平成26年11月27日知事会見記録

ID番号 N30400

平成26年11月27日10時30分から10時57分

広聴広報課

 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。
 
幹事社
 本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いします。
 
記者
 きょうから12月定例会が招集されます。この間、継続審査になっていた2013年度の一般会計の決算の集中審査もあした予定されております。改めて、今定例会に臨むに当たって知事の所信を教えてください。
 
知事
 本格復興期間に入り、またその初年度、本格復興推進年ということで復興関係もさまざま大きく動いているところですので、そういったところを県民の皆さんに周知し、また理解を深めていただく、そういうやりとりが議会の中でできればと思っています。また、ことしは人口減少問題と、それに関して、いわゆる地方創生ということが大きなテーマ、地方においても大きなテーマになっているところですので、そういった関係についても県民の皆さんは期待しているのではないかと思います。
 
記者
 ありがとうございます。そして、この定例会中に衆議院解散総選挙も公示される予定です。各政党の方の政権公約等も徐々に示され始めて、そろい始めております。改めて、知事のお立場として今選挙をどういうふうに見ていきたい、あるいはこういうところが争点になり、どういうふうに論戦が行われてほしいというのがあれば教えていただきたいと思います。
 
知事
 11月15日に知事選3度目の立候補の表明をしたところでありますけれども、その際、なぜもう一度ということで、東日本大震災という非常事態、そしてオール岩手で復興に取り組む中、この本格復興期間という時期を迎えているということが来年の知事選に立候補する理由でありますので、論理必然的に復興最優先ということで、県民党のスタンス、そして勝手連的な体制ということも併せて発表したところであります。
 そういう意味で、今回の衆院選に当たってもオール岩手のスタンスといいますか、視点といいますか、そこでいろいろ考えたり、また県民の皆さんにも呼びかけたりしたいと思いますので、そういう意味では12月、師走の押し詰まった時期の選挙、かつ国政の流れからすると唐突感が否めない選挙ということではありますけれども、やはり国民主権の大事な投票権を行使する貴重な機会でありますので、県民の皆さんにはそれぞれの自由な形で選挙というものに参加をしていただき、そして棄権することなく投票に行ってほしいというふうに呼びかけたいと思います。
 
記者
 ありがとうございます。県民には、そういうふうに有権者に呼びかけるということです。知事ご自身は、この選挙についてはどのように関わるというか、一有権者として今おっしゃったような趣旨で見ていくのか、あるいは何か関わっていくのかという点はいかがでしょうか。
 
知事
 そこは一県民として、あるいは全ての県民と共通なスタンスで、憲法が保障する国民の自由と権利を大事にしながら選挙に臨みたいと思います。
 
記者
 先日生活の党県連の方で選対が立ち上げられて、その中で選対本部長の主濱了参議院議員が、達増知事に関して知事選に出馬されて、県民党を標榜されたというのを踏まえつつ、どういう協力というか、連携というか、あり方があるか検討したいとおっしゃっていたのですが、そうした政党からの投げかけに対しては、どのように今の知事自身のお気持ちというか、お考えはどうなっているでしょうか。
 
知事
 それは知事選挙に向けての体制づくりという中での協力関係ということかと思いますけれども、そこはまずこちらから政党、会派への推薦は求めないというスタンスなのですけれども、応援したいという中でどういうふうに応援していくかというような相談はそれぞれ、これはどのような団体であれ、あるいは個人であれ、相談はさせていただきたいなというふうには思っています。
 
記者
 特に現時点で、特定の政党と何かそういった発信みたいなものを知事自身が受けているということはありませんか。
 
知事
 具体的な相談事ということにはまだ特に入っていません。
 
記者
 ありがとうございます。あと知事ご自身から離れてなのですけれども、ここ最近で野党連携がかなり進んでいるようで、県内でも選挙区で前回とは違った民主党と生活の党ですみ分けができ、あと、きのうなのですけれども、1区の候補予定者から2区の別の党の候補者の応援を頼むというような表明があり、その2区の候補から、所属とは別の政党からその政党に推薦要請があったようです。こうした野党連携については、知事自身はどのように評価されますか。
 
知事
 オール岩手の視点からしますと今岩手県、今というか、解散前の時点では8人衆議院議員さんがいて、そして力を合わせて国会の歴史の中でも今までなかったような議員立法をなし遂げるというような、そういう実績も上げているわけですから、そういう皆さんに引き続き仕事をしていただけるようなというのはオール岩手的にも期待されていることだと思います。
 
記者
 知事自身は県民党ということで、当然与党、野党の別はないという、前職8人ということも考えるとですね、そうすると、野党に限って何か連携するということに対して、野党連携ということだけを絞って評価するというのは、なかなか今の時点では何か評価とか踏み込んで発言するというのはあまりする考えがないということなのですか。
 
知事
 一方、そういう戦術的な議論はいろんなことがあり得るのでありましょうから、そこはそれぞれの政党や政治家の皆さんが工夫することだと思いますので、そういう意味でもそういうところには、私からはとやかく言わず、全体として岩手県民にとっていい結果が投開票日に出ることを期待しています。
 
記者
 ありがとうございます。あともう一点だけ、今回与党安倍政権の方はアベノミクス解散というふうに銘打って、そういった今までの安倍政権が行ってきた2年間の政策を問う選挙というのを言っていて、野党はそれ以外の争点が安全保障関係のものだったり、原発の関係のものだったり、いろいろ争点化しようと動いていますけれども、今衆院選の争点について知事はどのように捉えていらっしゃいますか。
 
知事
 私は一人一争点、有権者の側にそれぞれ争点があって、やはり子育て支援で困っていて、子育て支援こそが大事なのだという視点からそこで誰に投票するか、どの政党に投票するかを決める人がいてもいいと思っていますし、あるいは再生可能エネルギーということをやりたいと、そういう視点から誰がいいか、どの政党がいいかと選ぶことがあってもいいと思います。そういう自由は有権者の側にあると思っていますし、また有権者は主権者として、昔であれば、外国であれば王様、日本であれば天皇陛下が持っていた主権をそれぞれ担っていて、誰を総理大臣にするか、どういう人たちに政権を委ねるかというのを決めるのが主権者ですから、理想を言えばそういう大所高所から一人一人が昔の王様、天皇になったつもりで、主権者という意味でなったつもりで、ここはこの人あるいはこの人たちに任せるというふうにそれぞれが決められる、そういう選挙であればいいなと思います。
 
記者
 衆院選の関係で改めてちょっと確認をさせていただきたいのですけれども、先日出馬表明の会見の際には、まだ解散というのが正式に決まっていないので、どこか特定の政党支持をするなり、特定の候補者を応援するということには触れてはいらっしゃらなかったと思うのですけれども、改めて現時点でのお考えとして、どこか特定の政党、候補者などを支援するというお考えがあるかどうかを教えていただきたいのと、現時点でどこかの政党なり、団体の方から支援要請というか、応援の要請のようなものがあるのかどうかというのを教えていただきたいと思います。
 
知事
 今応援要請、支援要請はありません。そして、今までもそうだったのですけれども、選挙に当たっては自由に関わらせていただきたいと思っております。その自由な関わりの中で、今回は県民党スタンス、オール岩手の視点から臨みたいというふうに思っています。
 
記者
 すると、例えば仮の話で恐縮ですけれども、どこかの陣営なり、政党の方から支援要請などがあった場合の応援するかしないかの判断基準というのは、今のところどのようにお考えですか。
 
知事
 まず、自由にということがあるのですけれども、そしてオール岩手の視点というのがあるのですけれども、選挙というのはわからないですからね。昔も橋本総理のときのあれは参議院議員選挙でしたか、選挙戦の最中に消費税増税に合わせた所得税減税が恒久減税なのかどうかという話で、恒久減税ではないみたいな話を選挙中に総理大臣が話して、それで一気に選挙の構図が変わったということもありますので、特定政党があからさまに復興をぶち壊しにするようなことを主張し出したり、あるいはある政党やある候補者が、岩手県民全体がこぞって復興はこうでなくては困るとか、岩手の未来を考えるとこうでなくては困るとか、そういう事態になれば私もそういう岩手県民と行動を供にしたりすることはあり得るのですけれども、ただそこは今全然どういう展開になるかは予想がつかないわけでありまして、そういう意味で今大事なのは自由に、かつオール岩手の視点でという、そういう原理原則をきちんと自分の中に持っていることだと思っています。
 
記者
 そうすると、先ほどの質問にもありましたけれども、今回は民主党、生活の党との1、3と2、4のすみ分けであったり、昨日階さんから畑さんへの支援表明というようなこともありましたけれども、そういう野党連携なり、すみ分けとか対立抗争にはならないということについては、岩手県にとってはどういうふうな評価をされますでしょうか。
 
知事
 岩手県民の中には、何が何でも特定政党あるいは何が何でもこの人をという方もいっぱいいらっしゃいますので、そういった人たちの思いも私としては配慮しなければならないと思っています。一方で、解散前に岩手の衆議院議員という人たちが8人もいて、復興についてどんどん国会で、国政で発信をし、そして議員立法の取りまとめ等でも活躍されたということは、岩手全体にとってそれはありがたい話であるということもあるわけでありまして、そういったところを念頭に置きながら見ていきたいと思います。
 
記者
 今のお話の前段のところの特定政党、この人という人というのはいっぱいいるとおっしゃいましたけれども、それは野党連携がそういう人たちには決してプラスにはならないかもしれないということの意味でおっしゃられましたでしょうか。
 
知事
 そこは岩手の有権者は100万人くらいいらっしゃいますので、オール岩手の視点というのは100万全体としての総意的なことも大切にしつつ、一方で一人一人の投票行動ということも大切にしたいという、そういう思いの中で適切に関わっていきたいというふうに私は思っています。
 
記者
 選挙に関連してなのですが、有権者の一人一人の行動が大事だという話なのですが、実は最近の選挙でその行動がなかなかなされないというのが一つ課題なのかなと思っておりまして、例えば今月行われた滝沢市長選挙あるいは大船渡市長選挙では投票率過去最低ということで、ちなみに3年前に知事が再選されたときの知事選の投票率も過去最低ということなのですが、この現状をどう捉えていらっしゃるかということと、あとその原因をどういうふうに分析されていますでしょうか。
 
知事
 衆議院議員でいたころは、そういうものは基本的には政治の側の責任であって、投票率が高まるような努力を政治の側が積極的にしていかなければだめと思っておりました。他方、今知事としては、これは選挙管理委員会もそうなのですけれども、やはり投票率を上げるべきだということで、選挙管理委員会も中立の立場から投票に行こうということを呼びかけていますし、また私としてもさまざま投票に関わる人やお金の問題等、知事部局としてさまざま対応できることもありますし、そういったことも含めて投票率が上がるように努めていきたいと思います。
 
記者
 投票率が下落傾向にあるというところの背景は、どういうふうにご覧になっていますか。
 
知事
 究極的なところは、衆議院議員時代には、やはりそこは政治の側の責任だというふうに思っていました。政治というのは、例えば天変地異が起こったとしても、それを天変地異のせいにせず、それで人々が困っていれば政治の責任でそこは手当てするというように、自分たちの責任というのをより広く見ていくのが政治の本質でありますので、そこはやっぱり政治の側が頑張るべきだと思うのですが、ただ知事としては政治のせいだとは言えないので、知事としてはちゃんと投票率が上がるような、これは市町村や、それから選挙管理委員会もそれぞれ努力するわけで、そういった努力を支援しながら全県的に投票率が上がるよう呼びかけていくというところです。
 
記者
 ありがとうございます。選挙というのは、言うまでもなく民主主義の根幹で、国の形をつくる大事な機会だということだと思いますが、投票率がこれだけ、どんどん下落傾向をしていくときに、知事が危惧されているというか、懸念されていることというのは何かありませんか。
 
知事
 さっきも言いましたけれども、昔天皇陛下が持った権利を持っているわけですから、それを行使しないでいると、今の時代において本来の自分ではなくなってしまうと思うのですよね、有権者一人一人が。だから、民主主義の時代、21世紀の今の世の中を生きていくに当たって、やはりそれぞれがちゃんと主権者として考え、行動するということをやるべきときにきちっとやっておかないと、それはその人自身にとって困ったことになると私は思います。
 
記者
 ありがとうございます。ちょっと話を変えますけれども、今度の衆議院選挙の投開票が12月14日ですけれども、その1週間前の日曜日にいわて復興塾の修了のセレモニーがあると思いますけれども、来年以降はどのような形にするか考えていますでしょうか。
 
知事
 来年以降のあり方については、12月7日に発表する予定で、今最後の調整をしている段階であります。ということで、発表事項はあるというくらいの予告で、きょうのところはとどめさせていただきたいと思います。
 
記者
 ことし1月から本格的に講義を開始したと。1年やったわけですけれども、知事は復興塾の中でかねがねオール岩手の復興ということで超党派、党派の垣根を越えてという話をされていますけれども、この1年やってみて党派を越えたオール岩手の機運というか、共感が広がってきたという手応えはありますか。
 
知事
 そういうネットワークづくりは、かなりできたのではないかと思います。また、何かあればそのネットワークの中に入っていったり、あるいはそのネットワークとつながることができる、そういう場をつくってあるということも意義があると思っています。そういう意味では、基本的に成功したと思っていますので、そのスタート時点での趣旨がより良い形で、来年以降形になっていくようにしていきたいなというふうに思います。
 
記者
 知事に一有権者としてちょっとお尋ねをしたいのですけれども、今回の選挙も岩手県ですと東日本大震災からの復興ということが候補予定者からもさまざまいろいろ、例えば前職であれば実績をお話しになったりとか、新人の方であればこうやりたいというふうなことを表明されているのですけれども、一方で復興は皆さん方向は一緒かなと、知事もよくおっしゃるオール岩手ということ、復興についてはそうだと思うのですけれども、また有権者は復興について、政治、今回の衆院選を見たときに、何を争点というのも特には明確にAかBかというふうに分かれてはいませんですし、復興について衆院選を通して何を見ていけばいいのか、知事のお考えを。
 
知事
 一つ、これは裏技というか、裏ではなく、ある種王道の奥義ですけれども、それはさっきから言っていることなのですけれども、自分が天皇陛下になったつもりで、この局面で誰に任せるかというのを自分が決めなければならないとしたら誰にする、あるいはどの政党にするという発想で決めればいいと思います。そうすると、まず政策で比較する、しかし政策で区別ができないのであれば、その人の過去の、その人あるいは政党の過去の言動でありますとか、また人間性でありますとか、最終的には決める本人、投票する本人、主権者本人の人間性とか、あるいは世界観とか、人間性というより人間観ですね、人間観とか世界観が問われるのですけれども、ただそういう中で決断していくというのは本当の自由を感じることができる非常に良い機会なので、そこは有権者の皆さん一人一人が他にいろいろやることがある忙しい中で大変なのですけれども、やはりこの世に生まれてきた者として生まれてきたかいがあったなという実感を持てるのが主権者としての自由を行使するところですので、そこはそれぞれ頑張っていただきたいと思います。
 
記者
 今は有権者の側からお話ししていただきましたけれども、今度は政治家の側に立ってご意見をお聞きしたいのですけれども、そうすると政治家は復興についてこうですよとか、政策はこういうことをやっているのですよということで、逆に有権者に自分の口で知らせることができる、あと考え方だったりとか、知らせることができる機会だと思うのですけれども、いろんな方がいろんな復興について話をするということは、政治家としてはどういうふうな機会というふうに捉えればいいとお考えでしょうか。
 
知事
 私は、3年前の知事選挙が、東日本大震災が起きて、その直後と言っていいような時期の選挙で、改めて選挙までに準備してきた政策について説明するとともに、またそれを必ずやりますからと、そういう心と心の結び付きのような、そういう信頼の獲得というようなことができるように努めて運動をしたなと思っていて、理屈として政策の中身が伝わっていくというのも手応えであり、喜びだったのですけれども、結構目と目が合ったときに何かバチバチッと、やろうみたいなお互いに復興を頑張ろうみたいなことが言葉にしなくても、すごい手応えだったり、またそこにすごいやりがいも感じたので、立候補する側と、また投票する側との間にできるだけそういういいコミュニケーションができて、その中で有権者の側としてもこっちもいいし、こっちもいい、この党もいい、この党もいい、そういうプラスの悩みの中で決められるような選挙になればいいなと思います。
 
広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は12月10日(水曜日)の予定です。

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