平成27年1月19日知事会見記録
ID番号 N31903
平成27年1月19日10時30分から11時02分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
知事
発表事項の1番目は、「希望郷いわて国体冬季大会1年前イベント」の実施についてです。来年平成28年にいよいよ岩手県で完全国体となる第71回国民体育大会と第16回全国障害者スポーツ大会が開催されます。その幕開けとなる冬季大会まであと1年ということで、県民の皆さんに改めて開催の周知を図り、大会を盛り上げていくために、県と冬季大会の会場地となる盛岡市、八幡平市、花巻市、北上市、二戸市で連携協力を図りながらさまざまなイベントを開催します。
県が実施する主なイベントは、1月31日に「冬季競技トップアスリート対談会」を行います。ノルディックスキー世界選手権金メダリスト、荻原次晴(おぎわらつぎはる)さんとアルベールビルオリンピック金メダリスト、三ケ田礼一(みかたれいいち)さんの対談を行います。
そして、2月15日には、いわて国体・大会の式典音楽の作編曲をお願いしている八木澤教司(やぎさわさとし)さんをお招きし、開会式や閉会式などで演奏される楽曲の演奏会を県民会館で開催します。ここでは、岩手ゆかりの行進曲メドレーというものも披露されるのですが、そこに「あまちゃん」のテーマも入っているのですよね。「あまちゃん」のテーマも入れた岩手ゆかりの行進曲メドレーというのを新しくつくってもらっていまして、さまざま聞き応えのある曲ばかりですので、お楽しみに。
そして、1月24日には、盛岡駅や市内のショッピングセンターにおいて、県や市の国体担当の職員がチラシの配布や募金活動を行う「冬季大会1年前キャンペーン」を実施することにしています。盛岡市以外においても実施する予定です。
ことしは、5月から本大会の競技ごとのリハーサル大会が順次開催されます。開催準備も大詰めを迎えますが、節目節目で大会を盛り上げるためのイベントを実施しながら、多くの県民の皆さんの参加の下で、オール岩手で大震災からの復興の力となる大会を目指し、開催準備に万全を期していきます。
発表事項の2つ目は、「東日本大震災津波を教訓とした防災・復興に関する岩手県からの提言」についてです。東日本大震災津波の被災県として、世界からの支援に感謝し、世界の防災力向上に積極的に貢献するため、岩手県が震災からの復興に取り組む中で得られた教訓や防災・復興に関する取り組み事例及びそれらを踏まえた岩手県からの提言を策定しました。提言の内容については、岩手県の概要に始まりまして、東日本大震災津波の被害概要、復興状況、防災・復興に関する取り組み事例、そして岩手県からの提言で構成されています。諸外国における防災力向上に、より貢献できるよう、写真やグラフ等を交えて具体的な取り組み事例を多数掲載しています。
提言項目としては、地方自治体における連携や防災教育の推進、地域コミュニティの再生、地域資源の発掘・活用など11項目を提言しています。例えば、東日本大震災では、全国の自治体間の相互支援体制が自主的に形成され、機能しました。地方自治体間が連携する制度的枠組を創設すればさらに効果的であるということで、「地方自治体間が連携する水平補完による災害対応支援活動の制度的枠組の創設」を提言しています。この提言については、ことしの3月14日から18日まで仙台市で開催される第3回国連防災世界会議や、それに合わせて3月9日から13日まで盛岡市で開催されるISO社会セキュリティ専門委員会総会などを通じて広く世界に発信していくこととしています。震災から4年目を迎える時期に、岩手県からの提言が世界の防災力向上に貢献していくことを期待します。
そして、3番目の発表事項は、平成26年度「いわて若者会議」の開催についてです。岩手県では、昨年度から若者の活躍支援を重要な施策の一つと位置付け、昨年度は私が「いわて若者活躍支援宣言」を行う、そういう「いわて若者会議」を開催しました。そして、今回2回目の開催ということです。今回は、地域の魅力発見をテーマに若者の交流を図る場を創出し、若者それぞれが自らの地域の魅力を発見し、その魅力を活用した地域づくり・まちづくり活動につなげていくということを目的としています。
2月15日に盛岡市のNanak(ななっく)7階を会場として開催します。ホールイベントでは、基調講演の講師に二戸市出身、久慈浩介(くじこうすけ)さんを迎え、「MADE IN いわて に誇りを持って」と題して講演いただきます。そして、私も参加して、「地元の底力とつながりの力」についてトークセッションも予定しています。
さらに、会場には、催事場スペースで若者のブース展示を行います。復興、観光、食など、地域の魅力に着目した地域づくり・まちづくり活動の紹介や大学生・専門学校生によるボランティア活動などの紹介も行います。
できるだけ多くの若者の皆さんに集まっていただいて、活動の実践者の話に耳を傾け、さまざまな活動を行っている若者との交流の輪を広げていただきたいと考えています。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、今の発表事項3件について、各社から質問があればお願いします。
記者
発表事項の中で、東日本大震災の岩手県からの提言についてなのですけれども、こちらの中で1番に提言として挙げた自治体間の連携について、ここを1番に挙げた理由と、あと岩手県からの提言ということで、特にまとめる上でこだわったところですとか、そういったところがあれば伺いたいです。お願いします。
知事
阪神・淡路大震災がボランティア元年と言われて、ボランティア活動に大きく注目されましたけれども、東日本大震災においては地方自治体間の連携ということが大きく前進した分野だと思っておりまして、そしてまた今も全国の地方自治体からの応援職員の皆さんに支えられて復興を進めているという状況でもあり、それでこれを一番最初に持ってきたというところがあります。
その後も、岩手県が震災や復興で経験したことに基づいた現場の生の声という形で提言をしているのですけれども、最後の11番、文化財を生かした地域社会の再興、文化財保護に留意した復興事業の推進、文化財の防災対策の推進というのは、世界遺産平泉の存在ですとか、沿岸地方の虎舞とか、お神楽とか、そうした郷土芸能の存在、獅子舞もそうですね、そういったところに岩手の特徴が強く出ている提言であります。
記者
国体の1年前イベントについてです。冬季国体まで1年ということで、もう本当に直前というところまで来ましたが、冬季国体は、特に機運醸成というところについてはまだまだ課題があるのかなというふうに感じています。今回のイベントを通して、どういうところがアピールポイントか、さっき「あまちゃん」の音楽の話もありましたが、アピールポイントか、そして県民の皆さんにどういうふうに関わっていってほしいか、知事からお考えをお聞かせください。
知事
一番最後の問いから答えますと、自分たちが主役だという意識を強く持っていただきたいと思います。ですから、ことし、来年と、普段からいろいろ町内会で運動会をやっていたりとか、あとは企業も運動会のようなことをやったりしていると思うのですけれども、そういうのをいわて国体、いわて大会記念運動会みたいにして、ちょっといつもよりも力を入れたり、あとはそこで我が市、我が町・村ではこの競技が行われるみたいなことをその場で確かめるとかして、そういう普段やっているスポーツとか、健康とか、あるいは保健衛生的な活動もあると思うのですけれども、そこに国体、障害者スポーツ大会要素を入れるという工夫をすれば、かなり全県津々浦々、草の根から国体を盛り上げていくことができると思っていまして、そういう工夫をしていただけるといいなと思います。
一方では、オリンピックメダリスト、金メダリストのような、そういうなかなか普段お目にかかれない、普段からお目にかかれるトップアスリートもいるのですけれども、三ケ田さんとか。普段はお目にかかれないようなトップアスリートもどんどん招いてイベントもやりますので、そういうところに来ていただくとかして、それで約50年に1度しか回ってこない国体の開催ということのすごさというのを実感していただければいいなと思います。
記者
東日本大震災を教訓とした防災・復興の提言に関してですけれども、今回これを世界に向けてというところで、先ほど地方自治体の連携が前進したというところがアピールというか、伝えたいところと言いますけれども、世界いろんな国々があると思いますけれども、何か岩手ならではの地方連携を世界に向けてこういうところを訴えたいというか、そういったところが具体的にあれば教えてください。
知事
今までやってきたことを取り組み事例として紹介しながら、現場からの声ということで積み重ねてきた事実をそのまま参考にしてもらえればいいのですけれども、自治体間連携については、私は東日本大震災の後、アメリカとかフランスとかの大規模災害に対する体制を調べてみたのですけれども、FEMA(フィーマ)というのが、アメリカだとそういう連邦の機関、国家公務員たちが大挙被災地に入って、災害対策から、さらに復興の部分までやったりとか、あとフランスだったら内務省に放射能災害にも対応できるチームがあって、内務省がそういうチームを被災地に投入し、直接災害対応をやり、また復興のプロセスでも結構国家が入っていって対応するというような体制がある中で、日本はかなりの部分を地方自治体がやって、あれだけの災害に対応し、また復興に取り組んでいるというところは、この日本の地方自治体の力として、やはり世界に示すべきところがあるし、また国によっては国の政府による迅速な対応や支援というのが難しいような国の場合、自治体がやっぱり頑張らなければならないわけで、そういったところは参考になると思いますし、あるいはアメリカやフランスのような国であっても、自治体にどこまでできるかという、先進国でも自治体が前に出て、そういう国家的災害に対応する事例として参考になるところはあるのではないかなと思います。
幹事社
それでは、発表(事項)以外について、本日記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
昨日民主党の代表選がありまして、岡田代表代行が新たな代表に選出されました。改めて野党として期待するところですとか、それについての所感をお願いしたいと思います。
知事
「地方の声に耳を傾けながら、東日本大震災からの復興や人口減少問題や、また若者・女性活躍支援というようなところで力を尽くしてほしい」というコメントを出していたのですけれども、与党になりますと、官僚の事務的なさまざまな手続のプロセスに時間をとられたり、またそういったお役所仕事が一種しがらみになったりして、そういうところがハンディになるわけです。野党はそういうのがない分、国民の生活や仕事の実態に深く入り込んで、そして「答えは現場にある」でありますので、そこから日本のあるべき姿というのを政策パッケージにまとめて、それで与党よりも優れた政策パッケージをつくることができ、それを選んでもらえば政権交代ということになるわけなので、そういうサイクルができるようになるためにも、深く、広く国民の間に入ってほしい。その中で、特に地方の声、その中でさらに特に特に東日本大震災の被災地、イコール復興地の声に耳を傾けていただきたいと思います。
記者
それから、きのうの代表選の中でも話が出ていたのですけれども、巨大与党にどう対峙していくのかというのが、今後の国会なり国政のレベルで一つ焦点になってくるとは思うのですけれども、その点について民主党に期待するところとかありますでしょうか。
知事
1つ極端な、おこがましいかもしれませんが、アドバイス的なことを言うと、与党の方ばっかり見ていてはだめなのですよ。むしろ国民の方を見ていれば、おのずと国民にとってより本質的で、より国民が必要としている政策パッケージというのをつくることができて、それができれば議会においては少数といえども、国民の大多数に支持される活動を展開できるわけでありますので、特に差がついて弱くなっているときほど国民の方に目を向けてほしいというふうに思います。
記者
今のに関連してなのですけれども、知事が政権交代前の民主党で国会議員をやられていた時代に、岡田代表の元で活動していた時代があったかと思いますが、岡田さんの政治家としての知事の人物評をちょっとお聞きしたいなと思いますが。
知事
大変真面目な人で、あと広く目を向けることができる人だと思います。そういうところが今回代表に選ばれた理由ではないかと思いますけれども、そういう自分の長所を生かしながら、またいろんな人がいるわけですので、そういったいろんな人の長所もどんどん生かし、やっていくといいのではないかなと思います。
記者
ありがとうございます。海江田代表時代の民主党というのは、ご案内のとおり、あるいは政策面で安全保障の問題とか、あるいは党の再建の路線をめぐって随分ばらばら感というふうに言われましたけれども、古巣の民主党、岡田新体制がスタートしたということで、古巣に対して激励、あるいはアドバイスが何かあればお聞きしたいと思いますけれども。
知事
私の古巣は外務省でありまして、その頃は自民党の皆さんと主に一緒に仕事をしており、竹下内閣の辺りが本当に社会人として仕事を始めた原点、古巣は竹下内閣なので、その辺が古巣なのですけれども、あの頃もふるさと創生とかやっていて、全市町村に1億円というやり方についてはいろいろ批判もあるのですが、ただ総理大臣が全ての市町村のありように関心を持つという姿勢を示すというのは、今の時代にもそれは非常に大事なことだと思っています。今の時代にこそ大事なことだと思っていまして、ですからいずれ何党であれ、国民に支えられての国政政党なわけですから、そういう理想を言えば、もう国民一人一人の暮らしや仕事のありように迫っていくような、それを目指してやっていってほしいと思いますし、それが一番良くできる政党が、結局議会の多数になっていくということではないかなと思います。
記者
佐賀県で高病原性鳥インフルエンザが発生しました。農水省からも各自治体の方に通知が多分出ていると思うのですけれども、畜産県として岩手県でもどのように対処するか、知事のお考えを教えていただければと思います。
知事
まず、これは現場現場で気を付けるということが大事なので、そこのところは担当の方からきちっと話をしているところであります。あとは、専門家としても気を付けて、いざというときにはマニュアルを作ってありますので、それに沿いながら危機管理の対応を素早くやる、そういう体制をきちっととっておくということだと思います。
記者
ありがとうございます。あと、違う質問になるのですけれども、サザンオールスターズの桑田佳祐さんが、紅白(歌合戦)でのパフォーマンスをめぐってネット上で批判があって、実際に事務所の前で抗議運動がされたりして、謝罪の文書を出したり、ラジオで謝罪したりという、そういうパフォーマンスというか、表現をめぐって最近ちょっとそういう物議を醸すことが起きているなと思うのですけれども、知事はそういう動きに対して何かご関心、あるいはご所見があれば伺えればと思います。
知事
表現活動ですからね、サザンや桑田佳祐さんがやっていることは。表現活動に対して、気に食わないとか、自分はそれは何かださいと思うとか、自分は評価しないとか、そういうことを自由に感じて、また感じたことを表現する自由が聞き手の側にはあると思うのですけれども、ただ聞き手の側として国民に謝罪せよとか、あるいは何々するな、また何々せよみたいな、何かそういう強制力を及ぼそうとするというのは好ましくないと思います。だから、そういう社会的な強制力を及ぼそうとするプレッシャーが表現の自由を損なうのではないかという懸念が、今おっしゃられた問題に関しても言われているのだと思いますけれども、私も同様の懸念は持ちます。もちろんそういう表現活動によって、何か自分の権利が侵害されたという場合に、名誉毀損などで、その場合にはちゃんと法的手段に訴えてでも自分の権利を回復するということは、その人には認められているわけですけれども、ただそれはその人に認められている権利であって、そういう権利の回復という問題に直面していない人が表現活動に強制的な力を及ぼそうとするというのは良くないというふうに思います。
記者
ありがとうございます。今私、桑田さんの問題だけ触れたのですけれども、そういう風潮になっているというのは、そういうふうにはお感じになりますか、どうでしょう。
知事
昔忌野清志郎さんが、「清志郎、桑田佳祐、日本のロックの王様はどっちだ」みたいな、そんな感じでライバル視されたりしていたことがあって、そっちの清志郎さんの方はタイマーズという名前で、あえて放送自粛になる類いの権力批判とか、権威批判的な歌ばっかり集めたアルバムを出したりしていて、そういうことができる文化環境の方がいいのではないかなと思います。もちろんタイマーズのアルバムについて、不謹慎だとか、嫌だ、俺は聞かないとか、そういう人たちがいてもいいわけですけれども、でもそういう表現の存在は認められるというような、やはりそういう時代に比べると、今は本当は表現手段としてはインターネットも発達して、よりいろいろできるような時代になっているはずなのですけれども、かえって自粛とか、あるいは他者に何々させないというような、あるいは何々を強いるようなプレッシャーが高まっているような感じはするので、そこはもうちょいおおらかになった方が良いのではないかと思います。
記者
先週政府の新年度予算案が出まして、また東日本大震災の集中復興期間終了後の復興財源については、16年度の予算の概算要求を決める15年夏までに見通しを示すというようなことで話が出ていましたけれども、改めてそこに対しての知事の所見を伺いたいです。
知事
ちょっと聞き逃したのですけれども。後半。
記者
竹下復興相が閣議後の会見の中で、16年の予算の概算要求を決める15年の夏までに集中復興期間終了後の復興財源について、一定の見通しを示すというようなお話をされていたのですけれども、そこに対しての知事の所見をお願いします。
知事
ぜひそのようにしていただきたいと思いますし、復興担当大臣からそういう意見が出たということは、歓迎したいと思います。
記者
それは、その時期にぜひ早く示してほしいということになるのでしょうか。
知事
去年から今すぐ示してほしいということを言っていましたので、早ければ早いほど良いのですけれども、政府としては全くそうするというような話がなかった中で、今回出てきたということは歓迎したいと思います。
記者
ありがとうございます。もう一点なのですが、きょう国の(小・中)学校の統廃合の指針が59年ぶりに見直されるということで、小規模な学校の統廃合、これから進むようなお話になると思うのですけれども、そちらについて知事の方で何かご所見ありますでしょうか。
知事
国としていろいろ研究して、目安のようなものを出すというのは悪くないのだと思いますけれども、基本的にはそれぞれの市町村教育委員会や都道府県教育委員会が地方の実態に即しながら、それぞれの小中学校とか高校等のあり方、定員とか、存続とか、統廃合とかについて決めていくわけでありますので、そういうのを無理に強制したり、されたりすることがないような形で参考にされていけばいいのではないかと思います。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
次の定例記者会見は1月26日(月曜日)の予定です。
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