農作物技術情報 第5号の要約(令和元年7月25日発行)

ページ番号2001387  更新日 令和1年7月25日

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令和元年 7月25日発行

岩手県、岩手県農作物気象災害防止対策本部

水稲

生育状況:県全体の幼穂形成期は平年並であるが、出穂期は平年より2日遅い8月5日頃と見込まれる。いもち病の発生は「並」、斑点米カメムシ類の発生は「やや多」の予報であり、適期防除を心掛ける。

技術対策
出穂状況や気象変動に応じた栽培管理と病害虫の適期防除を心掛ける。
出穂後は、高温時でも良好な登熟が行われるよう、適切な水管理を行う。
上位3葉での葉いもち発生は、穂いもち発生につながるため、圃場のこまめな観察に努めるとともに、見つけ次第、直ちに茎葉散布による防除を実施する。
斑点米カメムシ類の防除は、穂揃い7日後を基本とする。カメムシの増殖源となる水田雑草(ホタルイ類、シズイ、ノビエ)が残草した場合は、穂揃い7日後と14日後の2回防除を実施する。

畑作物

生育状況:大豆の生育は、低温と日照不足によって遅れている。圃場が乾きにくいところでは、葉が黄化するなど、湿害が発生している。

技術対策
大豆:集中豪雨や台風に備え、明渠や排水溝等の点検整備を行う。また、開花後に急激な温度上昇や干ばつ傾向が続くときには、うね間を利用したかん水を実施する。
マメシンクイガの防除適期は、産卵盛期であるが、使用する薬剤によって散布時期が異なるため確認する。紫斑病との同時防除も可能であるが、莢の大きさを観察し、紫斑病の防除適期と重なるか判断して実施する。

野菜

生育状況:曇天・低温による生育や果実の着色の遅れが一部で見られるものの、概ね順調な生育。全般的にアブラムシ類やアザミウマ類等の害虫の発生が見られるほか、果菜類では灰色かび病、葉菜類ではべと病等の病害の発生も見られる。

技術対策
全般:今後は急激な温度上昇が想定されることから、高温対策やかん水管理による草勢維持を図る。
施設果菜類:こまめな追肥とかん水で草勢を維持する。高温対策としてハウスの換気効率を高めるとともに、通路への散水等を積極的に行う。
露地きゅうり:摘葉と病害虫防除を徹底し、こまめな追肥を行い草勢維持に努める。病害虫防除は褐斑病、炭そ病、べと病を重点に行う。しおれが見られる場合は原因究明をしっかり行う。
雨よけほうれんそう:天候急変に対するハウス内の温度・湿度や圃場水分管理を適切に行う。べと病やアザミウマ類等病害虫の防除対策を徹底する。
露地葉菜類:コナガ、ヨトウガ、アザミウマ類等害虫の適期防除を行う。腐敗性病害等の対策を徹底する。

花き

生育状況:りんどう、小ぎくともに生育は平年並みのところが多い。りんどうの害虫は、ハダニ類が増加傾向にあるほか、一部地域でリンドウホソハマキが発生。病害は全般に少発傾向で、葉枯病が散見される程度。小ぎくの害虫は、アブラムシ類、アザミウマ類、ハダニ類が増加傾向にあるほか、一部地域でハモグリバエ類、ヨトウガ類、オオタバコガが発生。病害は白さび病がやや増加傾向にあるほか、一部地域でべと病が発生。

技術対策
りんどう:圃場が乾いた場合はかん水を行うが、高温時のかん水は、熱水によって株に障害が発生する可能性があるので避ける。
小ぎく:晴天が続く場合は、萎れる前のかん水に留意する。また、大雨の際は、冠水・滞水による萎れが発生しやすいので、溝切り等により速やかに排水する。
共通:病害虫防除を徹底する。収穫後の圃場も継続して防除する。

果樹

生育状況:りんごの果実生育は平年以上で、大玉だった前年並みと順調。ぶどうも結実は良好で、新梢生育も概ね順調。

技術対策
りんご:サビ果や果形不良果がみられるので、良質果を収穫するため、引き続き見直し摘果を進める。早生品種の収穫期となるので、硬度を重視した適期収穫に努める。また褐斑病が多発傾向なので、発生が確認されたら速やかに特別散布を実施する。
ぶどう:早期の適正着果量への誘導と、新梢管理によって棚面の明るさを確保する。

畜産

生育状況: 一番草の収量は平年並~不良。生育期間中の降水量不足のため、収量は少なくなった地域が多い。

技術対策
飼料作物:高温時には過放牧、過度の低刈り、短い間隔での刈取りを避ける。
草地更新では、秋播種にむけて、耕起、砕土、整地作業は丁寧に行う。
家畜:嗜好性の良い粗飼料、夜間の粗飼料給与、牛舎環境の再確認など、暑熱の影響緩和に努める。アブ・サシバエ対策を行い、牛へのストレス緩和に努める

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農林水産部 農業普及技術課 農業革新支援担当(農業研究センター駐在)
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