令和7年農作物技術情報 第6号(令和7年8月28日発行)

ページ番号2012110  更新日 令和7年8月28日

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水稲

生育状況

  • 県全体の出穂盛期(50%)は平年よりも2日早い8月1日であった。登熟期間中の気温は平年よりも高く推移しており、出穂後の日平均気温の積算気温950℃(刈始めの目安)到達日は、県全体で平年よりも大幅に早まると予想される。

技術対策

  • 刈遅れは胴割粒の発生等による品質低下や食味低下につながるため、適期刈取りを心掛ける。
  • 刈取適期の判断は、積算気温のみに頼らず黄化籾割合で80~90%を目安とし、テスト籾摺りを行う。
  • コンバインや乾燥調製施設の清掃・点検・整備を早めに行う。品種の切替を行う場合は異品種混入(コンタミ)対策の清掃を徹底する。
  • 籾の乾燥は二段乾燥を心がけ、玄米水分15%以下に仕上げる。

畑作物

技術対策

大豆

  • 圃場が乾燥する場合はかん水を行う。マメシンクイガと紫斑病の防除適期を迎えており、莢に薬剤がよく付着するよう薬剤散布を行う。

小麦

  • 麦類の連作やトウモロコシを前作とすることを避け、前作がイネの場合は切り株及び稲わらを適切に処理する。排水対策・土づくり・適期播種に努め、赤かび病の一次伝染源となるイネ科雑草について、作物生育期間を通して圃場及び畦畔の除草を行う。

野菜

生育状況

  • 果菜類の生育は、トマトでは着果負担による草勢の低下や高温による落花などが見られる。
  • ピーマンでは乾燥による尻腐れ果などの発生が見られるが、降雨により減少傾向となっている。
  • 雨よけほうれそうは、高温・乾燥による生育停滞が見られたが回復傾向である。
  • 高冷地キャベツ・レタスおよびねぎは高温等により生育停滞が見られたが回復傾向である。
  • 施設、露地共にタバコガ類の発生が見られ、果菜類では例年よりカメムシ類の被害が多い。

技術対策

共通

  • 台風等の気象災害に備え、排水対策や強風に対する備えを徹底する。

施設果菜類

  • 気象条件に応じたハウスの適切な温湿度管理(遮光、換気)、かん水管理で草勢維持をはかり、障害果の発生軽減を図る。
  • 現在発生している病害虫と、湿度の上昇で発生が多くなる病害を中心に防除を徹底する。

露地果菜類

  • 摘果・摘葉等の管理作業と、生育に応じた追肥や葉面散布を行い、草勢維持をはかる。
  • 現在発生している病害虫と、降雨で発生が多くなる病害を中心に防除を徹底する。

葉茎菜類

  • 雨よけほうれんそうは適期に品種の切り替えを行い、べと病やホウレンソウケナガコナダニ等の病害虫防除を徹底する。
  • キャベツ・レタスは腐敗性病害、ヨトウムシ、オオタバコガ等害虫の適期防除と適期収穫を行う。
  • ねぎは出荷計画を明確にし、収穫時期の20~30日前に最終培土を行う。

花き

生育状況

  • りんどうの晩生種の開花が始まっている。
  • 小ぎくの9月咲品種は着蕾が始まっている。
  • りんどうでは黒斑病、オオタバコガ、ハダニ類、小ぎくではオオタバコガ、ハダニ類の発生が増えている。

技術対策

共通

  • 圃場が乾燥する前にかん水する。適期収穫と出荷選別を徹底する。台風等の強風に備えネットと支柱を点検、補強する。

りんどう

  • 花腐菌核病、黒斑病、オオタバコガ等を適期に防除する。収穫後も防除を継続する。

小ぎく

  • オオタバコガ、ハダニ類等の防除を徹底する。収穫後管理を適切に行い、健全な伏せ込み苗・株を確保する。

果樹

生育状況

  • りんごの果実生育(横径)は、県平均で平年比94~97%、ぶどうの果径は平年比97%で、少雨の影響により肥大はやや鈍化傾向である。

技術対策

りんご

  • 早生種はすぐりもぎが基本。
  • 病害虫防除は、発生予察と適期の薬剤散布を徹底する。なお、早生種は収穫期を迎えるため、農薬の使用基準を遵守し、ドリフトに十分注意する。

ぶどう

  • 平年より糖度が高く、全般的に熟期が早まっている。過度な着色は期待せずに、食味を重視した適期収穫を徹底する。

畜産

生育状況

  • 飼料用とうもろこしの収穫時期は平年よりも早まる見込み。
  • 牧草は高温・乾燥により減収。

技術対策

飼料用とうもろこし

  • 収穫機械やサイロの点検、資材準備等を早めに行って収穫に備える。

牧草

  • 寒地型牧草の播種は、高温・乾燥が落ち着いてからすばやく行う。

大家畜

  • 牛舎の暑熱対策を継続し、良質飼料給与などの体力回復に向けた飼養管理を徹底する。

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このページに関するお問い合わせ

農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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