平成26年10月24日知事会見記録
ID番号 N29563
平成26年10月24日10時30分から11時18分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
知事
まず、知事の欧州訪問について。11月5日から11月12日まで、フランス共和国及びスイス連邦を訪問します。11月7日には、フランスのパリで復興支援をいただいた方々をお招きし、「岩手県復興報告会」を開催します。フランスをはじめ欧州各国からは、東日本大震災津波からの復旧、復興に対して多大なご支援をいただいています。また、欧州各地では復興関連の展示を実施していただいていますし、またルーブル美術館による巡回展が岩手県において行われ、高校生向けのワークショップも継続して実施していただいています。復興支援による岩手と欧州のつながりが育まれています。このつながりを大切にし、深めていくことが復興の力になるということで、フランス、パリでの行事では、これまでの支援に対する御礼を述べるとともに、復興を通じて生まれ変わる岩手の姿を発信して、震災の記憶を風化させず、国内外の継続的な支援を実現していきたいと考えています。
また、今回の欧州訪問においては、セルン(欧州原子核研究機構)を訪問し、国際リニアコライダー、ILCの建設実現に向けた取り組みを説明します。
また、パリ市では、世界ジオパークネットワークを訪問して、三陸ジオパークの取り組み状況と将来的な世界ジオパーク認定に向けた取り組みを説明します。県の重要プロジェクトの推進に向けた働きかけを行います。
また、フランスのアルザス州で開催されますコルマール国際旅行博に岩手県ブースを出展し、漆をメーンテーマとしながら、岩手の情報発信、PR等を行うこととしています。
次に、発表事項の2つ目は、「食べよう!いわての美味しいお米。」運動についてです。米の消費減少や価格の低迷などによって、米を取り巻く環境が厳しさを増す中、岩手の農業を元気にするため、「食べよういわての美味しいお米」をキャッチフレーズに、県民の皆さんに岩手県産米の消費や需要を喚起して、消費の拡大に結び付ける県民運動を展開します。
推進主体は、県と県、農業団体等で構成する「いわて純情米需要拡大推進協議会」です。既に県庁内には関係部局等で構成するプロジェクトチームを設置して、全庁を挙げて具体的な取り組みについて検討を行って、いろいろ準備しています。
当面の取り組みとしては、県内88店舗のサークルK及びサンクスで、岩手県産のひとめぼれを使用したおにぎりやお弁当が販売されます。また、盛岡市内の幼稚園で、園児たちにごはん食の良さを理解してもらう「おにぎり教室」を開催します。イオン盛岡店で開催される「いわてうまいもの市」で県産米のPRを行います。
また、この運動は、経済界をはじめ県民一丸となって取り組んでいただくために、11月2日に開催されるいわて未来づくり機構のラウンドテーブルで私も出席して、お米がおかれている現状や危機感を共有しながら議論を深めて、対外的にも広くアピールしていきたいと考えています。
また、知事によるトップセールスで積極的に県産米のPRを行うほか、この運動を広く県民の皆さんに浸透させながら、オール岩手で岩手の米づくりを応援することによって、地域の活性化にもつなげていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項2件について、各社さんから質問があればお願いします。
記者
おいしいお米運動の方で、開始時期を特に明記していないのですけれども、どのぐらいの期間を集中的にやるか、あるいは長期的にわたって行うのかというところは、もし知事としてどのように見通されているか、あれば教えていただければと思います。
知事
米の消費拡大というところが目的ですので、そのために、締め切りありき、期限ありきでやる運動ではありませんので、いろいろ走り出しながら、あれもやろう、これもやろうとか、いろんなアイデアもどんどん出てきているところですし、いいアイデアがあればどんどんやっていきたい。それは、何日以降のことはだめとかというふうには決めないでやっていきたいと思います。
幹事社
発表事項について他にありませんか。それでは、発表事項以外についてなのですけれども、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意はございませんので、各社さんから何かあればお願いいたします。
記者
県議会について何点かお願いします。
まず1点目なのですが、きょう未明の決算特別委員会で、平成25年度一般会計決算について継続審査ということになりました。この原因をどう考えられているのかということと、受け止めをお聞かせください。
知事
決算特別委員会においては、特定非営利活動法人大雪りばぁねっと及び株式会社DIOジャパン関連コールセンターに係る緊急雇用創出事業等に関し、さらに慎重審査を行う必要があるということで、そういう判断をしたというふうに聞いています。特にDIOジャパン問題については、国、県、市町村が一体となって今も調査を行って、事実関係の究明等、問題の解決に取り組んでいるところでありますから、県議会もこの問題に一緒に取り組んで対応していこうということ、そういう姿勢は大変ありがたいことだと思っておりまして、国、県、市町村、さらに県議会も一体となって、この問題の解決に取り組んでいくことができればと思います。
記者
ありがとうございます。では、きのう深夜の決算特別委員会の中で、DIO問題に関してはこれまでも高額リースの問題が取り上げられてきましたけれども、きのうの深夜になって、商工労働観光部が新しい資料を出してきましたけれども、このリースについては、高額なリース料を計上したその翌年に無償譲渡がされているという実態の中で、これは事実上の買い取りではないかという議会の指摘がありまして、これがいいのか悪いのかということに関して、県はこれまで平成25年5月13日の厚(生)労(働)省通知で、それ以降は認めないと、認められないという見解が示されているという説明をしてきたのですけれども、きのうの深夜の委員会で新しい資料が提出されたのを見ますと、その厚労省通知の3週間前に、岩手県が厚労省に高額リースの計上と、それが事実上の買い取りに見えるのだけれども、これはいかがかという照会をしたときに、厚労省からそれは認めても良いという判断が示されたという資料を出してきました。その3週間後になって厚労省が通知で、これはまずいと、やっぱりこれは認めないという通知を出してきたと。つまりこれは厚労省の判断ミスがあったという受け止め方もできるのですけれども、これをあえて4月23日に一旦厚労省が認めたというのを県議会で一切説明してこなかったわけなのですけれども、これというのは厚労省の判断ミスが表に出るとまずいということで、厚労省から何か要請があったのかどうか。あるいは県が独自で、それをあえて説明しなかったのか、担当からどのような報告を受けていますでしょうか。
知事
それぞれ関係者が説明するときに違う言い方で説明したりしていることがあるのかもしれませんけれども、基本的に国と県、それから市町村も一体となって連携しながら問題の解決に取り組んでいるところで、特にそごがあるとは思っていません。今後も国、県、市町村一体となって、問題の解決に取り組んでいきたいと思います。
記者
ありがとうございます。では、最後ですけれども、関連で。きのう橋本商工労働観光部長が緊急雇用創出事業については問題はなかったという答弁を繰り返しされていましたけれども、決算特別委員会にきのう深夜に出してきた厚労省の資料なんかでも、さまざまな緊急雇用(創出事業の)期間の疑義というのが示されていて、県内の調査でも緊急雇用(創出事業の)期間に不適切な業務が徐々にいろいろ明らかになっているところですけれども、それでもやっぱり緊急雇用創出事業は問題がなかったというこの答弁というのは、知事も同じような見解でよろしいのでしょうか。
知事
事業の期間内において、雇用が確保できた、仕事がなければ他のところ、県外に行ってしまうかもしれないような人たちが県内にとどまったとか、そういった意味では目的が達成されたというところはあるのだと思いますけれども、一方で事業の趣旨からいって不適切なことが当該企業において行われたのではないかということは、それはまさに疑いがあるという、県からそれは国の方におかしいのではないかと示したりもしているわけでありまして、かつ今国、県、市町村一体となって調査も行っていかなければならないという認識です。
記者
決算特別委員会の中では、DIOジャパンをめぐる話の中で、県の事前審査とか信用調査、誘致に関する問題も意見が結構多くて、不十分だったという意見が相次ぎました。改めて県として、部長の中でも危機管理の部分で反省すべき部分があるという答弁もありました。改めて県の最初の対応について、知事の所感をお願いしてもよろしいでしょうか。
知事
企業立地というものは、思い切ってチャンスにかけるというような形で、そもそも海のものとも山のものともつかないようなところからいろいろ働きかけたり、あるいは先方からの働きかけに対してきちんと対応するなどして、岩手県内において一人でも多くの雇用を、一日でもいいから働いて稼げるようにというところが企業立地の目標であって、そこは画一的な対応ではなく、相手企業に応じたいろんなやり方で、かなり自由自在に思い切ってやっていかなければならない政策分野、それが企業立地ということだと思います。
一方、補助事業ですね、そういう他の緊急雇用創出等、企業立地の一般の政策目標とはまた違う政策目標に従い、かつそれ専用の予算で補助事業として行う、この補助事業については補助金が適正に使われるということについて、これは厳しく見ていかなければならないわけであって、その点については大雪りばぁねっと。事件のこともありましたので、県としては今年度初頭から体制も強化し、また新しいマニュアルも作って、また教育訓練も県職員に対して行って、さらに大雪りばぁねっと。事件、またDIOジャパン問題ということで大変悩まされた岩手でありますから、他県に先駆けて補助金適正化法のような条例を独自につくって、補助金の執行についてよりしっかりと行えるような体制を作っていくということで対応していければと思います。
記者
きのうの委員会の中では、あくまで昨年度の対応、誘致の部分で、危機管理の部分で反省すべき点があったと思うという答弁もあったのですけれども、改めて振り返られて対応という部分では反省すべきところ、もしくはそれぞれあると思うのですけれども、その反省すべきところがあったかどうかも含めて、知事、改めて所感を教えていただけますか。
知事
危機管理というのは、議会との対応の中でそういう話が出たと承知しておりますけれども、議会の疑問に対してきちん、きちんと的確に答えているかということについては、いまだに議会としてはもっともっと審査を続けていこうということになっているわけですから、そこで一種のけりをつけるというようなところまで至らなかったということはあるのだと思います。他方、危機はまだ続いているわけで、その危機管理ということもまだ続いているわけで、繰り返しますけれども、国、県、市町村が一体になって、まだ調査を行って、現状、事実の究明と、そして問題の解決にまだ取り組んでいる最中ですから、これはこれからもしっかり取り組んでいくということだと思っています
記者
最後、ごめんなさい、1点。継続審査はこれで4年連続、9月議会では4年連続の継続審査ということで、改めて受け止めを、極めて異例な部分という部分もあると思うのですけれども、教えていただけますか。
知事
今回、先ほども申し上げましたけれども、DIOジャパン問題は今継続中の問題で、行政側も、国、県、市町村、フルで取り組んでいるわけでありまして、県議会においてもしっかり取り組んでいくということはありがたいことだと思っています。行政側と県議会が力を合わせてこの問題を解決していければというふうに思います。
記者
引き続き決算の件で、きのうのやりとりで、商工労働観光部の審査のやりとりで出てきた話で、公募についてなのですけれども、緊急雇用創出事業の。県議からの指摘だと、ある程度手を挙げる人が定まっている状況というか、ほぼ決まった段階で公平性と競争性を保つために公募をかけるというやり方があったのではないかという指摘がありました。恐らく、私も行政取材をしていると、これは県のみならず、市町村政でも同じようなことが見受けられるのですが、知事はこうした公募をすること、事業選定に当たって委託等をする場合に、そういうものは行政の手法として、あるいはそういう公募ということはありとお考えでしょうか。
知事
ケース・バイ・ケースで、工業用地が余っていて、10年も20年も使われない、誰でもいいから来てくださいというときに公募すれば、1年でも2年でも公募し続けるとか、いろいろそれはケース・バイ・ケースなのだと思います。一方、東日本大震災直後、人口流出も防ぎたいという中での緊急雇用創出という趣旨に沿った公募の形というのも、今回それぞれ市町村が工夫してやったということだと思います。
記者
今回、花巻の事例でそれを取り上げられたのですけれども、個別のことですが、それに絞った形では、これはケース・バイ・ケースとしてはやはりありだというふうにお考えでしょうか。
知事
そこは、それぞれの市町村が工夫し、事業の進め方そのものについては市町村の判断において行われたということだと思います。
記者
ありがとうございます。あと、済みません、もう一点、補助事業者としての県という立場で、きのうもやりとりがありまして、緊急雇用(創出)事業は県が主体になる場合、直営であったり、委託する場合でも、県そのものが主体になる場合もありますし、今回のコールセンターに関しては市町村が実施主体となって、ただ緊急雇用という性格上、基金を、交付金の事業というのは県が受けたものを交付する形になるので、補助事業者という形になるわけですが、そこに対する県の責任を問う声が県議から出てきたわけです。それに対して、直営でやる部分と種類は違うと思うのですが、全体として県がどのぐらいまでの範囲を責任を負うのか、これから条例の制定に向けた作業でその辺りの詰めがあると思うのですけれども、その認識をもう一度知事から今の時点で教えていただければ。
知事
実態として、今各市町村がいろいろ調査したものを厚労省に報告する際は、一旦県で取りまとめて報告していますし、また国から各市町村に指示が出るときも、県を通じて市町村に指示が行くというようなルートもあり、そういう意味で、県としては全然人ごとということではなくて、県も県としての主体性を持ってこのトラブルに取り組んでいるところであります。それが国の動きについては法令上の根拠があるのですけれども、県の動きについては実態としてそういうふうに動いているということでありまして、法律上の根拠を条例できちっと定めることによって、市町村との関係や、県のそれぞれの担当も、より迷いなく動けるようになるでありましょうし、また岩手がいち早くそういうものを定めると、岩手は手強いぞと、岩手の市町村をだましたり食い物にしたりするのはより難しくなるということをアピールする効果もあると思っています。
記者
ありがとうございます。あと、済みません、もう一つ。今国、県、市町村で協力してこの問題に対して調査をしておりますが、ある程度調査が終わった段階で、県の責任というものがどういう範囲であったかということを踏まえた上での条例の制定になるというふうな考え方をしてよろしいでしょうか。
知事
法令違反とかそういうものがあれば、もうこれはこの瞬間にも、そういうものがもしあればそれは明らかにされて、それ相応の罰を受けるとか、処分をするとかということは、瞬間、瞬間にしなければならないことだと思います。ただ、そういう(法令違反などというもの)は今ないわけでありますけれども、論理的には、何か法令違反であるとか、不適切で会計検査の指摘の対象になるとか、そういうものが早目、早目にわかることにこしたことはないわけですし、またわかったらすぐそれに見合った断固とした対応がとられるということが必要で、何かスケジュール的にいつまでにやるとか、どういう段取りの中でやるとかという話ではないと思います。法令に違反し、ルールに違反しているということについては、極力早くそれは明らかにされなければならないし、明らかになり次第、厳しい対応がとられなければならないと。県についてはそういうことです。
記者
今の質問にもちょっと一部関連するのですけれども、責任の所在の部分でなのですが、DIO問題に限らず、山田の件もありましたけれども、緊急雇用創出事業の制度設計の部分で、何かしらの問題が発生した場合に、事業主体が基本的に責任を負うべきものなのか、それとも今回の県のような補助事業者もある程度責任が及ぶものなのかというのが非常に曖昧になっているような事業、制度設計になっているような印象が、この県議会での議論を聞いていると感じるのですけれども、その辺りも含めて制度設計の見直しなり改善なりを国の方に求めていくとか、あるいは問題提起をしていくというようなお考えはありますでしょうか。
知事
大雪りばぁねっと。事件については、刑事事件になっているのでわかりやすいと思うのですけれども、それはもう犯罪として、刑事事件として責任追及がなされていて、山田町なり岩手県なりが何か共犯とかになれば、それはその責任を厳しく罰せられるという形で責任追及がなされるわけであって、今大雪りばぁねっと。事件の被告が裁判で、「自分たちは全然悪くない、悪いことはしていない」と言い張っているのですけれども、あの調子で山田町の担当の人たちが、あのけんまくで、「だからこれを認めてくれ、あれを認めてくれ」とやられたときに、どれだけ山田町の担当の人の責任を追及できるかということは、まさに今裁判で山田町の受付担当も瑕疵があったと認めればそういうことになるのだと思います。だから、大人の社会、世の中で、責任をはっきりさせるという仕組は、司法も含めてそこはかなり整っているわけでありまして、ただ補助金の執行の適正化ということに関し、問題があったときに国は立入調査できるけれども、県はそうはなっていないとか、そういう問題の解決が、やり方がはっきりしていないというところが問題であって、そこをきちっと条例の形で法整備するということによって、それは問題が発生したときにきちっと対応できるということと、あとはそもそもそういう体制がある地方自治体というところに何かうそをついてだまそうとか、そういう不心得者が近づきにくくなるという効果もあると思っています。
記者
緊急雇用創出事業でDIOの問題がかなり取り上げられておりますけれども、県議会の決算特別委員会の議論の中で、やはり緊急雇用をやる以前に企業誘致ということで入ってきたという部分があると。県議からは、企業誘致と緊急雇用はセットであると。県が誘致してきたのだから、入り口の部分で県にも責任があるというような論調もあるのですけれども、そういう観点から見ると、県の責任というのはあるというふうにも感じられるのですが、知事はどうお考えですか。
知事
誘致というのをどういう意味で使っているか、なのですけれども、本質的には岩手に工場を建てたいとか、事業所を開きたいというところがそういう手続をしていかないと、そこに工場も建たないし、事業所も開かれないわけで、そこはもうひとえに民間主体の意思決定に基づいて行われることであって、そこ自体を県がやるわけではありません。それは市町村の側もそうですよね。情報提供、この企業が岩手に工場を建てたい、事業所を開きたい、何人雇用できるという見通しがある、そういう情報というのは、やはり基本的に積極的に情報はどんどんシェアしていくべきであって、そのことを誘致というのであれば、それは情報の共有ということはやらなければならないことだと思います。そして、それに基づいて自己の責任において判断して行動を決定するというのは、市町村には市町村なりのそういう決定、自己の責任の範囲で行う決定があり、県には県であるわけですけれども、そういう中できちっと進んでいけばいいということだと思います。
記者
市町村の中では市町村の中で範囲があり、県には県の中で範囲があると、きちっとやるべきだというお話ですけれども、現状の認識として、県には県であるという範囲の中では、その範囲の中では責任があるというふうに、今現状はどう捉えていらっしゃるのですか。
知事
県において許可、認可とか、そういう法令上の権限があることについて、不法なことがあったりしたということはないのだと思っています。
記者
あともう一点、今回一連の問題、県議会で議論されている中で、県の責任を求める声が相次いでいますよね。その中で、まず反省すべきところは反省して、そこから真相というか、検証して、再発防止につなげていくという、県の認識をただすような質疑もかなり重ねられているのですけれども、それに対して県は、県の答弁としては、遺憾であるというふうな認識を示されていますけれども、遺憾というのは残念な気持ちを示しているのであって、反省ではないというふうに考えるのですが、一連のこのことについて県は反省しているのかというところについてはいかがでしょうか。
知事
議論がかちっとかみ合うためには、責任とか反省という言葉の内容について、お互いしっかり共有した上でやりとりするとかみ合うのだと思うのです。それが大人の世界であるし、特に議会とか、あと記者会見とかもそうなのだと思うのですけれども、法律用語を使ってやれば、これはかなり客観的に第三者が見てもどういうやりとりをしているのか意味がわかるような形でやりとりできるので、だからこれこれこれは違法だったのではないかとか、これこれこれは規則上担当者の処分の対象になるのではないかとか、県として何か賠償金、補償金を払うべきことではないかとか、そういう具体的なところまでいけばかみ合う議論ができるのだと思うのですけれども、もし責任とか反省とかという言葉にいろんな解釈の余地があって、人によってその意味が違うような中でやりとりした場合に、そういう意味で聞いているのではないとか、そういう答えでは自分が聞いたことと違うということは起きてくると思うのです。だから、今まさに反省しているのかということについて聞かれたのですけれども、大雪りばぁねっと。の件についても、DIOジャパンの件についても、商工労働観光部を中心にかなりの手間暇をかけて、その事実関係の究明や問題解決に取り組んでいますし、商工労働観光部のみならず、オール岩手の体制でやっています。国との関係においても、大雪りばぁねっと。事件であれば会計検査院とか、あとは司法当局とも連携して、そして山田町とも協力してやっているし、DIOジャパンについても国、県、市町村が連携して対応していると。だから、その対応のありようについて、具体的にここがまずい、ここが悪いという指摘はさらにあり得るのだと思います。それは、悪かったからだめだねと言って終わらすのではなくて、そういう指摘があれば、なるほど、それはそのとおり、だから県としてもそういうふうに対応しますと言ってやっていくと対応がさらによくなって、問題の解決もさらに近づいてくると。
先ほどから、県議会が今回の問題についてさらに取り組んでいきたいということは、そういう執行部も国や市町村と一緒になって一生懸命取り組んではいるのですけれども、そこで見えていないこととか、あるいは我々が思い付いていない、こうやった方がいいというご指摘をいただければ、それは非常にありがたいことなので、頼りにしたいなと思っている次第です。
記者
別件で、政府の方で女性閣僚の相次ぐ辞任と、さらに後継大臣の新たなスキャンダル、あと週刊誌報道ですけれども、本県出身の国会議員の問題なども指摘されており、特に政治と金、あるいは公職選挙法違反等の問題に関して辞任に至ったわけですけれども、これに対して知事の所感をお聞かせください。
知事
まず、個別の問題点について、政治罰を問われる可能性のあるケースもあるので、そこはそういうことであるならできるだけ早く全て洗いざらいきちんと説明して、また謝罪して、罰を受けなければならないのであれば罰を受けるというふうに、どんどん早く進んでもらわなければというふうに思います。
一方、内閣は連帯して国会に責任を負うと憲法にも書いてあるわけでありまして、内閣というのは全体で一つなのです。だから、そういう女性の活躍を応援するという意味も込め、また適材適所でそういう内閣をつくったけれども、こういうことになったということについては、やはり内閣全体として国民、国会への責任というのはイコール国民への責任ですから、国民に対してきちっと説明し、また国民が納得できる形で内閣をつくり直していかなければならないと。あえて事を荒立てるつもりはないのですけれども、それができなければ内閣総辞職すべきというのが憲法の趣旨であって、内閣というのは内閣が国家元首ではないかという憲法解釈もあるくらいで、内閣というのは国にとって本当に大事な、それがおかしければ国全体がひっくり返るような存在なわけですから、そこはやっぱり厳しく国民に対して説明しながら立て直してほしいと思います。
記者
ありがとうございます。それで、今知事も触れたように、特に女性の活躍ということを安倍政権で力を入れようということで女性閣僚を起用したわけですが、こういう問題を受けて、そういう女性の活躍推進応援という、女性が輝く社会の何かつまずきというか、影響みたいなものは懸念されますか。
知事
そこのところは、国民がそういう懸念を持たないように内閣としてきちっと説明の上、体制を立て直すということをやってもらわないと、確かに今のままでは私だけではなく、国民全体としてちょっと不安や不満を感じる状況だと思います。
記者
今回のこの辞職に関して野党が反転攻勢を強めておりまして、土砂災害防止法ですとか、あるいは労働者派遣法の改正等重要な法案の審議が先送りされていますが、こういったことに関しては知事はどのようにお考えでしょうか。
知事
さっき言ったように、内閣というのは日本にとって非常に大事で、かつ憲法には国会に対して連帯責任を負うと書いているのだから、国会として内閣のありようについてこのままではだめだというのを他の案件に優先させて追及するというのは、これは当然なのだと思います。だから、早く内閣の側で国民が安心できるような体制にして対応してほしいと思います。
記者
DIOジャパン問題に戻ってしまって恐縮なのですけれども、改めて。
知事
大事な問題ですから、どうぞ。
記者
県の責任のところで改めて確認をさせていただきたいのですが、実際今現在調査中の部分もあり、県の責任あるなしという部分については、その調査結果を見てみないとわからないという認識なのでしょうか、それともある程度現段階であるかないかというのはお感じになっている部分があるのかというのを改めて確認させてください。
知事
今この瞬間、誰かを処分しなければならないとか、何か賠償しなければならないとかというふうには思っていません。
他方、そういう可能性というのが、もう終わったことではないので、事実関係の調査というのは続けていかなければならないし、その中で何かそういう厳しく対応しなければならないことがあれば、すぐそれは厳しく対応していきます。
記者
山田線のことについてお尋ねします。先日22日に知事も宮古と山田の方を訪問されて、それぞれ首長さんとお会いになっていると思うのですけれども、山田町長と知事がお会いになったときに、山田町長からは県に特段の配慮があれば三鉄の推進に力強く協力する所存だというふうにお話しになられていて、知事ももちろんお聞きになったと思うのですけれども、その発言について知事はどういうふうにお感じになっているのでしょうか。
知事
県内関係市町村、そして県、三陸鉄道、それぞれまず鉄路復旧を目指すのだということで一致し、その中でJR東日本からの提案、三陸鉄道が経営をやっていくということについては、ちゃんとそれが持続可能なことで、地元に過度の負担を及ぼさず、かつJR東日本が線路を直しさえすればあとはもう全然いなくなってしまうということではなくて、引き続き公共交通機関として、地域に対する責任を果たしていくというような方向で、ではどういう形で直して経営をしていくかということを決める相談事を今地元側とJR東日本との間でやっていると。山田町さんも、そういう中で山田町としての希望が実現していくことを望んでいるということと理解しています。
記者
もちろんJRに対して求めることというのは大きいと思うのですけれども、町長は県に配慮を求めているわけですよね。その県の配慮というのはさまざま、言ってしまえば県独自の施策である一方で、JRに対してもっと強く言ってくれという配慮も、いろんな配慮もあると思うのですけれども、県の配慮ということについて求めていることはどういうふうにお感じになっていますか。
知事
そこは、そういう気持ちがあるということはわかりましたけれども、今鉄路復旧、そして山田町にも山田の駅ができたりとか、いろいろそういう復興の中に山田線がきちっと、宮古・釜石間がきちっと位置付けられていく方向で調整中なわけで、そこのところを今県が地元を代表してJR東日本と交渉しているということについては、山田町も理解して任せてくれていると思います。
記者
今とりあえず県としてこういう配慮をしてあげるよというようなのは、なかなか今現状では持ち合わせていないという理解でよろしいのでしょうか。
知事
物の決め方として、JR東日本を巻き込んだというよりは、基本的にはJR東日本が東日本大震災からの復旧、復興の中で、地元に対してJR東日本が果たすべき役割をきちっと果たさなければならないわけです。そのJR東日本の役割の果たし方ということがメーンテーマだと言ってもいいわけでありまして、まずそこが今地元が一つになってきちっと求めていかなければならないところだと思います。
記者
別な話題で、手短にお願いいたします。先日議会の中で奥州市の東北油化の関係で、県内に代わる企業がないということで、一時的に死亡した家畜を搬入する保管庫を造りましょうという方針を示されましたけれども、畜産県の岩手県とすれば、近くにそういった処理施設がないというのは、非常に不便を来すというのは、畜産業には影響があるのかなと思いますけれども、これが一時保管して、それを県外に搬出するという、これが恒常的なシステムとしてこれでいいのか、あるいは(東北)油化に代わる、民間なのか、公なのかはともかく、何か別な形でそういう施設が県内に必要という認識なのかという辺り、ちょっと見解をお聞かせください。
知事
そこは畜産の農家の皆さん、生産者の皆さん、関係団体、あと関係の自治体と一緒に問題点を整理しながら、またやれること、やるべきことというのを明らかにして迅速に対応していくということを今やっているところでありまして、そういう中でいろんな工夫とかがどんどん出てくるというふうに考えています。
記者
時間もありますので、私も手短にやります。知事選についてお伺いします。議会中の態度表明は難しいというお話でございました。最終日なのでいかがでございましょうか。
知事
その後、全然考えていませんでしたので、議会が終わってからいろいろ考えていきたいと思います。
記者
ありがとうございます。もう一点だけお伺いします。ちょっとDIOの問題に戻ります。厚労省の通知を基に平成24年度のリース料についてはオーケーと、25年度以降は認めないというお話があり、県もその判断に従ったというのがあります。私もペーパーを拝見しましたけれども、24年度の分については適宜適切に対応すると書いてあるだけで、24年度はオーケーという文言はない。やっぱりそこの部分が県議会でもゆうべ問題になりましたけれども、その点についてはどういうふうに、拡大解釈ではないかという話もありました、ご所見をお聞かせください。
知事
ここは毎日のように、毎日かどうかはちょっと不正確なのですけれども、厚労省と県とは盛んにやりとりをしながら、一体的に市町村と一緒にこの問題に取り組んでおりますので、その中で基本的にそごなく進んできていると思います。これからもそのようにしていきたいと思います。
広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。
次の定例記者会見は11月4日(火曜日)の予定です。
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