令和6年農作物技術情報 第5号(令和6年7月25日発行)
水稲
生育状況
県全体の出穂期は平年より2日早い7月31日頃と見込まれる。斑点米カメムシ類の発生は「多」、穂いもちは「やや少」の予想であり、適期防除に努める。
技術対策
登熟前半は平年に比べ高温で推移する可能性が高いことから、かんがい水の状況に応じて、登熟期の高温に対応した水管理(間断かんがい、夜間入水など)を徹底する。
斑点米カメムシ類の薬剤防除は穂揃期1週間後を基本とし、近隣に発生源となる牧草地や雑草地がある場合、また、本田内雑草(ノビエ・ホタルイ類・シズイ等)が多く残草している場合は、追加防除を行う。
上位3葉での葉いもち発生は、穂いもち発生につながるため、圃場をこまめに観察するとともに、病斑を確認次第、直ちに茎葉散布による防除を実施する。
畑作物
生育状況
大豆は順調に生育している。ただし、干ばつ傾向にあった圃場では生育は緩慢に進み、また、7月上旬の大雨などで滞水した圃場では生育の停滞が見られている。
技術対策
大豆
集中豪雨や台風に備え、明渠や排水溝等の点検整備を行う。開花後干ばつ時にはかん水を行う。圃場の様子を確認し、病害虫防除を適切に行う。
小麦
次期作に向け、かび毒汚染の防止・低減に努める。また、排水対策等、圃場準備を早めに進める。
野菜
生育状況
果菜類は概ね順調に生育している。病害では、きゅうりでべと病、炭疽病、トマトで灰色かび病、ピーマンは斑点病等が発生している。害虫ではアザミウマ類、タバコガ類が発生している。葉茎菜類では、雨よけほうれんそうの生育は概ね順調で、キャベツ、レタス、ねぎでは生育は順調ではあるが、それまでの乾燥による生育停滞がみられる。病害虫では、萎凋病等の土壌病害やべと病、軟腐病等の腐敗性病害、アザミウマ類が発生している。
技術対策
全般
遮光などの高温対策やこまめなかん水管理により草勢維持を図る。
果菜類【施設】
換気や遮光による高温対策を徹底する。こまめなかん水や追肥により草勢維持を図る。主要病害虫の防除を徹底する。
果菜類【露地】
群落内が混み合わないように適切な整枝・摘葉を行う。きゅうりでは、炭疽病、褐斑病、ピーマンでは斑点病、タバコガ類等の防除を徹底する。
葉茎菜類
雨よけほうれんそうは天候の変化に対応した遮光管理と土壌水分管理を適切に行う。露地葉茎菜類は、適期作業の実施と病害虫防除を徹底する。
花き
生育状況
りんどう、小ぎくの生育は平年よりやや早く、盆向け品種の開花が早まっている。病害では、りんどうで葉枯病、黒斑病、小ぎくで白さび病の発生が増加している。害虫では、ハダニ類、オオタバコガの発生が多くなっている。
技術対策
共通
適期収穫と出荷選別を徹底する。病害虫防除を徹底し、収穫後の圃場も継続して防除する。また、来年に向けて収穫後管理を適期に行う。
りんどう
高温乾燥が続く場合はかん水を励行するが、高温時を避けてかん水する。葉枯病、黒斑病、ハダニ類などの防除を徹底する。収穫後の圃場の残花処理を適切に行う。
小ぎく
圃場が乾いた場合はかん水を行う。一方、大雨によって圃場が冠水した場合は、溝切り等により速やかに排水する。白さび病、ハダニ類、オオタバコガの防除を適期に行う。
果樹
生育状況
りんごの果実生育(横径)は平年より大きく、前年よりやや小さい。ぶどうは一部品種で花ぶるいが見られるが、新梢生育は平年を上回っている。
技術対策
りんご
見直し摘果を進め、適正着果数にする。誘引や支柱立て、徒長枝の整理を行い、樹幹内部の受光体制の改善に努める。早生の葉摘み開始は収穫予定の10~20日前だが、高温が続く場合は無理に行わない。褐斑病やハダニ類等の発生に留意し防除を行う。
ぶどう
品質向上のため、生育状況に応じた着果管理と新梢管理に努める。
畜産
生育状況
牧草(再生草)の生育は平年並~やや不良。
技術対策
牧草
再生草の収穫は低刈りを避ける。草地更新は、秋播種に向けて、耕起、砕土、整地作業を丁寧に行う。
大家畜
暑熱対策として、輻射熱の遮断や遮光、牛体への送風と換気など牛舎環境面の暑熱対策を徹底する。また同時に、新鮮で十分量の水と食いつきの良い粗飼料の給与、ミネラル等の補給など飼料給与面の暑熱対策も実施する。
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このページに関するお問い合わせ
農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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