農作物技術情報 第3号 要約(令和4年5月26日発行)
水稲
生育状況:県全体の田植え盛期は平年並み。苗の草丈は平年並みで乾物重が多く充実度は優る。
技術対策
活着後、好天時は浅水管理で地温を高め、分げつの発生を促す。
中干は、6月下旬(6月21日~25日頃)を目安に開始し、溝切りを実施する。
除草剤は、適期を逃さず散布する。
取置苗はいもち病の伝染源になるので、直ちに処分する。
斑点米カメムシのふ化盛期は早まっている。地域一斉草刈によりカメムシの密度低減に努める。
畑作物
生育状況:小麦の生育は良好で、出穂期は平年並となった。開花に合わせて赤かび病の防除が行われている。
技術対策
小麦:赤かび病防除は適期に確実に実施する。圃場での抜き穂作業は、穂が青く見やすい時期に実施する。収穫作業に備え、早めに乾燥施設との連携や収穫機械の整備などを行い、万全の体制を整える。
大豆:排水対策・耕起・砕土などを丁寧に行う。種子消毒・播種・除草剤の散布などは計画的に実施し、適正な栽植密度を確保する
野菜
生育状況:施設果菜類生育は順調で平年並みの生育で、収穫が始まっている。露地果菜類は平年並みの5 月下旬~6 月上旬頃が定植のピークとなる見込み。葉茎菜類は、雨よけほうれんそうが低温の影響によりやや遅れの生育で、高冷地のレタス、キャベツが順次定植されている。
技術対策
全般:圃場の排水対策を徹底するとともに、生育促進、施肥効率の改善等を図るため、適時かん水を行う。
施設果菜類:温度・湿度管理を徹底し、草勢維持に努めるとともに、病害虫の初期防除を徹底する。
露地果菜類:定植後の活着促進と初期生育確保のため、土壌水分と地温の確保に努める。
葉茎菜類:雨よけほうれんそうはハウスの換気や圃場水分管理を適切に行い、病害虫の発生や生育不良を防ぐ。キャベツ、レタスはコナガ、ナモグリバエ等の適期防除を行う。アスパラガスは収穫が終了した後、茎葉が繁茂する前に茎枯病対策を実施する。ねぎは生育状況を見ながら培土を行う。
花き
生育状況:りんどうの生育は平年並みの地域が多い。6月上旬より定植が始まる見込み。小ぎくは8月咲品種でほぼ平年並みの定植となり、生育は概ね順調。9月咲品種の育苗は順調で定植が始まっている。
技術対策
りんどう:草丈が最も伸長する時期なので乾燥時はかん水する。病害虫では、リンドウホソハマキの重点防除時期となっており、防除を徹底する。また、ハダニ類の初期防除に努める。
小ぎく:乾燥時はかん水する。摘心、整枝作業が遅れないよう計画的に進める。白さび病防除を徹底する。発生状況に応じで「予防剤」と「治療剤」を使い分け、発生後は治療効果の高い薬剤を散布する。
果樹
生育状況:りんごの開花は、満開期で平年より5日程度早い。4月中旬以降に低温降霜、降雪は見られたが、影響は少ない見込み。ぶどうは発芽期、展葉期ともに平年より5~6日早い。
技術対策
りんご:結実の状況を見極め、早期かつ良質果を残すよう摘果を進める。
ぶどう:気温の推移により生育の進みは変動するので、開花期前後の管理を計画的に進める。
畜産
生育状況:県全体で、牧草の生育はやや早い~平年並。
技術対策
牧草:一番草の収穫・調製のタイミングは、飼料の栄養成分、収量に大きく影響するので、適期収穫を行う。
飼料用とうもろこし:収量確保とサイレージの品質向上のため、除草剤の土壌処理、生育期処理を行う。虫害が発生しやすい時期となるので、早期発見に努め被害拡大を防止する。
家畜:暑熱対策は5月中に準備する。
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農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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