平成26年7月22日知事会見記録
ID番号 N26771
平成26年7月22日10時30分から11時17分
広聴広報課
ただいまから記者会見を行います。最初に知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
知事
きょうの発表事項の1つ目は、「いわて☆はまらいん特使 村上弘明さん主演のPR動画とポスターについて」です。去る7月5日、岩手県出身の俳優、村上弘明さんには「いわて☆はまらいん特使」に就任していただきましたが、きょうはその村上弘明さんが主演するPR動画とポスターについて発表します。
まず、村上弘明さんの主演PR動画をご覧いただきます。この動画ですけれども、村上弘明さんが「天才外科医」、「人情派刑事」、「柳生十兵衛」、「織田信長」にそれぞれ扮しまして、岩手の食材、地域資源、自然、癒やしをアピールする全4編から成り、村上弘明ワールド全開で岩手の魅力を伝える内容になっています。7月18日にPR動画の「食材編」であります「三陸の食に太鼓判!」を県ホームページ特設サイトとYouTubeに公開しました。今後7月25日、8月1日、8月8日と毎週金曜日に1本ずつ順次公開をしていきます。
PR動画と連動したポスターも製作しておりまして、7月25日から都営地下鉄で2週間中吊り広告します。村上弘明さんの全面協力による、かつてない情報発信を海産物が旬を迎え、観光シーズンも迎えるこの夏に大々的に行うことによりまして、岩手への関心を高め、復興につなげてまいります。「さあ、みんなして、岩手さ、はまらいん。」
次の発表事項は、いわて県民計画の主要課題の一つとして県北・沿岸圏域の振興を掲げ、平成20年度から県北・沿岸地区で現地会議を実施してきましたが、この「現地県北振興会議の開催について」です。知事と幹部職員が県北・沿岸圏域を訪問し、地域の持つさまざまな資源にスポットを当てるとともに、地域資源を生かした食産業の振興や地域づくりなど、今後の県北・沿岸圏域の振興施策に生かしていくことを目的として開催するものであります。
今年度は、第1回目を8月1日、二戸市において開催し、二戸管内の市町村長の皆さん方との意見交換を実施することといたしました。会議では、「地域産業の人材育成」、「効果的な情報発信」をテーマに、現地調査や意見交換を行って地域の現状や課題を共有し、現地ニーズに立脚した施策の企画立案と着実な推進を図っていきます。県北地域においては、地域の特性を生かした食産業やアパレル産業など、雇用創出につながる産業振興や企業集積に向けた取り組みを重点的に推進するほか、地域資源を活用した観光振興の取り組みも進めていくこととしています。今後もこのような機会を捉え、県北地域の振興を地元市町村と力を合わせて考え施策に反映していくとともに、県北地域の魅力を内外に発信していきます。
3番目、「『希望郷いわて国体・希望郷いわて大会』の『式典アドバイザー』、そして『式典音楽の作編曲者』の委嘱について」です。そばっちも来てくれました。2016年の希望郷いわて国体・希望郷いわて大会は、東日本大震災津波に際し、国の内外からいただいた数々のご支援に対し感謝の気持ちを伝え、そして復興に向かって力強く前進する岩手の姿、東北の姿を全国に発信する機会となりますが、開会式・閉会式では、そのような特別の思いを式典の構成・内容や、音楽などを通じて表現し、心からのおもてなしが伝わるようなものとなるよう岩手県にゆかりのあるお二人の方にお願いをすることとしました。
式典全体の企画・演出等についてアドバイスをいただく「式典アドバイザー」には、演出家・映画監督である大友啓史(おおともけいし)さん、そしてファンファーレや入場行進曲など式典全体の音楽を担当していただく「式典音楽の作編曲者」には作曲家である八木澤教司(やぎさわさとし)さんです。大友啓史さんは盛岡市出身、NHKに在職されていたころからドラマ「ハゲタカ」や「龍馬伝」などで演出を務め、独立されてからは監督として映画「るろうに剣心」や「プラチナデータ」など多くのヒット作を手がけ、海外においても高い評価を得ています。そして、今年の2月には大友啓史さんは、いわて若者会議で基調講演、トークセッションに出演し、岩手の若者が活躍の場を自らつくり出すためのアドバイスを行うなど、大震災からの復興にお力添えをいただいています。
そして、八木澤教司さんは北上市の出身、吹奏楽曲をたくさんつくっていらっしゃり、その代表作は世界吹奏楽大会等で多数演奏されています。世界の各地でその作品が演奏されている作曲家です。そして、平成21年の新潟国体、平成22年の千葉国体の式典音楽の制作を担当しています。そして、今流れている「あすという日が」、これも八木澤さんがつくった曲でありまして、東日本大震災復興シンボル曲と称されて、大震災の年の紅白歌合戦で夏川りみさん、秋川雅史さんが歌ったことは記憶に新しいところであります。
大友さん、八木澤さん、それぞれ大変お忙しい方々ではありますが、希望郷いわて国体・大会の趣旨に共感していただき、このたび快くそれぞれ役割を引き受けていただくことになりました。世界を舞台に活躍するお二人には、グローバルな視点で、またふるさとへの思いも込めていただきながら、復興のシンボルとして復興の力となる希望郷いわて国体・いわて大会にふさわしい式典となるようお力添えをいただきたいと思っています。
以上です。
広聴広報課
以上で知事からの発表を終わります。
幹事社
それでは、ただいまの発表事項3件について各社から質問があればお願いします。
記者
国体について伺いたいのですけれども、式典アドバイザー、それから作編曲者をそれぞれ委嘱するということですが、それぞれ大友さん、八木澤さんについて、特にどのような辺りが魅力だということで起用したかということをもう少しお聞きしたいのと、あとこのお二方を起用することでどのような成果というか、期待するというところをもう少しお聞きできますでしょうか。
知事
お二人とも非常にクオリティーの高い作品をつくっているクリエイターでありまして、世界にも通用する作品をつくっているということで、やはり質の高さ、クオリティーの高さということをまず期待しますけれども、そこにグローバルな視野と、そしてふるさと、本当にそういうお二人が岩手出身でよかったなと改めて思っているのですけれども、ふるさとへの思いというものを込めていただきたいというところに期待しています。
記者
ありがとうございます。きょうの記者会見は、いつもとはまた趣向が違って映像を交えたり、着ぐるみを交えたり、音楽を交えたりしていますけれども、何か狙いというか、これから記者会見はこのような形で五感を駆使した記者会見にしようという何か狙いはあるのでしょうか。
知事
それぞれ実際に見てもらった方が、あるいは聞いてもらった方がわかりやすいということと、そばっちは応援したいということで来てもらったのですけれども、随時必要に応じてそういう手法はとりたいというふうに思います。
記者
ありがとうございます。期待しておりますので、よろしくお願いします。
知事
あと繰り返しますと、「岩手さ、はまらいん。」というのは、そういうパターンのポーズがありますので、動画の中でも最後に村上弘明さんが人情派刑事の格好で、「岩手さ、はまらいん。」とやっていましたけれども、これはぜひみんなで覚えてやってほしいなというふうに思います。
記者
今の村上弘明さんの動画なのですけれども、知事ももう全てご覧になっていらっしゃるのでしょうか。まだでしょうか。1本目はご覧になったのでしょうか。
知事
予告編のような4編のダイジェスト版を見たのと、あと既に公開されている食材編、「三陸の食に太鼓判!」、これは天才外科医版なのですけれども、これはもう見ています。
記者
せっかくなので、ご覧になったご感想と、これから見る方にどういうところに注目して見てもらいたいのかというのがあれば教えていただけますでしょうか。
知事
村上弘明さんの俳優としての過去の蓄積の成果が現れていて、村上弘明さんの作品世界というのが画面全体にあふれているのですけれども、それがこの岩手県を舞台にして地元感たっぷりに描かれていまして、そういう岩手の風土と村上弘明ワールドの融合した魅力ですね、村上弘明さんのふるさとへの思いというのと、ふるさとの側でも岩手出身俳優最高峰でありますから、そういう人が今回復興支援ということもあって岩手の観光や物産のPRに全力で取り組んでくれているという、そういうお互いの思いが感じられるような動画になっていて、何度見てもいいなというふうに感じてもらえると思います。
幹事社
村上弘明さんの(件)で、大変興味深いもので、私も見たいと思うのですけれども、これかなり一大、大きく仕掛けるのですけれども、続編みたいなものというのはどうなのでしょう、この次の展開みたいなものは今どのようにお考えでしょうか。
知事
県の事業でやっていて、予算のあることでありますので、まず今年度事業として企画していることをこれからやるのですけれども、もちろん評判次第では、あるいは展開次第ではそれを踏まえた展開、新たな展開というのも、それはそのとき考えることになるのかなというふうに思います。
幹事社
盛岡エリアが追加してあるといいなと期待を込めながら質問させていただきました。ありがとうございます。
ほかに発表事項でありますか。
記者
村上さんの件なのですけれども、先ほどの(質問)にも関連して、三陸が3本というのは、やはり復興を応援したいということで4本のうち3本が沿岸になっているのかというのが1つと、この設定が織田信長だったり、天才外科医だったりというのは、村上さんの演じる幅の広さみたいなものを考えてこういう設定になっているのかというのをもしご存じであればお願いします。
知事
村上弘明さんの俳優人生をかけて岩手のために一肌脱ぐという中で、そういう村上ワールド全開という、そういうさまざまな配役になったというふうに理解をしています。
それから、海の方が舞台になっているということについては、夏というシーズンもあって旬の食べ物が海の方が旬になっていくことや、観光でも夏の観光シーズン、海が魅力的であること、あとは北限の海女編もあるということで、やはり去年ドラマ「あまちゃん」によって岩手の三陸沿岸地方というのが非常に全国的に関心が高まったということも背景にあります。そして、最後になりましたけれども、やはり復興のさなかにある岩手県ということを全国にアピールということで、沿岸地方が多くなったということがあります。
幹事社
他に発表事項でありますか。
ないようですので、発表事項以外に各社から質問があればお願いします。
記者
まず、オスプレイについてお聞きします。きのうまでに岩手県の上空を飛んだ可能性があるということでしたが、知事自らも、あと全国知事会も事前に情報提供して住民にも事前に周知するよう求めていましたが、その辺りどのようにお考えでしょうか。
知事
この連休中、県と東北防衛局とのやりとりの中で、結局岩手上空を飛んだのかどうかわからないことと、米軍からのそういう防衛省への情報提供がなく、防衛省としてもわからないということだったのですけれども、オスプレイについては低空飛行時、訓練時の危険性(がある)ということが国民的に不安、関心の対象になっていて、それを背景にそれぞれの都道府県の上空を飛ぶ(場合)など、運用全般に関してきちんと情報公開を(してほしい)ということを全国知事会として(国に)求めてきていたわけですので、そこはやっぱりそういうふうにしてもらわないと困るというふうに思っています。
記者
ありがとうございます。それで、県としてはこれから再度働きかけることがあるのか、それと情報提供、県民に対しては自治体にファックスで、あと県民にはホームページ等、ツイッターでということでしたが、今後それを拡充する必要性を感じていらっしゃるか、いかがでしょうか。
知事
岩手県として入手した情報については、市町村等関係者にきちんと伝えていくというのが基本方針になります。それから、この情報をきちんと自治体にも伝えてほしいということは、今回の東北防衛局とのやりとりの中でも伝えているのですけれども、改めて全国知事会等の場で、今回のことでも横田基地から北海道ですか、その間にあるのは岩手県だけではなく、全国自治体共通の課題でもありますので、その辺をどのような形でさらなる対応をしていけばいいのかということを検討していきたいと思います。
記者
全国知事会に関連してですけれども、先週の全国知事会議で国と地方が総力を挙げて少子化対策に取り組む必要があるという趣旨の非常事態宣言をまとめました。県としても既にこれまで人口問題を踏まえ、各種施策に取り組んでいるところではありますけれども、本年度新たに人口問題対策会議設置と、来週には市町村を含めた(県人口問題)連絡会議というものも予定があると思います。本腰をさらに入れていくというタイミングというふうに理解しております。(全国)知事会議での意見交換の所感というところと、併せて今後県としてどのように改めて人口問題に取り組んでいくか、現時点で具体策のようなものがあればそれも含めてお答えいただきたいと思います。
知事
ほとんど全ての知事さん方が発言したのではないかというくらい、皆さん関心を持って議論が行われたと思います。そして、その当日の議論の中で出た意見も取り入れて、全国知事会として非常事態宣言を取りまとめた他に、政策集も取りまとめたわけでありまして、地方としてやるべきこと、やれることについては、かなり取りまとめた政策集に盛り込まれているなというふうに思います。その中には、岩手で既にやっていること、やろうとしていることもありますし、そうでないことも載っていたりするわけでありまして、改めてそれを参考にしながら、また岩手県としてやらなければならないこと、やるべきことというのを市町村とも相談をしながら決めて、そして実行していきたいと思います。
ということで、地方の努力ということについては、今までもずっと各自治体努力してきたわけで、それをさらに強化していこうというのが今の趨勢(すうせい)なのですけれども、一方で国にも覚悟を持って人口減少問題、大きく(分ければ)、人口流出をなくすということと、あとは出生率を高めるということなのですけれども、それぞれについて国としてもやらなければならないこと、そしてやれることを徹底的にやるべく求めていかなければならないと思っています。全国知事会議の場で、岩手県作成資料として、47都道府県全ての1980年代から去年までの人口流出あるいは人口流入の変化と、そして有効求人倍率の国の平均との差の推移を一つのグラフにしたものを配ったのですけれども、国が地方切り捨て型の経済財政政策をとったり、これは裏から言うとマネーゲーム的なそういう経済を実体経済に優先させるような経済政策、財政政策をとると、てきめん地方経済が相対的に悪化して地方からの人口流出が起きているという証拠があるわけです。さらに、最近の2年間を見ると、岩手県などは復興関係の事情があって例外的なのですけれども、全国のほとんどの道府県がここ2年間人口流出が悪化しているわけです。リーマンショック後の緊急経済対策の効果が薄くなってきて、かつアベノミクスが始まって、地方経済の総体的悪化というふうになっているというのが、人口流出の増大というデータとしてはっきり出ていますので、ここはやはり国に経済財政政策全体についてちゃんと地方経済に、そしてそれは地方社会にとってもなのですけれども、地方にいいように変えていってもらわなければならないと。国の方でも地方創生本部を創設し、内閣を挙げて取り組むということなので、その中でしっかり取り組んでほしいと思います。人口問題と地方経済再生というのは、もうこれはセットでありまして、地方創生本部がそこをきちっと理解して適切な手を打っていけば人口流出は止められるし、また出生率を上げることもできるわけなので、そこをちゃんと国と地方が力を合わせて今こそやっていける情勢になってきているので、岩手としても頑張っていきたいと思います。
記者
まずは、滝沢の中学生の自殺について伺いたいのですけれども、先週の金曜日にいじめと疑われても致し方ないということでまとめが出まして、その理由としては本人が亡くなっているから苦痛があったかどうか判断できないということで、非常に消極的な姿勢があらわになったのですけれども、まずこのことについて知事の所見をお聞かせください。
知事
滝沢市の教育委員会において、岩手県の教育委員会の協力も得ながら学校現場を中心として今回の事案に取り組んでいるということだと思います。そして、それは司法的なプロセス、警察とか検察がやるような誰を罰すればいいのかというようなことではなくて、教育現場で起きたことの事実関係とその本質を明らかにし、そして亡くなった生徒さんの親御さん、その関係者の皆さんはじめ未来に向かって進んでいけるような形になり、再発の不安ということも含めたそういう不安を克服していくというところが目的だと思います。今それらが全て大団円に至ったという状態ではないものと理解をしておりますけれども、裏を返せば教育現場の関係者をはじめ、それぞれが真摯な姿勢でこの事態に取り組んでいるということだと思うので、それぞれの思いがきちっと報われて、そしてみんなが未来に進んでいける形になることを期待しています。
記者
第三者委員会の設置について伺いたいのですけれども、遺族は設置を求めるという姿勢で、一方で学校側は親御さんに今回の事案について理解を求めていくということで、第三者委員会設置については今のところは明言していないというか、今のところしないのですけれども、それに対してはご見解はいかがでしょうか。
知事
そこら辺は関係者の間でよくよく話し合って、そしてさっき言ったようなみんなが未来に向かって進んでいけるような形を実現してほしいと思います。
記者
ありがとうございます。あともう一件、全然話が変わるのですけれども、ディズニー映画の「アナと雪の女王」を11人の知事が踊る動画が今インターネット上で話題になっているのですけれども、これについて伺います。
目的は子育て支援が狙いということで、宮城県の村井知事も踊っているのですけれども、一方で知事のパフォーマンスだとか、税金の無駄だとかという意見もあるようで、知事の見解というか、もし見ていればご感想とかも教えていただければと思います。
知事
さっきも人口減少問題について全国知事会議との関係で話をしましたけれども、やるべきこと、そしてやれることはもう何でもやるという勢いが必要だと思いますので、参加した知事さん方はそういう思いから少しでも役に立てばということでやったのだと思います。そういう思いがちゃんとそれぞれの地元に、あるいは全国的に伝わるかどうかということなのでしょうけれども、「アナと雪の女王」という映画は非常にはやっていますし、関心を呼び起こすという点では「アナと雪の女王」という作品と少子化問題とか、あるいは女性の生きにくさを克服しようという、そういうテーマとかというのが相まって、その必要性がより広がるという効果はかなりあるのではないかなというふうには思います。
記者
先ほどの少子化問題のところで、全国のほとんどの道府県がここ2年人口流出が悪化しているというふうにおっしゃって、アベノミクスのこともお話しされたと思うのですけれども、これは要するにアベノミクスという経済政策が地方経済には好影響、何らいい影響をもたらしていないという、そういう結果ということになるのでしょうか。
知事
アベノミクスについては、次々に矢を放ち続けているというところがあって、3本の矢と言いつつ、それぞれの矢というのはさらに分かれていて、わかりやすいのは構造改革的なやつですけれども、女性の活躍支援とか、あと今回地方経済活性化という意味でこの夏から秋にかけて新たにまた矢を射始めるということでありましょうから、今までのところという限定付きになるわけでありますけれども、やはり人口流出の悪化という生の数字によって地方経済の相対的悪化は起きているということは言えると思うわけでありまして、今のところ今の段階のアベノミクスは地方経済の相対的悪化を引き起こしているということは言えると思います。そして、それが人口流出を悪化させているということが数値として出ているということだと思います。
幹事社
他にありますか。
記者
津付ダムの関係なのですけれども、先日答申が県の方に提出されたと思うのですけれども、現段階で県の判断としてはどのようにお考えかというのを改めて伺えますでしょうか。
知事
かなり丁寧に審議をしていただいたと思います。そして、その結果、ダム(建設)中止ということにオーケーという結論が出たわけでありますけれども、その結論もさることながら、そこに至る審議の丁寧さ、またその審議の中で地元の皆さんの声や、またダムをつくるということで進んできた今までの経緯とか、そういうのを尊重しなければならないというようなこともかなり議論されたと思っていますので、委員会(岩手県政策評価委員会)からそういう結論をいただいたわけでありますけれども、ここで改めて鉢巻きを締め直して、地元の皆さんの理解をいただいていくという努力をさらに続けていかなければならないと思っています。
記者
県として事業中止という正式な決定はまだということでよろしいですか。
知事
そこはまだ決めてはいません。
記者
先ほどの滝沢の(中学生の自殺の)話題に戻って恐縮なのですけれども、これまで先週金曜日の保護者説明会の様子など報道などでご存じだと思うのですけれども、学校現場での当事者能力にもう限界が来ているのではないかという印象があるのですけれども、その辺り印象としてご覧になっていてどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。
知事
生徒が亡くなる、また自ら命を絶つというのはやはり重いことであって、それについて全ての関係者が短期間で、「ああ、すっきりした」というふうにはそう簡単にはならないし、またなってもいけないと思うのです。いろんな疑問、わだかまり、不安、そしてそれはやはり教育の世界の中で、それは教育の一環としてでもあると思うのですけれども、関係者の皆さんが学校現場を中心にきちっと向き合っていかなければならないということで、そこはもう少し大変なことではあるのですけれども、たださっきも言ったように、それぞれが未来に向かっていけるような形にしていこうという問題意識はみんなが共有してやりとりはやられているというふうに思うので、そのやりとりが実を結んでいくことを期待したいと思います。
記者
基本的には学校と遺族の方、保護者の方と当事者間でやれる限りのことはやってもらいたいというお考えでよろしいでしょうか。
知事
いろんなアドバイスやお手伝いというのは、県教委もいろいろやりますし、そこは当事者たちが望めば、あるいはこうすればいいというような救いの手のようなものが差し伸べられるとか、そういうのも含めた形で関係者同士が学校現場を中心に問題解決に当たっていくということが望ましいのだと思います。
記者
たびたび済みません。防災の話なのですが、県の今月中旬のまとめで土砂災害の避難勧告基準を見直しているところがまだ未策定が8自治体ということで、4分の1がまだ終わっていない。本来であれば6月中にということで、梅雨が始まる前にということだったのですが、もう梅雨の時期になっているので、その辺りについてはどのようにお考えですか。
知事
これはできるだけ早くつくってもらわなければならないというふうに思っていますが、これも(市町村が)今までの想定と違う想定で改めて防災体制を考えていかなければならないとか、基準を考えなければならないということにまじめに取り組みますとそれなりに時間がかかったり、あるいはお金もかかる。そこで市町村にかかる費用の負担については国の方でもきちっと手当てするようにということを県から国に要望したりもしているところでありまして、そういう意味で県としては今この瞬間にそういうの(基準)はそろっていた方がいいわけなので、早く、早くということは(市町村に)働きかけていくし、お金も含めて足りないものがあれば、そうやって県からも国に働きかけたりもしているわけですけれども、ということで早くしてほしいというのが県の立場です。
記者
最後に、人口減少の問題に戻って恐縮ですが、政策集を知事会で出されていましたが、岩手県として既にやっていることとかもあるということですが、新たに県として取り組んでいないところで何か参考になったところとか、(全国)知事会(議)に実際に行かれて考えられたことがあれば教えていただきたいと思います。
知事
その政策集の中にあったかということについては不正確なのですけれども、それぞれの市町村単位でいろいろ他でやっていないようなことをやるというのがあるわけです。他でやっていないような定住支援、若い家族が引っ越してきたならばこういうこともやる、ああいうこともやるとか。結構西日本の方、特に中国山地の山奥の方の市町村はかなりそういうのが進んでいて、定住支援でも岩手の場合、むしろ岩手は専業農家として本格的に就農できるだけの土地もあれば、またそれを指導する体制とか、またそうやって新規就農、専業農家になって稼いでいける可能性というのもあって、そういうところに軸足を置いた定住支援をしているのですけれども、西日本の方だとむしろそういうことができない、土地は狭い、つくってもそれを売るだけでは食べていけない。ということで、むしろその人たちが都会でやっていたような仕事を持ってきてもらい、また地元でNPO活動みたいなところでも稼げるようにし、2つも3つも仕事を組み合わせて、それで食べていけるような定住支援というのは西日本の方がかなり発達しているなと思いました。そういうのをいろいろ参考にしながら、調べた結果、これは西日本なりのやり方で、岩手とは違う環境の下でのやり方だなという結論になるかもしれないし、あるいはここの部分は岩手でも参考にして取り入れた方がいいかなというふうになるかもしれません。
記者
たびたび済みません。先週岩手医大の記者会見で、内丸のメディカルセンターの新築の建設が遅れるという発表があったのですけれども、それに伴って盛岡市の中心市街地活性化計画に跡地利用とともにメディカルセンターも含まれるというような内容だったのですが、改めて跡地利用に関して、県としてはどういった方向性での活用が望ましいというような知事のお考えがあれば教えてください。
知事
そこは県からこういうのありきでつくっていくのではなくて、医大と、あと盛岡市や盛岡商工会議所でさまざま工夫をしていくことについて、岩手県として支援していくという格好になりますので、いろんなアイデアとか、情報とか、提供とかいろいろできるとは思いますけれども、どういう中身にしていくかというのはやっぱり地元本位に決めていくというふうになると思います。
記者
続けて、岩手医大の件で、今おっしゃったとおりだと思いますし、今までは専ら医大の土地、所有物などで医大の専権のものでしたけれども、今回のように県と市と商工会議所と4者協議も事務レベルでスタートしておりますし、そういった意味で商業エリアということで今の病院の本院の方を新たに開発を4者で協議というか、あるいは検討するということになったということで、非常に地域住民にとっても、県民にとっても今後どうなるかというのが比較的オープンな形で進行されるというふうに期待されるのですけれども、そういうことになったこと自体は知事としてはどんなふうにお考えか教えていただければと思います。
知事
いわて復興塾で平田オリザさんから教わったのですけれども、八戸市が「はっち(八戸ポータルミュージアム)」だかという中心市街地公共施設をつくって、それはかなりうまくいっていると。東日本大震災からの復興という流れの中でもあったのですけれども、震災以前から空洞化しつつあった中心市街地に大きな人の流れをつくることができる、そういういろんな公共的な施設が中に入っているものを中心市街地の真ん中につくってうまくいっているというのです。私は、それをそのまままねろということではなくて、そうやって地域、地域の地理や歴史を踏まえて、地域の皆さんのアイデアも入れて工夫をしていけば事態を好転させることができる、そういうまちづくりというのは成功例の一つとして参考になると思うのです。そういうことは盛岡でもできるし、やらなければならないなというふうに思います。
記者
そうすると、医大もそうなのですけれども、公共用地で、あと未利用地といいますか、未利用ではないか、短大跡地とか、あと盛岡の消防本部の方も今度は移転しますし、あと国の合庁も移転したばかりで今空き地になっていますけれども、中心街で非常に公共施設の跡地の利活用の方がまだ棚上げというか、どういうふうになるか定まっていないのがあるのですけれども、そういったものも一体的に考えていくチャンスになるというようなお考えですか、いかがですか。
知事
そうですね、私が衆議院議員になったばかりのころというのは、中心市街地活性化がかなり盛り上がっていて、まちづくり三法という法律もできたりし、その過程では全ての省庁が中心市街地活性化というのに絡んでいこうということで、政府を挙げて中心市街地活性化に取り組むようなのがあって、そのころ盛岡でもバスですね、今のでんでんむしとあと松園にターミナルをつくって、そこでバスが枝分かれしていくような、オムニバスタウンという構想が中心市街地活性化と関連して出て、それが実を結んだりもしているわけで、そういう過去の成功例もありますから、そういう感覚を今も生かしてやっていけば、盛岡というまちはどんどん良くしていくことができると思います。
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。
次の定例記者会見は7月28日(月曜日)の予定です。
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