平成26年10月10日知事会見記録

ID番号 N29043

平成26年10月10日10時30分から11時02分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
 
知事
 「いわて若者文化祭」の概要について発表します。11月15日土曜日、16日日曜日に盛岡市のプラザおでって、ななっく、そして肴町商店街をメーン会場に、今回初めて「いわて若者文化祭」を開催します。
 11月15日土曜日、プラザおでってで開催されるオープニングイベントでは、雫石町出身のグラフィックアーティスト松嶺貴幸さんの映像作品に合わせて、本県出身のシンガーソングライター松本哲也さんが曲を演奏するコラボレーションステージを行います。その後、金ケ崎町出身の声優桑島法子さん、去年の「宇宙戦艦ヤマト2199」で森雪の役をやった方ですね、その方が『声』が広がる物語の世界(仮題)」として講演を行い、その後私との対談を行います。オープニングイベントの最後には、現在審査を行っている第4回いわてマンガ大賞の表彰式を行います。
 そして、11月16日日曜日にプラザおでってで開催するクロージングイベントには、本県在住の歌手臼澤みさきさんに2016年希望郷いわて国体・希望郷いわて大会イメージソング「笑顔の賛歌」など、ミニライブで歌声を披露いただきます。
 そして、一般公募に応募いただいた岩手の若者が、日ごろ培ったさまざまなジャンルの文化・芸術を2日間にわたり発表します。音楽、ダンス、伝統芸能などのステージ発表41団体、デジタルコンテンツ、マンガ、伝統工芸などのブース展示32団体です。
 実行委員会では、「いわて若者文化祭」の開催目的に賛同いただけるイベントを協賛イベントとして募集しています。協賛金等、「いわて若者文化祭」をサポートいただける企業、個人の募集も行っています。
 岩手に新しい力がみなぎる11月15日、16日の2日間、ぜひ、「いわて若者文化祭」に来場いただくようお願いいたします。
 
広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。
 
幹事社
 それでは、ただいまの発表事項について各社から質問があればお願いいたします。
 
記者
 知事として、今回初めての文化祭開催で、どんな文化祭になってほしいという期待を込めておられますか。
 
知事
 県の若者活躍支援は、若者の力が岩手の復興、そして岩手の地域振興の力になっていくことを目的とするものでありまして、また今年になって注目度が高まっている人口減少対策、地方創生にも大いに資するものというふうに思っています。文化祭ということで、文化という切り口から、いわゆる若者文化の分野で活躍する県出身の人がこんなにいるのだよというのを身近に見ていただき、また県内で活動しているたくさんの団体に一堂に会してもらうことによって、こういうことをしている人たちもいるのだ、こういう分野でも岩手の若者が活躍しているのだということを認識を新たにし、そして理解を深めていただいて、若者をオール岩手でその活躍を応援していくという、そういう流れが一層強まっていくことを期待しています。
 
記者
 ありがとうございます。それで、今ご説明のあったオープニングイベントとかクロージングイベントに出演される方は、今第一線で岩手県に関係してというか、ゆかりのある活躍されている方ですが、ステージ発表とかブース展示で新たなスターといいますか、全国にも発信できるような方、潜在的にいる方を掘り起こして発信していくという場にもなると思うのですけれども、今知事が説明を受けている人の中で、そういう潜在的なダイヤの原石のような人たちは結構いっぱい出演、あるいは出展等されるのでしょうか、いかがですか。
 
知事
 かなりすごいと思います。郷土芸能や伝統工芸品のように、昔からあるもので非常にクオリティーの高い取り組みをされている皆さんの発表がありますし、またこういうジャンルが存在するのかというような、新しいダンスとかストリートパフォーマンスとかといったところで、こういうのもあるのかと、そういうジャンル自体新しい、多くの人が初めて目にするようなものもありますし、またデジタルアプリ、デジタル映像のような先端技術を生かした本格的な産業化にもつながるようなところでも驚くような発表がありますし、大いにそこは期待していただいていいと思います。
 
幹事社
 発表事項についてはよろしいですか。それでは、本日は記者クラブを代表しての幹事社質問がありませんので、各社から質問があればよろしくお願いいたします。
 
記者
 先月27日、御嶽山が噴火して、死者が50人以上にこれまで上っています。戦後最悪の火山災害となっていますけれども、そのことに対する知事の受け止め、それが1点と、また2点目は、県としてこの災害を受けてどんなことに取り組んでいきたいとか、何に力を入れて取り組んでいきたいか、それを聞かせてもらっていいですか。
 
知事
 戦後最悪の火山災害ということで、亡くなられた方々にお悔やみを申し上げたいと思いますし、また被害を受けた方々、地域にお見舞いを申し上げたいと思います。そして、岩手県では、ちょうど今年の県の総合防災訓練を岩手山の火山災害というテーマで実施したばかりでもありますし、この岩手山の火山防災対策というものを改めてしっかりやっていかなければならないというふうに思います。今月中にも有識者等で構成する岩手山の火山活動に関する検討会を開催し、御嶽山の事例を踏まえた(本県の)火山防災対策のあり方等について議論をいただくことにしておりまして、今後の県や関係市町の取り組みについて検討、整理をして、そして地域防災計画の見直し等に反映していきたいと思います。
 
記者
 ありがとうございます。今回新たな課題として、登山者への対策、ソフト面、そしてシェルターとか言われていますけれども、ハード面、それぞれ多分問われてくると思うのですけれども、その点については県としても対策に力を入れていく必要があると、そういうことですか。その辺も聞かせてもらっていいですか。
 
知事
 まさに専門家の皆さんに広く意見をいただかなければならないと思っております。頂上付近、登山中の皆さんが多く犠牲になったわけで、そういう皆さんの安全を確保するために、御嶽山のケースについて教訓にしながら、論点の整理、そしてどういう対策が必要かというところを大いにまず議論していただきたいというふうに思っています。
 
記者
 ありがとうございます。最後1点、再生エネルギーの関係で質問なのですけれども、買取制度が新規の申し込みについて回答保留ということで、数カ月間にわたって今そういう状況になっていますけれども、再生可能エネルギーの推進をうたっている県として、どのようにこの事態を受け止めているのかというものを聞かせてもらっていいですか。
 
知事
 岩手県は、再生可能エネルギーによる発電を、簡単に言えば10年間で倍に増やそうという計画に乗り出したところでありまして、県もやる気満々なわけですけれども、市町村、特に沿岸被災地の市町村が復興計画の中に再生可能エネルギー(を活用した地域)振興ということを盛り込んでいますし、そういう市町村も非常にやる気満々でいること、また民間事業者の皆さんも岩手でチャンスを広げていこうということで取り組んでいらっしゃいますので、一日も早く受け付け、検討、そして連系承諾していくプロセスを再開してほしいと思います。
 
記者
 子ども・子育て支援の新制度の件なのですけれども、1号認定子どもの保育料をめぐって、10月から園児募集したのですが、市町村が決定しなければいけない保育料、あるいは利用者負担額がまだ国の制度設計等の遅れ等があって、なかなか決定しかねている中で混乱が生じていて、1日付けで県の方も市町村と私立幼稚園の方に、保護者の誤解を招くような表記について注意するように通知がされましたけれども、現在のこの混乱といいますか、国の進め方等について、知事の受け止めと、どのようなことを国に対して早急に望む、あるいは対応してもらいたいと思うかお聞かせください。
 
知事
 子育てというのは大事な分野でありますし、特に人口減少対策、地方創生ということをオールジャパンでやろうというときに、最も重要なテーマの一つだと思いますので、やはりいつまでも国の制度設計がはっきりしないという状態では良くないというふうに思います。一方、今そういう現状でありますので、ここはご父兄の皆様にもご理解いただきながら、そういう制度の変わり目でいろいろわかりにくい点とか、また後から実はこうだったというような話があるかもしれないわけですけれども、その辺をさまざま報道の方もフォローしていただいて、全体の流れをフォローする中で、それぞれの施設、そして市町村ときちっとやりとりをしていただきたいなというふうに思います。
 
記者
 この新制度自体に関しては、今おっしゃったように人口減少とか、あと地方創生、子育てしながら働くとかという女性のこととか若者も含めて、そういうものを補うというか、支援していく制度だと思うのですけれども、何かちょっと取材をしたり、話を聞くところによると、逆に新制度に移行すると利用者負担が増えてしまうのではないかということで、そういった意味の混乱もあるのですが、制度設計自体について、何か知事から思うところがあればお聞かせいただければと思いますが。
 
知事
 今議会の本会議の答弁でもしゃべりましたけれども、社会保障、福祉はじめ災害のときの持ち家再建支援とかもそうなのですけれども、サービスは地方自治体が提供し、そして金銭的な減免とか負担については国がオールジャパンでやるというのが財政学的にはすっきりするし、かつ効果的なのですよね。ですから、子ども手当のようなものを一時日本政府が導入したことがあったのですけれども、やはりああいう子育て家族に総合的に金銭的に支援するという枠組みとセットにするとか、そういう大きな制度設計の工夫が必要なのだと思います。
 
記者
 先日の県議会の一般質問での知事ご自身の3選への進退に関する発言について、改めてちょっと確認をさせていただければと思うのですけれども、遠からず判断することも検討したいというような文言だったと思うのですが、一般質問後にも伺いましたけれども、あの発言の趣旨というか、真意を改めて確認させていただきたいというのと、遠からずとおっしゃられましたが、ご自身の中では何となく時期のイメージというものが固まっていらっしゃるのか、それとも全く現時点ではないのかというのをちょっと確認させていただければと思います。
 
知事
 まず、私としてはもう復興に専心することが必要で、将来の身の振り方について考えている場合ではないと、そういうことをむしろ考えないようにすべきというふうに思っていたわけでありますけれども、この夏取材等で3期目出馬意向の有無について聞かれることが多く、また関連の報道が多かったせいもあるのか、県民の皆さんから直接「達増知事どうするんですか」と、こう聞かれることも多くなってきました。前から議会でそういう質問があったのですけれども、いまだにそういう質問があり、今議会でも本会議一般質問の中でそういう質問がなされるという中で、県民的な関心にきちっと答えることも必要なのかもしれないなというふうに考えた次第です。ただ、決めるにも時間がかかりますし、また特に出馬の方向で決定をするというようなことに仮になれば、これは論理的にの話ですけれども、ただそう言えばいいというだけではなく、いろんなところにきちっと説明もしなければならない、そういう段取りも考えたり決めたりしなければならないということで、感覚的にはこの議会中に決めて発表ということは無理だと思っています。
 
記者
 今の時期の部分なのですけれども、少なくとも今議会中は無理だということは、早ければいつごろが現実的に可能かどうかというのはありますでしょうか。
 
知事
 自分だけの問題でなくなってくる可能性もあるわけですので、今の段階でいつということは決められないなというふうに思っています。
 
記者
 もう一点、ちょっと別件で、選挙の関係にはなるのですが、先日から福島県知事選が始まりまして、6人の方が立候補をして、ちょうど選挙戦が序盤に入った段階なのですけれども、他県のことではありますが、同じ東北の中、同じ被災3県というところで知事選が行われているというので、どういう論戦なり、選挙戦が望ましいというふうにお考えでいらっしゃるかということが1点と、あと昨年宮城県知事選では村井知事の応援に行かれたと思うのですけれども、今回の福島の場合は同様のことがあり得るのかどうかというのを伺えますでしょうか。
 
知事
 福島県知事選挙に関する報道ぶりを見ていますと、どうもこれでいいのかというような形の選挙戦に突入していると。新聞の社説とか、いろんなものを見ていても、不満ぎみの論調が多いなというふうに見ているのですけれども、これはやはり原発事故という、なかなか1つの県限りで対応し、そして1つの県限りでそれを解決していくということが難しい、そういう重くて大きいテーマを福島県として背負わされてしまっている、そこにやはり原因があるのだなというふうに思っております。ですから、今までどおりでいいのかというと、多くの人たちが今までどおりではだめだと思っているのだけれども、ではどういうふうに変えていけばいいのかということについて、なかなか福島県の多数が賛成するような、こういう方向に変えればいいというものも見えてきていないと。そういう中で、争点も明確にならないような形で選挙戦が始まっているのかなというふうに思っています。私自身そういう福島県民の皆さんのこのままではいけないという思いもひしひしと感じるのですが、そうであればこうすればいいというものを持っているわけでもないので、なかなか特定の方を応援するような形で参加するのは難しいなというふうに思っています。かといって、17日間の選挙戦なのですけれども、願うのは、福島県民の皆さんが自分たちの力でこういう方向に県が進んでいけばいいのだというのを見つけ、そしてそれを知事選の投票によって決定できるような選挙になってほしいなというふうには願っているのですけれども、それはそう簡単ではないのかなというふうにスタート時点では思っています。
 
記者
 今の特定の人を応援するのは、今の論戦というか状況ではなかなか難しいということでしたけれども、それは政策的な部分が、こういう福島を目指したいとか、そういう部分がなかなかはっきりしないということなのでしょうか。なかなか違いが見えないというか、そういう部分ではない(でしょうか)。
 
知事
 宮城県知事選挙の場合には、村井知事の応援ということを通じ、復興を一緒にやってきた宮城県民の皆さんにも寄り添う形で、私も応援することができたと思っているのですけれども、誰をということプラス、あとどういう形でとか、こういう応援の仕方をすれば福島県民の皆さんにきちっと寄り添えるというのがやっぱり今の私には見えてこないということであります。
 
記者
 県議会の関係で伺いたいのですけれども、先日、飯澤匡議員の一般質問の中で、山田町のNPO問題の件に関して、再検証を求める2月議会の決議に対して、検証委員会のまとめた報告書について、外部の方の所見を求めたいという意向を表明されました。先日のやりとりの中だとコンクリートしたものはないということなのかなと思いましたが、その後何か固まっていればお聞きしたいのと、あるいはもしなければ、例えばどういう趣旨でやって、求めた所見はどのような形で取り扱いたいかというイメージでもいいのですが、それをお聞かせいただきたいと思います。
 
知事
 まず、誰かにお願いする話でありますので、相手もあることですので、まだ発表できる段階にはないということであります。ですから、どういう形でどう県の検証結果の報告を見てもらうかということについても、そこはやっていただく人と詰めてからではないと発表できないわけですので、その辺発表できる状態になったら速やかに発表したいと思います。
 
記者
 ありがとうございます。先日答弁の中で、これは外部の方の所見を求めるのは選択肢の一つという表現をされましたけれども、これというのは何かの取り組みをするための前段階での取り組みなのか、それとも再検証の決議が求める第三者委員会に代わるものなのか、その辺りどうお考えでしょうか。
 
知事
 まだやっていないことでもありますので、今の段階でそれさえすれば、もう他には何もやらなくていいというわけではないという意味で、選択肢の一つというふうに言っています。
 
記者
 先ほどの質問にちょっと続けてなのですが、知事の議会での答弁のことで、そう遠くない時期というのは、一般論で言うとどのぐらいを遠くない時期と言うものですか、いかがでしょうか。
 
知事
 県民的な関心という意味では、今すぐにも知りたいというものを関心として受け止めていますので、そういう意味で遠くない時期というふうに言っております。
 
記者
 そうすると、今定例会中ではないと。ただ、遠くない時期と。今までは、それに関して踏み込んだ発言はありませんでしたので、あとは我々が想像することなのか、知事がやはりばしっと言っていただければ済むことだとは思うのですけれども、お尻の方はまだ何とも、その遠くない時期の先のことというのは、知事のみぞ知ることなのでしょうか。
 
知事
 決めるときは、もう自分の中だけで決めるべき、政治家の出処進退は政治家本人が決めることですので、決めるときは自分で決めるのですけれども、さっき言いましたように、決め方によってはその後の段取りというものをあらかじめ決めておかなければならないということがあり、そもそもそういった時間がかかるような思考作業について、議会対応がまず今は優先だと思っていますし、復興の仕事をしながら、復興は復興できちっと進めながら、そっちの方にも時間を割いていくということがいいのかというそもそも論も含めて、そこは検討しなければならないと思っていて、そういう性質のことですので、今すぐぱっとは決められないというふうに思っています。
 
記者
 これも議会で出た質問であれなのですけれども、グループの補助金を受けた沿岸被災地の店舗、商店の方が店舗兼住宅で再建しようとした場合に、補助金適正化法との絡みで抵当権が打てないで困っておられるというお話もございました。この件について、ご答弁では国の方等に制度の改善を求めていくというお話でしたけれども、この問題についての受け止めと、ご答弁以上の対応をお考えになっているところがあれば、ちょっとお聞かせください。
 
知事
 復興全体を貫く考え方として、もう市町村、県、国、行政が一体になって被災地、被災者に寄り添って、そして復興を進めていくと。復興を進めるに当たっては、もう前例にとらわれず、今ある制度も変えるべきものは変えてやっていくということが基本であって、制度を理由にして復興に必要なことをやらないでしまうということはあってはならないと思っています。ということで、まず国に対してなりわいの再生ということで、商店街の再生ということが、もうこれは復興の中で非常に重要な位置を占めるわけですから、これが一日も早く進むようにということを念頭に、今問題になっている制度についても国に対して求めているというところです。
 
記者
 それは、制度の矛盾と言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが、その部分を県独自の制度を新たに設けるなりなんなりというようなお考えというのはございますか。
 
知事
 今回のことは、かなり法律でそうなっているという話なので、法律違反にならない形であれば、県としてできることは何でもやらなければならないと思っています。
 
広聴広報課

 それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

 

次の定例記者会見は10月24日(金曜日)の予定です。

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