年度始めにおける知事訓示

ID番号 N54159 更新日 平成29年9月4日

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とき:平成29年4月3日(月曜日)
ところ:県庁 12階特別会議室
対象者:全職員

年度始めにおける知事訓示

 平成29年、2017年度の始めに当たり訓示を行います。
 
 平成29年度予算は、「未来につなげる復興ふるさと振興予算」です。
 第3期復興実施計画に基づく復興と、台風第10号災害からの復旧・復興を最優先にし、第3期アクションプラン、ふるさと振興総合戦略を着実に推進し、県民一人ひとりが将来にわたって確かな希望を描くことができる岩手の実現を目指します。
 
 東日本大震災津波の発災から6年が経過しました。
 復興が着実に進む一方、年月の経過に伴い、風化が懸念されています。私たちは、改めて犠牲になられた方々のふるさとへの想いを心に刻み、この経験と教訓を後世に伝えていかなければなりません。様々な機会を捉えて、積極的に復興の情報を発信していきましょう。
 平成29年度は、第3期復興実施計画の初年度として、被災者イコール復興者一人ひとりの復興に寄り添いながら、復興事業の総仕上げを視野に、地域の状況に応じた復興を進めていきます。
 災害公営住宅など住環境の整備を図り、心と体のケアやコミュニティ形成の支援、なりわいの再生などをしっかり進めながら、復興の先を見据え、三陸地域への誘客の促進や、ILCの実現をはじめとする科学振興など、長期的な視点で新しい三陸の創造を目指す「三陸創造プロジェクト」を推進し、復興の更なる展開につなげていきます。
 被災からの復旧にとどまらない三陸のより良い復興、ビルド・バック・ベターの実現に向けて、復興を力強く推進していきましょう。
 
 復興とともに重要なのがふるさと振興です。
 ふるさと振興総合戦略の中間年に当たる本年度は、いわてで働こう推進協議会やいわて女性の活躍促進連携会議による産学官一体となった取組を軌道に乗せ、新たに創設した奨学金返還支援制度をスタートさせるなど、若者・女性の県内就業の促進に取り組みます。
 昨年の「銀河のしずく」に続き、今年の秋には、県産米最高級品種「金色の風」がデビューします。2つの品種の相乗効果を図りながら、県産米ブランド価値向上に取り組みます。
 定住交流の促進、ものづくり産業や食産業、アパレル産業の振興、海外市場に向けた岩手ブランド発信等の国際戦略展開など、岩手で働く、岩手で育てる、岩手で暮らすの3つを柱に、岩手への新しい人の流れを生み出すための取組を積極果敢に推進しましょう。
 
 今年度、文化・スポーツに関する事務を一元化し、文化スポーツ部を新設しました。
 3月に策定した岩手県文化・スポーツ振興戦略に基づき、ラグビーワールドカップ2019™の釜石開催準備や、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催機運醸成、世界遺産の理念や価値の普及、アール・ブリュット障がい者芸術に対する活動支援、トップスポーツチームとの連携やスポーツコミッションの設置によるスポーツツーリズム振興などに取り組みます。
 希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の成果を生かし、観光振興や健康づくりなども一体に、市町村とも連携しながら、岩手の文化・スポーツ施策を展開しましょう。
 
 近年、まち・ひと・しごと創生法に基づく総合戦略、国土強靭化地域計画の推進、また、国の緊急経済対策に呼応した取組など、県が果たす役割が大きくなってきています。
 この他にも、気候変動による影響への適応策、地域医療構想の策定、児童相談所の強化、また、平成30年度から都道府県が国民健康保険の財政運営の責任主体となること、道府県単位で奨学金返還支援制度を導入すること、農地の集積・集約化の推進や平成30年産からの米政策の見直しへの対応が県に求められること、があります。
 先月24日には、宮城県での高病原性鳥インフルエンザの発生に伴い、岩手県でも対策本部会議を設置し、全庁を挙げて農場への搬出制限措置、畜産関係車両の消毒等に当たっていますが、こうした防疫措置や、ヒトへの新型インフルエンザなどの感染症対策も近年になって県の役割をますます重要なものにしています。
 更に、公共施設の総合的な管理による老朽化対策の推進、総合教育会議の設置など地方教育行政への知事の関与の拡大など、およそあらゆる分野で、県の役割が大きくなっていると言えます。
 このような中で、今年7月、全国知事会議が本県で開催されます。都道府県のあるべき姿、なさねばならぬことについて重要な議論が岩手の地で行われることとなりますが、県のあり方について、岩手県民の皆さんとも一緒に考える機会にしていきたいと思います。
 
 そして、平成31年、2019年度を初年度とする次期総合計画の策定に向けて、今年度から、市町村、各種団体、企業、個人、更には県外の方々も含め、広く御意見を伺いながら、検討を進めていきたいと考えます。
 岩手県では、東日本大震災津波からの復興にオール岩手の力を結集していることに加え、地域医療、食育、脳卒中予防、教育振興など、県政の多くの分野で、県民総参加型の取組が展開されています。
 その一つの頂点をなすのが、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会の成功でした。県民の皆さんの県への関心の高まり、県への理解の深まり、そして県への参画が広まっています。このような県民の力の高まりを総合計画の策定にフルに生かしていきましょう。そうすれば総合計画は、県民の、県民による、県民のための計画として素晴らしいものになることを信じます。
 県組織においても、部局ごとに岩手が今どうなっているのか、どこでどのような人たちが困っているのか、そしてどうすればその問題を解決できるのか、これらを突き詰めて、知事との議論も重ねながら、今後概ね10年にやるべきことが見えてくるように検討していきたいと思います。
 次期総合計画策定のプロセスが、県と県民の一大改革になるように工夫して、岩手の自治力をさらに高めていきましょう。
 
 終わりになりますが、岩手県職員憲章に定める5つの信条、県民本位、能力向上、明朗快活、法令順守、地域意識に常に立ち戻りながら、自分自身、そして家族、また同僚など周囲の人々の健康にも留意をして、職員一丸となって業務に精励してまいりましょう。
 今年度もよろしくお願いします。

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