知事訓示

ID番号 N5196 更新日 平成26年1月17日

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とき:平成23年9月13日(火曜日)
ところ:知事室(テレビ中継)
対象者:全職員

岩手県職員の皆さん、こんにちは。
9月11日の岩手県知事選挙で当選し、先ほど当選証書をいただきました。今日から達増県政二期目の知事の仕事が始まります。
また、皆さんと一緒に仕事をすることができて、とても嬉しく思います。
17日間の選挙戦を通じて、岩手県内の各市町村を4回ぐらいずつ回って歩き、大勢の県民の皆さんと直接触れ合うことが出来ました。
1万人以上の皆さんと握手を交わし、その数倍の皆さんに私の声を聴いてもらったり、姿を見てもらったりしました。
沿岸被災地では、選挙カーを降りて仮設住宅のところで街頭演説をしたりもしました。
街頭演説を始め、県の復興計画の中身を紹介していますと、事前に知らせていなくても、大勢の方々が仮設住宅から出てきて話を聴いてくださいました。
そういう皆さんと話が終わった後、握手を交わしながらやりとりをするのですけれども「達増さん、頑張ってください。」、「達増さん、しっかりお願いします。」、「本当にお願いします。」という激励の言葉をいただきました。
また、「助けてもらって本当にありがとうございます。」、「助けていただいています。」というような感謝の言葉もたくさんいただきました。
沿岸地方全体に、広く大きく感謝の気持ちがあることを確かめることができました。
この感謝の気持ちは、達増個人、また、県当局に対する感謝の気持ちというよりは、公(おおやけ)全体、そこには、自衛隊に大々的に、あるいはきめ細かく助けてもらったということもあるでしょうし、また、ボランティアがどんどん入ってきて支援してくれている。そういうことも含まれるでしょう。広く「新しい公共」的なものも含めて、公によって支援されている。助けてもらったということへの感謝の気持ちが沿岸の方に広くあることを確認しました。
そして、今のようなことを内陸の方の街頭演説で話をしますと、目を潤ませ、涙を流しそうになる方々がかなりいらっしゃいました。
また、自分達もその公の中に参加して沿岸を支援したい。一緒に復興に取り組みたい。そういう善意、また、復興への意志というものを内陸の方で強く感じました。
復興への意志は沿岸の方でも強く感じられまして、こういう善意、感謝、復興への意志、そういう県民の思いを一つにまとめていけば、被災者支援、復旧・復興を確実に進めていくことができるという確信を得ましたし、岩手の復興、「希望郷いわて」の実現ということも必ずできると思います。
私の得票率は前回選挙を上回る高い得票率でしたが、これは、発災以来、県が行ってきたことが高く評価されしっかり信任されている証しだと思います。
発災以前に、「いわて希望創造プラン」や、その後の「いわて県民計画」の方向性で取り組んできた様々なことについても、しっかり信任をされている。高く評価されていると言って良いと思います。
岩手県職員の皆さんのこれまでの努力を多とするとともに、この調子でさらに頑張っていけば、県民の期待にしっかり応えられるということを伝えたいと思います。
ただし、それだけ高い評価、しっかりとした信任を得ている以上、それをつまらない不祥事で傷をつけたり、また、油断、慢心などで傷つけたり、取組みが疎かになったりしては、これは本当にもったいないことですので、自信と誇りを持って仕事をしてもらって良いわけですけれども、同時に、さらに気を引き締めてしっかりと進んでいくということを伝えたいと思います。
選挙中、岩手の復興は「前よりも安全、前よりも安心、前よりも豊か」というフレーズをたくさん使いました。
復興基本計画では、「安全の確保、生活の再建、なりわいの再生」というキーワードを使い、また、「いわて県民計画」の方では、「安心して生活できる、いきいきと働くことができる、楽しく学ぶことができる」、また、「ひと、つながり、ゆたかさ」というフレーズを使っていますが、この復興基本計画のフレーズ、県民計画のフレーズを併せて、短い時間で分かりやすく県民に伝えていくために、「前よりも安全、前よりも安心、前よりも豊か」というフレーズを使いました。これが一言で言って、復興とは何かということだと思いますので、それをそれぞれ職員も心の中に置きながら仕事をしてもらえれば良いと思います。
北海道大学の宮本太郎教授が生活保障という考え方を提唱しています。これは我々も県民計画を作る際に参考にしましたし、全国知事会が「この国のあり方に関する研究会」で提言を作るときにも参考にした考え方ですけれども、生活保障という言葉は、元々は戦後間もなく国の社会保障制度審議会で提言の中に盛り込まれた日本政府の公的なフレーズですが、あまり知られていません。これを復活させているのが宮本太郎教授ですけれども、ポイントは福祉政策と経済・産業政策を分断するのではなく、福祉・社会保障と経済・産業政策、雇用政策を融合させて、それによって働ける人はきちんと働いて稼いで豊かな生活を送ることができるという考え方です。
これは、県民計画として21世紀の岩手の姿、日本全体のあるべき姿として提唱したことでもありますが、復興に当たって防災という形での安全の確保という、さらに深い土台の基に生活となりわいを共に再建・再生させていくことで、県民一人ひとりの生活保障を確かなものにしていくという、復興にとって必要迫られることであると同時に21世紀の日本、ひいては世界のポスト工業化社会の成熟した先進民主主義国のあるべき姿を提示している理念でもあります。それは、県のホームページ、職員用の電子掲示板で確認できるようになっていますので、もう一回おさらいをして、岩手の復興、「希望郷いわて」の実現に取り組んでいくことが、21世紀の日本や世界のあるべき姿を岩手において実現し、提示していくことだということもよく分かりますので、ますます自信と誇りを持って働いてもらいたいと思います。
最後にもう一度付け加えると、自信と誇りを持って、気を引き締めて、またもう4年間私と一緒に働いてほしいと思います。以上です。

添付ファイル

将来に希望を持って生きられる「この国のあり方」について(平成22年5月 全国知事会「この国のあり方に関する研究会」)

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