日本農業遺産「束稲(たばしね)山麓地域」

ページ番号1065998  更新日 令和6年4月5日

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束稲山麓地域とは

束稲山麓地域の位置図

日本農業遺産に認定された「束稲山麓地域」は、岩手県南端にある一関市、奥州市、平泉町の境界に位置する束稲山の西麓(一関市舞川地区、奥州市生母地区、平泉町長島地区)を指します。
西側には東北地方最大河川の北上川が流れ、世界遺産「平泉」の対岸に位置しています。束稲山麓地域にも、奥州藤原氏との関わりを示す神社・仏閣や、文化伝統が数多く残されています。
この地域には、東西、水平距離で6キロほどの狭いエリアに、低平地、山麓地及び山地が存在しており、生活の拠点となる集落は、山麓地に立地しています。

(注)束稲山 : 経塚山、音羽山、束稲山の三つの山の総称

束稲山麓地域の俯瞰図

世界農業遺産・日本農業遺産とは

世界農業遺産・日本農業遺産とは、「生きている遺産」として農林水産業が守ってきた伝統的な知恵と仕組みを現代に生かし、 持続可能な地域づくりにつなげるための認定制度です。
日本農業遺産とは、日本において重要かつ伝統的な農林水産業を営む地域(農林水産業システム)を、日本農業遺産の認定基準に基づき、農林水産大臣が認定を行う制度です。

 

束稲山麓地域は、個人による農地の分散所有と、地域の共同組織による共有林やため池、水路の管理が伝統的に行われてきたことで、災害に対する高いレジリエンス(適応力)を持った土地利用システムが300年前から受け継がれてきたことなどが高く評価され、令和5年1月17日に日本農業遺産に認定されました。
また、若い移住者による棚田オーナー制の取組や、企業と連携した森林保全活動など、多様な主体の参画による効果的な取組が行われていることも高く評価されました。

「束稲山麓地域の災害リスク分散型土地利用システム」の概要

ポイント

  • 束稲山麓地域は、たび重なる洪水害や干ばつ等の自然災害に見舞われてきた
  • 地域一体となった立体的な土地利用や水源管理等の取組により、自然災害のリスク分散を図る独自の農林業システムが構築・継承
  • 豊かな農業生態系と個性ある文化が育まれ、独特のランドスケープが形成

束稲ストーリー

模式図1
この地域の人々は、古くから山麓地に暮らしてきました。
模式図2
地形的な要因から 、低平地では台風や大雨による洪水害が2年に1度は起き、山地は土砂災害の危険を抱えています。
模式図3
また、山麓地は大きな水源がないことから、干ばつにも見舞われてきました。
模式図4
生きていくためには、こうした自然災害の影響を最小限に抑えつつ、食料と収益を確保する必要があります。
束稲山麓地域の人々は、暮らしと営農に必要なため池や森林の共同管理を行い、山麓地と低平地の両方に農地を所有し、営農の工夫を行いながら、災害リスクを分散する土地利用システムを築き上げました。
模式図5
このシステムを支えているのは、人の営みによって育まれた共同・共助の精神です。
景観
また、低平地、山麓地及び山地を一体的に管理することにより、独特な景観と多様な生物の生育環境が育まれました。
現在の取組の画像
そんな束稲山麓地域でも高齢化や人口減少が課題となっていますが、地域の活性化に向け、様々な取組が行われてきました。日本農業遺産に認定され、より一層地元住民の機運が高まっています。

関連情報

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