平成26年5月26日知事会見記録

ID番号 N24833

平成26年5月26日10時30分から11時00分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
 
知事
 まず、ニコニコ生放送「いわて希望チャンネル」での「岩手~台湾」二元生中継についてということで、きょう5月26日の17時30分から行いますニコニコ生放送「いわて希望チャンネル」で台湾特集を行いますけれども、その中で台湾の方に出演をいただいて、岩手と台湾の間で二元生中継を行います。岩手と台湾の関係につきましては、さかのぼれば後藤新平さん、新渡戸稲造さんの頃からのさまざまな特別な関係があるのですけれども、今、中華航空による定期チャーター便が運航され、そして定期便化を目指しているというところであります。私も台湾へのミッション団に参加して2回この間訪問をしておりますし、また県民の皆さん、それぞれさまざまな形で台湾との交流を深め、関係を発展させる尽力をしていただいております。
 きょう、「いわて希望チャンネル」に登場いただく台湾の方は、この前私が訪問したときに台湾で会っているのですけれども、ニコニコ動画のファンで、ニコニコ動画を利用してさまざま活動もしているというお二人でありまして、岩手と台湾の関係、そういう戦前の関係から、また戦後の盛岡、羅東の青年会議所交流のような経済、社会的な民間交流の蓄積、さらにこれから未来に向かって、こういう新しい情報通信技術も使った岩手と台湾との関係の発展ということも目指せればというふうに思っております。放送は、県庁3階の第1応接室で行いますので、放送の模様を取材に来てくださるようお願いします。
 2つ目の発表事項は、平成27年度の政府予算提言・要望等についてです。例年、翌年度の政府予算編成に向けた提言・要望を県は行っておりますが、今般、平成27年度の政府予算の概算要求に向けて、東日本大震災津波からの本格復興に当たっての提言・要望、いわゆる震災分とそれ以外の要望、いわゆる通常分を取りまとめました。6月3日、私が各省庁等を訪問して要望活動を行います。今年度は本格復興推進年ということで、これまで進めてきた基盤復興の成果を土台として、被災者お一人お一人が安心して生活を営むことができ、そして将来にわたって持続可能な地域社会の構築を目指す取り組みを進めているわけでありますが、この本格復興のために被災地の現状と課題を国においてもしっかり理解し(てもらい)、進めていこうということで要望してまいります。
 3番目、岩手県漁業指導調査船「北上丸」竣工式の開催について。水産技術センターの漁業指導調査船「北上丸」、これは船体の老朽化に伴って昨年度代船建造に着手していましたが、本年3月末竣工しまして、5月29日に水産技術センターにおいて、私も出席して竣工式を開催します。新しい「北上丸」は、沿岸域での水産資源調査や海洋観測業務を行うため、調査船の周囲全ての魚群を探知するなどの最新の科学調査機器と多様な漁労機器を搭載していまして、精度の高い調査結果を漁業者等に提供することが可能となっています。 また、東日本大震災津波によって甚大な被害を受け、23年度から復旧工事を進めてきた水産技術センターの研究施設についても、本年3月末に竣工しましたので、併せて披露することとしています。このように、研究施設の復旧と新しい漁業指導調査船の竣工によって、水産試験研究の機能が回復しており、本県水産業の本格復興に向け、試験研究の充実によって一層取り組んでいきたいと思います。
 それから、発表事項として事前にお知らせしてはいなかったのですけれども、きのうAKB48の川栄(李奈)さんと入山(杏奈)さん、そしてスタッフの方が襲われてけがをされたということで、一日も早い回復をお祈りいたします。AKB48の皆さんは、東日本大震災発災直後から何度も岩手の沿岸にも入っていただいて、復興支援、大きな元気をいただいております。アピオでの握手会というのも過去5回行われているということで、すっかりおなじみに岩手でもなっている、そういうイベントだと思いますけれども、こういうことになったのは大変残念に思っております。
 滝沢市は、きのうは滝沢市出身の岩清水梓選手の得点によって、なでしこジャパンがアジアカップで優勝するという非常にうれしいニュースもあったわけであり、また滝沢市はもうすぐチャグチャグ馬コもあるわけでありますけれども、ぜひそういったところを頑張ってほしいと思います。岩手山の山開きもありますね。また、岩手全体としてもこれから夏に向けてさまざまお祭りとか、イベントとかありますので、そういったことを盛り上げて、ぜひ、明るい雰囲気というのを岩手の中にみなぎらせ、また全国にも発信できるようにしていきたいなというふうに思います。
 以上です。
 
広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。
 
幹事社
 それでは、ただいまの発表事項3件ときのうの件について、各社から質問があればまずお願いします。
 
記者
 発表事項の政府要望について伺います。毎年度やっている要望で、ことしもまた震災分と通常分に取り分けたと75項目ということですけれども、この75項目全てがもちろん重点事項だとは思うのですけれども、とりわけ、平成27年度に向けた課題意識の中でこだわった点とか、重点みたいなものがあれば教えていただきたいと思います。
 
知事
 まず、具体的な要望、提案ではないのですけれども、ことしが本格復興推進年、そして今年度からの3年間が本格復興期間だということで、本格的な復興はまだまだこれからであるということを、やはり政府、国にはしっかり認識をいただいて、そうであればこそ本格復興のための最重要事項として挙げているのが、財源の確保とまた自由度が高くなるようにという問題、そして人的支援というマンパワー不足に対する課題、そしてあとは復興特区制度の柔軟な運用ということは最重要事項ではなく、横断的な重要事項の方に設けてはいるのですけれども、制定いただいた改正特区法、それに基づく用地取得の迅速化、3本柱、財源、人材、そして用地手続という3本柱、これは引き続き大事だと、それによって、本格復興が進むのだということを訴えたいと思っております。
それに加えて、今回はJR山田線、大船渡線の早期復旧ということを改めて本格復興のための最重要事項と位置付け、アピールすること、また国体と障がい者スポーツ大会が近づいてきていますので、それに対する支援というのも本格復興のための最重要事項として訴えるというところに特徴があります。
 
記者
 ありがとうございます。今、山田線のお話がありましたけれども、要望事項の中に、必要な指導とか助言を講じるように要望するという話がありましたけれども、具体的に例えばどのような形で国の役割ですね、今JRと地元と交渉中だと思うのですけれども、どのような役割、例えばスケジュール感も含めて何か具体的に要望することを考えていましたでしょうか。
 
知事
 そういう具体的なことを書いていないというのは、まさに本質的にそういう状況にあるからでありまして、国においてはJR東日本に対してきちっと地元の要望に応えること、公共交通機関としての使命を果たすこと、そういう指導をきちんと国からJR東日本にやってほしいということ、また、県とJR東日本との交渉の中で、国において地元を支援するという形が必要になってくるであろうから、そこをしっかりお願いしますということが肝になります。
 
記者
 同じく要望の件で、通常分の方で去年あった豪雨台風の部分が新規でありますし、あとTPPとEPAの関係のものも入っております。他にも新規、一部新規がありますけれども、この2点のところで知事が改めて強調したい部分というのがありましたら教えていただければと思います。
 
知事
 いわゆるゲリラ豪雨のような、一部地域に集中的にかつて経験したことのないような大雨が襲って、そしてそれが土砂崩れであるとか、また河川の氾濫につながったりするということ、これは地方の財政力の弱い市町村を直撃するような形になりますので、そこに対する支援を国においても、そういう新しいタイプの災害ということで、今までなかったような支援もきちんとやってほしいということ、また、そういう新しい脅威、新しい危機に対し財政力が弱い市町村においても今後の防災対策ですね、それをきちっと進めようとしているわけでありまして、そういう対策に対する支援もきちっとということが大事なところであります。
 TPP協定、それからEPAに関しては、さまざま地方のまじめな農家に不利なような結果になるのではないかということが取り沙汰されていて、そのようにならないようにさまざま国会での決議などもあり、そういうことになったら協議から脱退することも視野に入れて、きちっと交渉するようにとなっているわけですので、改めてそのことを訴えるというところです。
 
記者
ありがとうございます。それで、もう一度災害の方で、特にも避難勧告の発令基準の方、全国的には県内はちょっと立ち遅れておりまして、あと加えて来年度の要望でということと同時に、やはりことしもどうもエルニーニョとかちょっと異常気象があって、去年と同じような災害も懸念されますので、その点要望ということから離れてもある程度手は打っていかなければいけないと思うのですけれども、その点に関しては今年度できること、きょうもやっていますけれども、いかがでしょうか。
 
知事
 住民の安全を守るということで、それは自治体の務めでありますので、そこはきちんと調査すべきところは調査して適切な防災の体制をつくっていくという、これは地元において必要だと思っています。
 
記者
 ありがとうございます。あともう一つですね、追加で発表されていた件でAKB48の方とスタッフの方が襲われた事件なのですけれども、先ほど被災地への支援ですとか、何度もメンバーの方がいらしているということで残念というお話でしたが、改めて、もう少し知事から所感といいますか、岩手で起きてしまったということに関してお話しいただければと思います。
 
知事
 まず、大変驚きました。そして、握手会というイベント自体、会いに行けるアイドルというコンセプト、AKB48が始まった頃からずっとやっていることで、日本中でやっていて、岩手県でも、アピオでも過去5回やっているということだったので、それが突如として、また岩手県において、今まで起きたことのないような、こういう事件が起きたというのは大変大きな驚きでした。
 今後どのようにしていくのかということについては、まずその事件の状況をきちんと調べて検証しなければならないのだと思いますけれども、まずAKB48というそういう皆さんに沿岸被災地を何度も訪れていただいて、三陸鉄道も支援していただいて、それが大きな力になっているというのは、これはもう大きな事実ですし、過去アピオで5回やっていたようなイベント、握手会、それは全国で行われている。それがファンの皆さん、そしてまた地域にとっても非常におなじみの、お楽しみのイベントだというふうに承知していますので、そういったことが今後においてもどういう形で続けるのかというのはいろいろ調べて検討、検証してみないとわからないのだと思うのですけれども、多くの皆さんが今後もそういったことが続いていくことを期待していると思いますので、関係者の皆さんには、そこは頑張ってほしいなというふうに思います。
 
記者
 ちょっと立ち入った話になるかもしれないのですけれども、AKBのメンバーの方というのは結構いっぱいいらっしゃるのですけれども、知事はファンとか、あるいは推しメンみたいな方はいらっしゃるのでしょうか。
 
知事
 僕は誰かを推すというよりは、チーム全体としての活動を応援するというような感じでAKB48は応援しています。
 
記者
 政府要望の件でお尋ねします。今回の要望の中に、人口減少という観点がどのように取り入れられているのかというふうなお考えをちょっと聞かせていただきたいと思っております。今、岩手県が直面している課題の中で、これまで有識者によって、いろいろ人口減少の件でも指摘されておりますけれども、こういった政府の要望の中に、国としてどういうふうなことをやってほしいといった項目は、今見た感じではちょっとないなというふうに考えているのですけれども、要望の項目として挙げていなくても、知事としてどういったメッセージを国に伝えていくのか、お願いします。
 
知事
 まず、復興ということは、これはイコールふるさとを消滅させないということですので、この復興をしっかり進めていくということが持続的なそういうふるさとを守っていく、そこで住民が安全に生活し、そしてなりわい、生き生きと働いていくということの実現、復興とはそういうことでありますので、まず復興関係の提言、要望というのはそういう人口流出とか、自治体消滅とかを防ぐ、そういう要望だと思っています。あとは通常分の、いわば全体が、国が地方に背を向けることなく、地方の住民、国にとっては国民なのですけれども、生き生きと働いて、そして生活に不安なく生活をしていくということで地域が経済的にも、社会的にも強くなっていくということで、この通常分の提言、要望というのもしっかり受け止めていただき、それに対応した政策をとってもらえば、人口流出とか自治体消滅というのを防ぐような、そういう国の政策になっていくというふうに考えます。
 
記者
 人口減少に対して、市町村レベルでも、もっと国にこういった対策を国としてしっかりやってほしい、というようなことをおっしゃる首長さんとかが多くいらっしゃる中で、ちょっと提言の話とずれると思うのですけれども、改めて国に対して、どういったことをどういった姿勢でというところをもう少しお聞かせいただけますか。
 
知事
 前にも言ったのですが、グランドデザインですよね。列島強靱化とか防災の枠組みで地方を強くみたいな政策もあるのですけれども、もっと広く経済の観点からいえば内需拡大型の構造改革ということで、日本は経済の中で輸出が占める割合が実は大変少なく、内需が大部分を占めていて、内需が弱れば日本経済も弱るわけですから、地方の経済、特に地方の消費力ですよね、地方の消費力というのを高めていかないと日本経済はどんどん弱くなっていくので、そういう地方の消費力を高めるような経済構造改革をしなければだめで、なかなかそういう方向性が国として明らかにされていないのではないかと懸念します。社会的にも若者や女性の生きにくさというのも解消する。そこは、問題意識については、最近政府でも、いろいろ経済財政諮問会議の関係の会議でも、そういった問題提起はどんどんされているので、そういった事柄をばらばらではなくて統一的に、日本という国は地方でできているのだから、地方が強くならないと日本もだめになるというようなわかりやすいビジョンで、地方が主役になるような日本再生というグランドデザインをやってもらえばいいと思います。
 
記者
 政府要望に関するところで、その一番の主旨となるところなのですけれども、復興がまだまだこれからだということで、その辺りをちゃんと訴えていくということですが、先ほど知事からも、まだまだこれからだ、これからが復興だという認識を持っていただくということが大事だというお話がありましたが、震災から3年が経過する中で、今この国の被災地に対しての姿勢ですとか、復興というものに対しての姿勢というものを知事はどのように捉えていらっしゃって、これからどのようにあるべきというふうに考えていらっしゃるか教えてください。
 
知事
 菅内閣、野田内閣の頃からそうなのですけれども、東日本大震災やそこからの復興というのを普通の地方課題として捉えて、地方から要望があれば検討して対応するというような受け身、後手の対応という感じがするのです。日本全体の問題であって、東日本大震災による被害というのは、日本全体として大変大きな被害を受け、それは日本全体として復興させていかなければならないというような、さまざまなイニシアチブを国としてもっと大きく、先手、先手をとってやっていってほしいというふうに思います。要望を待っているということではなく、国は国として、復興ということを国の国家的プロジェクトとして取り組んでいくと。国として、国家的プロジェクトとして復興に取り組んでいきますと、それは大きな日本再生というグランドデザインの中に復興も位置付けられて、そうしますと東京オリンピックとの関係とか、人材や資材をどう回していくのかというようなところもきちっと調整されると思いますし、あとは国際リニアコライダーのような話も復興にも資するし、また日本全体の再生の中にも位置付けられるということで、もっと積極的に進めていこうというふうにもなると思いますし、そういう積極性を国には期待します。
 
記者
 3年という時間がたって、僕らはそんなに、ついこの間のように覚えてはいるのですが、全国の人からするとなかなか被災地のニュースも出なかったりですとか、話題も出ないという中で、どうしても関心が薄れていってしまうということがあると思うのですけれども、こういう予算の要望というものを機会に、その辺りについてはどのようにお考えですか。
 
知事
 3年たった今でも、例えば三陸鉄道の全線運行再開のときには、全国から被災の実態や復興の現状について大きな関心をいただいたと思っていますし、また首都圏や、あるいは関西圏、名古屋、愛知、中部圏で復興関係のシンポジウムなどを開きますと、そこにはものすごい高い関心が示されるわけですので、潜在的には今でも高い関心があり、復興のために何かしたいという強い思いは全国的にあると思っていまして、いかにそれを形にしていくかということが大事で、今回の政府予算提言・要望を岩手からやっていくというのも、そういう関心や思いを形にしていくということにつながればと思います。
 
幹事社
 よろしいですか。では、一般質問に入ります。各社、発表以外に質問事項があればよろしくお願いします。
 
記者
 23日に国の用地取得に関してのガイドライン(不明裁決申請に係る権利者調査のガイドライン)が通知されたと思うのですが、それに対しての評価と、一方でまだそれでも不十分ではないかという超えもあると思うのですけれども、県としてこのガイドラインが示されたことを受けての対応というのは、どのように考えていらっしゃるかということを教えてください。
 
知事
 まず、法律そのもので、かなり地元の要望も踏まえて柔軟に対応できるような格好になっていたと思いますけれども、その方向性、ガイドラインで大分具体化されて、国と県と、そして市町村が一体になって復興の事業をスピーディーに進めていく、そういう体制ができてきていると思います。ガイドラインはできたのですけれども、実際に個別の事業を進めるに当たっては、きめ細やかな調整とか、情報共有が必要になってくると思いますので、そういったところをしっかりやって、そういういい体制はできたと思っていますので、あとは運用面で力を合わせて頑張っていけば、本格復興というものをスピーディーに進めていくことができるというふうに期待します。
 
記者
 先ほどの先手、先手で国に対応をとってほしいというお話に通じると思うのですけれども、ここまで来るのもかなり時間がかかったなという印象はあると思うのですが、そこについてはいかがですか。
 
知事
 それは本当にそのとおりであります。今回の提言・要望の中では、今からでも東日本大震災からの復興にもまだ間に合うし、またその後、これから起きるであろう大規模災害のためにも、こうした土地の権利関係の、そういういざというときに思い切った現場のニーズに応じた対応がとれるような、そういう法制度の見直しはすべきということを改めて提案、要望するのですけれども、そういったところ、国においても先手、先手をとって検討し、また実現していってほしいと改めて思います。
 
広聴広報課
それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は6月2日(月曜日)の予定です。

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