平成26年12月10日知事会見記録

ID番号 N30877

平成26年12月10日10時30分から11時00分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
 
知事
 12月15日月曜日から19日金曜日まで、中国瀋陽市、広州市、上海市を訪問します。今回の訪中の目的は、第1に中国遼寧省政府への訪問による地方政府間交流、経済連携の促進・強化、第2に中国現地旅行社訪問等による本県へのインバウンド促進、第3に上海大可堂への「いわて上海事務所」の委嘱などです。
 まず、第1の中国遼寧省政府への訪問については、中国東北部で最も経済力を有する遼寧省を訪問の上、李希(りき)省長と会談し、今後の経済連携等についての協力要請を行うものであります。本県が遼寧省に大連経済事務所を設置して、来年で10年になります。今回の会談によって、さらなる対中事業の展開を図ります。
 2点目の中国現地旅行社訪問等による本県へのインバウンド促進については、日本への旅行取り扱い件数が広東省第1位であり、中国でも有力な大手旅行会社である広州広之旅国際旅行社に対して、今後の相互協力に係る覚書の締結等を行います。また、瀋陽市においても、遼寧康輝国際旅行社へのトップセールスを予定しています。
 第3の上海大可堂への「いわて上海事務所」の委嘱については、上海万博に本県と共同出展した上海大可堂に「いわて上海事務所」の活動を委嘱して、岩手県の上海における経済活動や情報発信に協力いただくものであります。
 以上です。
 
広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。
 
幹事社
それでは、ただいまの発表事項1件について、各社から質問があればお願いします。
 
記者
 この訪中によって、目的はありますが、どのように今後展開していくことを望んでいらっしゃるか、知事の所感をお聞きしたいのと、あとこれはちょっと不勉強で申し訳ないのですけれども、例えば台湾も今チャーター便の話がありますけれども、何かチャーターとか、そういうものでさらに進めていきたいというような話のきっかけづくりみたいなものも考えていらっしゃるのか、その2点お願いします。
 
知事
 今回は、新たなチャーター便の話というのはないのですけれども、それに向けた一歩というふうには言えると思います。岩手県が大連に経済事務所を置くようになって10年なのですけれども、その間、当初大連市を中心に行っていた経済連携や、それから物産、観光などの働きかけが、上海万博を一つの契機にして広く中国全体に広がるようになりまして、今回はそれらをさらに発展させていくことが目的になります。
 
幹事社
 それでは、発表事項以外の質問について、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社からお願いします。
 
記者
 県議会について伺います。きょう12月定例会の最終本会議ということになりますけれども、きのうの決算特別委員会で去年の一般会計決算について不認定になりました。これについて、まずは受け止めをお聞かせください。
 
知事
 第1に、平成25年度の県の決算が不認定になるのは残念であります。市町村、県そして国が一体になって復興に取り組んだ復興岩手の決算、行政のみならずさまざまな民間の主体も力を合わせ復興に取り組み、全国、さらに海外からもご支援をいただいて復興に取り組んできたその1年間の決算でありますので、それが不認定となるのは残念であります。
 第2に、DIOジャパン問題については、これはもう市町村そして国と連携をしながら、しっかり取り組んでいきます。まだ調査が進んでいる段階でありますし、また、雇用対策にしっかり取り組んでいきます。
 それから、補助事業の適正な執行という観点からも、これは商工労働観光部のみならず、県組織全体として、この補助事業を適正に執行していくための取り組みというのをさらにきちっと進めていかなければならないと思っています。
 そして第3に、DIO問題についてはそうなのでありますけれども、決算不認定の理由については、議会の側から説明が対外的になされれば助かるなと思っております。そもそも議会の意思決定については、知事、執行部の側から説明する立場にはないわけでありますけれども、今回、DIOジャパン問題というのは、多くの市・町、また岩手以外の県、そして国も一緒になって取り組んでいる問題でありまして、なぜ岩手だけ決算が不認定になるのかという疑問に対して、知事、執行部の側としてはそれに答える立場にありませんし、また、そもそも知事、執行部というのは、議会を批判したりチェックしたりする存在でもありません。議会が知事はじめ執行部を自由に全面的に批判し、またチェックする機能を持っているわけでありまして、そういう議会に対して、執行部の側がああしろ、こうしろとか、あれはおかしい、これはおかしいとか言い始めると、それは議会の執行部に対する自由で全面的なチェック機能というのを損なうことになりますので、執行部として、議会に対してああしろ、こうしろということは言えませんし、また、議会に対して説明せよという立場にもないのですけれども、本質的に執行部と議会の関係はそうでありますので、議会がやっていることの正しさの説明というのは、やはり議会にしかできませんので、そこのところは関係の市・町、あるいは他の県、また国、あるいは復興や補助事業といったことに関心のある多くの皆さんに、もし疑問があるとすれば、その疑問を解消する説明を議会において果たしてもらえれば助かるなと。
繰り返しますけれども、説明せよという立場にはありませんので、そういう執行部と議会との関係の中で、そういう関係にあるということを念のため指摘させていただきました。
 以上です。
 
記者
 ありがとうございます。振り返って、12月定例会の開会に臨むに当たっての会見のときに、記憶をたどりますと、簡単に言うと監査委員のお墨付きをもらっているので、これは認定に足る決算であるというふうな認識を示されていたと思いますけれども、その認識に変わりはないのかということ、あと……
 
知事
 それは、変わりはありません。
 
記者
 ありがとうございます。今、議会から不認定についての説明があれば助かるというようなお話でしたけれども、これは逆に言いますと、今回の不認定というのはいま一つ理由がわからないというような受け止めだということでしょうか。
 
知事
 過去の不認定についても、議会において、知事は、あるいは県は、何でこういうことになったかわかるか、なぜこういう不認定という事態に立ち至ったと思うか、というような質問は受けたことがあり、それに対しては質問には答えなければならないので、さまざま議会での発言や、あるいは決議があれば、その決議の内容等を踏まえながら答弁はします。ただ、その答弁に対しても、いや、それでは全然理解されていないというようなご指摘をその後いただいたと記憶しておりまして、そういう意味では議会の意思決定について、知事、執行部の側でこういう理由だと説明するのは難しいということです。
 
記者
 ありがとうございます。制度的な話なのですけれども、今の決算のシステムというのは、要するに全体の決算があって、例えば今回の話だとDIOあるいは大雪の話のごく一部分のことについて焦点を絞って不認定になっているように見えます。つまり逆に言うと、他の部分については議論になっていないということは、他の部分については認定に足るものだというような議会の議論にも見えるのですけれども、ごく一部だけをとって全体を不認定にするという、この今の制度のあり方についてどう受け止めますか。
 
知事
 議会の決定については、これは執行部の方からとやかく言う立場にはないと思います。
 
記者
 衆院選の関係でお尋ねしたいのですけれども、前回の記者会見は公示前ということで、知事は選挙には県民党、オール岩手の立場で自由に関わりたいというような趣旨でおっしゃられたと思いますが、公示から1週間過ぎて、具体的に知事はこの衆院選に対してどのような姿勢で関わっているのかというのをちょっとお尋ねしたいのですけれども。
 
知事
 自由に関わるという、そういう自由の中で、どなたのマイクも握っていませんし、またマイクを握るときというのは、ちゃんと選挙管理委員会が作った腕章を付けて選挙運動としてやるのですが、そういう公職選挙法上の選挙運動は一切やっていません。
 
記者
 前回の記者会見では、一県民としてというふうにおっしゃっていましたけれども、それは通常だと、一県民というのは候補者の応援でマイクを握るのではなくて、演説を聞いてどなたに入れるかというのを見極めて、その上で投票するというのが一県民のスタンスだと思いますけれども、今回はそういうスタンスで行くということでよろしいのでしょうか。
 
知事
 私が公示後やっているのは、選挙管理委員会の「めいすいくん」が出てくるツイッターをリツイートして拡散を図ったり、また全国的にも投票に行こうというような漫画家の方がステッカーを作るという運動があって、それをリツイートするなどして、投票率を上げよう、投票に行こうということについて、急な選挙にも関わらず関係自治体が一生懸命準備して、選挙ポスターの掲示板をちゃんと間に合わせて立てたり、また期日前投票の体制を組んで、実際今やっています。また本番の選挙の体制も準備しているところでありますので、ぜひ皆さんに投票していただいて、高い投票率で有意義な選挙になるようにということ、そういうことについては働きかけています。
 
記者
 すみません、もう一点なのですけれども、公示前ではあるのですけれども、生活の党の畑先生の会合の方に出席されて、その場で当選してほしいというふうにおっしゃっておりましたけれども、知事は解散前後あたりからも、8人全員に当選してほしいというふうにおっしゃっていて、その点から畑先生に対して当選してほしいというのは、その発言の内容とは一致はするのですけれども、一方で畑先生個人に対しておっしゃると、どうしても対立候補の鈴木先生に対しては落選という、畑先生が当選すれば、比例復活がなければ落選してしまうという、ちょっとジレンマもあるのですけれども、こういう部分について知事はどういうお考えというか……
 
知事
 疑問であれば、今鈴木俊一先生にも当選してほしいと思っています。
 
記者
 わかりました。
 
知事
 なお、新人の皆さんも立候補していますよね。だから、解散前に衆議院議員だった8人だけではなくて、比例当選というのもあるわけですから、それ以上に岩手の衆議院議員が増ればさらにいいと思っています。
 
記者
 ありがとうございます。
 
知事
 だから、新人の皆さんには落選してほしいと思っているわけでもありませんので。
 
記者
 もう一点、先ほどの投票率の関係でなのですけれども、昨日ですか、ちょっとテレビのニュースで、愛媛県の松山市の方では、大学生の投票率を上げるために大学構内で期日前投票を実施するなど、そういう試みもあるようなのですけれども、今回はもう公示されているのですけれども、次回大きい知事選、県議選ですとか、あとは参院選の方で、そういう県内の大学での期日前投票所の開設とか、そういう方向にするというような何か考えはありますでしょうか。
 
知事
 選挙管理委員会ごとに、投票を何時まで受け付けるかといったことも含めて、それぞれ地域事情に合った形で、よりよい選挙にするような工夫というのをやっていますので、基本的にはそういうそれぞれの選挙管理委員会の主体性というのを尊重したいと思いますけれども、知事として、あるいは県の知事部局として、そういったことにどこまで関与していいのか、できるのかということを、のりをこえない範囲で、そういう議論とか、手伝えるものであれば、より良い選挙になるようお手伝いしたいとは思います。
 
記者
 先ほどの衆院選の関わりの関係なのですけれども、選挙管理委員会の「めいすいくん」のリツイートをされているのは拝見しているのですけれども、その他にお気に入り登録というものがあると思うのですけれども、生活の党の畑さんですとか、森裕子さんのツイートをお気に入り登録しているように拝見しているのですけれども、そこら辺の認識はいかがですか。
 
知事
 お気に入りについては、いろいろ参考になるような、後で読み返したいと思うようなものとかをチェックしておりまして、またそれについて特に拡散しようというような意図はなく、あくまで自分の中で勉強のためにお気に入りにして、後でもう一回見やすくするようにしています。
 
記者
 その結果が生活の党に限られているということなのですか。
 
知事
 特にそれ以外のいろんな論者とか、一般の人の発言とか、盛んにお気に入りチェックはしていると思いますけれども。
 
記者
 あくまで生活の党に偏っているという認識はないということですか。
 
知事
 例えば、ピケティの「21世紀の資本」という本が最近出て、それについて私は関心があるので、それをめぐる発言などはお気に入りチェックをしているのですけれども、そういう観点から、その人が生活の党関係の発言をしているというケースもあったようには思いますけれども、要は思想、信条の自由として、勉強したいことについて勉強していて、そういう中でどういうものの情報収集が多くなってくるかということについては、特に意識せずにやっています。関心の赴くままにチェックしているということです。
 
記者
 議会の方にちょっと戻らせていただくのですけれども、りばぁねっと関連の再発防止で、補助金交付に関する条例の方を検討なさっているというお話ですけれども、先日の総務常任委員会の方で、委員の人たちからかなり厳しい声といいますか、第三者の検証の方が先とか、条例化は必要ないのではないか、というような声がありましたけれども、これに対する所感と、今のままでは条例化の方は厳しいのではないかというふうにも見てとれるのですけれども、見直しなどの考えはあるのか、その辺の方をお聞かせください。
 
知事
 大雪りばぁねっと事件やDIOジャパン問題のようなことに関連して、補助事業執行が本来のあるべきものを実現できなくなるというのは、再発防止をしていかなければならないことであって、さまざまな再発防止の中で、1つの案として皆さんの意見を伺い始めているところです。市町村の意見も聞いていかなければならないと思っておりますし、こういう手もある、どうかというような、そういう皆さんの意見を伺うという作業はしていかなければならないと思います。
 
記者
 今の話に続けてですが、今の補助金の関係の条例化の検討については、そもそも他県でも例がないと、一部市であるというような話は財政課の方から聞いております。ただ、あえて条例をつくる意味があるのかと。もっとその前にできることがあるのではないかという議論も委員会の中で出ておりました。やっぱりつくらなければいけないという意義みたいなものを知事はどのように捉えていらっしゃるのか、改めてお聞きしたいと思います。
 
知事
 今回のDIOジャパンのように、もはや犯罪ということで司法手続、裁判にかかっているような、そういう主体であるとか、DIOジャパンの場合もやはり企業として期待されている責任に応えない、約束したことをやっていないのではないか、さらに期待されることをやらない、そういう主体が補助事業を受けにくる。かつ、また補助事業の額が大きくなる場合、特に大震災からの復興とか、大きな災害というのは、これからもあり得るわけでありますし、また民間の活力を活用しながら大きな仕事をしていくケースというのはこれからもあるでありましょう。そういったときに、今回みたいなことがないようにするということに資する条例案ではないかなというふうに考えています。
 
秘書広報室長
 事件になっているのは、大雪りばぁねっとの方です。
 
記者
 ありがとうございます。あと、衆院選の方に話を移らせていただきます。先ほど投票率のことがありました。それで、一応もう取材していてもちょっと低いようなのです、投票率。それで、今回投票率が低いのは、知事としてはどのように分析されているかお聞きしたいのと、あと前の会見のときは公示前だったので、今公示されて論戦が展開されていますが、一県民、あるいは有権者として、どのような点に今注目して選挙、県内あるいは全国の情勢をご覧になっているか教えてください。
 
知事
 選挙事務そのものは中立的な選挙管理委員会がやっているわけですけれども、そういう選挙管理委員会の予算とか人事とかは行政が整えるわけでありますし、また憲法尊重擁護義務を持つ行政としましては、やはり投票には行ってくださいと言うしかないです。投票に行かなくていいという理由には、投票者が急に病気になったとか(あるかもしれませんが)、ただそういったことに関してもさまざまな配慮はあり、期日前投票ということも、誰でも投票に行けるようにという配慮なわけでありますので。ですから、特に政局とか政策とかいう次元で投票率が低くていい理由はないと思っていますので、改めて県民の皆さんに投票に行きましょうと私からも呼びかけたいと思います。
 
記者
 今回低くなりそうな理由が何かというところまで、知事という立場を離れて一県民、有権者として……
 
知事
 今離れるわけにはいかず、やはり投票率が低くていいなんていうことは言えないし、あってはならないことなので、選挙管理委員会の中立性は侵さないようにしつつも、そこは岩手県のみならず市町村とか、国とか、あらゆる行政は投票率が高くなるように、一人でも多く投票に行くようにということを目指していかなければならないと思っています。
 
記者
 あくまで知事の立場を離れた形で、今何かを言うということは……
 
知事
 今はちょっと離れられないです。
 
記者
 わかりました。さはさりながら、もう一つお聞きしたいのは、自由に関わるということだったので、最終盤これからありますけれども、今後もどなたかのマイクを握ったり、個人演説会とかで特定の候補のために何かをするということは、この選挙期間中はないのでしょうか、いかがですか。
 
知事
 自由にさせていただくという原理原則はあるのですけれども、それだとかえって混乱するでしょうから、よりわかりやすい答えとしては、今そういう誰かのマイクを持つとか、選挙運動をするとかという予定は全くありませんし、今何かするというつもりも全くありません。
 
記者
 今の関連なのですが、投票率についてなのですが、有権者と接していると、今回投票に行かないという人たちの中には、理由を聞くと、政治不信の中で抗議の意味を込めて行かないという話をよく聞くのですけれども、知事は選挙が始まる前に、投票に行くというのは主権を行使するということで、天皇陛下になったような気分で投票に行ってくださいと、そういうアドバイスもされましたけれども、この抗議の示し方で棄権をするという、こういう行動というのはどのように受け止めますか。
 
知事
 主権者ですから。だから、昔で言えば天皇陛下がやっていたような役割で、天皇陛下だって、あの人に総理をやらせるのも嫌だし、あの人もだめだよなとか思ったことがあられるのではないかと思うのですけれども、戦前ですけれども。だから、誰にもやらせないという選択肢は、主権者にはないのだと思います。
 
記者
 ありがとうございます。これから、あるいは投票率どうなるかわからないですが、今の有権者の空気感からすると、やっぱりその低下が懸念されると。その中で、一方ではこのまま与党が大勝するのではないかというような報道もされています。投票率が下がると見込まれる中で、与党がある意味信任されると。これは民主主義の中で有権者が決めることですから、これはもちろん尊重されなければいけないですけれども、ただ低い投票率の中で特定政党が圧勝しそうだという、これについてはどう受け止められますか。
 
知事
 選挙の結果を予想しようとは思いませんし、またさまざま予想が出ていることに対してもコミットしようとは思わないので、それについてはあくまで結果を踏まえて判断し、行動するということだと思います。
 
記者
 わかりました。では、この点についてはまた選挙が終わってから改めて伺いたいと思います。ありがとうございます。
 
広聴広報課
 それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は12月22日(月曜日)の予定です。

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