令和6年農作物技術情報 第6号(令和6年8月29日発行)
水稲
生育状況
県全体の出穂盛期(50%)は平年よりも3日早い8月1日であった。登熟期間中の気温は平年よりも高く推移しており、出穂盛期からの積算気温950℃(刈始めの目安)の到達は、県全体で平年よりも大幅に早まると予想される。
技術対策
刈遅れは胴割粒の発生等による品質低下や食味低下につながるため、適期刈取りを心掛ける。
刈取適期の判断は、積算気温のみに頼らず黄化籾割合で80~90%を目安とし、テスト籾摺りを行う。
コンバインや乾燥調製施設の清掃・点検・整備を早めに行う。品種の切替を行う場合は異品種混入(コンタミ)対策の清掃を徹底する。
籾の乾燥は二段乾燥を心がけ、玄米水分15%以下に仕上げる。
畑作物
技術対策
大豆
マメシンクイガと紫斑病の防除適期を迎えているので、莢に薬剤がよく付着するように薬剤散布を行う。
小麦
赤かび病は特にイネ科作物(麦類、トウモロコシ、イネ)に感染しやすく、作物残さは一次伝染源となるため、麦類の連作やトウモロコシを前作とすることを避け、適切な輪作体系とする。前作がイネの場合は切り株及び稲わらを適切に処理する。排水対策を実施するほか、土壌診断を基に、適切な土壌pH及び栄養素が確保されるよう、必要な土壌改良資材または基肥を施用する。適期播種に努め、品種ごとに適切な播種密度(播種量)とする。イネ科雑草は一次伝染源となるため、作物生育期間を通してほ場及び畦畔の除草を行う。
野菜
生育状況
果菜類の生育は概ね順調だが、高温、強風の影響により果実品質の低下が見られる。雨よけほうれんそうは、高温による生育停滞が見られたが回復傾向である。高冷地キャベツ・レタス、およびねぎは概ね順調な生育だが、圃場によりキャベツでは高温による葉焼け、レタスでは不結球の発生が見られる。施設、露地共に例年よりタバコガ類の発生が多い。
技術対策
共通
台風等の気象災害に対する事前対策を徹底する。
果菜類【施設】
気象条件に応じたハウスの適切な温湿度管理(遮光、換気)、かん水管理で草勢維持をはかり、障害果の発生防止対策を行う。
果菜類【露地】
摘果・摘葉等の管理作業と、生育に応じた追肥や葉面散布を行い草勢維持をはかる。現在発生している病害虫と降雨で発生が多くなる病害を中心に防除を徹底する。
葉茎菜類
雨よけほうれんそうは適期に品種の切り替えを行い、べと病やホウレンソウケナガコナダニ等の病害虫防除を徹底する。キャベツ・レタスは腐敗性病害、ヨトウムシ、オオタバコガ等害虫の適期防除と適期収穫を行う。ねぎは出荷計画を明確にし、収穫時期の20~30日前に最終培土を行う。
花き
生育状況
りんどうの晩生種の生育は平年より進んでいる。小ぎくの9月咲品種は着蕾が始まっている。りんどうでは黒斑病、オオタバコガ、ハダニ類、小ぎくではオオタバコガ、ハダニ類の発生が多い。
技術対策
りんどう
花腐菌核病、黒斑病、オオタバコガ等の適期に防除する。収穫後も防除を継続する。
小ぎく
オオタバコガ、ハダニ類の防除を徹底する。収穫後管理を徹底し、健全な伏せ込み苗・株を確保する。
共通
台風等の強風に備えネットと支柱を点検、補強する。
果樹
生育状況
りんごの果実生育(横径)は、県平均で平年比102~109%と平年をやや上回る。開花が早かったため、収穫期も早まると推測。ぶどうの収穫期も早まる見込み。
技術対策
りんご
早生種はすぐりもぎが基本。病害虫防除は、発生予察と適期の薬剤散布を徹底する。なお、早生種は収穫期を迎えるため、農薬の使用基準を遵守し、ドリフトに十分注意する。
ぶどう
全般的に熟期が早まっている。食味を重視した適期収穫を徹底する。
畜産
生育状況
飼料用とうもろこしの収穫時期(黄熟期)は平年よりも早い。
技術対策
飼料用とうもろこし
収穫機械やサイロの点検、資材準備等を早めに行って収穫に備える。
とうもろこしとライムギの二毛作
ライムギは、極早生または早生種を9月下旬から10月初旬までに播種する。
牧草
播種適期(9月上旬まで)なので、二番草の収穫を完了させ、速やかに圃場更新や追播作業を行う。
乳用牛・肉用牛
今後も残暑が続く見込みであるため、牛舎の暑熱対策を継続し、また、牛の個体観察や良質飼料給与などの体力回復に向けた飼養管理を徹底する。
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このページに関するお問い合わせ
農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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