平成26年6月2日知事会見記録

ID番号 N25012

平成26年6月2日10時30分から10時55分

 広聴広報課

 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表事項はございません。
 
幹事社
 本日は、記者クラブを代表しての幹事社質問の用意がございませんので、各社から質問があれば、手を挙げてお願いします。
 
記者
 このところ相次いでいる山林火災について伺います。先週の土曜日に、岩手県の防災ヘリと県警ヘリが釜石の消火活動に行っている最中に、二戸で別の山林火災が発生して、山形県に防災ヘリの出動を要請したと伺っています。このとき、山形県の防災ヘリは、たしか花巻空港を一旦経由してから現場に向かい、消火を始めたのは要請から3時間たった後だったと聞いています。県の担当者は、取材に対して、「これ以上は防災ヘリを増すしかない」とおっしゃっていました。玉山区で4月に起きた山林火災のときは、防災ヘリが点検中で当初出動できなかったという経験もありますけれども、今回の初期消火の対応についての知事の見解と初期消火を早めるための対応、例えば防災ヘリを新たに導入することを検討するとか、あるいは別の効果的な対応を検討するなどありましたら教えてください。
 
知事
 いろんな論点を今指摘いただいたと思いますけれども、まずこの暑い中で一度に複数箇所で山林火災が発生し、それぞれの現場で対応した消防関係の皆さん、また応援に駆けつけてくださった他県、そして自衛隊の上空からの消火に携わった関係者の皆さんに改めてねぎらいの言葉、そして御礼の言葉を申し上げたいと思います。
 山林火災は、人家が近くて道路がすぐそばまでいっていて、地上からの消火が可能な場合にはすぐに対応ができるけれども、ただその分、人家への被害が及ぶ危険性も高い。また一方、人里離れた山の奥でありますと人家への影響、人命への影響というのはリスクが低いけれども、初期消火に時間がかかる。そういった中で、どういう消火、防火体制をとっていくかというのは、いろいろ工夫をしていかなければならないことだと思います。今回はこの4月から乾燥注意報が出る日が非常に多い。こういう年において山林火災も多数発生しているという異常な状況の中で、さまざま対応を迫られているのですけれども、今後の山林火災対応の参考にしていくためにさまざま検証していくことは、今後の対応にも役に立つと思います。今すぐこうだというような結論は、私としては持っていません。
 
記者
 たしか4月の玉山区の火事の後も検討するということをおっしゃっていたと思うのですけれども、人命に関わる火事があってからでは遅いのかなと思うのですけれども、検討は進んでいるのでしょうか。また難しい部分があるとすればどういった部分か、教えてください。
 
知事
 そこは担当のところで、さまざま今回のことについても成果を生かしていく努力や工夫をしていると理解しております。
 
記者
 火災に関連してなのですが、今回、他県からの防災ヘリの応援と、あと自衛隊の応援ヘリが入ったと思うのですけれども、特に防災ヘリに関しては東北6県と北海道、新潟県の協定(消防防災ヘリコプターの運行不能期間等における北海道・東北8道県相互応援協定)に基づいて応援があると思うのですが、これだけ岩手県の方に集中していると、この協定を結んでいる他県で何かあったときに、また迅速に対応ができないという状況があると思うのですが、この応援協定に関して枠組みを見直すですとか、あともうちょっと対応を詰めていくなどの今後の予定はあるのでしょうか。
 
知事
 指摘いただいた課題については、むしろ岩手からも他県の応援に行っていて、それで盛岡市玉山区の山林火災のときは、他県の応援にも行っていた関係で点検しなければならない時期が早く来たというところもあって、そこはお互いさまでやっているということなのだと思います。
 
記者
 もう一つなのですけれども、今の話についてなのですけれども、その応援協定について、これだけ多発している状況を考えると、全部で8道県集まっての再検討が必要になると思うのですが、そういった予定というのはあるのでしょうか。
 
知事
 いろいろ盛岡市玉山区の火災についても、被害額の算定などが行われたりしているところで随時報告は受けておりますけれども、そもそも何をどう守るのか、そこにどれだけの行政コストをかけていくのかということについては、やはり実態を踏まえて検討されていくべきものでありましょうから、まずそれぞれのケース、関係者の間で、今後に向けてどう生かしていくかというようなことが今それぞれ工夫されているというふうに理解していますので、そういう中からいろいろ具体的な提案もあり得るのかなというふうに思います。
 
記者
 県は6年ぶりに山火事警戒宣言を先月の5月16日に出していると思いますけれども、その期間は先月末までということですので、これは今月引き続き継続するのでしょうか。
 
知事
 けさ農林水産部から継続するという報告を受けました。たしか6月15日まで継続するというふうに聞いています。
 
記者
 認知症の関連でお尋ねします。先日盛岡市の高齢の認知症の方が、京都で保護されるという事案がございました。きょうの毎日新聞の調査で全国の都道府県で、京都で発見された方とまた別なパターンですけれども、身元が分からない不明者の方を保護しているかどうかということを調査されているのは、57%の都道府県でしかないというような実態があります。岩手でもまだ今のところ未調査という結果になっておりますけれども、知事の改めての所感をお伺いできればと思います。
 
知事
 県の担当の方からは調査していると聞いています。現状としては、そういうケース、身元不明の認知症の人がどこかで引き取られているというケースは県内にそういう実態があるという情報を県として把握していないという状況で、本当にないのかということを今調査しています。
 
記者
 京都の方の事例に戻りますけれども、今回の場合はお一人暮らしの方で、近くに身寄りがない方で、なかなかどなたが保護しに行くのかといったところ、今回の場合ですと京都府警の警察官の方に連れてきていただきましたけれども、盛岡市の職員の方で対応ができないというケースだったのですが、そちらについて知事のご意見を伺えればと思います。
 
知事
 私が聞いているのは、盛岡市として対応できないと決めたわけではなくて、他県在住の親戚の人が対応できないかというような調整もしていて、結局対応できないということだったそうですけれども、そうこうしている間に京都の警察の方が保護できる日にちがもう尽きてしまうので、これ以上は保護できないから送り届けるとなったと聞いていて、盛岡市としてこういうケースで引き取りに行かないと決めたわけではないと聞いています。
 
記者
 改めてなのですけれども、岩手県の、特に盛岡の場合は新幹線も通っておりますし、かなり遠くまで認知症の方が行ってしまうリスクがあると言ったら言葉も悪いですけれども、そういった可能性のある場所の地域の特性を考えると、これからこういった認知症の方の対策であったりとか、施策としてどういうふうな方針でやるお考えかお聞かせください。
 
知事
 気の毒なケースだったと思います。いつどうやってそこに行ったか、すぐには思い出せないという状況で保護されたようですけれども、ただそれなりのショックというのですか、やっぱりご本人にとって大変辛いことだったと思いますし、高齢化が進む中で認知症になる人も増ていく、人ごとではないのだという意識をみんなが持って、そして認知症になってもふるさとで、あるいは住みたいところで幸せに暮らしていけるような地域づくりをしていかなければならないと思います。
 
記者
 某紙で、花巻市の有志が2020年の東京五輪のクレー射撃の会場として誘致に乗り出すという話が出ていました。東京五輪は、東日本大震災からの復興の歩みを世界各国に伝えるというような意義付けも持ちながら、今準備されているところだと思うのですけれども、この動きに対する知事の受け止めと、県としてどのように関わる可能性があるのか、現段階でお聞かせください。
 
知事
 クレー射撃の競技の関係者の中でそういう話があるというのは、基本的にはありがたい話だなというふうに思っております。一方、朝霞でクレー射撃競技をやるというのは、それを前提に計画がオリンピックの国際委員会に提出されて、去年ブエノスアイレスで2020東京が決まっているというふうにも聞いていますし、また東京と関係自治体と調整して決めていることでありましょうから、なかなか県という自治体からそれをこっちによこせ、というようなことを言うのは難しいかなと思っているのですけれども、競技団体、またそういうクレー射撃関係者の中でのそういう話が、東京都を初めオリンピックの実施の委員会といいますか、そういう中で、これはぜひ被災地、被災県での開催という方向に持っていきたいということであれば、県としても相談に乗れるのではないかなというふうに思います。
 
記者
 きょう6月1日からクールビズが始まるということで、県庁の取り組みを今取材しているのですけれども、一言知事の所感をお願いします。
 
知事
 普段は、寒いのを我慢してクールビズをするようなことが多かったのではないかと思うのですが、ことしはもう先週のうちからこういう格好をしたいとみんな思って、待ちかねたクールビズなのではないかと思います。むしろ冷房など節約する中で、暑さで体がやられないように職場での執務環境をよくするように、柔軟に対応して仕事をしてほしいというふうに思っています。
 
記者
 医学部新設の関係でお伺いしたいと思います。先月5月の末で国への申請が締め切られまして、結局3つの構想が国の方に申請されたということなのですけれども、改めて東北での医師不足解消に向けた医学部新設で、その3つが実際に、構想が出てきたということについての受け止めをまずお願いします。
 
知事
 それぞれいろいろ工夫して対応されているということで、岩手県は岩手県で岩手医科大学の定員増と、それに伴う奨学金などの枠の拡大により東北の中でも特に医師不足や地域医療の問題で、困っている岩手県として医師を確保できるよう努めておりまして、岩手医大では80人だった(入学)定員がプラス50(人)の130人ということで1.5倍以上、岩手医大医学部の半分以上のサイズの(医学部が)もう一つできたぐらいのそういうことを岩手ではしているということです。これは東北に医学部を新しくという議論の中で、文部科学省の方でもそれが他県からの(医師の)引き抜きにならないようにというようなことを言っているわけで、しっかりそのとおりしてもらわないと、と思っているのですが、医大の定員増や奨学金増でせっかく養成したお医者さんが、新しくできる医学部に先生として引き抜かれたりすると、これは岩手にとってというだけではなく、お互いそもそもの本末転倒になってまずいのではないかというふうに思っておりますが、そこは文部科学省の方はそうならないようにするのだと。それはイコール東北以外のところからお医者さんを先生として呼んでくる、これを原則とするということだと思うのですけれども、これもいつも言うことなのですが、そういうことができるのであれば、もう今すぐ現役ばりばりの、病院で勤務できるお医者さんを東北以外から東北にどんどん(呼ぶ)そういう流れをつくって、特に沿岸被災地を中心に医療現場で働ける、そういうお医者さんを今すぐどんどん岩手を初め東北の方に派遣してもらうようなスキームを今すぐ立ち上げてほしいというふうに思います。
 
記者
 その中で、3つの構想のうち、いろいろ紆余曲折があったようなのですけれども、宮城県が宮城県立大学として栗原市にキャンパスを整備するような内容で構想を提出したということがありました。実際に宮城だけではなくて、東北各県でも養成したお医者さんを地域医療の現場で働いてもらうという条件を付した中での申請ですけれども、それについて、その構想についてご所感いただけますでしょうか。
 
知事
 そこは急な動きでもあり、報道を追うのが精いっぱいというところですので、また折を見て岩手サイドへの説明とかもあるかもしれませんし、まずその成り行きを見守りたいと思います。
 
記者
 「世界禁煙デー」、「禁煙週間」に実は今なっておりまして、保健福祉部さんの方で取り組みの事前発表があって、いろいろこれから取り組まれるのは理解しています。4日には、県庁の敷地内の喫煙所も終日閉鎖するということでいろいろ取り組まれていますが、一方、「健康(いわて)21プラン(第2次)」の方で、脳卒中のワーストワンが最近の統計上では岩手がワーストになっているわけですが、その返上も具体的に取り組むということを先週の会議で説明されて、それを取材させていただいています。その中で、やはり脳卒中の原因として喫煙というのがあるのですけれども、それを含めて脳卒中ワーストワンの返上あるいは脱却に向けた知事としての決意をお聞きしたいのと、あと禁煙ということでいいますと、最近行政というよりは企業で勤務中禁煙などの制度を非常に取り入れているというふうに耳にしておりますが、県庁として今分煙ということで1カ所に集中した喫煙になっておりますが、さらに何か進めるというお考えがあるかどうか、大きくこの2点について教えてください。
 
知事
 県庁内での喫煙コントロールについては、これは随時いろいろ工夫をしているところでありまして、そういう中で今回の「(世界)禁煙デー」に合わせた全面禁煙というのですか、そういう試みも講じられるところであり、その辺はいろいろ働きやすさという観点もあるので、事務方で工夫してやってもらえばというふうに思っております。
 「(世界)禁煙デー」とか、そういうキャンペーン的なものは、普段意識していないところを意識してもらって、それでだらだら吸っている人はちゃんとコントロールして減らしていくとか、あとはやめたいけれども、やめられない人がやめるきっかけにしてもらうとか、そういうところがキャンペーンの効果だと思うのですけれども、医療の分野ということについては、これは一方ではそういう全体として統計上そういう数字になっているから気をつけましょうということがあると思うのですけれども、あとはやっぱり個々の一人一人の健康の維持と、それから病気を治すという観点から、そこはそれぞれちゃんと健康診断を受けて、お医者さんにも相談し、相談できるかかりつけ医というのをちゃんと持った上で、禁煙ということをきちっと一人一人の自分の体を守るという医療のそういう基本として取り組んでほしいなというふうに思います。
 
記者
 私も喫煙者の一人なので、あまり推進されるとちょっと自分のペースと合わないとつらいなというところがあるのが正直なところではあります。今知事のおっしゃったとおりだと思います。
 あと脳卒中のワースト返上について、改めてご所見というか、決意をお聞かせいただければと思います。
 
知事
 大事な問題ですので、まず今そういう実態だということを県民の皆さんに広く知っていただいて、そして自分の体は自分で守るという自覚をそれぞれの県民の皆さんに持っていただきつつ、医療、お医者さん含め専門家の方でもきちっと数字を改善していくような努力と工夫をして、そういう悪い数字を改善していかなければというふうに思います。
 
幹事社
 他にございませんか。
 答えにくい部分もちょっと質問させていただきますが、今月24日に県議会が招集されますけれども、「大雪りばぁねっと。」の県の対応の検証委員会ですか、これについてまた再び問われることが予想されますけれども、改めて伺いますが、今の段階としては、そういう検証委員会を立ち上げるということはないと、前の結論どおりという判断でよろしいのでしょうか
 
知事
 まず、議会でどういう質問が出るかということについては、これは議員の皆さんに質問権があって、基本的にどんな質問でもできるわけですし、逆にあらかじめ予想して執行部で準備していくというよりは、どんな質問にもきちっと答えます、という形で準備をしていきたいと思います。
 それから、前回の議会で出た決議については、担当の部局の方で精査をし、対応するということでやっています。
 
幹事
 今の段階はそこまでということですか。
 
知事
 では何もしないのかというと、一方、全庁的に会計処理の適正化ということで新しいポストをつくったり、また全庁的な研修の場を設けたりとか、そういったところは県としては進めています。
 
幹事
 ありがとうございます。
 
広聴広報課

以上をもちまして、記者会見を終わります。

 

次の定例記者会見は6月9日(月曜日)の予定です。

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