平成26年9月1日知事会見記録
ID番号 N28038
平成26年9月1日10時30分から11時16分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表事項はございません。
幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いします。
記者
先週になるのですけれども、県立中央病院の麻酔科医が麻薬(及び向精神薬)取締法違反の罪で起訴されたという公表がありました。その件についてだったのですけれども、まず聞いたときに、高い倫理が求められる医師が、あり得ないことをしてしまって、すごい驚きを受けたのですけれども、そういった高い倫理が求められる医師が起こしたこの犯罪について、知事としてどう受け止めていらっしゃるかということを1点と、あと再発防止の観点で、なかなか技術的な環境整備をしていったからといって、必ずしも防げるというものではないのかもしれませんが、今後どのような再発防止の策が考えられるとお考えか、お聞かせ願います。
知事
私も大変びっくりしました。そして、高い倫理性が求められる医師としては、もうあってはならないことであります。けさの庁議でも、医療局長から謝罪とともに再発防止に向けてしっかり取り組んでいくという報告がありましたので、そのとおりやってもらわなければというふうに思います。まずは、現場の状況を反映した取り組みを医療局においてきちっとやってもらうことだと思いますけれども、特に岩手においては県民みんなで支える岩手の地域医療ということで、この病院勤務医を県民みんなで守ろうということもやっているわけですから、そういう県民の思いにしっかり応えるような病院勤務医であってほしいと思います。
記者
済みません、けさの庁議でということでしたけれども、庁議の中で医療局長の方から具体的な再発防止の話というのは出たのでしょうか。それとも今後検討していくという話になりましょうか。
知事
具体的な報告はありませんでしたけれども、そこはもうやることはやるという趣旨で受け止めました。
記者
わかりました。ありがとうございます。
記者
先週になりますけれども、宮古市田老の震災で壊れた防潮堤の一部を取り壊さずに保存されるということを決めたということで、報道各社大きく報じました。それについてなのですけれども、復旧工事に支障を来さないということで、宮古市からのかねてからの要望もあって、取り壊さないということにしたということですが、これは県としては長期的に保存していくという方針を決めたということでよろしいのかどうか、というのをまず確認させてください。
知事
宮古市から、残したいので、宮古市として保存したいので、壊さないでほしいという要望があって、それで技術的に検討して、壊さないでも安全の確保ができると、新しくつくらなければならない防潮堤をつくるのをきちっとやることができるということなので、その古い津波の被害を受けた部分を取り壊さないことを県として決めたということです。
記者
宮古市さんとしては、震災遺構として活用する……
知事
そうです。取り壊さないことを決めたというか、壊さなくても県の事業としては差し支えない旨返答したということかなと理解しています。
記者
県としましては、一部報道では震災遺構として活用するというふうな報道もありましたけれども、そこまで決めていらっしゃるのでしょうか。
知事
震災遺構については、それぞれ市町村が保存するかしないか、あるいは何を保存するか決め、そして国としても市町村に補助をするというふうに既にもう動いています。県も何もしないわけではなく、既にジオパークのPRの中で、田老の防潮堤についても県の予算でパンフレットを作ったりというようなこともしていますので、県としても何もしないわけではないのですけれども、基本的には、市町村の事業として遺構の保存は行われているというふうに今なっているわけです。
記者
あと、知事さんもご存じと思いますけれども、この田老の防潮堤ですけれども、たろう観光ホテルと並んで、今防災を学ぶ場として大いに活用されていますけれども、知事さんご本人としては、この取り組みが今後どういうふうになっていったらいいというふうに思っていらっしゃいますでしょうか。
知事
大変良い防災教育、あるいは研修、また体験の場になっていると思います。地元の人にとってもそうですし、また、よそから来て、語り部の話を聞いて、学んで帰っていくということについても、大変良い取り組みが行われていると思います。宮古市さんでも立派な資料も用意して、語り部の語りと組み合わせてやっていますので、今後いろんな工夫もあるのかと思いますが、この調子でやってもらえるといいのではないかと思います。
記者
ちょっと防災の日に絡んで、先ほどと関連した質問なのですが、知事が震災遺構のことで市町村の取り組みだというふうにおっしゃっていましたけれども、知事として震災遺構の意義とか意味みたいなものをもう一度ちょっと1点お聞きしたいのと、あともう一つは、震災復興祈念公園とか、あとまだ保存費用とか明確に決まっていない陸前高田の震災遺構とかあると思うのですけれども、そこら辺の保存費用とかを今後どう求めていくか、そういうものも国に対して求めていくのかどうかという保存費用の問題も結構まだ大きく残っていると思うので、震災遺構の意義と、あと、たろう観光ホテル以外にまだ検討されている遺構があると思うので、そこに対する県の方針というか、そこも教えていただければと思っています。
知事
普代の水門のように、高い水門をつくっていたがゆえに普代の中心部を守ることができたというような教訓を伝えるようなものもあれば、大勢の人が亡くなったところの遺構で、そのことを決して忘れないようにしようというような遺構もあって、実はそれぞれによっていろんな意義があり、またその地域の皆さんにとっても、それぞれ独自の思いで残そうということが決断されていく、あるいは残さないということも決断されていくというのが震災遺構の特徴だと思います。そういった全体を通しては、やはりこの震災を風化させないということと、それから防災の重要性、必要性というのを後世の人たちにきちっと伝えていくということが大きい意義としてあると思います。
記者
もう一点、保存費用の件ですけれども、陸前高田でも今後整備が検討される公園の中で遺構を保存しようという話もあるので、県として、国に対してやっぱり保存費用を求めていくというのはあるのかどうかというところについて、ちょっと方針だけ聞かせてください。
知事
県が発災直後から国の方に言っていたのは、そういった遺構を保存していくこともそれぞれの市町村ごとのまちづくりの中の一環であって、復旧・復興という事業の中の一環なのだから、きちんと復興予算でそれが可能になるように、この復興まちづくり事業全体の中に位置付けて、国としてそこは地元被災市町村に負担のないようにということを県の方から国に要望し続けているわけでありまして、その基本姿勢は今も変わりません。
記者
医学部新設の関係でお伺いしたいのですけれども、先週東北薬科大学への構想が選定されたということで、文科省の有識者会議の結論が出ましたけれども、それについての受け止めを改めてお伺いしたいのと、以前この話を伺ったときに、地域から教員として医師が引き抜かれるのではないかということでの懸念というか、心配というのを示されていたと思うのですが、その部分の変化というか、そういうのはあるのかというのをちょっと伺えますでしょうか。
知事
今回の幾つか候補がある新しい学部の主体というのでしょうか、それを一つに絞り込む作業の中で絞り込まれたところについては、実際の医学部新設に当たっては、東北各県等と協議をする、またそういう協議の場をつくるといったことが必要条件になっていると理解していますので、その協議の中で、岩手県としていろんなポイントがあるのですけれども、まず今医師不足が深刻であるということ、またその医師不足を解消するために岩手医科大学の定員を増やして、そして県からも奨学金制度を整備してやっていると。その成果を(教員や医師の)引き抜きというような形で損なわれることがあってはならないというようなことを言っていかなければならないと思っています。
記者
そもそも今の協議の点ですけれども、どういう形でそういう場が設けられるのかという具体的なところはまだちょっと見えない部分がありますが、それは国であったり、大学、医学部の設置者に今後なる東北薬科大学の方に県からも積極的にアプローチをかけたいという認識でよろしいですか。
知事
どういう段取りでそういう協議が行われたり、協議の場がつくられるのかということを調べていかなければならないなと思っておりまして、そういう情報収集をしながら対応を検討していくということが基本になると思います。
記者
改めてそういう懸念の部分はあるかと思うのですが、医学部が新しく何十年ぶりかでできるということについての期待というか、思うところを改めてお聞かせ願えますでしょうか。
知事
医学部の新設ということはないという大前提の中で、既存の大学、医学部の定数を増やし、そして奨学金も増やして、医師を確保していくということを、もう7年間にわたってやってきておりますし、衆議院議員時代のころから、関係の委員会で岩手医大の定数を増やすべしと、まずそこを突破するのに大変苦労したということを思い出しますので、その成果がようやく再来年ちょうど「いわて国体、障害者スポーツ大会」が開催される年にようやく第一線で活躍できる医師の増加となって出てきますので、やはりそこをちゃんと確かなものにしなければならないという大変重要な局面に岩手は直面していますので、まずそれが損なわれないように、あるいはその努力が無に帰したりすることがないようにということを、まずそういうところにしっかり対応しなければならないというふうに思っています。
記者
来年の統一地方選挙の関係なのですが、民主党と生活の党が連携を模索しているということが各紙報じられております。先週に報道のあった連合の古賀会長もちょっと前向きかなというふうな発言をしていたと思いますが、それについて知事の所感をまずお聞きしたいと思います。
知事
いろんな選挙に立候補する、しないというのは大事な自由ですし、また、そこにどう参加するかも自由ですので、いいのではないかと思います。特に今年から来年にかけては、地方が日本の将来のあり方を決める主戦場になると言っていいと思います。これは人口減少問題に今まで地方が必死で取り組んでいたことに、国も今回は並々ならぬ体制で臨むということで、これがうまくいくかどうかということで、もう日本の将来が決まると言ってもいいようなことがこれから地方で起きていきますので、そこで何が何でも自分の党の党勢拡大最優先でやっていくということではなく、地方地方の実情に合わせて、地方が最大限良くなっていくように、いろんな政党もそっちを優先させていくというのであれば、それは大変いいことだと思います。
記者
知事がおっしゃっていただいたような地域の活性化というか、そこに関して例えば2つの……
知事
活性化というか、消滅するかどうかということがかかっている、もうそれぞれの自治体にとってはまさに存亡の危機の一大事なわけなので、そういうところでの選挙について、党勢拡大最優先、自分の党の利益が最優先というのではなく、大所高所からその地域地域の事情に合わせて対応するというのは大変いいことだと思います。
記者
そうした地域の事情についてという大前提があれば、2党が連携するということについても前向きでいいというふうなお考えでしょうか。
知事
きのうの香川県の(知事)選挙は、2党どころか共産党以外の全ての政党が力を合わせていたみたいですし、そういうのはありなのだと思いますよ。
記者
ちょっとそれに関連してですが、知事が……
知事
共産党が必ず戦わなければならないという意味ではなくて、香川方式を全てでやれという意味ではなくて、今特定2党が連携することについて聞いたのだけれども、特定2党どころではなくて、状況においてはもう全ての政党が連携するぐらいしないと、地方というのは今必死な、大変な状況にあるし、またそこの成否が日本全体の命運にもかかっているという非常事態なのだと思います。
記者
ありがとうございます。今ちょっとそれに関連してですが、知事が以前生活の党の小沢党首を政治の師というふうにしてちょっと仰いでいるというふうな発言があったかと思いますが、それは今も変わらないということで良いのかというのをちょっと教えていただきたいと思います。
知事
僕は東大の教授をやっていた佐藤誠三郎先生も政治の師だし、留学中ジョンズ・ホプキンス大学に来てくれていたカーター大統領の補佐官をやっていたズビグネフ(・ガジミエシュ)・ブレジンスキー教授も政治の師だし、小沢一郎さんも政治の師です。それから、直接お目にかかったことはないのですけれども、原敬さんも政治の師でありまして、何か最近研究書が出たというので、これはもう自腹で買って読まなければと思って、もう注文しました。
記者
そういう意味では、以前と変わらずということでよろしいですか。
知事
以前と変わらずというのはどういう意味かはよくわからないのですけれども、先生というのはたくさん持った方がいいですよ。これは皆さんにもお薦めしますけれども。そして、いい先生をたくさん持つことが人生を豊かにします。
記者
きょう防災の日ということで、このたびは土砂災害だとか、大雨だとか、いろんな気象災害がある中で、改めてこの防災というところの知事の所感と、あとは課題みたいなもの、ちょっとばふっとした質問になるのですけれども、教えていただいていいですか。
知事
おとといの県の総合防災訓練は、この広島市での土砂災害で、県民の関心が特に土砂災害ということに関して高まっていた時期に行われて、訓練に直接参加する皆さんもかなり高い意識で参加されていたという実感を受けましたし、県民全体としても今防災意識の高揚という点では、高まっていていい状況にあると思います。まず、こういう県民の関心の高まりというのを生かして、例の土砂災害の危険、警戒区域指定の問題については、まず危険箇所というふうになっているところの周知を図るのにいい状況にあると思いますので、そこの工夫をしていかなければならないと思います。
また、中長期的には、来年3月、国連防災会議が仙台で開かれ、岩手県としてもさまざま参加し、県民の皆さんにもさらに防災意識を持っていただいて、国連の方では防災の主流化ということを言っているのです。防災というのが、非常時の特別なときだけのそういうことなのではなく、平時から、常日ごろから防災というものを行政の中でもあらゆる分野で前提にしながら政策を組み立てていかなければならない、また日々の生活とか仕事の中でも防災というのを常に組み込んでやっていかなければならないという、そういう防災の主流化ということを国連の方では言っていて、2012年でしたか、東日本大震災の後で仙台で国連防災の閣僚会議が開かれたときも、やっぱり防災の主流化ということがうたわれていて、そうやって行政もですし、あと県民の皆さんの暮らしや仕事の中でも一段階防災というのを、防災対応というか防災意識、そして防災対応を一段階高めていくように持っていきたいというふうに思います。
記者
防災の意識の高まりの中で、土砂災害の危険箇所を計画にしていくとおっしゃっていましたけれども、一方で課題とかもいろいろとあると思うのですけれども、知事が認識するような課題という部分、現状についてはどう思われるでしょうか。
知事
土地の価格との関係というような話もありますけれども、かなり住民自身の考え方ということで左右されるところもあるわけですよね。いくら行政が警戒区域指定に向け手順を進めていっても、住民が反対すれば、それは、ではやらないというふうになることもあるわけでありますし、一方でそもそも何のための警戒区域指定かというと、それは市町村に避難体制整備が義務付けられるというところに意義があり、その避難体制整備というのも、住民の皆さんがそれぞれ自覚して、自分のところがどう危険か、またどういう避難経路でどこに避難すればいいかを住民の皆さんがちゃんとわからなければ、いくら行政が手続きを進めても意味がないというところもありますので、行政と住民が一体になって力を合わせて防災を進める、災害から自分たちを守るというところに本質がありますので、そういう理解を深めて、体制を強化していくということをきちっとやっていければいいというふうに思います。
記者
ありがとうございます。あと最後、県立中央病院の件で、処分に関しては今後はっきりとしていくというか、厳正に対処していきたいと、そういうお考えでよろしいでしょうか。
知事
医療局としての基準や、また医療局としての今の働いている人たちとの関係の中で、きちっと処分が決められればいいというふうに考えています。
記者
30日、防災訓練もありましたけれども、「あまちゃんサミット」もございました。放映から1年たちましたけれども、改めて当日の会場の雰囲気、知事も出席されていたので、「あまちゃん」効果、今後どうしていくか、当日のサミットの印象も含めて教えていただければと思います。
知事
まず、全国からあれだけの熱心なファンの皆さんが集まってくださるというのは、とてもすごいことだと思います。パネラーとしてステージに上がった人たち以外にも、フロアの方にも「あまちゃん」ファンの間では有名な「あま絵」を描く人とか、「あまちゃん」の評論をする人とか、また、このファンの集いをどんどん仕掛け、実行していった幹事役を務めてきた人とか、そういう大勢の有名なファンの皆さんも含め、全国からファンが大勢集まっていただいたこと、大変素晴らしかったと思います。
やはり「あまちゃん」というドラマそのものが、東日本大震災発生直後から企画され、もう2011年中に大体どういう内容にするかが決まって、そして丸2年たった去年の春から放送が始まったということで、東日本大震災とそこからの復興ということにつくり手が真剣に向き合った結果、そういう東日本大震災や復興のことを真剣に考える視聴者の思いとも結び付いて、かつ大変クオリティーの高い作品であって、作品としても大いに楽しめるということで、1つのテレビドラマでファンの広がりがこんなふうになるという、今までなかったようなことが展開しているのだと思います。これは、岩手県の復興にとって非常に大きな力になっていますし、さらにその先の地域振興にとっても大きな力になるでしょう。私もパネルディスカッションで話したように、夏目漱石の「坊っちゃん」みたいに、100年たっても語られるような名作として、残り続けていくように頑張りたいと思います。
記者
ありがとうございます。その後も朝の連ドラは高視聴率が続いて、いろんな地方地方が注目されているわけです。鉄道で三鉄が盛り上がりましたけれども、今愛媛でしたか、大井川鐵道の「きかんしゃトーマス」とか、地方地方がいろんな手を打っていく中で、やっぱり地方間競争というのも活発になってきている中で、その人気をどうやって観光に、今盛んに取り組んでいますけれども、継続させていくことというのがなかなか難しいのかなと思うのですけれども、その点はどういうふうにさらに充実させていければというふうにお考えでしょうか。
知事
私は、「あまちゃん」は別格というふうに思っていて、おとといの「あまちゃんサミット」のようなイベントは、他のテレビドラマではないようなことが展開しているわけでありまして、ただその現状に甘えていてはだめで、これから地元としてやっていかなければならない努力は、「あまちゃん」のドラマの中で描かれていた北鉄こと三陸鉄道とか、あとはウニ、まめぶ、琥珀、そういった地域資源を活用した地域振興とか、それをきちっと現実の主体がこれからも頑張ってやっていくこと、まずそれが基本になると思います。そうやって作品世界がちゃんと持続して現実の世界で展開しているということを地元が頑張ってつくっていくと。
それとあとは、この作品を楽しむということも、まず地元が努力と工夫をすべきことでありまして、小袖海岸の「じぇじぇじぇ記念碑」なんていうのは、そういう意味で大変いい企画だと思います。ああいうことをどんどん地元がやっていくということが大事だと思います。
記者
ありがとうございます。それで、「あまちゃん」の放映を通じて、知事は「あまちゃん評論家」として社会的な存在ということをおっしゃっておりましたけれども、今知事ご本人としては、当然知事職もありますし、あと今言った社会的な存在と、あと政治家の側面もありますけれども、知事として今比率はどのような比率になっているか、ぜひ教えていただければと思います。
知事
それは、比率で数字化してどうのこうのするようなものではないのではないかなというふうに思っております。
記者
恐らくこの社会的な存在と知事職というのは、強くリンクしているのかなとも思うのですけれども、それはちょっと違いますかね、考え方としては。
知事
知事として「あまちゃん」ファンの間からも「知事タク」と呼ばれたりもしていますので、知事であることを前提に認知してもらっているところがありますので、そこはそういうものなのかなというふうに思います。
記者
今、そうすると数字では言えないと思うのですけれども……
知事
僕はむしろ太巻プロデューサーのイメージで岩手をプロデュースしていく存在というイメージでいこうとしているのですが、「あまちゃん」ファンからは水口(ミズタク)の役の認識で語られる方が多いですけれどもね。
記者
済みません、ちょっと私そこら辺よくわからなかったので、今教えていただいてありがとうございました。そうすると、今政治のお立場というのはあまり占めている割合というか、また数字ではなくても、やっぱり知事として、あるいは社会的存在として活動されていると、これがやっぱりメーンだと捉えていいでしょうか。
知事
政治もいろいろ定義の問題というところがあって、夫婦の関係も政治だとかという定義からすれば、何でも政治なのかもしれないのですけれども、わかりやすく法律上、公職選挙法上の政治活動ということで、それは政党活動とか、それから選挙の準備みたいなのが入ってくるわけですけれども、そういうことは今全然していませんので、そういう意味ではそこの部分はゼロと見ていただいていいと思います。
記者
ありがとうございます。それでは、ちょっと飛躍しますが、先ほど質問でもありましたけれども、政党とのことなのですが、他県では確かに1党で候補を擁立して選挙を戦うというよりは、一体となって連携して選挙、候補者を擁立、応援する動きが出ていますけれども、知事は県議会の会派、あるいは県内各政党に対しては、今そうするとどういうスタンスで臨まれていると考えたらいいか教えていただけますか。
知事
私は、「いわて復興塾」のキックオフパーティーの招待は、無所属の方も含め、全ての県議会議員の皆さんにお出しし、また複数の政党、会派からご参加もいただいたりしていましたし、やはり岩手は一つ、復興に一つというような形を県議会議員の皆さんもとっていただければ、岩手の復興というのはより確かなものになり、復興の先のふるさとが消滅しないような岩手県、希望が持てる岩手県というものもより確かなものになっていくと思います。
記者
確かに各政党から知事自身もご案内を受ければ、来賓として出席されてご挨拶されていますけれども、政党に対しても同じ考えでしょうか。
知事
政党であれ、あるいは議員個人であれ、何か出て挨拶をしてほしいとか、そういうのがあればどんどん承りたいと思っています。特に復興の話をしてほしいとか、そういうのは大歓迎で、政党とは違うのですけれども、政治との関係、ちょっとどう表現すればいいか、団体主催の復興シンポジウムで基調講演をしたりしたこともありますし、そういうのはもうどんどん機会があれば積極的に出たいというふうに思っています。
記者
時間なので、ちょっと手短に。さっき医学部新設の話題にありましたけれども、関連してなのですが、改めて岩手医大は仮に現役医師の引き抜きというのは、対策を講じたとしてもやっぱり起きてしまうということで、地域医療が崩壊してしまうというのではないかという懸念を表明していますし、あと県医師会については、さっき知事は岩手医大の医学部定員増の話をされましたけれども、全国的に定員増していく中で、全国的にはこれから近未来に過剰が起こるのだけれども、新医学部が東北に設置されることで、岩手で新しい医師不足が起こってしまうというのもまた改めて懸念表明されていまして、要するにドクターが増えているけれども、地方に医師がいないというのは、やっぱりこれは偏在是正の対策の方をやるべきではないかというふうな主張をされています。知事の、あるいは県の分析として、やはりこの新医学部というのは、目的とすれば復興支援とか、そういうことを掲げていますけれども、実際には岩手県においては、医師不足がむしろ強まるという懸念が大きいと考えるのか、それともあるいは一時的に何かそういうマイナスな反応が出たとしても、将来的に医師不足の解消につながるというふうに受け止めていますでしょうか。
知事
そもそも国が、(医学部新設を)政府がやろうと言い出したことでもあり、その中で文科省の基本方針だったか基本的考えだったか、そこはそういう(医師等の)引き抜きとかがないようにとか、そういうことが書かれていて、やるからには他に迷惑がかからないようにみたいな方針が国からは出されているのですけれども、ただ存在するのは方針だけであって、では具体的にどういうふうにするのかというのは、まだ全然白紙の状態なわけですよね。
一方で、医師不足問題というのは、厳密に言うと医師の偏在問題で、これは今一番深刻なわけで、復興ということを考えても、今足りないところにちゃんとお医者さん、特に病院勤務医が来てくれるようなこと、それは今必要で、特に再来年、岩手でもそれなりに新しいお医者さんが増えていく前の今年、来年が本当に大変なわけでありまして、まずそこで国にはきちっとしてほしいということがありますし、あとせっかく岩手は岩手として努力をして、2年後からお医者さんの数がそれなりに増えるというところまで来ているのに、それをぶち壊しにするようなことがあったら、これは絶対困るわけなので、そうならないようにということを国の方にも求めていかなければならないというふうに思っています。
記者
ありがとうございます。県立病院の常勤医を見ますと、底よりは多少は増えていますけれども、減少が底を打って、また多少持ち直していますけれども、ただピーク時に比べるとやっぱり常勤医が1割ぐらい減っていると記憶していますけれども、数は持ち直していても、例えば病院の1つの診療科だけ見ると極めて少ないドクターで支えているという中で、もしドクターが1人、2人欠けてしまうと、その診療科がそもそも閉鎖に追い込まれてしまう可能性もあると、そういうなかなか綱渡りの状況であるというのは変わらないと思うのですけれども、そういう意味では国にもちろん対策を求めていくのですけれども、現時点での受け止めとしては、新医学部ができることでのプラス面があるかもしれないという期待感が大きいのか、マイナス面の方がやっぱり非常に大きいのではないかというふうに懸念されているか、今のところどちらで受け止めていますでしょうか、率直に。
知事
私は、まだ新医学部ができるということを前提には物を考えておりませんで、岩手の今までの努力を無に帰さない形での新医学部のあり方というのはまだ今存在していないので、そういうものが出てこない以上は、医学部新設というのを前提にはできないというふうに思っています。
記者
済みません、もう時間が押し迫っているようなので、手短にやります。先日ですけれども、三(陸)鉄(道)、4から6月期、久しぶりに黒字になったという明るいニュースがありました。これに対する所見と、やはり地元の利用者の方が伸びていないということもございました。これに対する今後の手だて、お願いできますでしょうか。
知事
三(陸)鉄(道)がこの四半期というところでの黒字というのはすごいことでありまして、大変ありがたいというふうに思っています。これは観光客の増加分が大きく貢献しているので、去年放映された「あまちゃん」の影響も大きいというふうに思っていますけれども、今質問にもあったように、地元利用という点ではまだ少なくなったままでありますので、ここのところ、やはり厚みを増して経営をより安定的なものにしていければというふうに思います。そこは、マイレールからアワーレールへということで、沿線住民の皆さんが自分の三(陸)鉄(道)ということに加えて、自分たちの三(陸)鉄(道)ということで市町村ごと、あるいは駅の周辺ごと、そういうみんなで力を合わせて三(陸)鉄(道)利用を促進するということをさらに工夫するというふうに展開していますので、それを進めていきたいと思います。
記者
手短にしたいと思います。先ほど「あまちゃんサミット」のお話も出ましたし、今の三(陸)鉄(道)の関連で「あまちゃん」の効果が非常に大きかったということも出ましたけれども、知事もサミットに参加されたりして、知事自身のいわゆる「あまロス」という状況は解消されたのかというのをちょっと一言お聞きしたいと思います。
知事
僕自身は「あまロス」ということは自覚していなくて、やっぱり作品は最終回になって初めて全体が確定して、それで、「ああ、あのときのせりふはこういう意味だったのだな」ということもわかりますので、終わらないと作品全体をきちっと評価できない、楽しめないというところもあるので、作品がいつか終わるということについては、あまりそうあってはならないみたいな思いは持っていないのですけれども、完成した「あまちゃん」という作品をどう大事にしていくのかという新しい課題がまず地元には生まれ、やっぱり地元の知事としてもそういう新しい責任が生じたと思っていますので、今作品として完成している「あまちゃん」というものを、「あまちゃん」のパワーを掘り出せるだけ掘り起こして、そして岩手の復興と地域振興に生かしていくということを、ますますやっていかなければならないなというふうに思っています。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
次の定例記者会見は9月8日(月曜日)の予定です。
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