農作物技術情報 第6号 要約(令和5年8月29日発行)

ページ番号2007231  更新日 令和5年8月29日

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水稲

生育状況:県全体の出穂盛期(50%)は平年よりも3日早い8月1日であった。登熟期間中の気温は平年よりもかなり高く推移しており、出穂盛期からの積算気温950℃(刈始めの目安)の到達は、県全体で平年よりも大幅に早まると予想される。
技術対策

  • 刈遅れは胴割粒の発生等による品質低下や食味低下につながるため、適期刈取りを心掛ける。
  • 刈取適期の判断は、積算気温のみに頼らず黄化籾割合で80~90%を目安とし、テスト籾摺りを行う。
  • コンバインや乾燥調製施設の清掃・点検・整備を早めに行う。品種の切替を行う場合は異品種混入(コンタミ)対策の清掃を徹底する。
  • 籾の乾燥は二段乾燥を心がけ、玄米水分15%以下に仕上げる。

畑作物

生育状況:大豆の開花期は平年より3日程度早い7月下旬に達した。生育量は平年を上回っている。
技術対策
大豆:マメシンクイガと紫斑病の防除適期を迎えているので、莢に薬剤がよく付着するように薬剤散布を行う。
小麦:越冬前に十分な生育量が確保できるよう、排水対策を早めに実施し、適期に播種する。圃場条件が整わない場合は、無理に播種せず、条件が整い次第播種量を増やして対応する。

野菜

生育状況:果菜類の生育は概ね順調だが、高温の影響により果実品質の低下が見られる。雨よけほうれんそうは、高温の影響による生育停滞や枯死が広く見られる。高冷地キャベツ・レタス、およびねぎは概ね順調な生育だが、圃場によりキャベツでは高温による葉焼け、レタスでは抽苔の発生が見られる。
技術対策
共通:台風等の気象災害に対する事前対策を徹底する。
果菜類【施設】:気象条件に応じたハウスの適切な温湿度管理(遮光、換気)、かん水管理で草勢維持をはかり、障害果の発生防止対策を行う。
果菜類【露地】:摘葉・摘果等の管理作業と、生育に応じた追肥や葉面散布を行い草勢維持に努める。
現在発生している病害虫と降雨で発生が多くなる病害を中心に防除を徹底する。
葉茎菜類:雨よけほうれんそうは適期に品種の切り替えを行い、べと病やホウレンソウケナガコナダニ等の病害虫防除を徹底する。キャベツ・レタスは腐敗性病害、ヨトウムシ等害虫の適期防除を行う。ねぎは出荷計画を明確にし、収穫時期の20~30 日前に最終培土を行う。

花き

生育状況:りんどうの晩生種の生育は平年より進んでいる。小ぎくの9月咲品種は着蕾が始まっている。
りんどうは黒斑病、オオタバコガが増加している。小ぎくはオオタバコガの発生が増加している。
技術対策
りんどう:花腐菌核病、黒斑病などの病害虫防除を適期に行う。収穫後も防除を継続する。
小ぎく:白さび病、オオタバコガの防除を徹底する。収穫後管理を徹底し、健全な伏せ込み苗・株を確保する。
共通:圃場が乾燥する前にかん水する。台風等の強風に備えネットと支柱を点検、補強する。

果樹

生育状況:りんごの果実生育(横径)は、県平均で平年比107~108%と平年をやや上回る。これまでの高温により着色は緩慢で、果皮色と内部品質が一致しないまま収穫期に入る見込み。ぶどうの生育も早い。
技術対策
りんご:早生種は過度な着色は期待せず、食味・硬度等を確認して適期収穫に努める。直射日光が果皮に急に当たると日焼けが発生するので、葉摘みは果面の温度が上がる午後から実施する。
ぶどう:今後の高温経過により着色は緩慢となりやすいので、食味を重視した適期収穫を心がける。

畜産

生育状況:飼料用とうもろこしの収穫時期(黄熟期)は平年よりも早い。
技術対策
飼料用とうもろこし:収穫機械やサイロの点検、資材準備等を早めに行って収穫に備える。
とうもろこしとライムギの二毛作:ライムギは、極早生種か早生種を9 月下旬から10 月初旬までに播種する。
牧草:現在牧草の播種時期なので、二番草の収穫を完了させ、速やかに圃場更新や追播作業を行う。
乳用牛・肉用牛:今後も残暑が続く見込みなので牛舎環境面の暑熱対策を継続し、また、牛の個体観察や良質飼料給与などの体力回復に向けた飼養管理を徹底する。

  • 農薬適正使用:使用前に必ずラベルを確認し、使用基準の厳守と飛散防止を心がけてください。
  • 農作業安全:事故のないよう、農作業安全に十分留意してください。
  • 熱中症対策:気温が高い時間帯の作業を避け、こまめな休息と水分補給を心がけてください。

次号は令和5年9月28 日(木曜)発行の予定です

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このページに関するお問い合わせ

農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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