平成26年7月7日知事会見記録

ID番号 N25867

平成26年7月7日10時30分から11時14分

広聴広報課

 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表事項はございません。
 
幹事社
本日は記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がありませんので、各社から質問があればお願いします。
 
記者
 今議会を振り返って、大きくは2点伺います。
 1つは「大雪りばぁねっと。」の関係なのですけれども、一般質問のやりとりの中で第三者委員会の設置、決議を求めるものに対して、知事は、簡単に言えば裁判とか会計検査院の検査がこれから想定されているという中で全容解明が期待されているので、行方を見守るという答弁をなさりました。それに対して質問(した)議員が、決議が求めている調査対象というのはNPO法人ではなくて、そもそも県職員が対象であって、その手持ちの資料で検証できるのではないかという指摘がありました。この指摘については、当該議員だけではなくて別会派からもそういう声が出ていますけれども、知事のお考えとして、手持ちの資料とか県職員を対象にして、質問(した)議員が求めるような調査の必要性をどう考えるかどうかというのをお聞かせください。
 
知事
 徹底した検証ということが2月議会の決議の中では求められていて、また県の検証委員会の報告は検証が限定されていたと。だから、より徹底した検証をということでしたので、それに対して県の顧問弁護士さんの方から、対象を拡大し、徹底した検証ということであれば、事実としてその後再逮捕に次ぐ再逮捕、起訴の要件もどんどん広がっているところなので、それと並行した調査は控えることが適当であるという顧問弁護士さんの意見というのは県執行部としては自然なこととして受け止めて、その判断を基に県としても行方を見守るというふうに判断しているところであります。
 
記者
 ありがとうございます。関連なのですけれども、知事はその答弁の中で、3月に出した県の報告書について、まずは決議が指摘している客観性ということについては、外部委員、専門家が出ているから客観性は確保されていると。もう一点が、報告書は問題点をきちんと指摘しているという答弁がありましたけれども、そうすると現時点で少なくとも当該議員が求めている県職員を対象にした調査というのと手持ち資料での検証というのは、現時点では少なくとも当該議員が求められている調査手法ということについては必要が認められないという見解でしょうか。
 
知事
 2月議会での決議というのは、議会全体としての決議というふうになっているわけでありまして、県執行部はそこに誠実に対応しようということであります。今議会においていろいろご意見も出ているわけでありますけれども、私も記憶をたどりますと、例えば材料はもう出そろっているのだから、それの評価を別の人にしてもらえばいい、みたいな趣旨の発言もあったかと思いますけれども、それが議会の総意なのかどうかというと、そうだというふうな確信は得られないところでありますし、また法律の専門家である県の顧問弁護士さんに2月議会の決議文書をかなり精査していただいた結果、言っているようなご意見をいただいているわけですので、まさに客観的な意見を尊重しながら県としても誠実に対応しようとしているところです。
 
記者
 ありがとうございます。では、話題を変えて、また議会の関連なのですが、もう一点、DIOジャパンの問題が今回1つ議論になりましたけれども、DIOに関しては現時点で、大雪とは違って、不正とか不適切という意味では、それの存在がいろいろ指摘はされていますが、定かではない。ただ、一方では緊急雇用(創出)事業の性格を考えると、継続して安定した雇用を事業計画後も続けるという意味では、県民の雇用については大きな不具合が出たのは確かだと思います。今回のDIOに関しても、不正、不適切の実際の存在はともかく補助金運営については、これからの運営についてはいろいろな示唆がある事案ではあるのかなと思います。
 議会の答弁の中で、橋本商工労働(観光)部長は、国の調査には協力するという話はありましたけれども、今回の大雪あるいはDIOを含めて、第三者委員会の手法が良いかどうかはともかく、これからの補助金事業のチェック体制という意味で、何か県の中で改めて分析するとか、教訓のために分析していくとか、そういう考えがもしあればお聞かせください。
 
知事
 この補助事業については、補助金適正化法(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律)という法律もあって、補助事業を適正に行うための法的枠組みというのはかっちりしたものがあり、その中で何かあったときには主管官庁が立ち入り検査ができることになっています。今回の補助金の場合は、これは「大雪りばぁねっと。」事件のことも今回のDIOジャパンの問題についても、厚生労働省が何かあれば立ち入り検査をする権限があるわけです。ただ、それは間に入っている県にはそういう権限は今ないわけであって、むしろ今後のことを考えれば県にもそういう権限を認めるべきではないかという議論はあり得るのだと思います。そして、そういう行政のラインにおける立ち入り検査等の事実関係の究明、それに対する行政的な対応というメインのラインの他に国の会計検査、国の予算としての補助事業については会計検査院による検査という制度が(あり、)またこれは会計検査院というのは憲法にも書かれている存在でありまして、そういうかちっとした制度があり、そして起きていることが犯罪になる、法律違反、犯罪になるのであればそこには警察、検察による司法的な解決ということが今制度としてあるわけですから、まずはそういった制度で対応する。DIOジャパンの関係についても、県としても状況を把握しておく必要があるということで盛岡市の方に調査をお願いしたほか、7月3日には関係市町村に対して調査を依頼しているところです。
 
記者
 ありがとうございます。これ最後にお聞きしますけれども、3月に県が出した報告書の中で、市町村の補助事業に対して、簡単に言うと県があまりにも関与し過ぎると責任の所在が曖昧になってしまうというような、今そういう現状にあるというような指摘があったと思いますけれども、知事がおっしゃった権限の問題もあると思います。ただ、一方で例えば県が関与する市町村の補助事業の中で、推進するに当たっての不具合をチェックするというのは、県と市町村で連携するというところは何か考えてもいいのかなと思うのですけれども、その辺りもし何か、検証等はまた置いておいて、何か考えがあればお聞かせください。
 
知事
 行政改革の大きい流れの中から言えば、ひもつき補助金は良くないということで、補助金というのはそれを使う自治体がそれを自由に使えるようにして、その上にある、市町村の補助金であれば上にいる県とか、あるいは国というのは口を挟まないで、市町村が自由に使えるようにしようという改革の流れが一つあるわけであります。
 一方、国の予算を適正に使わなければならないということで補助金適正化法ができて、さっき言ったような適正な補助事業執行を確保するための法律的な枠組みもかちっとしている。そういう中で、県として何をすべきかということについては、この「大雪りばぁねっと。」事件に関する県の検証委員会による報告の中に今後の方向性についても盛り込まれていましたので、それを基にして県でも内部的にさまざま新しい事業執行をチェックする、適正を確保するためのポストをつくって、担当する商工労働観光部のみならず、総務部も含め全庁的に補助事業の執行を適正化する体制をつくって、また職員についても改めて勉強してもらい、市町村に対してもチェックをより強化するように、これは県の市町村に対する関与の強化という方向性にはなるのですけれども、そういうことをやっているところです。
 
幹事社
 その他に何か質問ございますか。
 
記者
 先ほどの質問に関連して、先ほど知事のご答弁、お話の中に、DIOの問題に関して、監督官庁は今回に関しては厚労省が立ち入り検査をできる権限があって、ただその間の県には権限がない。そういう認める議論があるべきということですが、知事ご自身のお考えとしては、監督官庁だけではなくて県がそこに調査できる権限を有するべきだというお考えなのでしょうか。
 
知事
 「べき」というふうには言っていませんで、補助金の執行適正化のために、先ほどの質問の中では第三者委員会的なものを活用する、それは第三者委員会を常設するとかいろいろあるのかもしれませんけれども、それよりは今の法律の体制を強化するという流れからいけば国に認められている権限を県にも認めるという議論もあり得るということで、そうすべきかどうかについてはもう少し検討してみなければならないと思います。現に今法律がそうなっていないということには、それなりの理由もあって法律がそうなっていないというところもありますので、だから県がどこまで市町村の行政に介入するのかということについては、今そうやって県も立ち入り調査権を持つべきかということについては、今時点では「べき」というふうには考えていません。
 
記者
 わかりました。ありがとうございます。DIOの関連で、花巻と釜石のコールセンターが既に中身がもうなくて、事業所自体が完全に閉鎖されているような状態で、なおかつ県に対して奥州市のコールセンター1つを残してあとは基本的に撤退したり、事業譲渡したりという連絡が来ているということですが、それに対して知事として受け止めはどうでしょうか。
 
知事
 まず、奥州市のコールセンターで少なからぬ人数の岩手県民が働いているわけですから、その雇用をしっかり守っていただかなければならないということと、また、もともとの趣旨からいってコールセンター事業を岩手県、さらには被災地、東北において増していこうという、そういうことで進出してきたわけですから、そのとおりに雇用を守るのは当然ですけれども、増していくというところまでやってほしいというのが気持ちであります。
 
記者
 わかりました。現に増すどころか、どんどん事業所が撤退していて、もともとの緊急雇用創出事業の予定していた人数にも満たない人数しか雇用できていないという状況がある中で、県として今後検証とか、あと県の責任というのはどういうふうに知事としてはお感じになっておられるでしょうか。
 
知事
 まず、奥州のコールセンターで実際働いている県民の皆さんに、県として配慮しなければならないと思っていまして、その皆さんができれば誇りを持って働いていただけるようにしてもらわなければならないわけでありまして、まずそれが第一。そして自分の会社でやれなくなった他のコールセンターということについては、その事業をうまく他の会社に継承して、そこでの雇用をできるだけ減らさない、そして事業継承がうまくいけば、そこからまた増していけるようにしてもらわなければならないということを今県としてはDIOジャパンに求めているところで、まずそこを県としてはしっかり対応していきたいと思います。
なお、さまざま疑惑が取り沙汰されている件については、これを調べて状況を把握する責任もあると思いますので、さっき言ったように関係市町村を通じてその調査を行っているところです。
 
記者
 わかりました。市町村に調査をお願いしているという段階ということですが、県が主体となって調査するということは今のところはお考えはどうでしょうか。
 
知事
 そこは先ほどから説明している補助金適正化法の体制として、それは事業主体である市町村がまず責任を持って対応し、何かあれば厚生労働省が立ち入り検査ができるという仕組みなわけでありますけれども、まずその法制度の中でも県としても及び腰になるのではなくて、ちゃんと事実関係の把握でありますとか、また県としてやらなければならないこと、特に広域、複数市町村に関わる事態になっているわけですから、個別の市町村がばらばらとDIOジャパンに申し入れるのではなく、県として強く雇用の確保や事業の適切な継承、他企業への適切な継承といったところを求めていくという、県としてやるべきことをしっかりやっていきたいと思います。
 
記者
 わかりました。ありがとうございます。ちょっと全然別な質問になるのですが、先週の週末にあった「いわて☆はまらいん特使」の件であります。
 まずお伺いしたいのが、村上弘明さんですね、陸前高田(市)ご出身で、ご自身もご実家が被災されていて、どうして村上弘明さんを今回特使に抜てきされたのかというところをまずお願いします。
 
知事
 県では、ことし本格復興推進年と位置付けているわけですけれども、ともすれば大震災から3年たって復興も終わっているのではないかというような誤解が広がって、いわゆる風化にもつながりかねない。そういう中で、対外的に岩手の現状、復興の現状というのを力強く、印象力強く伝えていくために岩手出身俳優の最高峰である村上弘明さんにやっていただく、そういう今局面にあるということですし、またそういう村上弘明さんが立ち上がってくれれば、県民もまた奮起して、本格復興推進年にふさわしい底力を発揮できるのではないかという期待もあります。また、村上弘明さんは岩手出身俳優の最高峰ということに加えて、被災地、また被災地の中でも特に被害の大きかった陸前高田市出身ということで、震災の実態や今の復興の現状について生々しい言葉で伝えることもできるというところも村上弘明さんにお願いした理由です。
 
記者
 わかりました。それに関連してなのですが、今回観光の活性化というのも一つ大きなテーマだと思うのですけれども、平成22年が県全体で見ると観光客数が2,895万人、25年は2,884万人とほぼ震災前の水準には県全体で見ると戻ってきていますが、沿岸エリアですね、宮古以南の沿岸エリアに関しては、まだ震災前の水準には観光客数が戻ってきておりません。それに関連して、陸前高田出身の村上さんを起用したというのは、沿岸エリアの観光業の復興というか、震災前の水準に近づけるためにという思いみたいなのもあったのでしょうか。
 
知事
 村上弘明さんには、岩手の観光や物産をPRしていただくという、そういう先頭に立ってもらうわけですけれども、その中で特に東日本大震災津波の被災地である沿岸の観光、物産をPRしていただくということは大きなウエートを占めています。
 
記者
 DIOジャパンの件に戻って質問させていただきます。DIOジャパンというより全般なのですけれども、DIOジャパンの報道をめぐっては、週刊誌等では結構センセーショナルに書いていて、「被災地を食い物にした」とかというような表現が出ております。DIOジャパンということではなく、こうした被災地復興あるいは被災した方たちへの支援に目をつけてお金もうけをしようとするようなやからがいるというのも、なかなか報道では出てなくてもあるようなのですけれども、基本的にそういう行為に対して知事はどのようにお考えか、まずお聞かせください。
 
知事
 DIOジャパンの件については、繰り返しになりますが、少なからぬ岩手県民が今もそこで働いているので、私はまず岩手県民の皆さんが誇りを持って働いて、そして豊かな生活をしていただく、県としてはそこをまず第一に考えなければならないと思っています。
 それから、震災からの復興全般、そして震災からの復興の中で外からの支援をいただくという中で、やはり基本は人間の中の善なるもの、また人間の中の底力のようなもの、そこに期待するというところが震災からの復興の原点であって、人間にはこれだけのことができるのだという、今までできなかったこともできるようになる、そして思いも浮かばなかったようなすごいことが実は力を合わせればできるのだという、そういうことをどんどん増していくことが復興というものを大きな流れにしていくことであって、私はやっぱりそういう人間の可能性というものに岩手を全面的に開いて、そしてこの岩手の中で人間の可能性というのをどんどん高めていきましょうということを広く県外の皆さんに呼びかけたいと思います。
 
記者
 そういう意味で、DIOジャパンと言ってしまったのですけれども、DIOジャパンではなくて、今言ったようなことが望ましいし、そう向かっていくべきだと思うのです。ただ一方でそういう企業なり、個人がいるということ、DIOということでなくて全般についてはどうですか。そういうことが起きてしまうということに関しては。
 
知事
 僕は、やっぱり復興というのは輝かしくも人間の善なる部分というのを発掘する、やればやるほど楽しい、そういう事業として進めていきたいと思っていますので、何か犯罪が起きたり、また犯罪の疑いがあるようなことに対しては、それは復興と結びつけてどうのこうの議論するよりは、端的に犯罪は取り締まらなければならず、犯罪を見つけたときには告訴しなければならないときは告訴したりとかするわけですし、また疑いがある場合にはそれを調査して、実態を究明するというようなことは、それはそれでしっかりやっていって、県としては県民の皆さんの安全を守り、そういう法秩序を守るという、これは警察と一緒にやる作業だし、また国の司法機関である検察とか、裁判所と一緒にやることでもあるのですけれども、岩手の中の法秩序を守るということは、それは復興とはまた別の話で、しっかりと岩手の法秩序を守るということは県もやっていかなければならないと思います。
 
記者
 ありがとうございます。それで、県議会の一般質問でもやりとりがありましたが、DIOジャパンに関してホームページ上で知事を登場させている、登場していたというやりとりがありました。それで、知事はこうしたDIOジャパンの、知事を利用して全国的な事業の進出を結びつけようというような、利用されたというような、そういうご認識は今の時点でありますか。
 
知事
 まず、実態として県の方からそのホームページが閲覧できないようにしてほしいということは申し入れています。だから、今現在そのホームページについては閲覧できないような扱いにすべきだというふうには考えていて、それがホームページに関する県の認識というふうに受け止めていただければというふうに思います。
 
記者
 そうすると、利用されたと言ってしまったのですけれども、それは今調査していることなんかも踏まえて、結論というか、どういうふうに解釈するかというのは出てくることになると考えていいのでしょうか。
 
知事
 これは、ちょっと哲学、理念の世界のことだから、個人的な意見として言わせてもらえば、復興という大事業は何か利用されるみたいな、そういうせこい一部の人の思惑に左右されるような、そんなケチな事業ではなくて、復興という事業はそういう思惑をもはねのけて、吹き飛ばして、より多くの人たちの、より大きな善意、そして人間の可能性ということをどんどん開花させていく輝かしい事業として進んでいくものと考えています。
 
記者
 ありがとうございます。あともう一つ、議会のやりとりで常任委員会で出たのですけれども、国体に関して寄附を会社の方から県に、実行委員会でしょうか、ちょっと宛先はわからないですけれども、ありましたが、返還すべきではないかというお話がありましたが、これに対して知事はどのようにお考えでしょうか。
 
知事
 国体の寄附については、法律違反ということで逮捕者が出た企業からの寄附を返還したという実例がありますので、これは一般論としてどんな寄附者に対してでもですけれども、何かそういう犯罪の強い疑い、逮捕というようなことがあれば返還を検討することになると思います。
 
記者
 先ほどの関連で、DIOジャパンのホームページで閲覧できないように申し入れているというふうなご答弁でしたけれども、今回閲覧できないようにすべきだというふうに考えた理由を教えてください。
 
知事
 総合的に判断して閲覧できないようにしようということです。
 
記者
 議会の答弁では、最初に特に単に載っていることは問題ないというご答弁が最初にあって、その後議員からの質問の指摘もあって、対処しますというようなことがあったと思うのですけれども、国体の寄附なんかも犯罪の疑いが強ければ返還することもあるというふうにおっしゃいましたけれども、その流れの中でホームページ上で閲覧できないようにすべきだというふうに考える理由は何でしょうか。
 
知事
 今でもDIOのコールセンターで働いている岩手県民が少なからずいて、その人たちにできるだけ誇りを持って働いていただきたいという、そういう配慮があり、またそのホームページで岩手の復興の現状や、そして国体のことなどが全国へのPR効果として掲載されていたというようなこともあって、そういった側面をこの県議会の中では答弁として指摘していたと思いますけれども、そういうことがあってもここは削除を(閲覧できないように)申し入れようというふうに決めたのは総合的に判断してそうしたということです。
 
記者
 その申し入れのタイミング等を含めて、今回タイミングが適切だったというふうなご認識でしょうか。
 
知事
 さまざまな状況を配慮しながら、申し入れるべきことを申し入れているという認識です。
 
記者
 「大雪りばぁねっと。」の話題に戻って恐縮なのですけれども、きょう県議会最終日ですが、いずれ決議は3月の決議案の内容を尊重するようにとか、議会への真摯な対応を求めるというような再度の決議案を出す動きというのがあるようなのですけれども、いずれ決議案としてまとまらなくても何かしら議会から県への申し入れという形で、そういう意思表示はしたいというような県議会の方では考えがあるようなのですが、そういう動きがあることについて、今現状での受け止めを教えていただけますでしょうか。
 
知事
 議会ではさまざまな動きがあると思いますけれども、これは議員の皆さん方が話し合って決めていくことですので、私の方からコメントすることは差し控えたいと思います。
 
記者
 それは、議会から県への意思表示が、そういうものがあるということについての受け止めなのですけれども。
 
知事
 現実に質問の中で指摘されたこととか、あるいは決議として成立した中の文書についてとかあれば答えることもできるかもしれませんけれども、そういうのがあれば聞いてほしいと思います。だから、そういう何か議会全体の総意としてこういうふうに決まったとか、あるいは正規の議会の質問の中でこういうふうに言われているが、それについてどうかと聞かれれば、それは答えられるかもしれませんけれども、そうではないことについてはこれから相談して決めようという議員の皆さんに、何か私のコメントで影響が、全然無視していただければ影響はないのですけれども、ただ私がここで記者の質問に対して答えたことが議会の質問とか、あるいは討論に引用されたりすることが結構多いものですから、議会の皆さんが自由に自主的にこれから決めようとしていることに私が影響を及ぼすことというのは、その可能性があることは控えた方がいいのかなと思っております。
 
記者
 話題変わって、ラグビーのワールドカップのことなのですけれども、先週釜石(市)の野田市長が正式に誘致を表明しまして、まずそのことに対するご所見をお願いします。
 
知事
 釜石市として、市民の皆さんを代表して2019年ラグビーワールドカップ誘致に名乗りを上げるということは、県としても応援していきたいというふうに思っています。ただ、いろいろ相談も受けているわけでありますけれども、釜石市さんとしても復興の妨げになるようであってはならないということで、過剰な財源等の負担ですね、そういうことがないように国の方のスポーツ関係の支援団体、日本スポーツ振興センターとか、そういう助成金を出す機関が中央にあるわけでありますけれども、県としてもそういう日本スポーツ振興センターをはじめオールジャパンからの支援というものが強力にあって初めて被災地、東日本大震災の被災地の中でもかなりの被害を受けた釜石市でのラグビーワールドカップの競技の実施というのは、これは決めるのはオールジャパンの組織委員会になると思うのですけれども、そこの方でも復興の妨げになるような、復興の足を引っ張るような負担を押しつけて、そこで競技というふうには多分ならないと思うのです。やるのであれば、それは復興の妨げにならないような、負担のないような形で決めていただけるというふうに期待をするので、県も釜石市さんと一緒に連携をしながらそういうオールジャパンのラグビーワールドカップの運営体制の方に、また日本スポーツ振興センターのようなオールジャパンのスポーツ振興支援関係筋に働きかけていきたいと思います。
 
記者
 今お話でもありましたように財源不足、最低でも12億円を超える建設費がかかるということで、あと維持費もかかるということで、市長もこの間、県を含めた関係団体と連携していきたいという話をされていまして、県としては具体的にはどのように動いていくおつもりでしょうか。
 
知事
 そこは釜石市さんと相談しながら適切に動いていきたいと思います。
 
記者
 具体的にはこれから検討していくという感じですか。
 
知事
 さっき言ったように、目指すところは復興の妨げにならない、むしろ復興を後押しするような形での開催を目指していくということになると思いますので、そのためには県は県で一銭も出さないなんていうつもりはなく、それなりの財政支援を県も覚悟はしておりますけれども、ただ県は県でオール岩手としての復興の妨げにならぬよう、県の予算というのは復興関係、釜石以外のところにもさまざま使わなければならないところもあるので、県がまた過剰な負担をするようなことがあっては岩手の復興の妨げにもなるわけですから、釜石市さんも県も自己負担全くなしということは考えてないわけでありますけれども、他方結果としてちゃんと復興の後押しになるような形での開催を実現させるため、これはどうすればそうなるという道筋が最初から決まっているわけではありませんので、中央の競技団体とか、スポーツ振興支援関係筋とか、そういったところが結局どう決断するかにかかっているというところもありますので、そこで良い結論、結果が出てくるためにどうすればいいかということをいろいろ調べたりしながら相談して対応していくということになります。
 
記者
 今のワールドカップに関連してなのですけれども、スタジアム建設で一部県営にしてほしいという釜石市の地元の関係者もあるのですけれども、スタジアムを県営にすることについて、知事のお考えがあればお願いします。
 
知事
 今現在、県としては、何か新しい県営の体育施設を全く新規につくるという考えは今の県にはありません。
 
記者
 先ほどの県として過剰な財政負担になる可能性があるものはやっぱり考えにくいという、そういう理由と理解してよろしいでしょうか。
 
知事
 結論として、今現在県として全く新しい県営のそういう大型の運動施設を岩手のどこかにつくるということは考えてないというのがまずあって、そして釜石におけるラグビーワールドカップの競技の開催というのは、それは地元に過剰な負担のない形でやることができれば復興の妨げにならず、むしろ復興の後押しにもなるということで、それがうまくいくように競技団体やスポーツ振興支援関係筋と調整していきたいということです。
 
記者
 話題変わります。公共施設の維持管理について伺いたいのですけれども、土曜日の未明に盛岡の消防本部の壁が剥がれて、隣に立地している県議会の会館の方に落下して、複数の県議の乗用車が傷つきました。そのうち1台はかなり激しい損壊になったみたいなのですけれども、これ仮に悪い時間で同じタイミングで下に人が歩いていればかなり大変な事態になったと想定されます。消防本部の管理というのは、もちろん県ではないので、直接的な責任云々ということではないのですけれども、今回の事案を受けて、県の施設も大分老朽化しているところもあると思いますけれども、定期検査、点検はやっているとはいえ、例えば今回の事案を受けて、改めて何かプラスアルファを考えるとか、何かもし対応、維持管理について考えがあれば教えてください。
 
知事
 こういうことがあったからというのではなくて、公共施設の老朽化問題というのは、これはきちんと対応していかなければならないことですし、特に人間に対する危険というのはなくしていかなければならないわけですから、そこはこういうことがなくても県としてはしっかり対応していきます。
 
記者
 ありがとうございます。公共施設の老朽化がまさに進んでいると同時に、人口減が進んでいるという中で、これまで公共施設というのは拡大路線で来ましたけれども、財政難も含めて維持がなかなか困難になってくるだろうと、これは最近かなり指摘されていますけれども、県有施設に関して、今の当面の維持管理は適切にという話なのですが、例えば中長期を考えたときに箱物をこれから削減していくとか、そういった方向性とか考えがあれば教えてください。
 
知事
 ケース・バイ・ケースなので、なかなか一概には言えないのですけれども、ただ一般論としては、将来に向けて新しいものをつくるよりも維持管理というところが重要になる、そっちのウエートが高まっていくというトレンドはあると思います。そういう中で、まず検査ですよね。全国的にもトンネルの老朽化問題について、それをちゃんと検査する手法について、よりきちっとやっていかなければならないのではないかという議論がありますけれども、そういう検査をきちっとやっていく、今回の壁の剥落もやはりどう日頃ちゃんと検査しておくかということでもあると思うのですけれども、そういったことはこれから県としてもそういう人材の確保、養成、技術の向上といったことをやっていかなければならないというふうに思います。
 
記者
 これまでと全く関係ない話なのですが、厚労省が出しています平成22年の脳卒中の(年齢調整)死亡率、これが岩手県が男女ともに1位、ワーストワンということですけれども、これについての所見と、今度、「(岩手県脳卒中予防)県民会議」を設置しますけれども、これに対する期待感みたいなものがあればお聞かせ願いたいのですが。
 
知事
 脳卒中死亡率全国ワースト1位というのは、ショッキングな数字でありまして、県民の皆さんも改めて大丈夫かという、そういう不安あるいは関心を持っていただいていると思いますので、そういう関心が高まっているところで県としても体制を強化して、改めて脳卒中をなくしていくためのさまざまな取り組みを強力に進めていく、それによってかなりの部分、食べるものから塩分を減らすみたいな、県民一人一人が気を付けていかなければならないことというのもありますので、こういう関心の高まる機会にそういう県民運動的な、これは盛り上がりというよりは浸透を図っていきたいと思います。
 
広聴広報課
以上をもちまして、記者会見を終わります。

 

次の定例記者会見は7月14日(月曜日)の予定です。

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