としても地域の消費喚起、地方の活性化、災害危機等への対応といった事業を盛り込む方針です。
 
記者
 震災4年ということでちょっとお聞きしたい質問なのですけれども、県の復興状況について、マラソンに例えるとすると、42.195キロのうち、今何キロぐらいを走っているというふうな状態だというふうに認識されていらっしゃるかというのと、当初の計画、2011年当時では、今ごろだったら何キロぐらいを走っている予定だったかというのをちょっとお聞きしたいと思います。
 
知事
 急に聞かれてもぱっと答えが出てこないのですけれども、よく言うことなのですけれども、数え方にもよりますけれども、300とか400とかそういう事業の一つひとつをきちっと進めていくということで、それは事業そのものに意義があるのではなくて、それらを通じて被災者イコール復興者の人たち一人ひとりがきちっと復興を果たしていく。安全を確保して、そして働きたい人は働き、学ぶべき人は学び、そして生活を再建していくという、それを実現していくというのが復興なので、いろんな経済上の理由で人手不足だ、資材高だということが起これば、それに直ちに対応していかなければならないし、心と体の健康というのもずっとフォローしながら、そのとき、そのとき必要な、追加的なことが必要であればやっていかなければならないし、そういう意味では何か初めから決められたルートがあって、それをこなせば良いというものではないなという感じがしています。
 
記者
 ありがとうございました。それから、県でも重要な施策に位置付けている住まいと、それからなりわい、産業の復興についてなのですけれども、それぞれ大体100%とすると何%ぐらい今の時点で復興が達成できているというふうに感じていらっしゃいますか。
 
知事
 これも定期的に復興の進捗状況については県で統計できちっと出していますので、その正確な数字を活用してほしいと思います。
 
幹事社
 その他ありませんか。
 
記者
 先ほど安倍総理との面談のやりとりのお話もございましたけれども、28年度予算の件で、竹下大臣の方からも必要な分確保されていくというような、今までと変わらないようなお話が出ておりましたけれども、実際知事が総理とお会いになってみて、感触というのは変わらないのでしょうか。それともちょっとは変わっているというふうに感じているのでしょうか。
 
知事
 今の段階としては、内閣全体として28年度以降もどうこうということはまだ言える状況にはないのだなというふうに受け止めました。
 
記者
 夏の概算要求という辺りもスケジュール感として出てきているのかなと思うのですけれども、改めて財源確保が実現するために県としての戦略、例えばあるのであれば教えていただきたいのですが。
 
知事
 早ければ早いほど、早く決めていただきたいというところがあるわけですけれども、まず宮城県や福島県など他の被災県と連携しながら働きかけていきたいと思いますし、また内閣全体に対して大枠の確保を求めていくと同時に、各省庁の事業でも復興ということで国の補助は10分の10でやってきているような、そういう特例的な事業がたくさんありますので、それらについては県のそれぞれ担当部局から個別にその省庁に要望するとか、そういうふうに総力戦的にアプローチしていきたいと思います。
 
記者
 たしか去年の夏前でしたでしょうか、県としてはこれから本格復興期間が終わってからこれだけ必要ですよというような試算もなさっていると思うのですけれども、恐らく今もう一回試算をし直している状況なのかなと思うのですが、改めて幾らぐらい必要なのですよということを示す時期とか、いつぐらいに示せるのかというのがあれば、もしくは知事としていつぐらいまでにそういうものを示したいというふうに考えているのかというのがあれば教えてください。
 
知事
 県の側である一定の準備をしないと政府の方で判断できないみたいな構造の話ではないと思っておりまして、復興にどのくらい、何が必要で、それに幾らかかるかということは、国も復興庁というものが被災各県に復興局や出先をきめ細かく配していますし、また関係省庁も被災県の中に出先を持ちながら日々きめ細かにやっていますので、そこは自治体側がそういうものを準備しないと国で対応しないという関係ではなく、あうんの呼吸といいますか、一緒につくっていくような、そういう形になるのが筋かなというふうに思います。
 
記者
 あうんの呼吸ももちろんあると思うのですけれども、あまり県としてアピールが不足しますと、国としても、じゃもう要らないのねというふうなスタンスになりかねないのかなというふうな危惧もあるのですけれども、そこは知事はどういうふうに考えていらっしゃるのですか。
 
知事
 昔、僕は外務省職員として財務省と予算のやりとりをしたことがありますけれども、切りがないのです。このくらい必要ですと出したときに、これはなぜこのくらいかかるのかとか、これは本当にやらなければならないことなのかとか、そういう質問攻めをやれば、時間は幾らでもかけることができるし、最終的に説得的な提案ではなかったみたいにして葬ることはいつでもできるので、そういうのにはまるわけにはいかないなと思っています。
 
記者
 ちょっと話題、県政の話からちょっと外れるのですけれども、衆議院の議席の関係で、衆議院議長の有識者会議が、岩手は要するに今選挙区の議席4ですけれども、3に減らすべきではないかという見解をまとめていました。もちろん1票の格差ということで、是正するということで、有権者の比率に見合った配分をするという考え方もある一方で、知事、今一生懸命人口問題をやっていらっしゃいますが、地方の議席が首都圏あるいは都市部に持っていかれるということで、ますますそちらの意向が国政に強く反映されるというデメリットもあるかと思いますけれども、この衆議院の議席の配分のあり方というのを知事はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
 
知事
 やはり地方創生とか、あるいは地方分権というような流れには逆行することだと思います。ですから、機械的に人口比で計算をして、それで定数とか議員配分とかを決めていくということは、その中では合理的だと論理が完結するのでしょうけれども、現実の今の日本の状態に当てはめますと、ますます地方が力を弱め、そしてそういうトレンドが長く続いている国政というものが変わらないで、さらに事態が悪化していくという流れの方を後押しすることになるので、そこは私としては懸念するところです。
 
記者
 そうしますと、憲法違反うんぬんという議論もありますけれども、それでは望ましい衆議院の議席の配分のあり方というのは、あくまでもこれは私見で構わないのですけれども、その辺り、これからの国会の議論にもなるかと思いますが、知事のあくまでも私見をお聞かせいただければと思いますけれども。
 
知事
 実態として地方の暮らしが良くなり、そして地方が主役となるような内需拡大型の経済、社会の構造改革が実現して、日本全体としても経済、社会が良くなっていくという、そういう結果に結びつかないと、事態を悪化させるだけということでは、それが憲法の趣旨なのかということになるのだと思います。1票の価値の平等みたいなことを突き詰めるのであれば、では例えば国の首都も持ち回りにしないと不平等ではないかとか、常に東京が国の首都というのは不平等ではないかみたいな。南アフリカはかつて何か、南アフリカだったかな、やっぱり地域性を考えて首都が順繰りで回るような制度だった国もあったと記憶しているのですけれども。だから、一部分の整合性だけに集中するのではなくて、要は国民の暮らしが良くなっていくということが国の目的のはずなのだから、それを実現するような制度を工夫していくということだと思います。
 
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。

次の定例記者会見は3月4日(水曜日)の予定です。

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