平成24年度遠野市からの要望(平成24年8月9日受理)

ID番号 N16199 更新日 平成26年1月17日

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平成24年度に受理した市町村からの要望を公表しています。

凡例

  • 要望件名は、要望内容の要旨です。
  • 取組状況は、回答時点における県の取り組みの状況です。
  • 振興局等名、担当所属名は、要望内容を担当する部署です。
  • 反映状況の区分は、次のとおりです。
    A:要望の趣旨に沿って措置したもの
    B:実現に努力しているもの
    C:当面は実現できないもの
    D:実現が極めて困難なもの
    S:その他

1 社会資本(道路)整備について 震災復興道路の整備について

道路網の整備は、物流・交流人口の拡大、地域間連携、救急救命、医療圏や観光圏の拡大、企業進出、雇用拡大など、フルセットで行政サービスを提供できない地方都市が、広域的な地方自治体連携による地域間格差を是正する場合に、特に大きな効果が期待できます。
その意味においては、従来のように交通量のみで事業を評価する時代ではありません。
特に、平成23年3月11日に発災した東日本大震災においては、被災市町村住民の尊い命をつなぐ道路として、その整備の必要性が改めて強く認識されたところであります。
こうしたなか、東北横断自動車道釜石秋田線が、悲願であった未事業化区間における道路の整備が加速されることは、今後の復旧・復興に向け弾みがつくものと受け止めています。
また、一般国道340号の立丸峠地区が地域連携道路整備事業(ネットワーク形成型)に位置付けられ、一定の方向性が示されたことは、震災復興のみならず、重要港湾を擁する宮古市をはじめとする三陸沿岸地域と遠野地域、さらには花巻空港、東北新幹線及び東北自動車道を擁する花北・胆江地域を最短距離で結ぶアクセス道としても重要な役割を担うものと期待できます。
つきましては、沿岸被災地の復興と、広域的な自治体連携を更に加速させるためにも、その整備の促進を強く要望いたします。

要望内容1

沿岸被災地の迅速な復旧・復興を実現するため、東北横断自動車道釜石秋田線全線の早期完成を国に働きかけること。

取組状況(方針)

三陸沿岸地域の早期復興のためには、高規格幹線道路や地域高規格道路による三陸沿岸の縦貫軸及び東北横断自動車道釜石秋田線釜石~花巻間等の内陸と沿岸を結ぶ横断軸で構成される道路ネットワークの構築が必要不可欠であると考えています。
これらの復興道路等について、国の「東日本大震災からの復興基本方針」に沿って着実に整備を進めるとともに、県の復興計画期間である平成30年度までに全線開通するよう国に対し要望しています。
今後とも、関係市町村と連携を図りながら、東北横断自動車道釜石秋田線の早期完成と予算の確保について、国に対し強く働きかけていきます。

  • 振興局名:県南広域振興局
  • 担当所属名:土木部
  • 反映区分:B

要望内容2

防災対策の基幹道路となる一般国道340号立丸峠地区の早期トンネル化を促進すること。

取組状況(方針)

立丸峠については、幅員狭小、急カーブが連続しており、交通隘路区間となっていることから、トンネル化に向けた調査を進めてきたところです。
この調査を踏まえ、現在、県の大規模事業評価専門委員会に事業実施について諮問しているところです。
事業着手には、様々な調整や協議を経る必要があり、地域の御協力をいただきながら、着実に諸手続きを進めていきます。

  • 振興局名:県南広域振興局
  • 担当所属名:土木部
  • 反映区分:B

2 社会資本の老朽化対策について

高度経済成長期に建設された社会資本の老朽化は、全国的な課題であり、各市町村においても上下水道、道路、橋梁や公共施設の維持補修や改修に伴う財源の確保に苦慮している状況にあります。
さらに、社会資本の安全性、耐震性の向上を図るための施設点検や修繕及び改築についても大きな課題となっています。
特にも、当市の簡易水道を含めた水道施設の老朽化は著しく、老朽管の更新、水源地の保全や改修に係る費用も大きく嵩むとともに、災害時のライフラインの確保や水道事業の健全運営についても懸念されます。
こうしたなか、平成23年3月11日に発災した東日本大震災及び平成23年4月7日の余震に伴い、当市の水道施設は断水13ヵ所及び漏水25ヵ所の被害を受け、住民生活に甚大な影響を及ぼすものとなりました。
水道は市民生活にとって不可欠なライフラインであり、産業・経済活動を支える基幹的な施設であるとともに、災害時においては住民の命をつなぐ広域的インフラともなります。
つきましては、水道施設をはじめとする社会資本の老朽化対策について、次の事項について要望します。

要望内容1

水道施設をはじめ、下水道、道路及び橋梁の社会資本の老朽化に伴う維持補修、改修工事に対する財政措置の拡充を国に働きかけること。

取組状況(方針)

水道施設の整備については国庫補助制度があり、各事業体においては一定の要件を満たしている場合に、国庫補助事業を活用して施設の更新、耐震化、改良などを実施していただいています。
これまでも全国環境衛生・廃棄物関係課長会環境衛生部会を通じて、国庫補助制度の拡充について厚生労働省へ要望を行っており、今後も引き続き要望を続けていきます。
また、平成23年度においては、北海道・北東北知事サミットの提言事項として、災害に強い社会資本の整備推進について国に対して要望書を提出しています。
平成24年度政府予算において、「社会資本整備総合交付金(通常・全国防災)」及び「地域自主戦略交付金」を合わせた本県への公共事業予算の配分額は、対前年度並みの予算が確保されたものの、老朽化した橋梁などの社会資本の維持管理など、本県にとって必要な社会資本を適切に整備し、維持管理していくための予算が十分に確保されていない状況にあります。
このため、「平成25年度政府予算提言・要望」として、平成24年7月31日に知事が、民主党及び国土交通省等に対して「地方の社会資本整備を推進するための予算の確保」等について提言・要望したところです。
今後とも、地方の社会資本整備を着実に推進するための予算の確保について国に提言・要望していきます。

  • 振興局名:県南広域振興局
  • 担当所属名:保健福祉環境部、土木部
  • 反映区分:B

要望内容2

防災・減災の観点から県内の砂防ダムを点検するとともに、老朽化対策を講ずること。

取組状況(方針)

砂防等施設の点検については、平成21年度から通常点検として年1回点検を行っています。
また、長寿命化・老朽化対策については、「いわて県民計画」に基づき、平成24年度末を目標として「岩手県砂防施設維持管理計画」の策定を目指しています。
これらの取組により、県管理の砂防ダムの損傷及び劣化状況を把握し、修繕方法や時期及び費用等を明らかにして、砂防設備修繕費等の事業の導入により計画的な施設の修繕及び改築を講じていきます。

  • 振興局名:県南広域振興局
  • 担当所属名:土木部
  • 反映区分:B

3 広域的震災復興支援施策について

被災市町村においては、復興まちづくり計画を策定する傍ら、他の市町村の職員の支援を受けつつ税務事務や文化財保護等の住民サービスの維持に努めており、人的体制が十分とは言えない状態が続いています。
その一方において、がれき処理をはじめ、避難住民の住宅の整備、雇用の創出、医療の確保など依然課題は山積しています。
つきましては、広域連携を視野に入れた取組が必要と考えることから、次の事項について特段の御配慮をお願いします。

要望内容1

広大な面積を有する岩手県の地理的特徴を踏まえ、県民が通院に要する精神的及び経済的負担の軽減と、予防に重点を置いた医療費の軽減を同時に図るため、情報通信技術を活用した広域的取組みに対する財政支援策を講ずること。

取組状況(方針)

国の平成25年度予算編成に当たり、東日本大震災で被災した市町村が抱える課題をICTを活用して効率的・効果的に解決する事業に対して、国による支援制度の拡充と平成25年度以降の継続支援を講じるよう要望しています。
また、情報通信技術を活用した健康増進に向けた取組については、遠隔医療システム等地域の保健・医療・福祉と一体的に取り組んでいく必要があると認識しており、国の動向も踏まえながら必要な支援について検討していきたいと考えています。
なお、東日本大震災津波の被災者に対する健康支援に関する取組については、市町村の当該取組みに対し県が補助を行う「被災者健康づくりサポート事業」の対象となるものと考えられますので、当該事業の活用について御検討願います。

  • 振興局名:県南広域振興局
  • 担当所属名:経営企画部、保健福祉環境部
  • 反映区分:B

要望内容2

広域的森林産業振興及び雇用創出を強力に推進するため、木材を利用した復興住宅や公共施設整備促進に係る財政支援策を講ずること。

取組状況(方針)

東日本大震災で住宅が被災した方が、県産材を使用して住宅を新築又は改修する場合、「生活再建住宅支援事業(県単)」により、県産材の使用量等に応じて助成しています。
また、住宅が滅失又はやむを得ず解体した方について、さらに、「被災者生活再建支援事業(国)」及び「被災者住宅再建支援事業(県単)」により、住宅再建を支援しています。
今後、被災地域における一般住宅の再建について、これらの事業による支援のほか、地域材を活用した低価格住宅プランの提案を支援するなど、建築業者と木材供給業者等が連携した取組を促進し、一般住宅への県産材利用の拡大を推進していきます。
なお、公共施設については、「森林・林業・木材産業づくり交付金事業(国)」により、公共施設の木造化等への支援を行っているところであり、今後建築が本格化する公共施設において、木造化や内装材等の木質化を積極的に進めるなど、県産材の需要拡大に取り組んでいきます。

  • 振興局名:県南広域振興局
  • 担当所属名:林務部
  • 反映区分:A

4 放射線被害対策について

当市の放射線に汚染された農林業系副産物(汚染牧草)は、約1,500トンであるのに対し、当市のごみ焼却施設の処理能力は1日1トンが限度であり、全てを焼却するのに約6年の期間を要するものとなっています。
また、牧草地の除染は5年間で行うこととしていますが、農家の自力施工にも限界があります。
さらに、原木生シイタケのほだ木約40万本の処理方針、農産物の安全・安心の確保、風評被害の軽減策など喫緊の課題も山積しています。
特にも、東京電力損害賠償請求については、平成24年1月29日に実施した第一次請求から検討経過が全く整理されないまま、平成24年6月20日の第二次請求に至ったのは甚だ遺憾であり、放射線被害対策も今なお出口が見えない状況となっています。
この問題の長期化は、生産農家にとっては致命的であり、県内の農業振興、農村景観及び環境保全に甚大な被害を及ぼすものと懸念されることから、次の事項について要望します。

要望内容1

東京電力損害賠償の早期決着について
県が主体となり、東京電力との交渉を強化するとともに、賠償対象経費、賠償に係る請求・支払までの工程を早期に提示すること。

取組状況(方針)

農林水産物の損害賠償については、JAグループによる農畜産物損害賠償対策県協議会、森林組合等による林産物損害賠償対策県協議会、JFグループ等による水産物損害賠償対策県協議会が取り組んでいるところです。
しかしながら、請求から支払いまで数ヵ月間を要し、かつ、仮払いとなるなど、賠償金の支払方法や時期はルール化されていないことから、被害者にとっては、資金繰りや経営の見通しが立たず、不安定な状態が続いているものと認識しています。
このため、県では、こうした賠償対策県協議会の活動を支援するとともに、東京電力との定期的な幹部交渉や国への要望などを通じて、賠償請求月の翌月には賠償金を支払うなど迅速かつ十分な損害賠償を行うことや、損害賠償対象項目の拡大などを、引き続き交渉していきます。

  • 振興局名:県南広域振興局
  • 担当所属名:農政部、林務部
  • 反映区分:B

要望内容2

1 安全・安心な農畜産物の生産と供給
2 農林業系副産物の焼却処分
3 牧草除染対策
4 風評被害対策
などオール岩手による放射線被害対策を速やかに講ずること。

取組状況(方針)

1 土壌等の生産環境が農作物に及ぼす影響等の知見の収集に努め、平成24年2月に作成した「放射性物質影響防止のための農作物生産管理マニュアル」を改訂して生産管理対策を周知するとともに、利用が困難となっている牧草地再生のための除染などを行っており、今後もこうした取組の継続や加速化を図り、安全な農林水産物の生産対策に取り組んでいきます。(A)

2 汚染された農林業系副産物については、市町村等の既存焼却施設において農林業系副産物と生活系ごみとを混ぜて焼却する市町村に対し、施設の整備や測定機の購入に必要な費用を補助し、市町村と調整を進めながら早期処理のための支援をしていきます。(B)

3 牧草地の除染については、できる限り短期間で実施する必要があることから、県農業公社で必要な作業機械を確保する方法や、作業機械を有する畜産農家、飼料生産を請け負うコントラクター組織に加え、建設業者等の協力を得て作業する方法で順次、作業に着手しているところです。
また、暫定許容値以下の牧草地の除染についても、今後、各市町村の意見を聴きながら、支援の検討を進めていきます。(A)

4 県産農林水産物への放射性物質の影響防止や消費者の不安を解消していくため、これまで、栽培技術の徹底や検査の実施・公表をしていますが、こうした取組や風評被害を防止していく観点から、消費者に向けて、安全安心のメッセージを県ホームページから発信しています。
また、県内外においてトップセールスを行い、復興元年の取組と合わせて、安全安心な県産農林水産物をアピールしていきます。(A)

  • 振興局名:県南広域振興局
  • 担当所属名:保健福祉環境部、農政部
  • 反映区分:A、B、A、A

5 ニホンジカ被害対策について

本市の有害鳥獣による農作物被害は年々増加傾向にあり、特にもニホンジカによる農作物被害は深刻な状況となっており、平成23年度の被害額は約1億円に及んでいます。
有害鳥獣による影響は、収穫量減少による農家所得の減収のほか、耕作意欲の衰退、耕作放棄地の発生など、農家や本市の農村環境に与える影響は著しく、本市の農業振興の大きな課題となっています。
本市では、「駆除・防除・人材育成」の3つを重点項目とし、電気牧柵に対する補助枠の拡大、ニホンジカの駆除に対する補助金の交付、さらには狩猟者の担い手の確保対策として狩猟免許取得の経費に対する支援等、重点的に取り組んでいるところです。
しかしながら、これまでの有害駆除対策では目に見える効果がないことから、増加し続けるニホンジカの個体数を減少させるため、より広域的な被害対策を講ずるよう、次の事項について要望します。

要望内容

(1)有害駆除対策の広域化について
これまでの駆除対策では、ニホンジカの個体数の減少が困難であることから、広域的に取り組む駆除体制を構築すること。

(2)防除対策の広域調整について
駆除と一体となった防除体制を併せて構築すること。

(3)狩猟者に対する支援策の拡充について
狩猟免許所持者は年々高齢化し、人材の確保に苦慮していることから、意欲を持って活動を行える広域的な人材育成と支援の拡充を進めること。

取組状況(方針)

シカ被害対策を効果的に進めるためには、関係市町村における生息分布や被害発生状況等の情報を共有するとともに、広域的に捕獲や被害防除の取組を進める必要があります。
地域における効果的な取組を支援するため、関係市町村と連携して広域的な捕獲や被害防除の実施体制の整備について検討を進めていきます。
なお、近年、農業被害が増加していることから、適切な個体数管理を行うため、捕獲を強化する必要がありますが、原発事故の影響によりシカ肉から基準値を超える放射性物質が検出され、食用とすることができないため、捕獲したシカの処理頭数の増加が見込まれることから、円滑に処理できるよう処理方法等について関係市町村と連携し検討を進めます。
捕獲の担い手確保については、狩猟者の減少や高齢化が進んでいることから、狩猟免許試験の開催回数の増加や狩猟免許試験予備講習会の開催など狩猟者確保の取組を進めるとともに、地域住民の意識啓発を図り、狩猟者だけではなく地域住民も補助者として捕獲に参加する捕獲体制の整備を進めていきます。
また、シカ肉から基準値を超える放射性物質が検出されたことにより、狩猟による捕獲頭数の減少が見込まれることから、適切な個体数管理を実施できるよう捕獲に対する助成について検討を進めていきます。

  • 振興局名:県南広域振興局
  • 担当所属名:保健福祉環境部
  • 反映区分:B

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