平成26年4月28日知事会見記録

ID番号 N24056

平成26年4月28日10時30分から11時02分

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。最初に、知事から発表があります。それでは、知事お願いします。
 
知事
 発表事項の1つ目は、「いわて若者文化祭」実行委員会設立総会と第1回運営委員会の開催についてです。5月1日木曜日に、「いわて若者文化祭」実行委員会設立総会と第1回運営委員会を開催し、私も出席します。
 今岩手では、東日本大震災津波からの復興とその後の岩手の未来に向けて、県民一丸となって取り組みを進めていますが、その中で多くの若者が何かしなければならないと自ら立ち上がって活躍をしています。2月に開催した「(いわて)若者会議」において全ての世代で若者の背中を押し、そして若者とともに岩手の未来を創造していこうということで、「いわて若者活躍支援宣言」を行いました。
この「いわて若者会議」においては、若者文化をテーマとした意見交換、ブース出展、ステージ発表などを行いましたが、岩手に若者の新しい力が満ちているということが実感されたと思います。
そこで、県内団体及び県内で活躍している若者の皆さんなどにご協力をいただいて実行委員会を組織し、実行委員会において、県内の若者による文化、芸術活動を幅広く紹介するための「いわて若者文化祭」の開催をご検討いただくということであります。
会議には、実行委員会の企画部会に参加する予定の若者の皆さんにも出席いただき、また設立総会に先立って、大学生アカペラグループの演奏が行われます。
発表事項の2つ目は、「岩手県摂待防潮林再生記念植樹」の開催についてです。東日本大震災津波で、県有防潮林は壊滅的な被害を受けました。しかし、今般、宮古市田老の県有防潮林摂待事業区におきまして、苗木を植えるための盛土工事が完了し、震災後県内で初めて、防潮林再生に向けた植樹に着手することとなりました。
これを記念し、5月14日の水曜日、地元の小学生や地域住民の皆さんなど県民参加による、「岩手県摂待防潮林再生記念植樹」を開催します。
植樹する苗木は、被災地支援の一環として山口県と鳥取県から提供いただくクロマツやコナラ、緑のバトン運動実行委員会から提供いただく全国各地の子供たちが育てた広葉樹の苗木、合わせて1,530本を予定しています。
今回クロマツのほか、県有防潮林としては初めてコナラ等の広葉樹を植林します。また、鳥取県から提供いただくコナラは、2年前に本県から提供したドングリを鳥取県の子供たちに大切に育てていただいた苗木であります。
当日は、鳥取県から平井知事にお出でいただき、また苗木を育てていただいた児童にも鳥取県から参加をいただき、私も一緒に地域の皆さんとともに植樹活動を行う予定です。
発表事項の3つ目は、台湾宜蘭県・羅東市との交流拡大のための訪台ミッションについてです。5月8日から5月11日の間、台湾を訪問します。先のミッションに引き続き、いわて花巻空港から定期チャーター便を利用し、台湾の地方政府間の交流拡大を図ってまいります。
今回のミッション団は、私が団長になり、盛岡青年会議所会員を中心とする総勢60名弱で構成されています。台湾北東部に位置する宜蘭県の県庁とその県内にある羅東市役所を訪問し、宜蘭県知事、羅東市長との会談や現地での交流活動を行い、また盛岡青年会議所が長年交流を重ねてきた羅東青年会議所による歓迎行事に参加いたします。
先週は、岩手県議会の台湾友好議員連盟の皆様が、台湾中西部に位置する嘉義県を訪問して、嘉義県議会との交流を通じ、本県の復興支援を続けてくださっている現地の関係者の皆さんに感謝の意を伝える活動をしてこられました。今後国際定期便化を目指す本県にとりまして、地方間のより重層的な交流を図っていくことが重要であると考えています。
以上です。
 
広聴広報課
 以上で知事からの発表を終わります。
 
幹事社
 では、ただいま知事から発表のありました事項3件について、各社から質問があればお願いします。
 
記者
 3件目の台湾宜蘭県・羅東市との交流拡大のための訪台ミッションなのですけれども、今回は最終的な目的としては国際線の台湾との定期便の就航ということになるとは思うのですが、チャイナエアラインズとの、今回は懇談というか面会などはないのかということと、今後宜蘭県・羅東市と友好都市関係などを結ぶ、そういう目的などもあるのかということをちょっとお願いできますか。
 
知事
 今回の日程のほとんどは宜蘭県・羅東市の方でありますので、中華航空とのやりとりは予定をしておりません。また、今はそれぞれの過去からの経緯、いろいろなご縁を頼りに地方間交流を広げ深めていくということで、宜蘭県だけではなく嘉義県とかいろいろありますので、岩手県が台湾のどこか1つの県と姉妹何とかというようなことは現在そういう予定はありません。
 
幹事社
 他にありませんでしょうか。では、発表事項以外の件で、他に各社から質問があればお願いします。
 
記者
 昨日、盛岡市玉山区で大規模な山林火災が発生して、現在も延焼中という状況です。ことしは4月に火災が非常に多いという状況です。これについて所感といいますか、あとは注意喚起という意味で県民への呼びかけをお願いできますか。
 
知事
 火事が多いのは残念なことでありまして、改めて県民の皆さんに防火、火の始末、しっかりするようにということを呼びかけたいと思います。今も盛岡市玉山区の林野火災、夕べ避難を強いられた方もいて、影響を受けた皆さんにはお見舞いを申し上げたいと思いますし、また消火活動に携わっている皆さん、本当に大変な作業で、ねぎらいの言葉をささげたいと思いますけれども、火事はその影響が大変大きなものでありますので、火事を起こさないように気をつけてまいりましょう。
 
記者
 引き続いて火災、今も知事おっしゃったように、消防関係の方々も非常に大変ご苦労をされて今も活動されていると、その状況ではあるのですけれども、防災ヘリの関係で、けさも早朝から他県あるいは自衛隊の方から応援のヘリが来て、空中からの消火活動に当たっているという、そういう状況です。ただ、昨日は火災の発生が1時過ぎ、ここから日没までの間に福島県とあとは自衛隊の方から各1機投入、応援要請を受けて来たというふうにお伺いしています。結果なのですけれども、現着して実際に消火活動が開始されるまでの間に、結果的にその数時間タイムラグというのが生じているというふうに伺っていました。この点について、他県との連携によって対応する事案ではあると思うのですけれども、ここに課題としての認識というか、そういった部分、知事はございますでしょうか。
 
知事
 まず、火災の発見から消火活動、そして消防当局の方から、これは空中からの消火が必要ということで県の方に依頼があり、また県を通じて自衛隊にもお願いするということだったのですけれども、そのプロセスは基本的にきちん、きちんと行われていたというふうに理解をしています。やはり林野火災、その実態を正確につかんで、的確に手を打っていくということが非常に大変なものですので、そういう意味でも、特に林野火災ということについては、火の不始末に気を付けるということが重要だと改めて思います。
 
記者
 山林火災の関係なのですけれども、ヘリの関係で、今回自衛隊八戸駐屯地と福島県の防災ヘリが来たということなのですけれども、ひめかみ、県の防災ヘリが点検中だったということなのですけれども、その辺の点検中のときのバックアップ体制とか、こういう災害が起きたときのそのバックアップ体制、現在のバックアップ体制をどういうふうに知事は考えていらっしゃるのかということと、言ってみれば今回3時間ぐらい自衛隊も福島県の防災ヘリも、タイムラグが、到着までかかって、その間に火の延焼が広がってしまったということもあると思うのですが、その辺バックアップ体制とか、今後どういうふうにしていったらいいかということをお願いできますでしょうか。
 
知事
 県の防災ヘリについては、まさに最近青森での火災に出動したりすることも含めて火災が頻発したために、飛行時間100(時間)というのがもう来てしまって100時間点検をしなければならない、それで飛べなくなっているということで、そういうことも含めて近隣県でお互いカバーし合うということが今あるということだと思います。もちろん広い東北でありますので、体制は厚ければ厚いほどいいわけなのですけれども、そういうことは将来の課題として考えていかなければならないと思います。
 
記者
 今東北6県で防災ヘリの相互の連携協定みたいなのはあるとは思うのですけれども、今後どういうふうに改善していったらいいかとかというお考えなどありますか。
 
知事
 今回は100時間点検というまずやらなければならないことがあって、かつそれはそれぞれ1機とか限られた数の防災ヘリで助け合っている以上、火災が集中すればそれで100時間点検で飛べなくなるのが出てくるというのは、これは制度の問題というよりは、ヘリがたくさんあればあるほど飛べるヘリは増えるということではありましょうけれども、そこは将来の課題かなと思います。
 
記者
 岩手県に防災ヘリを2機導入するとか、そういうようなお考えとかもあるということなのでしょうか。
 
知事
 あればあるほどいいということは、これはあるのですけれども、将来の課題としてあると思います。
 
記者
世界遺産の件でちょっとお伺いします。富岡製糸場の内定というか、ほぼ固まったというところで、これから地元釜石なんかが注目されてくると思うのですが、県としては釜石の世界遺産登録に向けて、今後どういうような取り組みをしていくのか、お考えがあればお聞かせください。
 
知事
 富岡(製糸場)の話がなくても、山口、九州を中心とした近代化遺産ということのサイト関係の自治体が集まって、ユネスコに対する申請書をつくって出して、調査も受け入れていくという、その流れの中で、平泉のときの経験も生かしながら、県としてもしっかりそこに役割を果たしていくということで進めておりますので、この調子でやっていきたいと思います。
 
記者
 知事として、現状で感触としてどんな感じですか。
 
知事
 ユネスコという国際機関の判断になりますし、またその前段階としてのイコモスという専門家の皆さんの考え方ということもありますので、なかなかそこを推測、予測することは難しいのですけれども、ヨーロッパを中心とした産業革命、近代化という世界史の中でこの極東と呼ばれるヨーロッパから地球の反対側にある日本において、ヨーロッパ、アメリカも含めてそういう西洋に勝るとも劣らぬ近代化ができたというのは、これは世界史的な大事件と言ってもいいことでありますので、その中でいち早く洋式製鉄を導入、発展させた釜石のサイトというのは世界遺産にふさわしいと私も思っておりますし、そういう方向でイコモスやユネスコが判断していただければ世界遺産になれるというふうに思っています。
 
記者
 今回の日米首脳会談の結果、それからとりわけTPPの問題ということについて、先送りのような状況になったわけですが、その辺について知事のご所見をお伺いしたいと思います。
 
知事
 TPPについては、実は日本がかなり大きな妥協を既にしていて、ただそれを伏せているというような話もさまざま漏れているところでもあり、大変心配をしています。ここでも繰り返し述べてきましたけれども、まじめに一生懸命働いて、話題になっているのは畜産ですけれども、今働いている皆さんが困ることがないように、働いた分、努力した分、ちゃんと報いられるような形で持続的になりわいを続け、そして地域としても地域が持続的に未来に進んでいけるようにという観点から、そういうのをぶち壊しにするようなTPPの内容にはしないようにしてほしいと改めて思います。
 
記者
 また火事のお話に戻すのですけれども、先ほど防災ヘリのお話もありましたが、今現在ヘリ以外で県としての支援状況とか、例えばですけれども、市の方の対策本部の方に県の職員を派遣するといったような、県としての対応はあるのでしょうか。
 
知事
 対策本部間、市の対策本部、県の特別警戒本部との関係については、これさまざまいろんなところでありますので、そこはちょっと担当に確認してほしいと思います。
 
記者
 今時点で、市の方から特段こういった援助が欲しいといったことは、自衛隊の災害派遣要請以外では特にはないということでしょうか。
 
知事
 ちょっと断片的な話ではあるのですけれども、朝一番で県の盛岡広域振興局の土木担当の職員が渋民バイパスとか4号線とか道路がちゃんと使えるかを見に行くとか、いろんな分野、いろんなところで連携、協力というのがあるので、それを今この瞬間、瞬間、お互い調整しながら進めているというふうに理解しています。
 
記者
 山火事のお話ですけれども、山火事ですと最初は野焼きから始まって、知事もおっしゃっていましたけれども、状況の把握が難しいということもあるかと思うのですけれども、今回のように燃え広がって、あるいは市町村をまたがるような災害に発展する可能性も大きいと思うのですが、そういった中で、例えば市町村が第一次的に消火活動に当たると思うのですけれども、そのバックアップ体制ですとか、あるいはヘリの派遣等の他県との連携とかという場面で、その連携とかバックアップ体制で不十分だったところはなかったでしょうか。あるいは今燃えている中で、どういう支援をしていきたいかという話をもう少しお聞かせください。
 
知事
 まず、きのう私が第一報を聞いてまず思ったのは、人命が脅かされていないかということで、やはり行政としては、これは市もそうだし、県もそうだと思うのですけれども、人命が脅かされていないか、そして人が住んでいるところとか、経済活動が行われているところに火が迫って、そういう損害が出ないかということで、そこについては盛岡市による避難勧告、避難指示等を中心にきちんと対応されていて、まず犠牲者が出ないようにということはできていると思います。また、工業団地とか、あとは4号線ですとか、そういったところに被害が及ばないようにということで、そこは今は火が食い止められているということですので、報告としては今日中の鎮圧を目指したいということでやっていると聞いていますので、それができれば、まずきちっと対応したということかなと思っています。
 
記者
 その辺のところは、様子を見ながら、追加的な何か支援とかそういったことではなくてということでしょうか。
 
知事
 ちょっと不正確になるかもしれなくて恐縮ではあるのですけれども、燃えている地域については、そこから外、特に人が住んだり、経済活動が行われている4号線方面への広がりについては既に食い止められ、延焼している地域の内側に炎を閉じ込め、あとは空中からの消火もあって今日中の鎮圧を目指すというふうに消火活動が進んでいるということなので、そのままその調子でやっていただければと思っています。
 
記者
 話が行ったり来たりして申しわけないのですが、TPPのことに関してですが、結論、最終的な合意には至らなかったという報道が新聞、テレビなんかでは多いです。ただ牛肉の関税などについて、現在は38.5%のものが大幅に下げるような姿勢を日本政府は示したとか、そういうような報道もありますが、それに関しては、知事は畜産農家を守っていくという上ではどういうふうにお考えでしょうか。
 
知事
 繰り返し述べているのですけれども、まず今まじめに働いている人が、例えば今あるルールをベースにして働いて稼いでいるわけでありまして、突然税金が上がったりとか、あるいは突然給料が下がったりとか、そういうルールの変更を突然強いられるということは、やっぱり基本的にはあってはならないわけでありまして、よほどの必然性と、あと当事者の納得があれば、まさに増税とか賃金引き下げというのは、そういう当事者の納得をベースにしながら進めていくわけですよね。必然性プラス、そういうことなしに、突如条件が変更されて、働いている上で不利を強いられる、生活面でも不利を強いられるというのは、基本的にはあってはならないと思っています。
また、日本の農業や経済、産業全体を考えても21世紀というのは、地域資源を大事にし、発掘し、磨き上げ、それで個性ある地方経済を発展させ、そして国の経済を強くしていくというのが21世紀のあるべき姿だと思いますし、またそれは世界各国共通の傾向であって、それでタイム誌が紹介していましたけれども、ここ2年間というのは世界貿易の伸びよりも各国内需の伸びの方が大きくなっている。各国が国内経済を充実させていくというのが世界経済の成長で、それでまた貿易もそれなりに伸びていくという構造になっているわけですから、何か20世紀みたいに、とにかく自由貿易で分業、農業については広い土地で少人数でやれるところが農業をやり、工業が得意なところだけが工業をやればいいみたいな話ではなくて、各国の内部事情、特に地方の個性、そういったところを大事にしながら国際的な秩序もつくっていくというのが21世紀だと思うので、そういう意味からも変な条約は結ばないようにしてほしいと思います。
 
記者
 たびたび済みません。知事、きのう安倍首相が来県して視察をされました。その中で、視察を終えた後に、復興大臣の下に設置したタスクフォースを中心に、産業再生に力を入れるという趣旨の話をされました。推進計画の策定と実行に全力を挙げるというような内容でしたけれども、これについて期待感あるいは注文がおありでしたらお願いします。
 
知事
 国の復興推進委員会の提言を基にしているというところがあって、その議論には私も参加し、特に委員の中でも経済関係の仕事をしている委員の皆さんが産業力強化が大事だということで、そういう提言に至った経緯もあって、民の分野でもやらなければという、そういう思いと、また方向性が出ていますので、ぜひそれが花開いていくように国の方でも強力に後押しをする政策を講じ、それによって復興がさらに成功に向かっていくようにしてほしいというふうに思います。
 
幹事社
 その他ありませんでしょうか。
 
記者
 まだ火事も収まらない中で、大変不謹慎な質問になるかもしれないのですが、26日から世間ではゴールデンウイークに入っているということで、この期間の知事のご予定などはお決まりでしょうかというのと、どのようにお過ごしになられるのかということを教えていただけないでしょうか。
 
知事
 火事は火事で深刻ではあるのですけれども、一方このゴールデンウイーク、県の各広域振興局からもそれぞれ地域でのイベント報告を受けていまして、それぞれが盛り上がって、また地元の底力とさまざまなつながりの力が高まっていくような、そういうゴールデンウイークになればと思います。
 私は、幾つかのイベント、盛岡競馬のオープニングですとか、あとは1日にはメーデーというような行事もありますけれども、いろんな行事、イベントに出ながら、あとは仕事を入れていないところも結構あるので、友人と会ったり、あるいは広域振興局が紹介する地域のイベントのどこかに行ったりとかというふうにしたいと思います。
 
記者
 ありがとうございます。ちなみに、そのお休みの期間はいつ頃になるのでしょうか。
 
知事
 いつからいつまでが休みというか、その中に公務もぽこぽこ入っていますので、ことしのゴールデンウイークというのは、思えばもうゴールデンウイークに入っているのですね。きのう、おとといもゴールデンウイークだから、もう入っているのではありましょうが、きのう、おとといもいろんな活動をしたり、仕事をしたりもしていたので、いつからいつまで、長期休暇をとるという意識は全くないです。どこか外国に行くわけでもないし、長期に県外に出るわけでもないので、岩手にいてみんなと一緒にゴールデンウイークを過ごしたいと思います。
 
幹事社
 では、よろしいでしょうか。
 
広聴広報課
 それでは、以上をもちまして記者会見を終わります。

次の定例記者会見は5月12日(月曜日)の予定です。

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