平成27年1月26日知事会見記録

ID番号 N32097

平成27年1月26日10時30分から10時54分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
 
幹事社
 本日は記者クラブを代表しての幹事社質問がございませんので、各社から質問があればよろしくお願いします。
 
記者
 では、2項目伺います。まず1点目なのですけれども、きょうの午後からいよいよ新年度予算の知事査定が始まります。知事、年初にも、ことしは本格復興邁進(まいしん)年と位置付けるということでしたけれども、重点事項についてはこれまでも示されているところですけれども、改めて部局調整が終わっていよいよ査定に臨むということで、抱負と改めて重点項目をお聞かせいただければと思います。
 
知事
 本格復興邁進(まいしん)予算というふうに言えるようにつくっていきたいと思っております。本格復興の中間年を迎えるに当たって、量、質ともに文字どおり本格的な復興を進めていくことができるような予算というふうにしていきたいですし、そこにいわゆる地方創生的な要素もかぶさってきて、広く岩手全体、ふるさとが消滅してしまうということがないような、そういう対策も盛り込んだ、そういう予算にしていきたいと思います。
 それから、その中で若者・女性の活躍ということが復興にも地方創生にも大事なので、そういう要素をさらに強化していきたいと思います。
 あとは、けさの庁議で、大規模(事業)評価の答申をいただいて、高田松原の公園の整備事業(高田松原津波復興祈念公園広域公園整備事業)と、あとは県立の療育センター(岩手県立療育センター整備事業)と、あとそれに関連する学校ですね、その移転改築事業(岩手県立盛岡となん支援学校(仮称)整備事業)についても庁議として決定したのですけれども、結構、規模の大きな事業でありまして、療育センターの方はいわゆる超重症児にも対応できるようにしていくということで、そういう一番大変な県民にきちんと手が届くような、そういう県政を進めていきたいということの一つ象徴的な事業なのですけれども、平成27年度事業着手ということで、そういう県民一人一人、特に大変な状況に直面しているような県民にもきちんと(手が)届くような県政ということも配慮して、予算を編成していきたいと思います。
 
記者
 ありがとうございます。地方創生とか、あるいは復興邁進(まいしん)とか、こういう攻めの面も重要なのですけれども、もう一つ、守りという意味では、去年、県で中期財政見通しを出しまして、平成27年から随分大きな収支ギャップが生じる見通しだということですけれども、その辺、財政再建という意味ではどのような形で施政に臨むことになりますでしょうか。
 
知事
 これは、歳出面でも、また歳入面でも、さらに工夫と努力を重ねて、財政の健全性ということがきちっと担保されるような予算にしていきたいと思います。
 
記者
 では、あともう一点伺います。これ知事選の件に関してなのですけれども、きのう生活の党(と山本太郎となかまたち)が総務会を盛岡市内で開きまして、今度の知事選に関して、達増知事の震災復興の取り組みを評価するということで、できる限りの支援をしたいと。達増県政を支えるために、たもとを分かった民主党と改めて共闘を図った上で、県議会で安定多数を獲得して支えたいという意向を示されました。これについての受け止めをお聞かせください。
 
知事
 大変ありがたいことだと思っております。達増県政というのを評価いただいていること、また達増県政を議会において広い連携の中で支えていきたいということ、大変ありがたいと思っています。
 
記者
 ありがとうございます。知事、出馬表明の際に、県民党、不偏不党の県民党で臨むというスタンスを示されましたけれども、このように生活の党(と山本太郎となかまたち)にかかわらず、仮に特定政党から支援の申し出があった場合、どのような枠組みで連携を図る想定なのか、その辺りをお聞かせください。
 
知事
 達増県政を評価していただくこと、そして議会で支持をしていただくことということは、全ての政党、会派に対して門を開いているわけであります。その中で、具体的な選挙対応ということになれば、これは選挙日程の組み方で、それをどう決めていくかといった話が中心になるのではないかと思いますので、それはかなり本番に近づいてからのことだと思っております。
 
記者
 先週、岩手県内の土砂が違法に採取されて復旧工事に使われていた問題が明らかになって、これは福島でも、あと宮城でも問題になっていまして、県への登録や許可のないまま復旧工事に土砂が取り出されて使われるという問題が、今現象として相次いでいることについて、知事の受け止めをまず聞かせてもらっていいですか。
 
知事
 ルール違反は良くないわけでありまして、県としても直ちに作業をストップさせて、原状回復や災害の防止を当該事業者にさせるよう今求めているところです。
 
記者
 事業者の多くは、違法性の認識はなかったというような話をされているところも多くて、今後制度の周知だとか、そこら辺の再発防止についても重要になってくると思うのですが、この再発防止のために重要なこととして、知事のお考えを聞かせてもらっていいですか。
 
知事
 「法律の不知はこれを免ぜず(許さず)」という法格言がありまして、法律については、これは知らなかったでは済まされないわけであります。まさに自己責任という言葉はこういうときのためにあるのではないかと思うのですけれども、他方、復興事業がスムーズに進んでいくということについては、県もやれることは何でもやっていきたいと考えているわけでありまして、そういう意味で法の趣旨、そういったルールの内容についてきちっと官民、そういった事業者も含めて共有されていくような工夫は県としてもいろいろやっていきたいと思います。
 
記者
 ありがとうございます。あともう一点、先日復旧・復興ロードマップが公表されて、県内でも63の事業が1年以上から3年にかけて遅れるというような話も出ていました。復興邁進(まいしん)をする上で、もちろん着手するところも増えていると思うのですが、一方で遅れている事業もあるということで、田老の防潮堤もそうですけれども、それについて、いろんな複合的な原因が重なっていると思いますけれども、その現状について受け止めを聞かせてもらっていいですか。
 
知事
 遅れることが明らかになった事業一つ一つについて、それぞれの特有な事情があります。特に特徴的なのは、市町村のまちづくり事業との関係の中で、例えば防潮堤を越えて車が通れるようにどう工夫していくかというようなことなど、県と市町村の事業の調整、そしてそこには住民の皆さんや漁業者の皆さんの生活やなりわいの関係の調整も含めてやる中で、ですから遅れるということはイコール丁寧にきめ細かに地元事情に合うような復興を進めているということでもあると思っております。ただ、もちろんできるだけ早く進めたいということがあるわけでありまして、そのことと当事者が納得しながら丁寧に進めていくということをいかに両立させていくかということだと思っています。
 
記者
 一方で、期間として平成30年までに基本的には終わらせるという方向で動いていると思うのですけれども、そこら辺の見通しについてはいかがですか。
 
知事
 これも基本はできるだけ早く復興を成し遂げるということ。ただしそこに拙速ということがあってはならず、あくまで被災者イコール復興者本位のそういう復興を進めていかなければならないということで、関係者が納得できるような丁寧なやり方でいかなければならないということがあります。そこをいかに両立させるかということ。
 あとは、人手不足とか、物資の不足とか、そういうオールジャパンでの調整が必要になってくるところがありまして、ここは国の方にもしっかり働きかけて対応していかなければというふうに思っています。
 
記者
 先ほどの知事選の話をお願いします。先ほど生活の党(と山本太郎となかまたち)のお話でしたけれども、知事がお話ししていた政党以外の連合岩手さんとかそういう業界団体への支援というか、情報発信というか、そういった対応の方は、今手順としてはまだこれからでしょうか。何かめどがありますか。
 
知事
 新年会のシーズンが終わろうとしていますので、これからいろいろ調整することができるのではないかなというふうに思っています。
 
記者
 それで、選挙をやるとなると、例えば今回は政党からの推薦等は受けないでとなる場合にしても、実際選挙が始まって運動する場合も、車両とか現実の実務面というか、実際の運動面ではやはり何か政治団体をつくらないと、なかなか情報発信とかも、知事ご本人が回るにも多分限界があるし、手厚く内容を訴えていくのも、浸透させるのも難しいと思うのですが、例えば政治団体をこれから立ち上げていくような、そういうことも想定されていらっしゃいますか。
 
知事
 そこは柔軟に、今のところこうと決めずに最大効果的な運動が行えるようなやり方をこれから工夫していくのかなというふうに思っています。基本的には、前にも話したのですけれども、およそ65%の県民の皆さんから県政評価(岩手日報社県政世論調査)というのをいただいていて、22%の皆さんが評価しないという中で、65%の皆さんの支持に応えながら、また22%の皆さんに対しても耳を傾けて、そして変えるべきところは変えていくというような、そういう広がりのある運動の延長として選挙運動というものがあると思いますので、そうした、まさに県民的な選挙をやっていくために、どういう体制にしていくかということは今後工夫していきたいというふうに思います。
 
記者
 ありがとうございます。あと別件でもう一点。28日から岩手駐屯地等を会場にして日米の共同訓練がありますけれども、一部団体等から訓練自体の中止を要請するような要望をする動きも出ております。オスプレイは今回参加しませんけれども、こうした一部にある県民感情、そういった反対の県民感情もある中で、知事ご自身としては今回の日米共同訓練に関してご所見があればいただければと思います。
 
知事
 岩手駐屯地での日米共同訓練というのは、過去にも何度も例があることであります。一方で、住民の皆さんの不安や懸念ということは、これはきちっと受け止めていかなければならないと思っていますので、オスプレイをめぐっても地元への説明を県の方からも求めたりとかしていましたけれども、住民の皆さんの不安や懸念にもきちっと応えるような形で訓練が行われていくように県としても求めていきたいと思います。
 
記者
 先ほどの知事選の話に少し戻ってしまうのですけれども、先ほど県民党ということで、特定政党の支持は受けないということでこれまで何度もおっしゃられていましたが、先ほど評価いただくことについて全ての政党、会派に門を開いているとおっしゃられました。これまでの県民党ということをおっしゃっていたことと先ほどの発言の兼ね合いのようなものをどのようにお考えでしょうか。
 
知事
 65%の県民の皆さんというのを母体として県民党というのを考えていて、その65%というのは一つの政党に包括されるものではなく、むしろどの政党の支持率より高いですし、また全ての政党の支持率を合わせたよりも高い数字でありますので、その広がりの中で応援してくださる政党や、また一緒に岩手の復興を実現していきたいという政党に対しては、これは広く門戸を開いて、こちらから推薦を求めることはしないのですけれども、一緒にやれる皆さんとは一緒にやっていくという形をつくっていくよう工夫したいと思います。こちらの方からこの政党でなければだめとかというふうには言わないという意味で門戸が開いているわけであります。
 1つ参考になるかなと思っているのは、猪瀬(前)東京都知事が都議会議員選挙に当たっては、希望があれば何党の候補者とも二連ポスターをつくっていたと記憶しています。そして、自分自身は特定政党に依存しない形で選挙を行うということがありました。そういうものも参考にしながら、広がりの中で県民的な選挙ということができるような工夫をしていきたいと思います。
 
記者
 いずれ一党一派にはよらないという意味での県民党というふうな使い方をされているという理解でよろしいですか。
 
知事
 極力全ての県民に寄り添っていきたいという意味での県民党ですね。既にもうそういう全ての政党支持率を合わせた以上の支持の実態というのを県民からいただいているわけでありますので、それを大事にしながら選挙にも臨んでいくという意味で県民党という表現を使っています。
 
記者
 県が来年度の施行を目指している子ども条例(いわての子どもを健やかに育む条例)の件なのですけれども、先ほど当初予算の中でも若者・女性の支援の要素を強化するというお話がございましたが、本県としての条例制定の意義、目的などについて改めてお聞かせください。
 
知事
 これはちょっと虎の巻があるので、それを見ながらお答えいたしますけれども、まず岩手県として子どもの権利を尊重しつつということで、子どもの権利条約的なそういう理念、そういったことへの配慮というところがまずあります。そして、子ども、子育てへの支援について、基本理念などを明確にしながら施策を推進していくことが必要という基本的な考え方に基づきまして、いわての子どもの健やかな成長を願い、子育ての重要性を全ての県民が共有しながら、オール岩手の体制で子どもを健やかに育んでいくことを目的とするものであります。そして、人口問題への対応というのも一つの契機となっておりまして、人口の自然減対策の柱の一つとしても位置付けられるというところがあります。
 
記者
 JR山田線の三鉄(三陸鉄道)への運営移管に関連して、震災発生から4年目となることしの3月11日を前にして、現地の方での復旧工事の着手の式典が行われる方向で調整が進んでいるというふうにお聞きしています。知事ご自身、地元合意が決まった昨年12月末の時点でも、時期についてはとにかくできるだけ早く、きょうにでもあすにでもというようなお話しをされていたと思いますが、ようやく時期的なものが見えてきたのかなと思います。改めまして4年目の節目に間に合う格好という方向だと思います。改めてそれについての所感をお願いします。
 
知事
 いつ着工ということについては、まだJR東日本さんの方から聞いていない状態ではあるのですけれども、県としてはできるだけ早く、すぐにも着工という思いで、さまざま調整すべきところは調整してきていますし、またJR東日本さんの方で準備しなければならないことについても準備いただいていると思っております。そういう中で、着工に向けての調整も行われていますので、まだいつ着工というところは正式には決まっていないのですけれども、鉄路復旧、そして駅舎ができるということがJR山田線宮古・釜石間の地域の復旧・復興において非常に重要なことでありますので、それらの地域のまちづくりがしっかり進んでいくという、そういう希望につながる着工がもうすぐ行われるということは、復興全体にとっても一つの弾みになることだと思っております。
 
広聴広報課
 それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は2月2日(月曜日)の予定です。

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